九州に上陸した台風は日本海に抜けて北上中です。
夜半には時折強い雨に伴い強風が小屋に当たります。
遠くからゴーという低い唸り声のような音がして突然小屋の柱を揺らします。
柱のすぐ横に寝ていた私は柱の揺らぐ振動で目を覚ましてしまいました。
こんな強風が空が白んでくる頃まで続いていたでしょうか。
その風も止み、明るくなってくると視界が開けてきます。
朝日小屋の食堂からは、目の下に富山湾が広がり、その向こうには能登半島が見えています。
朝食も美味しくいただき、さあ、蓮華温泉に向かって下山します。
その前に目の前に見える朝日岳に登らねば行けません。
8月26日(水)
5:40分、小屋主の清水さんに見送られて出発です。
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小屋から少し降るといよいよ朝日岳に向かっての登りです。
朝一は、身体の動きをチェックするためにゆっくり登るのですが、身体の動きは快調のようです。
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朝日小屋の全景です。
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左の山肌を水平道が走っています。
奥に見える山並みは白馬岳の稜線です。
小1時間ほどで朝日岳に到着です。
6:30分、朝日岳の山頂です。
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曇り空ですが台風の影響はないようです。
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ふと、よく見ると虹が出ています。
さあ、朝日岳からは千代の吹き上げに向かって一気に降ります。
6:50分、千代の吹き上げです。
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ここは蓮華温泉と栂海新道から上親不知への分岐点になります。
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朝日池の向こうには富山湾が見えています。
この辺りから延々と木道が続きます。
そして、五輪の森までには雪渓から流れる沢を何カ所か越えながら降るのです。
その水辺に春の花が咲いています。
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風花になったチングルマの群落です。
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なんとアヤメも咲いてました。
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花々に癒されながら滑る木道に気を付けながら降ります。
7:55分、五輪の森を通過します。
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この辺りから時々パラパラと雨が降ってきます。
雨具を着るほどの雨ではないのでそのまま歩きます。
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森を抜けると一気に視界が開けます。
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右奥には雪倉岳の姿も見えます。
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花園三角点という標柱が建っています。
まだまだ先は長いのですが、遠くに見える山の中腹に赤い屋根が見えます。
どうやらあれが蓮華温泉のようです。
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ここからまた森に入りどんどん沢に向かって降ります。
ずいぶん降ったと思ったら橋が見えてきます。
9:10分、白高地沢橋を渡ります。
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すごく立派な橋でした。
少し登ってまた降ります。
時折り夕立のような雨が降ってきます。
雨具を着るのも面倒ですし、すぐ止むと思い木の陰に避難してやり過ごします。
また橋が見えてきます。今度の橋は、瀬戸川橋です。
9:55分、橋を渡ります。
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この橋を渡ると登山道が登りになります。
ゆるやかに登っていくと突然目の前に湿原が広がります。
兵馬の平のようです。
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10:45分、湿原を横切るとさらに登りが続きます。
そろそろ蓮華温泉が近いと思い歩くのですが、なかなか着きません。
一度休憩しようかと思ったところで林道に出ます。
この先が蓮華温泉だと思い我慢して歩きます。
ようやく目の前に蓮華温泉の黒い建物が見えてきました。
11:20分、蓮華温泉に着きました。
これで、今回の縦走が終わるのですが、実はこれから麓へ降りる手段に大きな問題を抱えています。
