井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

残雪の暑寒別岳

2015-05-28 21:13:29 | 暑寒別・増毛・樺戸山系の山
 GWは大雪山で遊んで来ましたが、今年は残雪が少なくなっています。
この原因を私は3月の気温にあると思っています。
もっとも大雪山や十勝岳など北海道の中心部にある山は12月の積雪が異常に少なかったことも一因となっていると思います。

 さて、OmさんからのリクエストでGW明けの5月8日(金曜日)に暑寒別岳へ出かけてきました。
彼女はこの時期の山頂に立ったことがなく、通称「ドーム」と呼ばれている7合目辺りまでしか登ったことがないといいます。
今回は何としても山頂に立ちたいということですので一緒に出掛けてきました。

 5月8日(金曜日)

 朝6時に札幌を発ち、8時を回ったところで増毛ルートの登山口となる駐車場に到着です。
駐車場の周りに雪が見当たりません。
危惧していたことが当たってしまいました。
例年ですとこの時期の駐車場は、周りに1m以上の雪があるのですが、今年はそれが見当たらないのです。

 登山準備が終わり、8:30分、スキーを担いでまずは林道を歩きます。
15分ほど歩いたところからやっと道路上に雪が残っていました。
   

 林道を登って2合目の辺りで尾根に出ます。
しかし、この尾根も雪が消えているのです。
   
   おやおや、この先がどうなるか心配です。

 2合目の先にあるコブ山を越えるとやっとその先から雪が繋がっていました。
一安心です。

 このルートには、冬のスキー用に道標となる円形で赤い番号票が取り付けられています。
その番号標を追いかけて登ります。

   
   5合目辺りまで登ってくると山頂部などが見えてきます。

 11:10分、滝見台まで登ってきました。
    
   笹が出ていますが、その奥に滝見台と書かれた標識が見えています。

 さあ、ここからが正念場です。
目の前には大きな斜面が待ち構えています。
その斜面を登りきると山頂は間近です。

 大斜面に登りだすとどんどん視界が開けてきます。
   
   雨竜沼の方が見えてきます。

 大斜面を左に回り込むと、何と行く手をハイ松が通せんぼをするように顔を出しています。
   
   一番狭いところをスキーを脱がずに渡ります。

 12:30分、やっと山頂に到着です。
約4時間の道程でした。
   
   雪の山頂に立てたOmさんと記念写真を写します。

 山頂は風が強いので風影を選んで休みます。
目の前には絶景が広がっています。
   
   先週、一緒に登った浜益御殿が見えています。
さらに左手には郡別岳なども見えています。
   
 
 山頂で30分ほど休み、さあ、いよいよ大斜面での滑降を楽しみます。
スキーは男性以上に上手なOmさんです。
30分かかって登った大斜面もものの2分で滑り降ります。

 そのままの勢いで滑り続け、30分ほどでドーム下まで滑り降りてしまいました。
   

 あとは駐車場目指してまっしぐらに滑ります。


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

  この日、3合目付近の尾根でカシオのプロトレックを拾いました。
 時計のガラスに沢山の傷がありベルトも相当傷んでいましたが、
 しっかりと時を刻んでいました。

 お心当たりの方は、ご一報ください。

GWは旭岳周辺で 2日目

2015-05-19 21:07:01 | 大雪山系の山
 1日目の夜は東神楽町にあるキャンプ場でテント泊しましたが、とても気持ちのいいキャンプ場でした。
直ぐ近くには温泉施設もあり、キャンプ場に子供が遊べる施設もあり沢山の人が利用していました。
私達のテントは炊事状の近くで桜の木の下です。
満開の桜を楽しみながら夕食はNt氏の作ってくれたすき焼きをいただきます。
今夜のすき焼きは和牛のお肉を1人づつ千円ほどのお肉が用意されていました。
このお肉は本当に美味しかった!
サシの入ったお肉で口の中でとろけます。

5月4日(月曜日)

