今の車を買って3年目になるので、車検をしました。最初の車検なので、ディーラーでやってもらいましたが、これがまた高かったのです。タイヤもちびていたので交換したこともあって、かなりの値段で、もう次回は安いところでと決意しました。また運転中にナビの更新でDVDから読み込ませていることで、CDが聴けません。往復しても10%くらい進む程の遅さなので、二週間くらいかかりそうです。通勤距離が短いことが、こんなとこにも影響してきました。
そんなことで、今回はカール・シューリヒトの演奏であります。最近、この指揮者をよく聴いています。以前にヘンスラーから出ているライブ録音を集めた20枚組のBOXを中心に聴いています。このBOXなかなか充実した内容です。ブルックナーは、4・5・7・8・9番がおさめられています。その中から、今回は交響曲第7番ホ長調です。
シューリヒトのブルックナーでは、VPOと録音した,3,8.9番が有名であります。7番についても、高名な批評家のU氏が高く評価されるバーグ・フィルとの録音の他も、6種類のものが残されています。シュトゥットガルト放響、デンマーク国立放響、北ドイツ放響、フランス国立管、ハーグフィル、VPOとのものであります。この中で、このBOXに収められているのは、シュトゥトガルト放響との録音です。この中ではもっとも古く、1953年3月6日の録音となっております。当然モノラルです。
ハーグ・フィルとの演奏は、なかなかおもしろいですよね。オケがまあなんというかバラバラ。こんなとこでこの楽器の音がこんな音を出しますか、ってとこ。とにかく、各楽器のバランスがめちゃくちゃ。これって、それを束ねてコントロールするのが指揮者の仕事と思うのですがねえ。そんな演奏で、と思うのですが、ただこの演奏は、それでいて、心に迫るものがあり、それで支持される方々も多いのでしょうねえ。
ということで、このシュトゥットガルト放響とのライブでありますが、少々早めのテンポでグイグイと進めていく。そして聴いていて、この演奏に耳を奪われてしまうような、それはまあ見事な演奏であります。シューリヒトは、テンポを一定ではなく、かなり意図的に動かしておりまして、それが聴かせどころではゆったりとしたテンポで効果的に歌わせる。速めのテンポにして、ドラマティックな表情を持たせるのであります。それがオーバーで如何にもやってますということではなく、自然にしているので、曲の過剰な表情にはならないのです。加えて、ライブということもあり、独特の緊張感が加わり、それぞれの聴かせどころで最高潮になるように、その盛り上げ方も大変巧いのでありました。そのところがシューリヒトの天才的な巧さなのでありましょう。
第1楽章、少しゆったりめで進む。非常に滑らかな響きで、メロディが歌われる。ところどころのヤマが設定されており、それに向かって高まって行くあたりが実に見事。高みに登り詰めた後のゲネラルパウゼと、そののちの美しさなどは実にいいです。第2楽章、通常よりも早め。第1楽章とそれほど変わらない印象をもつほど。切々とした旋律が、少々速めのテンポで歌われ、終わりのないように続く。その止めどもなく、怒涛のように押し寄せる世界は、ライブの緊張感も加わり、感動的であります。まさにブルックナー世界ですねえ。第3楽章スケルツォ。ここからの後半の楽章がこれまた素晴らしい。前楽章までとは、一転して躍動感をもった迫力満点で突き抜ける。中間部も含めて、これらの演奏は心をわしづかみにされるように迫ってきます。中間部が終わっての全休止のあとの反復部は凄まじい迫力でいいですね。第4楽章、終楽章も前楽章に引き続き壮大なスケールで、これまでもよく言われる表現ですが、音響の大伽藍が迫り来るようであります。大音響で壮大でゆったりとしたスケールでの演奏が興奮を呼び起こしますねえ。こんな演奏、ライブで聴いてみたいと思います。モノラルでも、まったく気になりません。
このCDが収められているBOXには、DVDも一枚入っており、シューリヒトの指揮する様子を見ることができます。モーツァルトのハフナーの終楽章ですが、ほとんど手を動かさない指揮振りで、至極印象的でありました。