それは後で考えることにして、まずは1週間分の汗を流さなければいけません。
蓮華温泉のお風呂に直行します。
さて、お風呂を独り占めして身体の汗を流してスッキリしました。
ここで問題の解決方法を考えなければいけません。
問題というのは、蓮華温泉から麓のJR平岩駅までの交通手段です。
この間には路線バスが走っているのですが、24日で夏の営業が終了してしまいました。
そして、週末の金曜日から月曜日だけの運行となっているのです。
ですから当てにしていたバスで平岩駅まで行くことができません。
バスを使って降るとしたら蓮華温泉に2泊しなければなりません。
もう一つの方法は、蓮華温泉から白馬大池目指して登ることです。
あとはヒッチハイクで誰かに乗せてもらうしかありません。
ヒッチハイクをすることに決めて小屋の人に泊まり客で下山する人がいないか聞きましたが、いないと言われました。
そうすると、あとは日帰りで入浴に来た人か白馬岳から降ってくる狙うしかありません。
雨の中、駐車場を見に行きます。
すると、結構な台数が駐車しています。
おまけにトイレの新築工事が行われているようで工事現場で働いている人もいます。
最悪の場合、この工事で働いている人達が仕事帰りで麓に降る車に便乗させてもらおうと思い、いったん温泉にもどります。
途中で温泉から歩いてくる2人の男性がいます。
これは?と思い、声をかけてみます。
すると、乗せてくれると言います。
そんなことで、麓のJR平岩駅まで無事に送ってもらうことができました。
今回の縦走もいろんな人に助けられました。
感謝!感謝!です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
今回の縦走ですがコースタイムを参考にしたところ8泊の予定でした。
しかし、この予定を2泊分短縮することができました。
まず1泊分は、初日のブナ立尾根をコースタイムより大分早く登ることができたため
2泊目の船窪小屋まで歩けたためです。
もう1泊分は、キレット小屋から唐松岳、白馬岳に泊まり、3泊目を朝日小屋での
宿泊予定を、唐松岳を越えて天狗山荘に1泊しただけで朝日小屋まで歩いたためです。
台風に追いかけられたという事情があったこともありますが、午後3時前には宿泊する
小屋に着くことができていたのですから小屋にも迷惑をかけずに歩けたことになります。
これで西穂高岳から朝日岳まで北アルプスの主稜線をほぼ歩いたことになります。
まだまだ北アルプスで歩きたいルートはあるのですが、いったん、離れたいと思っています。
次の目標は南アルプスです。
まだまだ、本州に登りたい山がたくさんあります。
自分の年齢との戦いの数年になると思っています。
夜半には時折強い雨に伴い強風が小屋に当たります。
遠くからゴーという低い唸り声のような音がして突然小屋の柱を揺らします。
柱のすぐ横に寝ていた私は柱の揺らぐ振動で目を覚ましてしまいました。
こんな強風が空が白んでくる頃まで続いていたでしょうか。
その風も止み、明るくなってくると視界が開けてきます。
朝日小屋の食堂からは、目の下に富山湾が広がり、その向こうには能登半島が見えています。
朝食も美味しくいただき、さあ、蓮華温泉に向かって下山します。
その前に目の前に見える朝日岳に登らねば行けません。
8月26日(水)
5:40分、小屋主の清水さんに見送られて出発です。
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小屋から少し降るといよいよ朝日岳に向かっての登りです。
朝一は、身体の動きをチェックするためにゆっくり登るのですが、身体の動きは快調のようです。
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朝日小屋の全景です。
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左の山肌を水平道が走っています。
奥に見える山並みは白馬岳の稜線です。
小1時間ほどで朝日岳に到着です。
6:30分、朝日岳の山頂です。
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曇り空ですが台風の影響はないようです。
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ふと、よく見ると虹が出ています。
さあ、朝日岳からは千代の吹き上げに向かって一気に降ります。
6:50分、千代の吹き上げです。
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ここは蓮華温泉と栂海新道から上親不知への分岐点になります。
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朝日池の向こうには富山湾が見えています。
この辺りから延々と木道が続きます。
そして、五輪の森までには雪渓から流れる沢を何カ所か越えながら降るのです。
その水辺に春の花が咲いています。
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風花になったチングルマの群落です。
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なんとアヤメも咲いてました。
