2週間前の群別岳、先週のトヨニ岳と思うように登れない山が続いていました。
そこで、再度、群別岳に狙い定めて山頂を目指すことにしました。
5月12日(木曜日)今日の天気予報は晴れです。
朝4時に札幌を発ちます。
順調に走り浜益の市街を過ぎ群別の集落から群別川に沿った林道へ車を入れます。
前回から2週間ほど経っていますので随分緑が濃くなった気がします。
前回駐車した辺りもまったく雪がありません。
林道に雪がないので林道ゲートまで車で入れるかと思いゆっくり走ります。
林道ゲートにつきました。
(前回の写真と比較してみてください。雪の状態が分かると思います。)
ゲートの先も林道の路面が出ています。
どうやら除雪したようです。
ちょっと計算外でした。
というのは、今回はスキーで登るつもりだったからです。
仕方がないのでスキーをザックに縛り付けシートラで行くことにします。
6時ちょうど林道ゲートを後にします。
小鳥のさえずりを聞きながら林道を快調に歩きます。
最後の橋を渡り、林道分岐まで来ると除雪はここで終わっていました。
山菜取りの人の物なのか原チャリが2台止まっています。
ここまで約25分、ここからはスキーを履いて歩きます。
ここから雪の上を歩きますがところどころ3カ所くらい林道上に雪のないところがありました。
そんなところはスキーを脱いで肩に担いで歩きます。
林道の終了点先にある渡渉点はかろうじて雪が残っていました。
沢のあちこちが顔を出しています。
その渡渉点を渡り609mの台地へ上がる急な斜面に取り付きます。
この斜面の一部には雪が付いていないところがあるのでコースを選びながら雪を繋いで歩きます。
台地に出てホッとしながら歩いていると後ろの方でガサガサと音がします。
熊かなと思ってビックリして後ろを見ると単独の男性がスノーシューを履いて登ってきます。
「おはようございます!」と挨拶をして「群別岳ですか?」と聞くと「そうです。」と短い返事が返ってきます。
そして足早にスタスタと歩いていきます。
その足の速いこと。
見る間に木立の陰へ姿が消えます。
7:55分、約2時間ほど歩き通しなので私はここで休憩を入れます。
天気は快晴、風もなく幌天狗から群別岳、奥徳富岳も2週間前とあまり変りない真っ白な姿を見せてくれています。
ここから群別岳と幌天狗にコルに伸びる沢を目指します。
この台地状の斜面をゆったり登っていくと雪庇のある尾根にぶつかります。
私は、この尾根を幌天狗に向かって少し登り、そこから沢の入り口目指して歩きます。
なぜそうするかといいますと、尾根を降りたところは数本の小沢が幌天狗側から入り込み、ちょっと複雑な地形をしているからです。
そんな面倒なところにはいるくらいなら全部ひっくるめて越えられる幌天狗よりの斜面を歩いた方が早いと思ったからです。
コルに続く沢に入る手前に群別川の本流方面からこちらに向かってくる足跡があります。
近づいてよく見ると熊の足跡でした。
昨日か今朝方の足跡でしょうか?
雪面にクッキリとした足跡でしたので、あわて辺りを見渡しましたが熊の姿は見えないので沢の中へ入ります。
前方に滝が見えてきます。
水量もありなかなか立派な滝です。
さきほど挨拶を交わした人はもう滝の下にいます。
そして左岸を登り出しました。
私は滝の手前から左岸の斜面を登ることにします。
かなりの傾斜があり雪も固いのでスキーアイゼンを付けて登ります。
一番上に見えている岩を目指します。
この尾根は群別岳の山頂から南に続く稜線です。
小さなコルを隔ててゴジラの背の様な岩尾根を持っています。
私はこの岩尾根の南側を目標にしてジグを切っていきます。
9:15分、大斜面の途中で休憩します。
雪の表面が融けてきておりアイゼンの利きが今一つです。
それをごまかしながら登ってきたので少し疲れました。
一歩登るごとに高度が稼げ幌天狗の向こうに浜益岳が顔を出してきます。
それを励みに登っていくとやっと稜線に出ます。
目の前に奥徳富岳の両手を広げたような稜線が目に飛び込んできます。
南陵の岩尾根も大分大きく見えてきます。
岩尾根の下に着きました。
ここからのコースが難題です。
遙か下に見える群別川の本流まで大斜面が続いています。
雪の状態がザクザクと融けておりスキーアイゼンは利かないようです。
この斜面をトラバースしなければなりません。
雪の腐り方からスキーでトラバースをするのは無理だと判断しました。
そこで再度シートラすることにしてスキーをザックに括り付けます。
そして2百mほどのトラバースに挑戦です。
目の上には岩尾根が続きます。
その岩から落ちた雪が原因で小さな雪崩れが起きています。
岩から雪が落ちてくるのに注意を払いながらキックステップで足場を作り緊張のトラバースをこなします。
途中では、雪面に亀裂などが入っており雪面を刺激しないように神経を使いました。
キックステップも数回蹴り込んでやっとステップが決まるような柔い雪ですので苦労しました。
やっとトラバースを終えコルに続く平らな斜面に出ます。
ノドがカラカラなので飲み物を飲んで一息入れます。
ここまで来ると本峰が目の前で呼んでいます。