 今日も良い天気です。
今日は当麻岳の大斜面を滑ります。
昨日と同じようにロープウェイに乗ってまずは姿見の池駅へ向かいます。

 そこから昨日と同じように裾合平に向かいます。
昨日と違うのは旭岳の裾を回りながら当麻岳を目指します。
   
   旭岳の姿が小さくなっていきます。

 しかし、ハイ松が行く手をふさいでいます。
それを交わしながら一番薄いところを選んで抜けていきます。
この辺りは勘に頼るしかありません。
なんとか当麻岳に繋がるルートを見つけることが出来ました。
   
   変わった形をした岩がありました。まるで手を突きだしたような形でした。

 さて、愛山渓方向から単独の男性が歩いてきます。
話を聞いたところ今年は雪融けが早かったので5月14日に国道から愛山渓までの林道を早くも通すことになったといいます。
そんな情報があるなら愛山渓で1泊する手もあったのにと思いました。

 小塚の横まで来て一休みします。
ここからは目の前に広がる急斜面を登らなければなりません。
どこを登るかちょっと話し合いました。

休憩後は一気に登ります。
当初考えていた所より左手に進みます。
いざ登りだしてみるとその方が傾斜が少し緩く感じたからです。

 さて、やっと尾根に登るとすごい風が吹いています。
身体が飛ばされそうな風が吹いているのです。
それでも、目の前には永山岳が見えていますが、山頂は雪がなく黒々としています。
   
   当麻岳まで3時間ほどかかりました。

 この強風の中でシールを外して滑降の準備をするのは大変です。
皆さん座り込んで作業をしています。
   

 ここからは木の滑った旭岳と熊の岳への大斜面がよく見えています。
   
   左が熊の岳、右が旭岳です。

 目の下の方には沼の平の湖沼群が見えています。
   

 滑降の準備が出来たので小塚に向かって大斜面を滑ります。
左右に広がる大斜面を思い思いの場所を選んで滑ります。
一番楽しい時間ですが、アッという間に滑り降りてしまいます。

 今日一番の楽しい斜面を滑ると後は姿見の駅を目指してのハイクが続きます。
   
   後ろを振り返ると私達が滑った当麻岳の斜面が見えています。

 あ~あ、今日も1日楽しく滑ることが出来ました。
感謝、感謝の2日間でした!

GWは旭岳周辺で・1日目

2015-05-18 09:59:21 | 大雪山系の山
 GWの3日から4日は大雪山は旭岳周辺でスキーを楽しんできました。
今回は、ピオレ山の会に人達に混じってのスキーとなります。

 3日は、旭岳ロープウェイの駐車場に9時集合。
札幌を朝5:30分に発ちます。
この時間だと道路も混んでいず順調に旭岳駐車場に到着。
すでに駐車場にはロープウェイの運行を待つ人達の車が止まっています。
大きなザックに荷物を詰め替えている縦走組もいますが、大半はスキーを楽しむ日帰り組でしょう。

   
   ロープウェイの駅越しに見える旭岳は黒々とした姿で夏道の登山道から雪が消えているようです。

 ロープウェイで姿見の池駅に到着。
ここから見る旭岳はとてもスキーで登れる状態ではありません。
   

 さて、今日の予定は、朝日岳の山頂まで登り裏側を滑り降り熊の岳のコルから裾合平らを回ってくるというものです。
しかし、山の雪は夏道からほとんど消えており地獄谷の雪さえも少ないのです。
結局、昨年滑った裾合平らから旭岳に向かって登り、適当な場所から滑り降りようという話になりました。

