井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

初秋の芦別岳に登る!

2018-10-24 08:12:34 | 芦別・夕張山系の山
 9月も下旬になり大雪山などの高い山は紅葉の時期を迎えてきました。
秀岳荘スタッフの女性から芦別岳に登りたいとの話があったので初秋の紅葉を楽しみに出かけてきました。

 芦別岳は、旧道と新道があります。
現在では、新道を登る人がほとんどで旧道を登る人はごく少数の方たちです。
なぜかというと旧道は時間がかかる上に稜線に出るまでは沢登りのような登山道です。
稜線に出てからも狭い尾根がありアップダウンのきつい道なのです。
私は、過去に旧道を2回ほど使って山頂まで登っていますが、新道で山頂へ登るのは初めてです。


9月25日

 札幌を5時半に出ます。
新道とはいえ山頂までは5時間近くかかると踏んで早出にしました。
7時過ぎに富良野市山部にある登山口に着きました。

 7:25分、鹿よけのゲートを開けていよいよ登山開始です。
    
 ここから半面山までダラダラした登りが延々と続きます。
苦吟坂に入ると岩が出てくるので足元に注意して登ります。

 8:45分、見晴台まで登ってきました。
    

 後ろを振り返ると富良野盆地が一望できます。
    
     水田が黄色に輝いています。
     もう少しで刈り取りが始まります。

    
     樹々の葉先が紅葉しています。

 9:25分、2時間ほど登って、やっと、鶯谷です。
    
     ここは、山頂へ向かって右手の沢に降る登山道があり、ユーフレ小屋への分岐点となっています。

 苦吟坂より傾斜の増した尾根をひたすら登ります。
所々細い尾根もあり、気が抜けない登りが続きます。
    
     後ろには夫婦岩の峻厳な姿が見えます。
     こちらの少し紅葉が始まってきています。

    
     高度が上がるにしたがって紅葉の量が多くなってきます。

 10:10分、やっと半面山に到着しました。
    
     何ていうことのない開けた山頂です。

 ここから芦別岳の山頂が見えるはずなのですが、上空は厚い雲に覆われており山頂は見えません。

    

    
    雲峰山への登りの途中にある慰霊碑です。

 雲峰山へ向かうジグザグの登山道を歩いているとポツポツ雨が落ちてきます。
この時期の雨には注意が必要です。
身体を濡らしてしまうと風に吹かれ一気に体温が低下し、低体温症の恐れがあります。

    

 雲峰山から再度降ります。
そして、山頂まで続く最後の登りへ向かいます。
ガスが濃くなり辺りは真っ白です。
登るにしたがって岩が出てきます。
この岩が出てくるともう少しで山頂となります。

    
    上を見ると山頂標識の木杭が見えてます。

 11:50分、ようやく山頂到着です。
    
     山頂は風が当たるので少し下り風陰で休憩して食べ物を取ります。

 休憩ののちはガスが晴れないので降ります。
雲峰山に向かって降っているときです。
前方の雲が晴れてきました。
    
     雲峰山が見えてきました。

後ろを振り返ると山頂にかかっていた雲が切れて山頂が貌を見せてくれました。
    
    頑張ったご褒美ですね。

 ここから見る夫婦岩がかっこいい姿で目を楽しませてくれます。
    

 谷の奥には残雪が見えます。
    

 芦別岳は北海道では数少ない岩のゲレンデを持っています。
それが夫婦岩なのですが、残念なことにこの夫婦岩で命を落としたクライマーが何人もいます。
それだけ険しい山が芦別岳です。
新道ができたので、今は時間さえかければ誰でも登れる山になっていますが、旧道を登ってみると今でも急峻な山なのです。

    
    しっかり顔を見せてくれた芦別岳の山頂です。

    
    ゴツゴツした急峻な岩尾根がこの山の特徴です。

    
     やっと見つけた秋の花です。

    
    苦吟坂まで戻ってきました。

 もう少しで今日の登山も終わりです。
苦吟坂は長いので疲れた身体で降るのは大変です。
でも、長時間になった登山ですが初秋の芦別岳を満喫した1日でした。


春は芦別岳・本谷へ

2018-06-03 16:43:15 | 芦別・夕張山系の山
 今年のGWは、秀岳荘のセールがあり、そのお手伝いで終わってしまいました。

 何度かこの時期に芦別岳の本谷(ユーフレ川)を登っていますが、今回は秀岳荘で働くスタッフの人たちのスキルアップのお手伝いで登ることになりました。

 前日の夜、お店が終わったところで芦別岳の登山口へ向かいます。
前泊は、山辺にあるキャンプ場でテント泊です。
今回は、日高組3人に加え秀岳荘スタッフの女性2人の5人で挑みます。
夜10時過ぎにキャンプ場へ到着、この時期にテントを張っている人はほとんどいません。
さっさとテントを張ってすぐに就寝です。

 5月9日

 暗いうちに目を覚まし、前夜用意していたお弁当などをそれぞれが食べて登山準備をします。
天気は曇り、気温が低く身体がなかなか目を覚ましてくれません。
それでもあたりが明るくなってきたので出発します。

 5:00分、さあ、長い一日の始まりです。
旧道の登山口を目指してゆっくり歩きます。
歩き出しはゆっくり歩くのが疲れないコツです。
身体が目覚めるにしたがって自然にペースが上がってきます。

 鹿よけのゲートをゲートを開けて林道を歩くと、その先に駐車場があり、そこから先が登山道になります。
    
    出だしは快調なペースで歩きます。

登山道の所々に倒木が目につきます。
    
     どうやら昨年秋の台風による倒木のようです。

 沢沿いの道にも倒木があり、登山道を塞いでおりこの上なく歩きづらい状況になってます。
    

 何度かの高巻きをこなし、辺り一面行者ニンニクが畑のように生えている場所に突入。
堪えきれず休憩を取り、アイヌネギの収穫に励みます。
上物のアイヌネギをゲットして満足、まんぞく!

