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マリナーのモーツァルト・セレナード

2011年07月13日 00時12分16秒 | モーツァルト
先週末、居間にあるCDプレーヤーのトレイが出なくなって久しいので、もういい加減に修理に出さなければと思い、神戸学院大の近所のミドリ電化さんまで持っていくことにしました。このCDプレーヤーは、今は亡きサンスイ製のものなんですね。居間にあるコンポは、アンプもサンスイです。かの阪神大震災のときに、揺れでぶっ飛びまして、以来どうも調子が思わしくなく、できたら新しいのを買いたいな、と思うことしきりなのであります。それで、その道が神戸学院大のあたりから、妙に渋滞していまして…。それは今日は、この大学でグリーンフェスティバルというコンサートがあったんだな、と思いだし、それが終わったころなんでの渋滞だったんですね。それで、進んでいくと、ちょうど大学正門の前にさしかかったときに、わが車の前をタクシーが出て横切りました。その中には、かの仲道郁代さんが乗車しておられたのでありました。その日は、仲道さんのモーツァルトのピアノソナタ全曲連続演奏の7回目だったんです。うーん、行けばよかったな、と後悔したのでありました。

そんなわけではないのですが、今回はモーツァルト。先のセレナード第3番に続く第二弾、第4番であります。ニ長調K.203。このセレナードは、1774年8月にザルツブルクで作曲されたもので、前回の第3番から一年後となります。作曲については、ザルツブルク大司教コロレド伯の命名日の祝典のためとする説もあるが、このような特定はできず、ザルツブルクの貴族のお祝いのめの音楽として書かれた可能性が高い、と言われています。

この曲の演奏でありますが、セレナードの例の如く、ボスキフスキー、ヴェーグ、マリナーと、まあ思いつくだけでもこんな演奏があります。どれも素晴らしい演奏なのですが、今回はサー・ネヴィル・マリナ-指揮のアカデミー・オブ・セント・マーティン・インザフィールズの演奏。1986年10月、ロンドンでの録音となります。マリナ-は、この時期多くのモーツァルトのセレナードやディヴェルティメントの録音を盛んにしておりました。その一枚であります。

全部8つの楽章からなります。アレグロ・アッサイーアンダンテーメヌエットーアレグローメヌエットーアンダンテーメヌエットープレスティッシモの8つからなります。この曲、今まで何度となく聴いたのですが、この曲ほど聴いているうちは、ああいい曲だ、さすがのモーツァルトやなあ、とつくづく思うのですが、聴き終わった後にどんな曲だったかをほとんど憶えていない、そんな曲なのであります。というのは、強烈なインパクトには乏しく、一般的な曲なんでしょうか。しかし、モーツァルトらしさが滲み出ている曲であることには間違えない、今回も幾度か聴きましたが、いい曲なんですよ。生き生きとした活気にあふれる第1楽章、第2~4楽章まではヴァイオリンが協奏曲のように活躍する。後半はふたつのメヌエット、第6楽章のアンダンテは甘美でロマン的な旋律にあふれています。終楽章もまさにモーツァルトの疾走する終曲なんであります。そして、マリナーの演奏なんですが、ボスコフスキーやヴェーグに比べれば、没個性的かもしれません。しかし、現代的センスや都会的な汎用性に溢れている演奏であることには確信が持てます。最も落ち着いて、演奏に身を任せ。気持ちを浸すことができる演奏なんであります。多くのモーツァルトの演奏を行ったことからの自信と確信に満ちた演奏であると言えます。それぞれの楽器のおいても充実した技量やセンスを感じさせられますし、これぞ、モーツァルトのセレナード、でありますねえ。

しかし、いつも聴いていいなあ、って思うのに、上記のようなことでは、やはりしっかりと聴いているとは思えないのでしょうねえ。反省しなければなりません。でも、セレナードのような機会音楽ってのは、そんなところもあるのではないでしょうか、と自己弁護することしきりでした。ジャケットも、いつものマリナーのセレナードのものであります。
マリナーのこの種の音楽をまとめたBOXものが出ないかな、と常に思っています。
(Philips 420 201-2 1987年 輸入盤)

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