    
   スキー場から左手に進み裾合平らを目指します。

 前方にハイ松が顔を出している場所があります。
ちょっとした尾根状の地形では雪が消えているのです。
一番狭いところを何とかスキーを履いたまま越えます。

     
   適当な所から山頂へ向かってのびている沢を登ります。
  
   
   右手の沢を登ります。

 正面には当麻岳の雪の斜面が見えています。
   

   
   我慢の登りが続きます。
左上に大きな岩があり、昨年はそこから滑り降りたといいます。
今年はその上までいきたいということで登ります。
岩の上まで来ると隣の沢と合流します。
そして傾斜のゆるんだ雪のコブを越えてみると、何と山頂が直ぐ近くに見えるではありませんか。
   
   ここから山頂まで20分もあれば十分いけるでしょう。

追いついてきた人達に山頂まで行きましょうと話して進みます。
さて、やっと山頂に着きました。
そこには沢山の人達がいました。
昨年以上の人が山頂まで登っています。
   
   
 私達も記念に写真を写してもらいました。
   

 山頂からは直ぐ近くに白雲岳が見えています。
   

 正面には熊の岳から黒岳も見えています。
   
   さすがに大雪山、山の広さが十分に実感できます。

 左手には明日滑る予定の当麻岳の斜面が白く輝いています。
   

 さあ、熊の岳のコルに向かって滑りますが、まだら模様に滑らない雪が混在しており気持ちよく滑ることが出来ません。
それでも何回か休みをはさんで滑ります。
山頂から続く大斜面ですので滑っても滑っても下に着かないのです。

適当なところから左手に進み裾合平を目指します。

 そして、ロープウェイの姿見の池駅まで戻ると、ここからはスキー場を一気に滑って降ります。

 今日は天気も良く、風もあまりないなど最高のスキー日和でした。


浜益岳へ行くも・・・

2015-05-13 14:41:07 | 暑寒別・増毛・樺戸山系の山
 浜益岳には昨年も出掛けたのですが、雪が少なく林道を奥まで走っても出てきませんでした。
まあ、出掛けた時期が遅かったので仕方がありませんでした。
今年もOmさんからさそわれていましたので5月2日に行って来ました。

 5月2日(土曜日)

 札幌を6:30分に出発しました。
約2時間弱で登山口となる浜益の幌地区に到着です。
ここから神社の前を通り林道を登ります。
林道を走りますが周りの景色は緑が濃く春そのものです。

 車が数台止まっているところまで走ってくるとやっと林道に雪が残っていました。
私の車も林道の端に寄せて駐車します。
登山準備を済ませ、まずはスキーを担いで歩きます。
10分ほど歩いた辺りで林道が雪で埋まっており、ここからはスキーで歩きます。

なだらかな雑木林をドンドン登ります。
尾根に出ると一気に視界が開けます。
   
   谷の奥に浜益岳の山頂が見えてきました。

   
   浜益御殿に続く尾根はハイ松がしっかり顔を出しています。
このハイ松を避けながら登ります。

 前方に雄冬山が見えてくると浜益御殿は近いです。
   

 この辺りからOmさんの足取りが重くなってきます。
どうしたか聞くと足の裏に肉刺が出来たようだといいます。
それならあまり無理は出来ません。
今日は浜益御殿までとして帰ることにしました。

    
   暑寒別岳の山並みです。
来週はこの山に登る予定です。

 さて、約3時間で浜益御殿に到着です。
ここに先着していた方のスキーを見てビックリです。
なんと、合板のスキーに締具がカンダハーなのです。
今の人はこの金具を見たことはないと思います。
私が子供の頃全盛だった金具ですから40年は前の金具です。

 スキーも合板というだけでなくトップにヘソの付いたスキーでした。
まるで骨董屋さんから借りてきたような品物です。
こういった道具を大事に使っている人がいることに感心しました。
   

 帰りはスキーですので早いです。
先行して下山していた人達を追い抜いてアッという間に林道へ出てしまいました。
挙は海を見ながらのハイクで日焼けした1日でした。

毒矢峰(どくやほう・885m)に登る!