 少しずつ残雪が覆いかぶさってくる沢沿いを歩いていきます。
7:00分、右手から滝が流れ込み、丸木橋のある沢まで来ました。
沢水の水量を見ると飛び石伝いに渡れるか微妙な量です。
丸木橋はと見ると、なんと手前側の根元が折れており、以前の場所から下へ下がっているのです。
そのため、以前より丸木橋が急傾斜となっており、これを渡るのは難儀しそうです。
    

    
     左足が掛かっているあたりから折れています。
     そのため、丸木橋の傾斜が増しています。

 私は、ストックを使って飛び石伝いに渡渉しました。
あとから来た人たちにもストックを渡して、飛び石伝いの渡渉します。
ここは、最初の危険ポイントですので注意して渡渉します。

 この先はユーフレ川の奔流に沿って左岸を歩きます。

 25分ほどでユーフレ小屋が見えてきました。
    
     2年前に比べても雪の量が多いと感じました。

    
     ここで少し休憩を取り、いよいよ最大の難関、ゴルジュを目指します。

 左岸を歩きますが、雪の量が多く川岸が雪で覆われているので快調に歩けます。
    
    何か所か沢が開いています。

 7:55分、ゴルジュに到着です。
幸いゴルジュは雪で埋まっています。
まだ、4m~5mの積雪はありそうです。
    
 心配したゴルジュが埋まっていることで、あとは雪で埋まった本谷を歩くだけです。

 本谷は、両側からの雪崩のデブリで埋まっています。
    

    

    
    数日前に降った新雪が雪崩れたデブリのようです。

    
    アイゼンの歯をしっかりと雪面に食い込ませながら快調なペースで登ります。
スタッフの女性2人も遅れることなく登ってきます。
曇り空が少しずつ明るくなり、上空に青空が顔を見せてきます。

    
     気温が低いので左右の枝沢からの雪崩は心配ないものの、デブリの後を歩くのは緊張します。
このすぐ上が、三股です。
 
 10:00分、やっと三股に到着です。
ここで休憩を取り、さらに傾斜が増してくる本谷に備えます。

 さあ、ここからが正念場です。
S字に曲がる30度を超える雪面を登ります。
傾斜が急なだけでなく、雪面が固いので1歩づつ2度蹴り込み登ります。
2名女性スタッフはピッケルを出し、アイゼンピッケルによる登行を体験します。
今回の目的の一つが、彼女らにこの登高を経験してもらうことです。

    
    本谷の登るにしたがってガスが晴れてきます。
本谷の傾斜に驚きながら、本谷の全景やその向こうに見える旧道の尾根、夫婦岩などの景観を楽しみます。

    
    上を見ると芦別岳の本峰が見えています。

 11:55分、本谷を抜け、山頂に続く岩場を登ると、そこが芦別岳の山頂です。
    

 山頂に向かって岩場を登っている頃からまたガスが出てきます。
山頂では、残念ながら周囲の景観を楽しむことができませんでした。
それでも風のない山頂でしたので昼食を取り、ゆっくり休憩します。
女性スタッフの方たちがガスコンロを出しラーメンを作り出しました。
1人は、下でとってきた行者ニンニク入りのラーメンです。

 去りがたいのですが、ガスが晴れないようですので下山します。
山頂からは新道を下山しますが、この山頂部から20mほどは十分注意して雪面を下ります。
この区間で滑落すると本谷に向かって真っすぐ落ちてしまう恐れがあるからです。

 慎重にこの区間を下れば、あとは真下に向かってドンドン雪を飛ばしながら下ります。
新道のほとんどが雪に覆われているので帰りは早いです。

 14:45分、2時間半ほどで新道を下り、ゲートに到着です。

    
    キャンプ場のある自然公園は桜が満開でした。

    
    2年前にも見た、きれいな桜です。

 今日は長い一日でしたが、おおむねいい天気に恵まれ本谷を登れたのは幸せなことです。
次があるか? この先は、高まる年齢と残された体力との戦いになります。
 
    

昨年の雪辱を果たす、芦別岳・本谷

2016-06-22 10:12:47 | 芦別・夕張山系の山
 昨年、芦別岳の本谷へ行きましたが、三股から上で吹雪に遭い、本谷はほぼ登りましたが山頂を踏むことができずに敗退しました。

 その雪辱を果たすべく、今年も行ってきました。

 今回は4人での挑戦となりました。
前日の夜6時に札幌を出発して「太陽の里」キャンプ場で前泊します。

 5月15日(日曜日)

 朝5:15分、出発です。
   
   空は曇っているものの、まあまあの天気です。

 10分ほど歩くと鹿除けの冊があり、ゲートをくぐり林道を歩きます。
   

 登山道は例年のように雪が消えていますが、この時期は浮石も多いため慎重に歩きます。
   
   3~4回の高巻きがあり、荒れたところもあるので注意します。

 5月1日に、この高巻きの登山道から転落するという事故がありました。
注意するに越したことはありません。

 さて、1時間40分ほどで滝のある所へ出ます。
いつもはこの滝の下を飛び石を利用して渡渉しますが、今回は水量があり飛び石では無理のようです。
やむなく、滝の下にある大きな丸木橋を渡ることにします。
  
