井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

今シーズン6度目の羊蹄山!

2015-04-14 21:26:02 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 何と今シーズン6度目となる羊蹄山へ登ってきました。
今回は、京極ルートからの挑戦となります。

 最近一緒に登っているUcさんからのお誘いです。
樽前山に一緒に登ったUdさんも参加予定でしたが、急に体調を崩し参加できず、私とUcさんの2人で登りました。

 3月12日(日曜日)

 天気予報では曇り時々晴れ、風の予測数値も標高1,500mで6m前後と絶好の天気です。
中山峠から羊蹄山がくっきりと見えます。
今日の天気はいい方に変わっているようです。

 集合時間の8時前に京極ルートの登山口に着くと車で溢れています。
   

 今日は、札幌山の会主催の「てっぺんから滑ろう!」という行事が行われている日でした。
この京極ルートの登山口には札幌山の会が所有しているログハウスがあります。
彼らはログに宿泊して、今朝、羊蹄山の山頂を目指しているのです。

 やがてUcさんも到着です。
 8:30分、さっそく登山準備をしてスキーで歩きます。
3百メートルほど歩くと立派な標識があります。
   

 そのすぐ前に1匹のエゾリスがしきりに口をモゴモゴさせています。
私達が近づいても逃げようともしません。
   

 ここからはカラマツ林の中を歩きます。
今日は気温が高いのでジャケットを脱いで薄着で歩きます。
雪の表面が薄く融けてシャーベット状になっています。
シールが利くのでドンドン登ります。
軽い休憩を挟んで登ります。

 
 やがて傾斜が増してきて樹木が疎らになってくると森林限界が地かずいてきた証拠です。
11:00分、標高1,350m辺りです。
斜度が一層増してきたのでスキーをデポしてここからはアイゼンを装着して登ります。

 軽くなった足でガンガン登ります。
森林限界から上は堅くクラストした斜面で所々氷化しているのです。
アイゼンがキシキシと音を立てて雪面に食い込みます。
ほとんど直登気味に登っていくと山の会の会員らしい方達が見えてきます。
スキーを背負っているので足取りが重そうです。
彼らを抜いて登ります。
   

   

 少し傾斜がゆるみ、すぐ上を雲がドンドン流れていきます。
山頂が近くなった証拠です。
やがて、左上方に人影が見えてきます。
山の会の人達が山頂で休んでいるようです。
   

   
 岩混じりになった最後の斜面を登るとお鉢の向こう側が見えてきました。

 12:50分、山頂に到着です。
正面に見えるのが比羅夫ルートですが、数人の人影が見えています。
   
   お鉢の底をのぞき込みましたが、誰も滑っていないようです。

 せっかくなので、記念写真を写します。
   
 
 お鉢の縁は風が強く、汗をかいた身体がすぐに冷えてしまいます。
私達は記念写真を写すとすぐに下山します。

 氷化した雪面が続くので降りは十分に気を付けなければいけません。
慎重にアイゼンの歯を雪面に食い込ませて降ります。
   

 上の方からカリカリ、ガリガリと大きな音が響いてきます。
山の会の人が2人スキーで滑り降りてくるのですが、斜面が氷化しているのでエッジが利いていないようです。
横滑りの体勢のまま軽い沢状の斜面を滑っていきます。
やっと止まりました!
見ている方がハラハラするような有様です。

 右に左に体勢を変えながら横滑りで降っていくのですが、1人が転んでしまいました。
「アッ!」と思いましたが、幸いに5mほど流されただけで止まることが出来ました。
この斜面をスキーで降るのは相当な技量が必要です。

 私達がツボ足で降っているのとスピードが変わらないのです。
それほど慎重に降っているのですが、足にくる負担は相当なものだと思われます。


 13:30分、森林限界のスキーデポ地点に着きました。
ここでゆっくり休憩を取ります。
私達は、ここから山頂往復を一気に済ませたので疲れもピークに来ています。
持ってきたゼリーを食べてお腹を満たします。
山の会の人達も私達の直ぐ下に集結しています。
しかし、なかなか全員が揃わないようです。

 15分ほど休んで私達もスキーで降ります。
何ということでしょう、登ってきたときには表面がシャーベット状に融けていた斜面が凍り始めているのです。
大きく弧を描きながら慎重に滑ります。
10分ほど滑り降りると斜面の様子が変わって表面がシャーベット状になっています。
こうなったらしめたものです。
ここからは快適にスキーが楽します。

 適当に曲がりながらドンドン降ります。
下の方に広い斜面が見えてくると登山口はもうすぐです。

 14:30分、無事に下山することが出来ました。

羊蹄山を見上げると、上の方にうっすらと雲がかかっています。
太陽は西の空へ回っているので陰となった京極ルートの気温が一気に下がったようです。

 車の横でUcさんがお湯を沸かしご馳走してくれたカップヌードルは温かく最高のご馳走でした。







 
   

樽前山で春スキーを楽しむ!