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花々に癒されながら滑る木道に気を付けながら降ります。
7:55分、五輪の森を通過します。
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この辺りから時々パラパラと雨が降ってきます。
雨具を着るほどの雨ではないのでそのまま歩きます。
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森を抜けると一気に視界が開けます。
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右奥には雪倉岳の姿も見えます。
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花園三角点という標柱が建っています。
まだまだ先は長いのですが、遠くに見える山の中腹に赤い屋根が見えます。
どうやらあれが蓮華温泉のようです。
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ここからまた森に入りどんどん沢に向かって降ります。
ずいぶん降ったと思ったら橋が見えてきます。
9:10分、白高地沢橋を渡ります。
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すごく立派な橋でした。
少し登ってまた降ります。
時折り夕立のような雨が降ってきます。
雨具を着るのも面倒ですし、すぐ止むと思い木の陰に避難してやり過ごします。
また橋が見えてきます。今度の橋は、瀬戸川橋です。
9:55分、橋を渡ります。
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この橋を渡ると登山道が登りになります。
ゆるやかに登っていくと突然目の前に湿原が広がります。
兵馬の平のようです。
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10:45分、湿原を横切るとさらに登りが続きます。
そろそろ蓮華温泉が近いと思い歩くのですが、なかなか着きません。
一度休憩しようかと思ったところで林道に出ます。
この先が蓮華温泉だと思い我慢して歩きます。
ようやく目の前に蓮華温泉の黒い建物が見えてきました。
11:20分、蓮華温泉に着きました。
これで、今回の縦走が終わるのですが、実はこれから麓へ降りる手段に大きな問題を抱えています。
それは後で考えることにして、まずは1週間分の汗を流さなければいけません。
蓮華温泉のお風呂に直行します。
さて、お風呂を独り占めして身体の汗を流してスッキリしました。
ここで問題の解決方法を考えなければいけません。
問題というのは、蓮華温泉から麓のJR平岩駅までの交通手段です。
この間には路線バスが走っているのですが、24日で夏の営業が終了してしまいました。
そして、週末の金曜日から月曜日だけの運行となっているのです。
ですから当てにしていたバスで平岩駅まで行くことができません。
バスを使って降るとしたら蓮華温泉に2泊しなければなりません。
もう一つの方法は、蓮華温泉から白馬大池目指して登ることです。
あとはヒッチハイクで誰かに乗せてもらうしかありません。
ヒッチハイクをすることに決めて小屋の人に泊まり客で下山する人がいないか聞きましたが、いないと言われました。
そうすると、あとは日帰りで入浴に来た人か白馬岳から降ってくる狙うしかありません。
雨の中、駐車場を見に行きます。
すると、結構な台数が駐車しています。
おまけにトイレの新築工事が行われているようで工事現場で働いている人もいます。
最悪の場合、この工事で働いている人達が仕事帰りで麓に降る車に便乗させてもらおうと思い、いったん温泉にもどります。
途中で温泉から歩いてくる2人の男性がいます。
これは?と思い、声をかけてみます。
すると、乗せてくれると言います。
そんなことで、麓のJR平岩駅まで無事に送ってもらうことができました。
今回の縦走もいろんな人に助けられました。
感謝!感謝!です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
今回の縦走ですがコースタイムを参考にしたところ8泊の予定でした。
しかし、この予定を2泊分短縮することができました。
まず1泊分は、初日のブナ立尾根をコースタイムより大分早く登ることができたため
2泊目の船窪小屋まで歩けたためです。
もう1泊分は、キレット小屋から唐松岳、白馬岳に泊まり、3泊目を朝日小屋での
宿泊予定を、唐松岳を越えて天狗山荘に1泊しただけで朝日小屋まで歩いたためです。
台風に追いかけられたという事情があったこともありますが、午後3時前には宿泊する
小屋に着くことができていたのですから小屋にも迷惑をかけずに歩けたことになります。
これで西穂高岳から朝日岳まで北アルプスの主稜線をほぼ歩いたことになります。
まだまだ北アルプスで歩きたいルートはあるのですが、いったん、離れたいと思っています。
次の目標は南アルプスです。
まだまだ、本州に登りたい山がたくさんあります。
自分の年齢との戦いの数年になると思っています。