2015-05-11 15:53:16 | 札幌近郊の山
 Ko氏に誘われて毒矢峰へ行って来ました。
この山は札幌50山にランクされていますが、夏道がありません。
そんなことでスキーで登るか残雪期にツボ足で登ることになります。

 5月1日(金曜日)

 登山口は定山渓から豊羽鉱山跡に向かいます。
天狗小屋の前に着くと数台の車が止まっています。
   
   登山準備をしていると定山渓天狗岳の林道から数人の人が戻ってきました。
手には段ボールの箱やスーパーの袋を持っています。
どうやら山菜取りの人達のようです。
話を聞くと行者ニンニクを取りに行ってきたようです。

 私達も登山準備が出来たので白井川の右股川に沿って延びる林道を歩きます。
林道の上の雪はすでに半分ほど融けています。
30分ほどで二股に着きます。
   
   この橋を渡ると林道が二手に分かれています。
左手に進み、直ぐ横から尾根に取り付きます。
ここからの登りがきつかった!

 急坂が続きます。
雪のあるところを探しながらドンドン登ります。
   
   Ko氏もガンガン登ってきます。
   その横には愛犬のミミちゃんが上に行ったり下に行ったり走り回っています。

 1時間ほど登ると上の方に青空が広がってきます。
やっと急坂を登り終えました。
あとは平坦になった尾根を奥へ向かって歩きます。

   
    左手に定山渓天狗岳が見えます。

 その横でたおやかな姿を見せているのが白井岳です。
   

 約2時間で毒矢峰の山頂に到着です。
   
 
 ここでゆっくり昼食を取ります。
この山は標高こそ低いものの急坂の登りがあり眺望もまあまあです。

 30分ほど休んでから下山します。
降りは雪の上を走るようにして降ります。
すると30分ほどで林道まで降ってしまいました。
あとは林道をゆっくり歩くだけです。

   
   林道のそこここに咲いているカタクリの花です。

      
   エゾエンゴサクの咲いています。

このほか、沢沿いにはエゾノリュウキンカも黄色い花を咲かせていました。

 帰り道、行者ニンニクを探しましたが、上手く見つけられませんでした。
私には山菜取りの才能がにようです。

再びニセコへ!

2015-05-10 08:44:16 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 2日前にニセコ・ワイスホルンへ行って来たばかりですが、今日は同じニセコのイワオヌプリからニトヌプリを歩いてきました。
今日のメンバーはSz氏とKm氏に私の年寄り3人です。

4月28日(火曜日) 

朝6時の札幌を発って五色温泉に着いたのが8時を回ったところです。
登山準備をして五色温泉の駐車場を8:30分出発です。
   
 まずは、目の前の壁のような急斜面を避けて右手に回り込みます。
ちょうどイワオヌプリに向かって歩きます。
   
   左手に見える小さな沢の右から回り込むとイワオヌプリの真下に出ます。

   
   イワオヌプリの急斜面を登っている2人が見えています。

 私達はイワオヌプリを右手に見ながら真っ直ぐ進みます。
   
   正面に見えているのがニトヌプリです。
双コブの山頂が見えますが、地図では左のコブがニトヌプリの山頂ですが、山頂標識は右のコブにあります。
これは縦走路が右のコブ山に付けられているせいかと思います。

 左傾斜の急斜面をトラバースします。
後ろにはイワオヌプリのゴツゴツした姿が少しずつ小さくなっていきます。
   

 今日は天気も良く温かいので気持ちよく歩けます。
10:00分、右手のコブ山に到着です。
   

 ここからは隣のチセヌプリが大きく見えています。
   

 このニトヌプリとチセヌプリのコルには道路があり、すでに除雪されており通ることが出来ます。
ですから、車でコルまで登ってくるとこのニトヌプリには簡単に登ってくることが出来ます。
Ko氏の記念写真を撮ると直ぐに左のコブ山へ登り返します。

 左のコブ山には山頂標識がありません。
まずは一息ついてシールを外します。

 ここから目の下に広がる大斜面を一気に滑り降ります。
この1本は気持ちよかったです。
ジャケットも着ずに滑ったのですが、風が身体に当たりス-とする感触はまさに春のものです。
ここから再度シールを貼ってイワオヌプリを目指します。