2015-04-13 07:07:13 | 札幌近郊の山
 最近一緒に山に登っているOcさんから樽前山へ春スキーに行きませんかとのお誘いを受けました。
樽前山はアプローチが長いのでスキーを滑るという発想が私にはありませんでした。
せっかくのお誘いですので行ってみることにしました。

 今回のルートは、苔の洞門近くから登るという計画です。
支笏湖の近くに集合、乗り合わせて出発地点となる苔の洞門を目指します。
途中、樽前山の登山口となるゲート前にはたくさんの車が止まっていました。

 苔の洞門の百メートルほど先に車を駐車します。
さっそく登山準備をしてまずは林道歩きです。
8:15分、林道ゲートを跨いでいきます。
   

 ここからは林道をひたすら歩きます。
1時間ほど歩くと林道が左に曲がります。
その先は苔の洞門の上流でした。
ここまで1時間を少し回ったくらいでした。
   
   ここからは、この沢沿いに登ります。

 緩やかに標高を稼ぎます。
10:50分、外輪山が目の前に壁のように真っ白い斜面を見せてくれます。
その雪面の上にゴツゴツした岩が白煙を上げています。
これが溶岩ドームです。
   
   この外輪山を登らねばなりません。

 外輪山の高さは約2百メートル、ゆっくり登ります。
外輪山を登ると支笏湖の青い湖面が目に飛び込んできます。
   

 ここで休憩を取り、この景色を楽しみます。
東岳の山頂も見えています。
   
   
   東岳に向かって噴火口の中を直進します。
  
   
   噴煙を立ち上げているドームの先に西岳の雪の頂が見えてきます。
目の前には東岳の山頂へ続く急斜面があります。
これを登ると東岳です。
   

 12:00分、樽前山(東岳)の山頂に到着です。
   

 この山頂からは、太平洋が見えます。
反対側には羊蹄山から支笏湖など素晴らしい景色が満喫できます。

 さて、今日はここから東の斜面を滑り、登り返して帰る計画です。
シールを外して滑降の準備をします。
ジャケットを着ますが、何と女性陣のジャケットは若草色で統一されていました。
   
   名付けて「枝豆三姉妹」の勇姿です。

 ここから東の斜面に向かって一キロほど滑ります。
軽いザラメ状の雪で楽しく曲がれます。
それもアッという間に降ってしみます。

 それからの登り返しが辛かった。
それに耐えて擬鈴山を登り終えてほっと一息!
さあ、ここからは苔の洞門を目指して滑り降ります。

 噴火口の平らな斜面を快適に滑ると外輪山の急斜面が待っています。
しかし、横に広い斜面ですのでどこを滑っても構いません。
おのおのが好きな場所を選んで滑ります。
今斜面も楽しかった!
   
   滑り終えて、それぞれのシュプールを眺める至福の時間!

 ここからは、森の中を滑り降ります。
最後は林道を滑って、15:00分に登山口へ戻りました。

 初めてのコースでしたが、楽しめました。

今シーズン初めて黒岳を滑る!

2015-04-08 21:17:25 | 大雪山系の山
 ここ数年、シーズン初めは黒岳を滑っていたのですが、12月は天気に恵まれず足が遠のいていました。
そんなことで、いつかは黒岳を滑ろうと思っていたのですが、今年は羊蹄山が面白く5回も通った影響でこんな時期になってしまいました。

 4月1日(水曜日)

 ここ数日、天候が荒れていました。
前日も全道的には雨でした。
私はこの雨が黒岳は雪になると思っていました。
案の定、層雲峡は真っ白な雪に包まれていました。

 ロープウェイで5合目まで上がると真っ白な雪で目がまぶしいのです。
7合目のリフト乗り場に着くと黒岳の山頂が見えています。
   
   リフトは9時に動きます。
そのリフトに乗って7合目に着くと目の前にニセイカウシュッペの真っ白な姿が見えています。
   
   この景色を見ることができるから山に来ているようなものです。

 7合目に着くとスキーにシールを付けてさっそくハイクの開始です。
雪面はクラストした上にうっすらと粉雪が積もっています。
その粉雪にスキーが横滑りしてしまいます。
我慢してだましだまし登っていましたが、スキーアイゼンを付けた方が安全ですので休んで付けます。