  丸木の下はゴウゴウと沢水が流れています。
ちょっと恐怖心をあおられる橋ですが、慎重に渡ります。
   
   今日最初の核心ともいえる丸木橋渡りですが、幸いなことに木が濡れていないのでそれほど滑らず良かったです。
  
   
   この橋を渡ったところでガイドツァーの人たちが休んでいました。
   年配の女性5人とガイドさんです。
 皆さんの装備はペルメット着用と決まっていました。 

 この丸木橋を越えると、ほどなく、ユーフレ小屋に到着です。

 7:05分、ほぼ2時間ほどでユーフレ小屋に着きました。
    
    昨年より小屋の周りの雪の量は多いようです。
 ここで少しゆっくり休憩を取ります。

   
   ユーフレ小屋からは左岸を登ります。

   
   所々沢が開いていますので慎重にキックステップを使い歩きます。

   
   雪の斜面を滑り降りると沢に落ちてしまいます。
   慎重さが求められます。

 前方にゴルジュが見えてきました。
   
   右岸からの雪崩で埋まっていますが、GWにはこのゴルジュが開いており沢が顔を出しており高巻きをしないと越えられなかったようです。

   
   最狭部は塞がっていましたが、その上流部に1か所開いている所がありました。

 この開いているところでミスをしてしまいました。
なんと、キックステップが滑って3mほど下の沢に落ちてしまいました。
幸いなことに沢が浅かったので右足を濡らしただけで助かりました。

 靴を脱が、靴下の水を絞り、再スタートです。

 ここから上流部はすべて雪で覆われており、表面が固いのでアイゼンを付けて登ります。

   

   
   きれいな景色ですが、左右から雪崩れた跡があり、落石もあるので気を配りながら登ります。

 9:25分、ほぼ三股に到着です。

 この付近は右股からのデブリが溜まっています。
   
   こんなブロックに直撃されたら一溜りもありません。

   
   かなり高度を稼いだので下の見晴らしもよくなってきます。

 さあ、ここからが本谷の正念場です。
三股からは正面に見えるやや細い谷を登ります。
昨年は、ここから右股に入ったために苦労してしまいました。

   

   
   約1時間、辛抱して登るとほぼ本谷が終了します。

   
   本谷の向こうに見える稜線は旧道の稜線です。

 11:15分、山頂に到着です。
ここまで約6時間、その半分が雪の上です。
枝沢からの落石や雪崩に注意しながら登らなければなりません。
また、沢が開いている個所では高巻きをどうするかの判断が求められます。
本谷は、そういった総合力を試されるルートです。

   
   今回のメンバーです。
   左からOn氏、Sz氏、Mocoさん、私です。

   
   新道から登ってきたグループが目の下に見えています。
   最後となる雪の斜面を登ってきます。

   
   夕張岳が見えています。

   
   遠くには十勝連峰も見えています。

 さあ、帰りは新道を使って下山します。
   
   雪の壁を走るように降ります。

   
   あっという間に山頂が遠くなります。

   
   夫婦岩です。

   
   鶯谷の分岐です。
今年はこの辺りでもまだまだ沢山の雪がありました。

 14:00分、やっと下山できました。
   

 「太陽の里」では桜が満開を迎えていました。
   
   満開の桜と芦別岳、きれいでした!!

 

芦別岳・本谷へ!

2015-06-03 20:27:43 | 芦別・夕張山系の山
 日高へ一緒に登っていたKm氏の息子さんと飲む機会がありました。
その時に一緒に飲んだ彼の上司が大学時代山岳部に入っていた方でした。
飲み会の席でも山話が弾み楽しい飲み会となりました。
その折に芦別岳の本谷を登ってみたいと言っていましたので5月16日~17日に行くことで約束していました。

 5月16日は、午後から札幌を出発して芦別岳の麓にある「太陽の里」キャンプ場でテント泊をします。
翌17日に日帰りで本谷を登る計画で挑みました。
参加者は、いつも一緒に登っているSz氏と私、それにYb氏の3人です。


 5月17日(日曜日)

 朝4時に目を覚まし、朝食を食べて出発します。
   
   テントは草原に張りました。

   
   登山道の入り口に設置されている鹿除けのゲートです。
このゲ-トを5:00分に通過します。
ここから1.2kほど林道歩きとなります。
その先はユーフレ川に沿って登ります。
歩いているときに霧雨が2ほど降ってきましたが、雨具を着るほどではありません。
それもすぐに止んでしまいました。

 途中に5~6カ所高巻きがありますが、Yb氏の足取りは順調です。

 6:40分、滝下の渡渉点に着きました。
   
   ここには1本の木が橋のように架けられていますが、この木は滝の飛沫で濡れており、とても歩けるものではありません。
私たちは、木の上流側を飛び石を使って渡りました。

   
   上流にある滝です。
   水量がありますのでなかなかの迫力です。

 7:00分、約時間でユーフレ小屋に着きました。
   
   小屋の付近に雪が残っているのでゴルジュは雪で埋まっていることでしょう。
   今年は雪が少ないのでちょっと心配していました。
 ここで少し休んで飲み物や軽食を口に入れます。

 ここからは、左岸沿いに進みます。
ほどなく沢が雪で埋まってきます。
   

 そして、ゴルジュまで来ました。
    
   ゴルジュはまだまだ厚い雪で埋まっていました。

 ここから先は雪の上を歩くと思いアイゼンを付けます。
しかし、すぐ先で沢が開いているではありませんか。
でも右岸沿いに難なく抜けることができました。
ここから先はズーッと雪の上です。

    
   天気が気になってきます。
沢の上部が雲で隠れています。
視界がないのが気になります。

    
   登るにしたがって傾斜が増してきます。
枝沢からの雪崩の跡はそれほど目につきません。

   
   前方に三股が見えてきますが、そのすぐ上は雲で見えないのです。
パラパラと霰が降ってきます。
風も強くなってきました。

   
   私たちの後ろから若者が5人ほど登ってきます。

 さて、三股からどう登るかで私とSz氏の意見が別れました。
私は正面に見える真ん中の沢を登るように主張したのですが、Sz氏はいったん右股に入りすぐに左へ曲がれば傾斜が少しゆるく登れるといいます。
そのルートを私は登ったことがないのですが、ここから上は雪面の表面が堅くなっているので傾斜がいくらかでもゆるいならその方がいいかと思いSz氏の言う右股に入ることとします。