 イワオヌプリの急斜面を一気に登り、11:00分山頂に到着です。
   
   目の前にドーンと控えるのがニセコの主峰ニセコアンヌプリです。
この時期にしては雪融けが早くかなり山肌が現れています。
こちら側の斜面を山頂から滑るのは無理のようです。

   
   山頂でも軽く休憩しました。

 さあ、ここからは山頂の左手にある沢から一気に滑り降ります。
どこにいたのかウサギがあわてて左手に走っていきます。
アッという間に滑り降りてしまいました。

 後は駐車場まで戻り、五色温泉へまっしぐらです。

 年寄り3人、今日は楽しく歩いて滑って温泉を楽しみます。
ニセコは最高のロケーションを持ってますね!

ニセコ・ワイスホルンを滑る!

2015-05-09 07:36:00 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 ニセコには何回か行っていますが、チセヌプリヤニトヌプリなどが多かったのです。
今回は、ニセコアンヌプリの陰に隠れた山ワイスホルンに行って来ました。

 4月26日(日曜日) 

この山にはスキー場があったのですが、今は廃業しており身売りされたようです。
花園スキー場から五色温泉に抜ける道路は冬期間は通行止めとなっています。
   
   ここから右手の林道を歩きます。
  
  その通行止めとなっている場所から林道を歩いてワイスホルンのスキー場跡を目指します。
9:00分、準備が出来たのでスキーで林道を歩きます。
   

   
   今日はピオレ山の会の方達3名に誘っていただきました。

 30分ほど歩くとスキー場跡に到着です。
ここで、ぞっとするものを目にしました。
   
   雪の重さで壊れ、風でボロボロになった建物です。

 ここからスキー場のコース跡を登ります。
   

高度が上がると目の前にゴツゴツしたイワオヌプリと端正なカーブを描いているニセコアンヌプリが綺麗な姿を見せてくれます。
   

そのニセコアンヌプリの山頂から北斜面を滑っている人達がいました。
   

羊蹄山も見えています。
   
   今年何回も滑った比羅夫ルートが見えています。

 2時間半ほど登ってやっと山頂が見えてきました。
   
   雪庇の張り出した山頂です。

 この山頂からはチセヌプリが間近に見えています。
   

 さらにチセヌプリの奥には目国内岳から岩内の海も見えています。
   

 今回一緒に登ったピオレ山の会の方々です。
    

 ここでゆっくり休憩したいのですが、今日は風が強く身体が冷えてしまいます。

滑降の準備が出来たので雪庇を乗り越えて谷に向かって滑り降ります。
この1本が楽しかった!
短い斜面ですが、傾斜があり満足な1本でした。

そこから登り返して、あとはスキー場を滑るだけです。
表面がデコボコして滑りずらかったのですが、そこは騙し騙し滑って何とか滑り終えました。

天気が良いので楽しい1日でした! 

六甲山全山を縦走する!

2015-05-07 10:53:39 | その他の本州の山
 神戸市の北にそびえる山が六甲山です。
この六甲山は神戸市民に愛される山であり、神戸市民がハイキングンなどで訪れる身近な山となっています。

 大正時代から昭和初期にかけて活躍した登山家に加藤文太郎という人がいます。
彼は「孤高の人」や「単独行」などで有名な方で冬期の日本アルプスなどを単独で縦走した人です。
私は登山を始めた時に彼を知り、その強烈な登山に対する情熱に強く惹かれるものを感じていました。

 彼は神戸市にある三菱系の造船所に勤める傍ら登山に情熱を燃やしていた人です。
そして、トレーニングの場として神戸の裏山に位置する六甲山をよく歩いていたとのことです。
そのトレーニングとして六甲山の西の端敦盛塚(現在は須磨浦公園)から東の端にある宝塚までの53kを歩いていたようです。