 ここからは順当に高度を稼ぎます。
   
   山頂に向かうと時々雲が出てきて辺りが見えなくなってしまいます。

   
   一瞬、赤岳方面が見えました。

 1時間半ほどで山頂に到着です。
今回の山頂は風もなく穏やかでビックリしました。
いつも強風が吹き荒れる山頂しか知らないので拍子抜けしてしまいました。
   
   雲が一瞬晴れ、旭岳の姿も見せてくれました。

 その時間もほんの5分ほどでした。
記念写真を写す頃には雲で辺りは隠れてしまいました。
   

 さてシールを外して滑降の準備が終わると、真っ直ぐ谷に向かって滑り込みます。
斜面はクラストしている上にシュプールがデコボコに堅くなっておりバランスを取るのが大変です。
それでも粉雪をまき散らしながら滑るのは快感です。

 谷の下まで2分はかかりません。
肩まで登り返して、今度はスキー場目指して滑ります。
わずか2本の滑降でしたが十分に楽しめました。

 それでは、私の滑りを見てください。
2015年4月1日大雪山・黒岳を滑る!



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  4月7日、この黒岳で男性が1人亡くなりました。
 亡くなった方は、黒岳ロープウェイやリフトを運営している会社の専務さん(68歳)でした。

 この日は風が強いため7合目から上の状況を見に行くといって1人で登ったようです。
 1時には帰ると言ってで掛けたようですが、帰ってこないので探したところ7合目のリフトの
 降り場から15分のところに倒れていたようです。

こういった方達の見えないところでの活動によって私達の安全が担保されています。
 その活動中に体調が急変しての急死だったと思われます。
 とても残念なことでした。

  お亡くなりになった専務さんのご冥福をお祈りします。 
 
  合掌!!

漁岳から小漁山を巡りオコタンペ湖に降る!

2015-04-07 15:44:27 | 札幌近郊の山
 今年は雪解けが早い北海道です。
3月中旬で早くも札幌市内の雪は消えました。
この時期になりますとスノーシューで山歩きをする人が増えてきます。
そんな人達に人気の山が漁岳です。
漁岳は、札幌近郊にある山で登山口まで小1時間で行くことが出来ます。
そして、山頂からの景観がすばらしいのです。
目の前には荒々しい山頂の恵庭岳、その横にはブルーの水を湛える支笏湖、その向こう岸には真っ白な樽前山も見えています。
また、目の下には真っ白に凍ったオコタンペ湖も見えます。

 今回は、漁岳から小漁山を巡り、そこからオコタンペ湖を目指して降るという登山道のない冬でないと歩けないコースに挑戦です。
メンバーは、最近一緒にスキーを楽しんでいるピオレ山の会のUcさんとStさんです。


 3月29日(日曜日)

 漁岳の登山口に8時集合します。
予定していた駐車場が今年は除雪していません。
やむなく歩道に乗り上げて駐車します。
8:25分、登山準備が出来たので出発です。

駐車スペースはすでに満杯です。

 ここからはしばらくの間、漁沢に沿って林道を歩きます。
そして、林道のドン詰まりから左手の尾根に取り付きます。
そこから稜線目指しての登行が続きます。
   

 稜線で一休み、目の前には恵庭岳が見えています。
   
   稜線は風が強くなってきました。
長い時間休んでしまうと身体が冷えてしまうので5分ほど休んで登ります。

 漁岳の手前にある1,175mのコブ山目指して登ります。
目の先に先行するグループが見えてきました。
1,175mのコブ山はクラストしており慎重に歩きます。

 11:10分、コルに到着です。
   
   先行していたグループは、ここにスキーをデポするようです。
私達は、スキーアイゼンを付けて登ることにします。
ここから山頂までは風が強いだけでなく雪面が堅くクラストしています。
   
   一歩一歩、スキーアイゼンの歯を雪面に食い込ませて登ります。

 約30分で漁り岳の山頂に到着です。
しかし、底は風が吹きすさぶ山頂です。
記念写真を写すのも大変でした。
   
   UcさんとStさんです。

 ここからはシールを外さなければなりません。
強風に気を付けながらスキーからシールを外しテザックに納めます。

   
   これから歩く小漁山です。

 風が強いので早々に退散です。
しかし、シールを外したスキーですが斜面はデコボコしており滑るのも大変なのです。
それを何とかごまかしながら少し高度を落とすと、やっと、滑られる斜面に着きました。
ここからは、小漁山とのコルへ向かって一気に滑ります。