 しかし、右股に入って少し登ると視界が10m~20mほどになってしまいました。
そため、Sz氏のいう左へ進む起点となるポイントがうまく見つけられないのです。
やむなく、上の方が白く見えている方向へ向かって登ります。
感覚的にも本谷を右にずれてることは分かっていたのですが、上部の稜線には旧道がありますのでとりあえずどんどん登ります。

 やっと稜線まで登ると、そこは強風が吹き荒れていました。
そのため、後から登ってくる2人を待つために風陰に隠れます。
視界がないことと強風が吹き荒れる稜線で待つこと20分、11:20分、2人が稜線に到着します。
   
 ここから本谷上部のコルを目指して旧道を歩きます。
20分ほどでコルに到着いたのですが、ここから山頂へ向かうには風が強すぎます。
3人で協議した結果、山頂を目の前にして下山することにしました。

 ここからの下山も緊張を強いられれるものでした。
急傾斜の固い雪面、おまけに積もった霰が風に吹き飛ばされてサラサラと流れてくるのです。
アイゼンの爪がこの霰によって雪面への食い込みが甘くなるのです。
ここは安全性を高めるためにバックステップで本谷を降ります。

 三股までは気の抜けない下りが続きます。
3人が三股まで下ってホッと一息つけました。
この三股からの登行でYb氏の消耗が激しく疲れが溜まっていました。

しかし、さすがに大学で山岳部に入っていた人です。
泣き言ひとつ言いません。

 ここからの下山は、消耗した身体にとって厳しい高巻きの登り返しがあります。
それを乗り切って登山口へ戻ってきたのは17:00分でした。

 やあやあ、長い1日が終わりました!



新緑の夕張岳に登る!

2014-06-24 20:31:23 | 芦別・夕張山系の山
 6月に入ってから風邪のためすっかり体調を壊していました。
咳がなかなか鎮まらず10日間ほどは夜も眠れないくらいでした。
3週間が経過して、やっと、体を動かしても良い気持ちになってきました。

 そこで選択した山が夕張岳です。
この時期に山開きを迎える夕張岳ですが、今年の山開きは6月22日の日曜日でした。
その翌日となる23日に私達は夕張岳に向かいました。

 夕張岳の登山口となる林道はシューパロダムが出来たことによりすっかり様変わりしていました。
シューパロトンネルを抜けると右手にシューパロダムのダム湖が見えてきます。
このダム湖の中を真っ直ぐに橋が通っています。
この橋の入り口が分かりづらく、標識もないので通り過ぎてしまったくらいです。

 トンネルを抜けるとすぐに橋に向かう道路が見えてきますので減速していた方がいいでしょう。
展望台のような施設の手前から右折します。
そしてシューパロダム湖の上を気持ちよく走ると、あとは道なりに走っていけば以前の林道に繋がります。

 札幌から登山口までは約2時間ほどの道程になります。
今年の注意点として林道は登山口の手前7キロの地点でゲートが閉じられています。
林道の一部に崖崩れの恐れがあるためこのような措置が執られています。
詳しくは森林管理局の林道情報をご覧ください。

 林道情報はこちらのアドレスからご覧になれます。
  http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/nyurin_kisei.html

 私達は6時に札幌を発ち、8時にこのゲートに到着しました。
ゲートの手前に20台ほど駐車できるように整備されています。
   
   この駐車場に車を止めます。

 ここからゲートをくぐり、林道歩きが始まります。
   
   8:15分にゲート前を出発しました。

 そして、木漏れ陽の林道を快調に歩きます。
9:35分、以前はここまで登ってこれた所にあるゲートに到着です。
   
   このゲートを抜け急な坂道となる林道を一登りして、やっと、登山口(冷水コース)に到着です。

 ここで小休止を取って息を整えます。
山頂までは、ここから6.5キロほどあります。

 9:50分、登山口を出発します。
涸沢状態の登山道を登ります。
左右の笹が刈り払われているので見通しも利く登山道となっています。
(整備していただいた人達に感謝です!!)

 順調に登っていくと約1時間ほどで水場に到着です。
   
   ここで冷たい水を汲んで行きます。

 ここからは急な登山道を喘ぎ喘ぎ登ります。
病み上がりの身体ですが思った以上に身体が動きます。

 11:25分、シラネアオイが顔を見せるようになってくると石原平です。
しかし、今年は開花が早いせいななのかスラネアオイの花の色が白く色抜けしたような状態になっています。
   

   
   あまり良い色の花がありませんでした。

 ここからさらに傾斜の増す登山道を登ります。
トラバースするところには転落防止用にザイルが固定されています。
ここを慎重に抜けると望岳台です。

 11:45分、望岳台に到着しました。
   
   ここで休んでいる人達がいました。
   子供さんもいましたが、ここまで約10キロは歩いているでしょうか?

 ここまで来ると、もう一登りで急な坂とはお別れです。
やっと登り切ると、いつもある雪渓が目に入ってきません。
今年は雪融け例年以上に進んでいるようです。

   
   エゾノリュウキンカの花が咲いていました。

   
   山頂が見えてきました。
まだまだ、遠く見えます。
ここから少し進むと高層湿原部に入ります。

 12:15分、男岩の横を通り抜けます。
   

 湿原部には木道が整備されています。
その木道の両側にいろいろな花が咲いて私達の目を楽しませてくれます。
   
   チングルマです。

   
   ミヤマオダマキです。

 そして名前の分からないのが次の写真です。
   
   この花の名前を知っている方がいましたら教えてください。
(シロウマアサツキではないかと教えていただきました。)

 木道を歩いて最後のところで一休みします。
この先は、また急な登が待ちかまえています。

 吹き通しには夕張草が咲いているのですが、どの花も咲き終わっているようでした。
   
   白い花が穂先の先端部分にしかありません。
   下の部分は咲き終わっているようです。
 
 ここから山頂部にかけても花が楽しめます。
   
   ハクサンイチゲです。

   
   ハクサンチドリです。

   
   