 このルートを六甲山全山縦走と名付け、神戸市が主催して毎年11月に登山大会が開かれています。
26年は11月9日と14日のに日で行われ、参加者3,350人中2,701人が完走(完走率80%)しております。
本当はこの大火に参加したいと思っていましたが、最近は参加者が多く抽選になるとも聞いています。
こんな事で自分一人でゆっくりこのルートを味わいたく4月19日に歩いてきました。


 4月19日(日曜日)

 宿を取っていた神戸市新開地から始発電車に乗りスタート地点となる須磨浦公園駅に着いたのが5:35分、ただちに出発です。
天気は曇り空、予報では曇り時々雨です。
   
   須磨裏公園駅です。

 駅の左手からスタートしますが、いきなりの急登が続きます。
ちょっと寝不足気味の身体ですのでゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせて登ります。
やがて、霧雨のような雨が降ってきますが傘を差すほどではありません。
鉢伏山の手前で後ろを振り返ると瀬戸内海の海が見えてきます。
   
   右手に淡路島と明石海峡に架かる橋も見えています。

 ドンドン登ります。
6:15分、鉄拐山に到着です。
ここからいったん下って高島団地の中を歩きます。
お散歩中のおばさま達の後ろを歩いていると気がつかれ「頑張って~!」と声をかけてもらいます。
町の中にある「全山縦走」と書かれた標識に導かれ無事に団地内を通過しました。

 6:40分、いきなり目の前に階段が現れます。
   
   この階段が栂尾山の400段ある階段です。
ここから通称須磨アルプスといわれる地域に入ります。
この階段を10分ほどで登って着いたのが栂尾山です。
   
   手前が高島団地、奥の山から歩いてきました。

 7:10分、馬の背と呼ばれる荒々しい光景の続く山道にでます。
   
   ここの地質はザラザラの脆い岩です。
そのため樹木が根を張れず荒れ地となっています。
   
   この辺りはトレランの人達も多いようで数人に抜かれました。

   
   歩いてきた道を振り返るとこんな具合です。

 ここから降っていくとお寺さんが見えてきます。
   
   7:50分、妙法寺を通過です。

ここから市街地を歩くと桜が咲いていました。
   
 所々に咲いている花に癒されて歩きます。

 妙法寺の町並みを過ぎると高取山への登りになります。
この辺りで時折雨が強くなってくるので傘を差して歩きます。

 8:30分、順調に登って高取山に到着です。
この高取山は、荒熊神社の御神域となっているようです。
   

    
   少し降ると鳥居がありました。

   高取山を降ると丸山の市街地に入ります。
ここで最初のミスをいてしまいました。
市街地には所々に全山縦走の標識があります。
地図を見るよりその標識を探す方が早いので所々にある標識を見逃さないようにして歩いていましたが、T字の交差点でその標識が見あたらなかったのです。
かって読みして右に進んでみたのですが、どうも様子が違うようです。

 バス停で休みながらバスを待っている人に道を聞くとやはり間違っていました。
歩いてきた道を登り返して無事にルートに戻れました。
ここからさらに曲がりくねった道を歩きます。
前方に線路が見えて右手に鵯越(ひよどり)駅があります。
踏切を越えて坂を登っていきます。
この道も違うようです。
ここは地図をしっかり確認すると、どうやら鵯越駅の手前を右折しなければならないようです。
再度、戻って駅の手前を曲がります。
そろそろ疲れが溜まってきて注意力が散漫になってきたようです。

