こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

今度は、蝶々夫人だ。

2006年03月03日 21時19分08秒 | プッチーニ
先日、職場で荒川さんとトゥーランドットの話しをしたことが発端となって、同じプッチーニの蝶々夫人をビデオで見ました。安藤さんのときの音楽ですね。しかし、よく考えてみれば蝶々夫人のCDは、それほど多くないのです。カラスはさておき、テバルディのセラフィン盤、スコットのバルビローリ盤、フレーニのカラヤン盤とシノーポリ盤くらいしか思いつきません。ここ三十年の間では、シノーポリ盤くらいしか録音されてないんですね、日本ではお馴染みのオペラですが、欧米では色ものの扱いなんでしょうか。でも音楽は綺麗で、チャーミングですよ。プッチーニ節とでもいいますか、甘美なメロディが満載です。
今回のビデオはフレーニとドミンゴのカラヤン指揮のものです。ジャン=ピエール・ポネルの演出なんですが、これがひどい。日本の風俗はこんな風に見られているんだ!、って感じのもので、はっきり言って不快で、見たくない映像です。それに加えて、このお話は、蝶々夫人のピンカートンに対してのひたむきで一筋の愛は、なんとも健気で涙をさそいますよ。アメリカの軍人にだまされる、蝶々夫人の御年、15才。これは、あの浅田真央ちゃんと同い年であります。映画『男はつらいよ』で寅さんが「おれ、何が嫌いってアメリカほど嫌いなものはない。…いままで、あいつらに日本人がどれほどひどい目にあったか。唐人お吉・じゃがたらお春・蝶々夫人、ほら枚挙にいとまがない」といみじくものたまわっておられますが(寅次郎春の夢)、そんなもんですかね。とにかく、この蝶々さんの悲劇は、一幕最後の愛の二重唱で最高に盛り上がった後、最後の息子を置き去りにして自刃していく音楽は、すさまじく、涙なくしてはおれません。でも、その涙を流してしまったことは、これまたプッチーニの手腕に屈してしまったことに、なんとも悔しい思いをするのでした。
演奏は、カラヤンの指揮は、こういう音楽にはほんとうまいです。つぼを心得たとでもいいましょうか。また、主役のふたり、フレーニとドミンゴは、ベストでしょうね。ともにまだ若い!そしてスズキのクリスタ・ルードヴィヒが地味ですが、脇を固めてます。ただ、映像は見ないようにして聞きたいと思います。

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1 コメント

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でも音楽は美しい (jsbach2005)
2006-05-18 16:50:50
こんにちは。 そうですね、一幕フレーニの白塗り顔は、我々日本人から見ると、異常ですね。 他にもおかしな部分が多々あり、拾いだしたら切りがありません。 欧米人に日本の習慣風習を説いても、まず無駄でしょう。 「トゥーランドット」にも中国人にいわせれば、同じようなものかも。



ですから、あまり目くじらを立てずに 早くプッチーニの音楽に浸り切るのがいいと思います。 ほんとに一幕最後の二重唱は美しいですね。 以上
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