 花を楽しみながら急斜面を登ります。
そして夕張神社の社まで来ると山頂は目の前です。
   

 13:15分、夕張岳の山頂に到着です。
芦別岳の山頂は雲の中ですが、おおむね視界が利くいい天気です。
   

 山頂は風が強いので神社前まで降って昼食の休憩を取ります。
担ぎ上げた水を沸かしてカップ麺を食べます。
汗をかいた身体が冷えてきたので暖かい食べ物は疲れを取ってくれます。

 14:00分、降りに掛かる時間を考えると山頂でゆっくりしてもいられません。
駐車場まで4時間は掛かるとみています。

 下山時も花を楽しみながら降ります。
   
   アズマギクでしょうか。

   
   大きな一株だけ色鮮やかなシラネアオイがありました。

 降りは快調に飛ばします。
といっても疲れた身体に急斜面の降りは応えます。
痛くなってくる膝や太股の筋肉を休ませるために適当に休憩を入れます。

 16:30分、夕張岳ヒュッテに到着です。
この山小屋は新築されたばかりです。
   
   小屋の外観です。
この写真の左手に沢水を引いた小屋があります。

   
   小屋の中です。

 小屋中をゆっくり見たかったのです、時間が押していたのと靴を脱ぐのが面倒でしたのでちょっと覗いただけです。

 今度は、ぜひこの小屋に泊まってみたいと思いました。
さて、ここから林道歩きを1時間半はしなければなりません。
疲れた身体にむち打って歩きます。

 18:10分、やっと駐車場に戻ってきました。
やれやれ、今日の行動時間は丁度10時間、お疲れさまでした!!

 

  
 

 

山開きの夕張岳に登る!

2012-06-21 14:13:49 | 芦別・夕張山系の山
 6月16日(日) 今日は夕張岳の山開きです。
夕張岳には貴重なユウバリソウが咲いています。
そのユウバリソウが盗掘に遭い絶滅が危惧されています。
こんな事情からユウバリソウが咲き出すまで麓の林道を閉じて入山できないようになっています。

 今日は晴れてその林道が解放されます。
数年振りに夕張岳に登りたくなって出掛けてみました。

 札幌を朝6時過ぎに出発しました。
夕張の中心部を過ぎて桂沢湖へ向かう道路に入ったのですが、どうも様子が違います。
道路が立派すぎるのです。
どうやらシューパロダムの建設に伴い道路が変わっているようです。

 これを知らずに林道の入口が見つけられずに通り過ぎてしまいました。
おかしいことに気づいてUターンします。
やっと、夕張岳と書かれた標識を見つけました。
札幌から走ってくる道路の左側にでなくて、反対の右側に標識があるので見つけられなかったのです。

 この林道も結構な長さがあります。
札幌から2時間掛かってやっと登山口です。
登山口にはすでに駐車している車が林道に止められています。
   
  
 8:45分、私としては随分遅い出発になってしまいました。
12時には山頂に着きたいので頑張って歩くことにします。
しかし、前回来た時と道路の様子が違います。
ここから先にこんな立派な林道があったかな?と思いながら歩きます。

 10分ほど登ってやっと見覚えのある登山口に到着です。
   
    この標識の右から登るのが冷水沢コースです。

 今日は、この令す井沢コースを登り、降りは馬の背コースを降りる予定です。
つづら折りの登山道をゆっくり登ります。
所々笹が登山道を覆い隠し足元の見えない場所があります。

 50分ほどで冷水沢に到着、水も飲まずに先を急ぎます。
9:50分、馬の背コースとの分岐に到着、ここで軽く一息入れます。
   

 さらに先を急ぎます。
すると、登山道に大きな糞が落ちています。
   
    熊の落とし物だと思います。暗緑色をしておりフキなどを食べたようです。

 ほどなく石原平に到着です。
ここはシラネアオイの大群落があります。
   
    
    これだけ大きな群落は、他の山では見ることができません。

 登山道の上の方で鈴の音が聞こえました。
5分ほど登るとお年寄りが登山道にある岩に腰掛けて休んでいます。
挨拶をしてお話を聞くと、何と83歳とのことです。
娘さんと登っているが、今日は体調が悪いので望岳台で引き返そうかと思っていると話してくれます。
 私は、登っている先で娘さんに逢ったらその旨伝えますねと言って別れました。

 10:15分、望岳台に到着です。
   
    ここで、少し休みます。
   
    芦別岳が見えています。

 15分ほど歩くとやっと急な登坂部が終わります。
前方の視界が開け山頂が見えてきます。
   
    ここから先に高層湿原が広がります。

 花も咲いています。
   
   
   
 
 さすが、花の名山といわれる夕張岳です。
まだ夏山シーズンが始まったばかりだというのにいろいろな花が咲いています。

   
    この雪渓がある場所は池になっているのですが、今は半分が雪で覆われています。

   

   
    まだまだ雪が残っています。

   
    木道が続きます。
 この辺りがお花畑です。
   
   
   
   
   
   

 そして、ユウバリソウにご対面です。
   

 ユウバリソウが咲いている場所は山頂下にある砂礫地です。
   
    このコルにあるほんの少しの砂礫地にしか咲いていないのです。

   
    
   
 山頂下には神社の社があります。
   
    この社の前で今年1年の登山が怪我なく登れるようにお参りします。

 11:35分、山頂に到着です。
   

 雲海の上に遠くの山々が見えています。
羊蹄山に積丹半島の山、まだ雪が多く光り輝く暑寒別の山々、間近には十勝連峰、群青色の日高、それらの山がグルーッと夕張岳を囲んでいます。