 コルに着くと風が和らいでいるので休憩します。
軽く食事を取り、ゼリーなどを食べて小漁山への登りに備えます。

 小漁り山へ登っていると目の下にオコタンペ湖が見えており、その向こうに恵庭岳が聳えています。
   

 小漁山の西面は急な崖となっており荒々しい岩も見えています。
   

 13:00分、小漁山の山頂に着きました。
しかし、この山頂には標識などがありません。
わずかに木の枝にピンクテープが付けられているだけです。

 さてここからオコタンペ湖に降るには西側に張り出している雪庇を越えなければなりません。
小漁山から南にある1,128m鋸部山目指して少し降ります。
そこで、雪庇が低くなって下に降れそうな場所を見つけました。
   
   ちょっと緊張しましたが、何とか降ることが出来ました。

 ここからオコタンペ湖目指して急な斜面を滑り降ります。
適当に降っていると狭い沢に突き当たってしまいました。
この沢を降るか、少し登り返して1本西よりの沢を降るか協議します。
   
   結局、この沢を降ることにしてスキーを背負います。

 約100mほどでしょうか?
急な沢を慎重に降ると、その下は傾斜が緩くなっています。
ほどなく平坦な地形で森の中に入ります。
慎重に方向を見定めてオコタンペ湖を目指します。

 15:30分、オコタンペ湖の湖岸に到着です。
   
   真っ平らな湖面に歩いた跡が続いています。

 ここからは、凍ったオコタンペ湖の上を歩きます。
   
   後ろを振り返ると漁岳の山頂が見えています。

 オコタンペ湖の西の端を目指して歩きます。
西の端にある湖岸からは急な斜面を登ります。
登り終えたところがちょうど展望台のある場所でした。
ここから冬季は通行止めとなっている道路を歩いて出発地点へ帰ります。

 16:30分、駐車場に到着です。
やれやれ、やっと帰ってきました。
天気がいいので歩けましたが、約8時間30分の長丁場でした。  

日高主稜線縦走、十勝岳から楽古岳を往復する!

2015-04-06 19:34:49 | 日高山系の山
 今年初めてとなる日高主稜線縦走は、南日高にある十勝岳から楽古岳間を歩いてきました。

 3月25日から1泊2日での挑戦となりました。


 3月25日(水曜日)

 朝6時に札幌を発ちます。
今回は、いつものメンバーに例年この時期だけ参加しているmocoさんを加えて4人での山行となります。
9時半頃に天馬街道にある翆明橋に到着。
ここで登山準備をして10:00分に出発します。

 ここにちょうど車を駐車するスペースがありました。
    
    裏山から山に取り付きます。

 しかし、いつも思いますが、日高は楽をさせてくれません。
いきなりから急坂が続きます。
5分もすれば汗が噴き出てきます。
すぐに薄着に変更しますが、それでも急登のお陰で汗ばんできます。

 やっと尾根まで登りましたが、その尾根自体が急なのです。
    
    林の中で視界があまりありません。

 1時間ごとに休憩を挟んで我慢の登りが続きます。
上二股の沢を挟んだ向かいの山がオムシャヌプリです。
そのオムシャヌプリの山頂を見ながら自分たちの高度を測ります。
2時間ほど歩いたところでやっと尾根の傾斜が落ち着いてきました。
   

 今回はスノーシューで足元を固めています。
所々に数日前に降った新雪が吹き溜まっています。
その雪が膝ほどの深さになる場所もあります。
   

   
   オムシャヌプリの山頂が真っ白に輝いています。

   
   標高千mを超える辺りでやっと十勝岳の山頂部が見通せるようになってきました。

   
   山頂がやたら遠く見えます。

 今日は十勝岳の山頂部に出来るだけ近づいた尾根上にテントサイトを作るつもりです。
頑張ること1時間半、標高1,300mやっとテントサイトに着きました。
ここまで約4時間半ほど、よく頑張りました!

 さっそくテントサイトを作ります。
まずは雪面を平らに均します。
大きさをテントで確認してから周りに防風用のブロックを積みます。
   
   ブロックは鋸を使って切り出します。
そのため均一な大きさのブロックが簡単に切り出せます。
私がブロックを切り出し、Sz氏が手際よく積んでくれます。
   
   30分ほどでブロックも完成!