   
   御不動さんが祀られていましたので縦走の無事をお祈りします。

   
   10:25分、立派な石井ダム下を通過します。

 ダラダラした登りを上り詰めると菊水山でした。
10:50分、菊水山に到着です。
   
   ここからまた降って行きます。
11:20分、着いたのは立派な天王吊橋でした。

 ここからの登り返しが急な斜面でした。
それを我慢して一気に登ります。
   
   11:45分、鍋蓋山に到着です。
ここには沢山のハイカーが休んでいました。
私も休憩を取りパンを食べてエネルギーの補給をします。

 ここから降ると太龍寺というお寺があり、路線バスが走ってくるようです。
そこで、みいちゃんと待ち合わせです。
ドンドン降って行くとお寺への階段が見えてきます。
   
   太龍寺のようです。
さらに降ると立派な山門がありました。
   
   12:20分、太龍寺山門前で休憩します。
バスが来るまで20分ほどありますので靴を脱いで足を休めます。
実は薄い靴下を穿いていたため足の裏が痛くなっていました。
靴下を見ると透けるぐらい薄くなっていたので厚い靴下に履き替えます。

 20分ほどするとバスがやってきます。
みいちゃんと久しぶりに会うことができました。
一緒に歩いて市が原へ降ります。
20分ほどで市が原に到着です。

 ここでみいちゃんと別れ、摩耶山へ続く長い登りへ向かいます。
ダラダラした登りが続きます。
稲妻坂に続き天狗道を登ります。
それを登り切ると摩耶山ですが、山頂がどこにあるか分かりません。
   
   14:20分、摩耶山に到着、ここから舗装道路が続きます。

 摩耶山で全山縦走のほぼ半分を歩き終えたことになります。
ここまで約9時間かかっています。
残り半分ですので、まだ20キロ以上あります。
しかし、ここから六甲山は起伏がなくほぼ平坦な道となります。

 六甲ガーデンテラスまではドライブウェイを歩きます。
この道が意外と危険なのです。
なぜかといいますと、ドライブウェイには歩道がないところがありますので車道を歩くことになります。
カーブの多い車道ですので危険なのです。

 起伏が少ない道ですのでガンガン歩きます。
しかし、持っている水が少なくなってきました。
気温が高いので給水を多く取っていたので仕方がありません。
自販機がありましたので500mlのボトルを2本買います。
1本は一気に飲んでしまいました。
これで水の心配はなくなりました。
あとは陽のある間にどこまで歩けるかどうかです。

 風が吹いてきます。
寒くなってきたのでウインドブレーカーを着ます。
いつの間にか六甲ガーデンテラスを過ぎてしまいました。
六甲山最高峰という標識が目についてきます。

 ここから何回湖の標識を目にしたことでしょうか?
道路が左右に曲がっています。
その曲がる手前にこぶ山に直上するように登山道があるのです。
それを登ること5~6回、やっと六甲山最高峰に到着です。
   

   
   16:55分、六甲山最高峰といっても単なる草原にある標識です。

 しかし、ここからは基本的に降るだけです。
やっと全山縦走の目鼻がついてきました。

 残り13キロ、近畿自然歩道を降ります。
ここからは日暮れとの勝負になりました。
空は曇り空ですので日が落ちると一気に暗くなってきます。
森の中の道はさらに暗くなってきます。
それを騙し騙しして19時まで我慢して歩いてきました。

しかし、それも限界で登山道が全く見えなくなってきました。
やむなくヘッ電を点けます。
20分ほど歩くとお寺の境内にでました。
塩尾寺に到着です。

やっと市街地の端に到着しましたが、塩尾寺からの降りがこれまた強烈な急坂なのです。
つづら折りの真っ暗な道をヘッ電頼りに小走りで降ります。

 街灯のある住宅地まで降りましたが、なおも急坂が続きます。
その坂を降り終えると目の前に電車の駅が見えます。

 19:45分、阪急宝塚の駅に到着しました。
   

 これで私の六甲山全山縦走が終わりました。
53キロを約14時間で歩いたことになります。

 歩き終えて感じたのは、意外と短く感じたことです。
初めての道だからそう感じたのかもしれません。
しかし、加藤文太郎さんの歩いた道を自分も歩いたという満足感がそう感じさせたのかもしれません。

 次の課題は、槍ヶ岳の北鎌尾根を登ることです。