   
     山頂から登ってきたルートを振り返ります。

 30分ほど休んで下山します。

 馬の背からのつづら折りの登山道を転げるように駆け降ります。
膝が悲鳴を上げますが、急な坂道で足が自然と速くなってしまうのです。

 14:15分、夕張山荘に到着です。
   

 山荘の左横に新しい小屋を造る基礎ができています。
6~7人の人達が忙しそうに土木仕事をしています。
話を聞くと、ボランティアで小屋の新築工事をしているようです。
廃材を使ってログを組み新しい小屋を建てるようです。

「ユウバリコザクラの会」の皆さんでした。
 

芦別岳 10年5月

2011-05-30 05:44:26 | 芦別・夕張山系の山
ここで、昨年登った芦別岳の状況もアップしておきます。

 昨年は5月30日に本谷を登りました。
この日は日曜日ということもあって本谷を登った人が14人~15人ほどおり、なかなか盛況でした。

 私はいつものOchi氏と二人で登りました。
29日に太陽の里キャンプ場で1拍、30日の早朝5:30分に出発、天気は上々の中ユーフレ川を遡上しました。

 三段の滝下にある最初の渡渉点は今回同様に雪解け水で水嵩が増しており、Ochi氏は沢を飛び越えることが出来ず、仕方なく倒木にまたがり何とかクリア、しかし、この倒木の橋は何とかならないものかといつも思います。

 ユーフレ小屋が見えてきました。
  
 私は、この本谷を登るのは初めてです。
ユーフレ小屋を目にするのも初めてでしたので興味深く見ていました。
この小屋は何といっても古い小屋なのです。
河原の石をコンクリートで固めて作った小さな小屋です。
雑木林の中にある佇まいはとてもしっくり来るものでした。

 さて、さて、雪の状態はというと、昨年はこの通りユーフレ小屋の回りにまだまだ残っていました。
ここで休憩の後、いよいよ本谷の遡上が始まります。

ユーフレ小屋から2百メートルほど左岸を遡上すると本谷は雪で埋まっています。
雪で埋まった谷を快調に歩くとほどなくゴルジュに到着です。
   
    今年と較べると完全にゴルジュは雪で埋まっています。
    通過するときにシュルンドから谷底を覗くと雪の暑さはまだまだ厚く4~5mは有りそうでした。

 ここで、アイゼンを付けて歩きます。
    
  沢にはデブリが厚く堆積しているところがありそれを越えて歩きます。
 前方に先行者がいるのでその後を追うようにして歩きます。

 単独の男性に追いついたので少し話をします。
この男性の出で立ちがとてもクラシカルなものでした。
年齢は65歳ほどでしょうか。
尻皮を腰から下げ、シャフトがウッドのピッケルを持っています。
ここ3年ほどこの時期の本谷を登りに来ているなどと話してくれます。
足取りは重いのですが、なかなかの年期を感じさせる人でした。

 前方に真っ直ぐ伸びるルンゼが見えてきました。
   
 よく見ると、このルンゼを登っているグループがいます。
4人~5人ののグループの後に単独の人もいます。

 このルンゼが本谷?
ちょっと意外に感じました。
谷というより単なる浅い谷です。
どう見ても山頂へ続く本谷とは思えません。

 私達は、この真っ直ぐ伸びるルンゼには入らず少し右へ曲がる谷へ進みます。
すると左手に真っ直ぐ伸びる大きな谷となって上へ続いています。
先ほどのグループが本谷を目指しているとしたらコースミスをしているようです。

 三ツ股と思われる地点に来ました。
ここで遅れがちなOchi氏待って休んでいると先ほどのグループが追いついてきます。
やはりコースミスをしてたようです。

 ここで谷の様子をよく見ます。
前方に真っ直ぐ伸びている谷は直ぐ先で岩稜に突き当たっています。
その先が良く分かりません。
左の谷は細く上に向かって伸びています。
右の谷は大きく口を開け少し曲がりながら上に伸びているようです。

 私はこの本谷を登るのが初めてでしたので、みなさんの動向を観察していました。
すると、みなさん右の谷へ登っていきます。
インターネットで調べた記録では三ツ股は真っ直ぐ登ると有りましたので、ちょっと気にしながら追いついたOchi氏と休んでいました。

 まだ三ツ股には達していないかと思い、休憩後にみなさんの後を登ります。
   
    このように沢山の人が登っています。
    一番右側にいる人が尻皮、ウッドのピッケルを持っているおじいさんです。
 
 さてさて、左側の谷を詰め小さな尾根に出ると目の前に何と本峰が正面に見えているではありませんか。
    
 どうやら、今、登っている谷はやはり右股のようです。
一番先を登っていた4~5人のグループが尾根の上で右往左往しています。

 ここで右往左往しても仕方がありません。
私は少し右手に伸びている残雪を登ります。
このまま稜線まで上れば旧道にたどり着くからです。

 ドンドン傾斜が増してきます。
残雪も細くなり先には黒々としたハイ松が見えてきます。
藪漕ぎは出来るだけ避けたいので残雪を繋いで何とか登ります。
 
 後ろを見るとみなさん私のトレースを使って登ってきます。
とうとう雪がなくなってしまったので岩陰でハイ松が薄いところを利用して藪漕ぎに突入です。
20mほど藪漕ぎをすると旧道に出ました。

 旧道でOchi氏を待っているとゾクゾク登ってきます。
一番最後に喘ぎ喘ぎOchi氏が到着です。
ここでアイゼンを外し休憩します。

 Ochi氏の話では、あの尻皮の男性がこの右股は本谷ではないのだが・・・と言って登っていたといいます。
何ということでしょう。
私は、この男性が3年続けて本谷へ来ているといっていたのでこのコースを一番熟知していると思い、この男性がみんなの後を登っているので三ツ股はまだ上にあるかと思っていました。

 でも、それは私の思い違いだったようです。
この男性も先を登る人達にツラレて登る「付いていくだけの人」だったようです。
そういう私も、この時点では「付いていくだけの人」でしたので偉そうなことは言えません。