本峰とのコルにスキーをデポして最後の登りです。
15分ほどでやっと念願の山頂に到着です。
11:15分、山頂です。
ここからの眺めは最高です。
日本海の向こうには札幌近郊の山が見えます。
その右手には羊蹄山から積丹の山々も見えます。
反対側には遠く大雪山から十勝岳の山並みも見えています。
この山並みを見ながらゆっくり休んで昼食を取ります。
山頂から南側の斜面は雪が融けて灌木が顔を出しています。
その斜面は風が当たらず太陽の光を受けて暖かいのです。
南陵の岩から幌天狗までの尾根です。
浜益岳です。奥に見えるのが雄冬山でしょうか。
暑寒別岳です。
隣の山、奥徳富岳です。
山頂は暖かく正面に見えるのは積丹から羊蹄山。
こんなに山頂でノンビリしたのは久しぶりです。
やはり、春山は良いですね。
風は暖かく気持ちがノンビリしてきます。
でも、いつまでも山頂にいるわけにはいかないので下山することにします。
1145分、下山開始です。
まずは山頂からコルにデポしたスキーを回収しなければなりません。
柔い雪に足を取られながら慎重に降ります。
コルに着くとスキーを履いて先ほどトラバースしてきた南陵の南斜面を降ります。
早いこと、早いこと、あれだけキックステップを刻んで苦労した斜面がものの数十秒で南陵の尾根に到着です。
この尾根もアッという間に降ります。
シュプールですが、見えるでしょうか?
南陵から滝を目指して沢底へ滑り降ります。
何度か止まりながら降りますが、足が疲れて攣りそうになります。
その足を騙し騙し滑っていましたが、腐った雪に足を取られ転んでしまいました。
転んだ拍子に胸元から雪が入りましたが、今日はそれさえも気持ちがいいです。
ここからの降りはツリそうになる太腿との格闘でした。
限界に近い太腿を騙し騙し降り駐車場に着いたのは14:05分、約8時間の登山でした。
今日は天気に恵まれ最高の登山が出来ました。
今年最後のスキーを楽しめましたし、何といっても久しぶりに山頂も踏めました。
満足、満足な1日でした。
身体はボロボロですが、充実した気分で心は一杯です。
最後に参考のためにGPSトラックデータを落とした地図を貼っておきます。
みなさんもぜひ登ってみてください。
そこで、再度、群別岳に狙い定めて山頂を目指すことにしました。
5月12日(木曜日)今日の天気予報は晴れです。
朝4時に札幌を発ちます。
順調に走り浜益の市街を過ぎ群別の集落から群別川に沿った林道へ車を入れます。
前回から2週間ほど経っていますので随分緑が濃くなった気がします。
前回駐車した辺りもまったく雪がありません。
林道に雪がないので林道ゲートまで車で入れるかと思いゆっくり走ります。
林道ゲートにつきました。
(前回の写真と比較してみてください。雪の状態が分かると思います。)
ゲートの先も林道の路面が出ています。
どうやら除雪したようです。
ちょっと計算外でした。
というのは、今回はスキーで登るつもりだったからです。
仕方がないのでスキーをザックに縛り付けシートラで行くことにします。
6時ちょうど林道ゲートを後にします。
小鳥のさえずりを聞きながら林道を快調に歩きます。
最後の橋を渡り、林道分岐まで来ると除雪はここで終わっていました。
山菜取りの人の物なのか原チャリが2台止まっています。
ここまで約25分、ここからはスキーを履いて歩きます。
ここから雪の上を歩きますがところどころ3カ所くらい林道上に雪のないところがありました。
そんなところはスキーを脱いで肩に担いで歩きます。
林道の終了点先にある渡渉点はかろうじて雪が残っていました。
沢のあちこちが顔を出しています。
その渡渉点を渡り609mの台地へ上がる急な斜面に取り付きます。
この斜面の一部には雪が付いていないところがあるのでコースを選びながら雪を繋いで歩きます。
台地に出てホッとしながら歩いていると後ろの方でガサガサと音がします。
熊かなと思ってビックリして後ろを見ると単独の男性がスノーシューを履いて登ってきます。
「おはようございます!」と挨拶をして「群別岳ですか?」と聞くと「そうです。」と短い返事が返ってきます。
そして足早にスタスタと歩いていきます。
その足の速いこと。
見る間に木立の陰へ姿が消えます。
7:55分、約2時間ほど歩き通しなので私はここで休憩を入れます。
天気は快晴、風もなく幌天狗から群別岳、奥徳富岳も2週間前とあまり変りない真っ白な姿を見せてくれています。
ここから群別岳と幌天狗にコルに伸びる沢を目指します。
この台地状の斜面をゆったり登っていくと雪庇のある尾根にぶつかります。
私は、この尾根を幌天狗に向かって少し登り、そこから沢の入り口目指して歩きます。
なぜそうするかといいますと、尾根を降りたところは数本の小沢が幌天狗側から入り込み、ちょっと複雑な地形をしているからです。
そんな面倒なところにはいるくらいなら全部ひっくるめて越えられる幌天狗よりの斜面を歩いた方が早いと思ったからです。
コルに続く沢に入る手前に群別川の本流方面からこちらに向かってくる足跡があります。
近づいてよく見ると熊の足跡でした。
昨日か今朝方の足跡でしょうか?