 今夜の寝床が完成です。
On氏がテントの外で雪を融かして水を作ってくれます。
外の景色がすばらしいと歓声を上げています。
私達にも見た方がいいと誘います。

 テントの入り口から顔を出すと、そこには神秘的な光景が目に飛び込んできます。
   
   夕日が作り出したサンピラーです。
尾根の一部が赤く輝いています。
まさに「天孫光臨」といった光景です。
後ろを振り返ると十勝岳が赤く輝いています。
   
   ほろ酔い加減で見ていましたが、厳かにして幻想的な光景に心奪われるものがありました。
こんな光景を目にすることが出来るのもこの山にいるからこそです。
明日は、天気になるだろう!
そんな思いを抱いた景色でした。


 3月26日(木曜日)

 未明から強い風が吹いています。
テントがバタバタとはためくのです。
その度にテントの内張に着いた霜がパラパラと顔に落ちてきます。
まだ暗いので寝袋の中に顔も埋めて寝ます。

 出発時間を少し遅らせて6:30分テントを出ます。
    
    テントを出ると絶景が目の前に広がっていました。
手前からオムシャヌプリ、野塚岳、トヨニ岳、ピリカヌプリ、神威岳、延々と続く日高の主稜線です。
このほとんどを歩いたと思うと、よくやったと思います。
しかし、今日はまだ未踏となっている十勝岳から楽古岳を歩くのです。

   
   風が強くなった場合にテントを飛ばされないように支柱を抜いて雪のブロックを重しにしておきます。

 あまりの好天に、今日は楽勝と勝手に決めて記念写真を写しました。
   

 目の前には十勝岳
   

   
   楽古岳が遠くに見えます。

 6:35分、十勝岳に向かって登ります。
   

   

 25分ほどで十勝岳の山頂に到着です。
   
   山頂から見た北側の山々です。
右側の白く輝く稜線を去年野塚岳から歩いてきました。
上から見ると、よくこんな稜線を登ってきたと思いました。

   
   これから歩く楽古岳の稜線が見えています。

 十勝岳の山頂は、風もそれほど吹いていなかったのですが、楽古岳に向かう辺りから右手にあるコイボクシュメナシュンベツ沢から吹き上がる風が強くなってきます。

 その風に負けないように時々耐風姿勢を取りながらドンドン降ります。
約1時間で最低コルまで降ります。
ここで休憩を取ります。

 風がドンドン強くなってきます。
   
   その風が顔に当たると鼻の右側が痺れてきます。
ジャケットのフードを深く被り風が顔に当たらないようにします。
  
   
   辛抱の登りが続きます。

 楽古岳の最後の登りが目の前に広がります。
斜面の一部が氷化しているのかキラキラと光っています。
ここでストックからピッケルに持ち替えて登ります。
氷化した場所ではピッケルを雪面に刺しますが深く刺さらないのです。
そんな時はブレードを拳で叩いて刺します。

 9:50分、予定通りに楽古岳山頂に到達しました。
    
  
    
    山頂滞在時間3分、風が強いので直ちに下山します。

 ここから約2時間、風が強いので休むことが出来ずに歩き続けます。
    
    雲が千切れて飛んでいきます。

    
    風にあおられながら歩くOn氏です。
 
 十勝岳への登りが辛かったです。
疲れが溜まった身体に容赦なく風が吹き付けるのです。
その風は十勝岳の山頂を過ぎれば弱まると思い我慢して登ります。

 14:00分、テントサイトへ帰ってきたときは、正直ホッとしました。
さあ、後は登って来た尾根を降るだけです。
荷物の重さも気になりません。
ヨレヨレの身体に活を入れて降ります。

心は、浦河町にある「あえる」の温泉に飛んでいます。


 十勝岳から楽古岳間の往復は、予定どおり6時間を要しました。
風がなければ気持ちよく歩けたのですが、ここは日高、決して楽はさせてくれません。
次は、エサオマントツタベツ岳に登らなければなりません。
この区間は、三者三様に残している部分があるのです。
私は、エサオマンの山頂から北に約1キロの部分、Sz氏はエサオマンの山頂南のコルから山頂北に約1キロの部分、On氏はエサオマンの山頂から南にあるジャンクションピークまでが未踏となっています。
この部分を4月に歩いてきます。
これが上手く歩けると最後は南日高の神威岳からペテガリ岳への挑戦となります。

 だんだん大詰めになってきた日高主稜線縦走です。