 でも、本峰と本谷上部の姿を見ることが出来たのですからOKとします。
それにしても、本谷上部にシュプールが刻まれています。
この谷をスキーで滑った人がいるようです。
なかなか勇気のある人ですね。

 結局、山頂に着いたのは12:55分、約7時間30分ほどかかって本谷を登ったことになります。  
  
   
    見づらいかもしれませんが右股を登ったルートを赤い線で示してみました。
    こうやってみるとなかなかのところを登ったものです。

 この日は天気の恵まれコースミスはあったものの充実した登山でした。
本谷は雪崩のデブリがあちらこちらにあり、なかなか凄い谷だと思いました。


芦別岳 11年5月

2011-05-27 21:43:15 | 芦別・夕張山系の山
 5月も下旬になって芦別岳(1,726m)のユーフレ川本谷を登る計画を立てました。

 この時期の本谷は、残雪と枝沢からの雪崩などが沢を埋めているために最短距離で山頂へ行くことが出来ます。
ただし、ネックがありまして中流部に深いゴルジュがあります。
このゴルジュの雪が融け沢が顔を出していると高巻きに1時間以上を要するだけでなく高巻く個所が岩場ですので相応の危険もあります。

 そんなわけで、この本谷を登るには枝沢からの雪崩が落ち着き尚かつゴルジュがタップリの雪で埋まっている5月のゴールデンウィーク明け辺りから中旬がベストとされています。

 そういった意味では今回の25日という日程は少し遅いのですが、昨年は5月30日に同じコースを歩いており、ゴルジュの雪がまだまだタップリあったのに味をしめての計画となってます。

 昨年もこの本谷を登ったのですが、三つ股からコースを外れ右股を登ってしまったため本谷を最後まで詰めるためといつも一緒に行くO氏がこの本谷を登ったことがないというので計画しました。
 (昨年の本谷山行は、あらためてブログにアップしたいと思います。)
S氏は自宅の屋根と壁の塗装作業があり同行できません。
替わってO氏が所属している山の会の会員であるK氏が一緒に行くことになりました。


 5月24日、
 
 仕事が終わってから市内某所に集合し一路芦別岳の登山口となる富良野市山部にある「太陽の里キャンプ場」を目指します。 
札幌から2時間半ほどでキャンプ場に着きました。
あいにく降りだした雨の中でテントを立てて寝てしまいます。
この雨は天気予報では夜半で止むということです。

明日の天気は回復し曇りのち晴れです。
安心して雨音を聞きながら寝てしまいます。


 5月25日、

 4時に目を覚まし早速朝食(いつもの餅入りラーメン)を食べて登山準備をします。
テントを畳むと5時45分出発です。

空模様は曇りですがところどころ明るいところもある空です。
天気予報通り回復傾向にあるようです。

 登山道はユーフレ川の左岸に沿って登ります。
何カ所かの高巻きがあり結構な時間が掛かります。

 最初の難関に到着です。
三段の滝下を渡渉しなければなりません。
    
    写真のように倒木が1本丸木橋のようにありますが、この木は沢水などで
   濡れており滑りそうです。
    結局、丸木橋の上部をエイ、ヤット気合いで飛んで渡ります。
   この時期は、いつもこの渡渉で緊張させられます。

 この渡渉を終えるともう少しでユーフレ小屋です。

7時30分、ユーフレ小屋に到着です。
   
    最近は、このユーフレ小屋を使う人が少ないようです。
   随分古い小屋ですので老朽化していることに加え窓が小さいので薄暗く
   暗い印象の小屋のせいでしょうか。