雪面にクッキリとした足跡でしたので、あわて辺りを見渡しましたが熊の姿は見えないので沢の中へ入ります。
前方に滝が見えてきます。
水量もありなかなか立派な滝です。
さきほど挨拶を交わした人はもう滝の下にいます。
そして左岸を登り出しました。
私は滝の手前から左岸の斜面を登ることにします。
かなりの傾斜があり雪も固いのでスキーアイゼンを付けて登ります。
一番上に見えている岩を目指します。
この尾根は群別岳の山頂から南に続く稜線です。
小さなコルを隔ててゴジラの背の様な岩尾根を持っています。
私はこの岩尾根の南側を目標にしてジグを切っていきます。
9:15分、大斜面の途中で休憩します。
雪の表面が融けてきておりアイゼンの利きが今一つです。
それをごまかしながら登ってきたので少し疲れました。
一歩登るごとに高度が稼げ幌天狗の向こうに浜益岳が顔を出してきます。
それを励みに登っていくとやっと稜線に出ます。
目の前に奥徳富岳の両手を広げたような稜線が目に飛び込んできます。
南陵の岩尾根も大分大きく見えてきます。
岩尾根の下に着きました。
ここからのコースが難題です。
遙か下に見える群別川の本流まで大斜面が続いています。
雪の状態がザクザクと融けておりスキーアイゼンは利かないようです。
この斜面をトラバースしなければなりません。
雪の腐り方からスキーでトラバースをするのは無理だと判断しました。
そこで再度シートラすることにしてスキーをザックに括り付けます。
そして2百mほどのトラバースに挑戦です。
目の上には岩尾根が続きます。
その岩から落ちた雪が原因で小さな雪崩れが起きています。
岩から雪が落ちてくるのに注意を払いながらキックステップで足場を作り緊張のトラバースをこなします。
途中では、雪面に亀裂などが入っており雪面を刺激しないように神経を使いました。
キックステップも数回蹴り込んでやっとステップが決まるような柔い雪ですので苦労しました。
やっとトラバースを終えコルに続く平らな斜面に出ます。
ノドがカラカラなので飲み物を飲んで一息入れます。
ここまで来ると本峰が目の前で呼んでいます。
本峰とのコルにスキーをデポして最後の登りです。
15分ほどでやっと念願の山頂に到着です。
11:15分、山頂です。
ここからの眺めは最高です。
日本海の向こうには札幌近郊の山が見えます。
その右手には羊蹄山から積丹の山々も見えます。
反対側には遠く大雪山から十勝岳の山並みも見えています。
この山並みを見ながらゆっくり休んで昼食を取ります。
山頂から南側の斜面は雪が融けて灌木が顔を出しています。
その斜面は風が当たらず太陽の光を受けて暖かいのです。
南陵の岩から幌天狗までの尾根です。
浜益岳です。奥に見えるのが雄冬山でしょうか。
暑寒別岳です。
隣の山、奥徳富岳です。
山頂は暖かく正面に見えるのは積丹から羊蹄山。
こんなに山頂でノンビリしたのは久しぶりです。
やはり、春山は良いですね。
風は暖かく気持ちがノンビリしてきます。
でも、いつまでも山頂にいるわけにはいかないので下山することにします。
1145分、下山開始です。
まずは山頂からコルにデポしたスキーを回収しなければなりません。
柔い雪に足を取られながら慎重に降ります。
コルに着くとスキーを履いて先ほどトラバースしてきた南陵の南斜面を降ります。
早いこと、早いこと、あれだけキックステップを刻んで苦労した斜面がものの数十秒で南陵の尾根に到着です。
この尾根もアッという間に降ります。
シュプールですが、見えるでしょうか?
南陵から滝を目指して沢底へ滑り降ります。
何度か止まりながら降りますが、足が疲れて攣りそうになります。
その足を騙し騙し滑っていましたが、腐った雪に足を取られ転んでしまいました。
転んだ拍子に胸元から雪が入りましたが、今日はそれさえも気持ちがいいです。
ここからの降りはツリそうになる太腿との格闘でした。
限界に近い太腿を騙し騙し降り駐車場に着いたのは14:05分、約8時間の登山でした。
今日は天気に恵まれ最高の登山が出来ました。
今年最後のスキーを楽しめましたし、何といっても久しぶりに山頂も踏めました。
満足、満足な1日でした。
身体はボロボロですが、充実した気分で心は一杯です。
最後に参考のためにGPSトラックデータを落とした地図を貼っておきます。
みなさんもぜひ登ってみてください。