(Haenssler Classic Carl Schuricht Collection 1950-1966、2006 輸入盤)
そんなことで、今回はカール・シューリヒトの演奏であります。最近、この指揮者をよく聴いています。以前にヘンスラーから出ているライブ録音を集めた20枚組のBOXを中心に聴いています。このBOXなかなか充実した内容です。ブルックナーは、4・5・7・8・9番がおさめられています。その中から、今回は交響曲第7番ホ長調です。
シューリヒトのブルックナーでは、VPOと録音した,3,8.9番が有名であります。7番についても、高名な批評家のU氏が高く評価されるバーグ・フィルとの録音の他も、6種類のものが残されています。シュトゥットガルト放響、デンマーク国立放響、北ドイツ放響、フランス国立管、ハーグフィル、VPOとのものであります。この中で、このBOXに収められているのは、シュトゥトガルト放響との録音です。この中ではもっとも古く、1953年3月6日の録音となっております。当然モノラルです。
ハーグ・フィルとの演奏は、なかなかおもしろいですよね。オケがまあなんというかバラバラ。こんなとこでこの楽器の音がこんな音を出しますか、ってとこ。とにかく、各楽器のバランスがめちゃくちゃ。これって、それを束ねてコントロールするのが指揮者の仕事と思うのですがねえ。そんな演奏で、と思うのですが、ただこの演奏は、それでいて、心に迫るものがあり、それで支持される方々も多いのでしょうねえ。
ということで、このシュトゥットガルト放響とのライブでありますが、少々早めのテンポでグイグイと進めていく。そして聴いていて、この演奏に耳を奪われてしまうような、それはまあ見事な演奏であります。シューリヒトは、テンポを一定ではなく、かなり意図的に動かしておりまして、それが聴かせどころではゆったりとしたテンポで効果的に歌わせる。速めのテンポにして、ドラマティックな表情を持たせるのであります。それがオーバーで如何にもやってますということではなく、自然にしているので、曲の過剰な表情にはならないのです。加えて、ライブということもあり、独特の緊張感が加わり、それぞれの聴かせどころで最高潮になるように、その盛り上げ方も大変巧いのでありました。そのところがシューリヒトの天才的な巧さなのでありましょう。
第1楽章、少しゆったりめで進む。非常に滑らかな響きで、メロディが歌われる。ところどころのヤマが設定されており、それに向かって高まって行くあたりが実に見事。高みに登り詰めた後のゲネラルパウゼと、そののちの美しさなどは実にいいです。第2楽章、通常よりも早め。第1楽章とそれほど変わらない印象をもつほど。切々とした旋律が、少々速めのテンポで歌われ、終わりのないように続く。その止めどもなく、怒涛のように押し寄せる世界は、ライブの緊張感も加わり、感動的であります。まさにブルックナー世界ですねえ。第3楽章スケルツォ。ここからの後半の楽章がこれまた素晴らしい。前楽章までとは、一転して躍動感をもった迫力満点で突き抜ける。中間部も含めて、これらの演奏は心をわしづかみにされるように迫ってきます。中間部が終わっての全休止のあとの反復部は凄まじい迫力でいいですね。第4楽章、終楽章も前楽章に引き続き壮大なスケールで、これまでもよく言われる表現ですが、音響の大伽藍が迫り来るようであります。大音響で壮大でゆったりとしたスケールでの演奏が興奮を呼び起こしますねえ。こんな演奏、ライブで聴いてみたいと思います。モノラルでも、まったく気になりません。
このCDが収められているBOXには、DVDも一枚入っており、シューリヒトの指揮する様子を見ることができます。モーツァルトのハフナーの終楽章ですが、ほとんど手を動かさない指揮振りで、至極印象的でありました。
(Haenssler Classic Carl Schuricht Collection 1950-1966、2006 輸入盤)
また、ご教示ください。