 ここで休憩を取ったのですが、小屋の回りを見ると昨年夜大分雪が少ないようです。
昨年は、この小屋の前にも雪がありました。
ちょっと嫌な感じがします。

 小屋を立ち、いよいよ本谷の遡上が始まります。
案の定、沢が開きゴーゴーと水音がしており沢を埋める雪の姿が見えてきません。
ドンドンゴルジュに近づいていきます。

 ゴルジュの手前で雪が姿を見せてきましたが、その前に渡渉をしなければなりません。
予想外のことですが、左岸から右岸への渡渉が必要です。
   
   この渡渉も際どいところで1メートルほどの岩を飛んで何とか渡ることが出来ました。

 さらに進みますが所々沢が口を開けて行く手を阻みます。
   
   左岸の岩をへツリ何とか先へ進みます。

 やっとゴルジュが見えてきました。
   
    何ということでしょう。
    ゴルジュの手前の雪が融けてぱっくりと口を開けています。

 でも、よく見ると左岸を何とかへツリその先にある雪の上に出られそうです。
慎重に歩を進め何とかクリアします。
   
    ゴルジュを抜けたところです。
 
 でも、さらにその先に沢が口を開けているのです。
   
    ここも左岸の岩を慎重にヘツリます。 
   
    ここから先はどうやら雪の上を歩けそうです。

 8:20分、緊張続きでゴルジュを何とか越えて、ホット一息です。
ここでアイゼンを付けることにします。
   

   ここ川は沢を埋めた雪の上を快調に登ります。
   
   でも油断は禁物です。
左右の岩壁の上から落石があるかもしれません。
上と左右に気を配り耳を澄まし五感を働かせながら登ります。
   
    こんな岩崩れが沢を埋めたり
   
    雪崩れた雪が沢を埋めています。

   時々上空の雲が切れると山頂部に続く稜線が顔を見せてくれます。
   

 9:25分、三ツ股の直ぐ下まで登ってきました。
ここで休憩してじっくりと沢筋を確認します。
昨年はここでコースを間違えて右股へ入ってしまいました。
   

   右股から雪庇が崩れたのか背丈以上ある大きなブロックがドーンと沢の上にあります。
   
   こんな大きなブロックが崩れたのに遭遇してしまったら逃げようがありませんね。

 今回はこの三ツ股から慎重にコースを選び本沢を詰めます。
しかし、この三ツ股からは一層斜度がきつくなり辛抱の登りが続きます。
   

 山頂下でやっと雪とお別れです。
ここからは夏道が顔を出しています。
アイゼンを脱いで一息つきます。

 私は、いつもミルクティーをテルモスに詰めて持っていくのですが、この一杯のミルクティーが力をくれます。

 11:50分、山頂に到着です。
ここまで約6時間、みんな頑張りました。

   
    左が今回初めて一緒に登ったK氏、右は本谷を初めて登ったO氏です。

 今回の本谷はゴルジュが開いているという最悪の条件でしたが、3人が力を合わせて何とか山頂まで登ってくることが出来ました。

 山頂は雲に覆われていましたが、時折雲が薄くなり辺りの景色を見せてくれます。
    
    下山路となる雲峰山の姿です。

 当初の計画では、本谷を遡上し本谷を下降するつもりでしたが、ゴルジュが開いていることもあり手軽で確実な新道を下ることにしました。

 山頂下でゆっくり休んだにもかかわらず、離れがたい山頂で再度休憩を取り軽く昼食を食べます。

 雲の切れ間から姿を見せる旧道の尾根などを見ながら至福の時間を楽しみます。

12:15分、 山頂を後にします。

 途中の雲峰山で本谷から旧道の尾根が姿を見せたのでコースの確認をします。
 (昨年登った右股をあらためて確認しましたが、なかなか凄いところを登っていました。)
   

 夫婦岩に刻まれているXルンゼの姿もハッキリと確認できます。
  

 後は半面山(13:15分)から鶯谷(14:00)へと退屈な下降が続きます。
鶯谷の辺りは昨年より雪が残っているように感じました。

そしてようやく新道の登山口です。
そこには登山口に不釣り合いな金網のゲートが作られていました。

 15:30分、ゲートから出てやっと本日の登山の終了です。
しかし、このゲートは何のために作られたものなのでしょうか?


 今回歩いたルートのログを地形図に落としました。 
   
  


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  芦別岳は北海道には珍しい岩稜を持っている山です。
 旧道から見た山頂は槍が岳のように尖った岩峰です。
 しかし、旧道は距離が長く登り返しも多いのでタフなコースです。
 そのため、新道から登る人が圧倒的に多いのです。

  私は、旧道からしか登ったことがありません。
 圧倒的な迫力で迫る夫婦岩の岩肌は畏怖感を抱かせるものです。
 ぜひ一度は歩いていただきたいコースです。

夕張岳・花・花・花・・・

2008-07-01 21:06:52 | 芦別・夕張山系の山
今日は、夕張岳に咲く花を楽しんでください。
  

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

ざっとこんな感じの花が咲いていました。
私は花の名前がなかなか覚えられません。

写真だけお見せしますので、花に詳しい方は
自分で名前を考えてください。

これらの花は、山頂近くのガレ場から山頂にかけて
写したものがほとんどです。



夕張岳2

2008-06-30 21:07:10 | 芦別・夕張山系の山
馬の背コースはいきなりの急登から始まります。
尾根の取り付きですので、急な坂道になるのは
当たり前のことです。
この急な斜面をジグザグに登っていきます。
15分の歩くと汗が噴き出してきます。
ゆっくりを心がけて歩いていきます。
思ったほど息も乱れずまずは順調な滑り出しです。

尾根に上がってからも急登が続きます。
しばらく歩くとすぐ近くから人の話し声が聞こえてきます。
おやっと思ったのですが、冷水コースを歩いている人の声だと思います。
谷間に反響しているせいか、すぐ近くを歩いているように聞こえます。

7時50分、二の越という立派な標識があります。
この標識を越えて5分ほどで冷水コースとの分岐点に
着きました。
ここで少し休憩します。

2組ほどの人が歩いていきます。
そろそろ行こうかと思ったときに10人ほどの団体さんがやってきます。
先に行きそびれてしまいましたので、後を付いていくことにします。
一番最後を歩く人と話ながら歩いていると、
この人達はオホーツクの紋別市から来た人達でした。
昨晩は清水沢に泊まったといっています。
それにしては、遅いスタートだと思います。
私なら、登山口を遅くても6時には着いて歩き出していると思います。

のんびり歩いていると、「先へ行ってください。」といわれ、
皆さん横へ避けてくれます。
行為を無駄にしてはいけないと思い、お礼を言って先に出ます。

8時25分、望岳台に着きます。
ここからは眺望が開けてきます。
目の前には滝沢岳が見えています。
このまま休まずに歩いていきます。

憩沢には10人ほどの団体が休んでいます。
その団体を追い越して、やっと、高層湿原にたどり着きます。
ここからは山頂下までなだらかな斜面が続きます。

    
中央に突き出たガマ岩の向こうが夕張岳の山頂です。

ガマ岩を回った横に小さな沼があります。
     
 この池がひょうたん池です。
池の縁には、エゾリュウキンカの黄色い花が満開です。

ほどなく木道が続きます。
天気がいいのでのんびり歩いていきます。

天気がいいので、木道脇の花々を楽しみながら歩いていきます。

地下水が突き刺したビニール管から流れ出しているところがあります。

数年前に来たときに、一人のおじさんがこの水を汲んでおり、
一番美味しい水だと聞いていたので私も汲んでいきます。

最後の登りを登りきると山頂下にある神社に着きます。

夕張神社です。

ここから5分ほどで山頂です。
山頂には9時45分に着きました。
休み無しの歩いて約3時間です。

お腹がすいたので昼食を取りゆっくりします。
霞が掛かっているので眺望はあまりよくありません。


でも、芦別岳はよく見えました。

山頂から歩いてきた道を振り返るとこんな感じです。

この景色を見ていると、突き出たガマ岩がよく見えます。

山頂で記念写真を撮ってもらい、帰りは高山植物を
楽しみながら下山します。

明日は、夕張岳に咲いていた花々を楽しんでもらいます。