気がつけばお彼岸でありました。やっと先週末で忙しさのピークを越えることが出来ました。この三連休は、実に久々のお休み。と言っても一日しか休めませんでしたが…。そんな中で、春ですねえ。三寒四温とはよく行ったもので、それを繰り返しながら暖かくなり、センバツも始まり、プロ野球も開幕直前になりました。
ということで、今回はベートーヴェンの弦楽四重奏曲であります。作品16の六曲は、初期の弦楽四重奏として知られています。1798年から1800年にかけて作曲され、1801年に出版された弦楽四重奏曲である。そしてハイドンなどの影響を色濃く留めていると言われています。六曲セットというのも、ハイドン、モーツアルトの先例に習ったものでしょう。この中から、第1番ヘ長調作品18-1であります。この曲は、第1番と言われていますが、これは必ずしも一番最初の作曲ではないようです。また、この6曲はハイドンが献呈したことでも有名な、フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィツ伯に献呈されています。
私は、これまでそれほど熱心にベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いていたわけではありません。つまみ食いのように、聴く程度でありました。ただ聴く度に、他の作曲家の同じ作品と比べつにつけ、ベートーヴェンの偉大さに感服しておりました。この初期の6曲も、なかなか一癖も二癖もありますねえ。これまでいろんな演奏がありますが、最近私が一番好んで聴くのがベルリン弦楽四重奏団のものです。1976年11月9~12日、ドレスデン・ルカ教会での録音です。
このベルリン弦楽四重奏団、ズスケ・カルテット・ベルリンとも言われ、カール・ズスケを中心に結成されたSQです。1962年にベルリン国立歌劇場管のコンマスとなり、1965年に同管の首席演奏家らと結成したのが、このSQ。1975年にズスケがライプチヒ・ゲヴァントハウス菅のコンマスに移籍したことからこのSQは活動の停止しますが、ベートーヴェンの録音は、1980年まで継続され、めでたく全集が完成することになりました。この演奏のCDは、ドイツ・シャルプラッテンのシリーズで一枚1000円で何度か発売され、全集は7枚で構成されています。ほとんどの中古やさんで買いましたが、7枚揃えるのには、けっこう時間がかかりましたね。
このい第1番ですが、いつも思うのはベートーヴェンの曲の主題は、へんてこなものでも(失礼)、これに手を変え品を変えて実に立派な曲になっているにびっくりするのであります。まさにこの第1番はそんな曲ですねえ。しかし、このベルリンSQは、私的には数あるSQの中でも、弦の美しさと安定感では群を抜いていると思うのです。ズスケの伸びやかで美音のヴァイオリンを被筆頭に、その表現力や豊かな表情などは、実に見事であります。加えて、ドイツのSQらしく艶のある美音だけではなく、コクと渋みも兼ねそなえており、実に充実した演奏になっています。
第1楽章は、先述のとおり主題の見事な昇華を4つの弦楽器が果たしてくれますねえ。そこにはこの4人の力量が大きく反映していますし、ここでの表現力には圧倒されます。一点の曇りもない素晴らしい演奏です。第2楽章は深刻な暗さを感じます。第1楽章の屈託のない明るさとの対比ですが、ズスケのヴァイオリンの素晴らしさに加え、他の楽器もひけを取らない表情で終始しています。第3楽章スケルツォ。ベートーヴェンらしいスケルツォでしょうか。そう思いながら、颯爽と駆け抜けるようなスケルツォは小気味よさを感じます。そして、第4楽章、ここまで聴くと、ズスケだけでなく他の奏者の充実振りも頷くばかりです。けっして大袈裟ではなく、落ち着いた風情でのスキのない名演であります。
このCDは、当時の国内盤では異様に安かった1000円での販売で、思わず買ってしまったものです。安さとは無縁の素晴らしい演奏に驚き、安かろう悪かろうとは無縁であることを再認識したのでありました。
(Dautsche Schallplatten TKCC-7065 1995年)
ということで、今回はベートーヴェンの弦楽四重奏曲であります。作品16の六曲は、初期の弦楽四重奏として知られています。1798年から1800年にかけて作曲され、1801年に出版された弦楽四重奏曲である。そしてハイドンなどの影響を色濃く留めていると言われています。六曲セットというのも、ハイドン、モーツアルトの先例に習ったものでしょう。この中から、第1番ヘ長調作品18-1であります。この曲は、第1番と言われていますが、これは必ずしも一番最初の作曲ではないようです。また、この6曲はハイドンが献呈したことでも有名な、フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィツ伯に献呈されています。
私は、これまでそれほど熱心にベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いていたわけではありません。つまみ食いのように、聴く程度でありました。ただ聴く度に、他の作曲家の同じ作品と比べつにつけ、ベートーヴェンの偉大さに感服しておりました。この初期の6曲も、なかなか一癖も二癖もありますねえ。これまでいろんな演奏がありますが、最近私が一番好んで聴くのがベルリン弦楽四重奏団のものです。1976年11月9~12日、ドレスデン・ルカ教会での録音です。
このベルリン弦楽四重奏団、ズスケ・カルテット・ベルリンとも言われ、カール・ズスケを中心に結成されたSQです。1962年にベルリン国立歌劇場管のコンマスとなり、1965年に同管の首席演奏家らと結成したのが、このSQ。1975年にズスケがライプチヒ・ゲヴァントハウス菅のコンマスに移籍したことからこのSQは活動の停止しますが、ベートーヴェンの録音は、1980年まで継続され、めでたく全集が完成することになりました。この演奏のCDは、ドイツ・シャルプラッテンのシリーズで一枚1000円で何度か発売され、全集は7枚で構成されています。ほとんどの中古やさんで買いましたが、7枚揃えるのには、けっこう時間がかかりましたね。
このい第1番ですが、いつも思うのはベートーヴェンの曲の主題は、へんてこなものでも(失礼)、これに手を変え品を変えて実に立派な曲になっているにびっくりするのであります。まさにこの第1番はそんな曲ですねえ。しかし、このベルリンSQは、私的には数あるSQの中でも、弦の美しさと安定感では群を抜いていると思うのです。ズスケの伸びやかで美音のヴァイオリンを被筆頭に、その表現力や豊かな表情などは、実に見事であります。加えて、ドイツのSQらしく艶のある美音だけではなく、コクと渋みも兼ねそなえており、実に充実した演奏になっています。
第1楽章は、先述のとおり主題の見事な昇華を4つの弦楽器が果たしてくれますねえ。そこにはこの4人の力量が大きく反映していますし、ここでの表現力には圧倒されます。一点の曇りもない素晴らしい演奏です。第2楽章は深刻な暗さを感じます。第1楽章の屈託のない明るさとの対比ですが、ズスケのヴァイオリンの素晴らしさに加え、他の楽器もひけを取らない表情で終始しています。第3楽章スケルツォ。ベートーヴェンらしいスケルツォでしょうか。そう思いながら、颯爽と駆け抜けるようなスケルツォは小気味よさを感じます。そして、第4楽章、ここまで聴くと、ズスケだけでなく他の奏者の充実振りも頷くばかりです。けっして大袈裟ではなく、落ち着いた風情でのスキのない名演であります。
このCDは、当時の国内盤では異様に安かった1000円での販売で、思わず買ってしまったものです。安さとは無縁の素晴らしい演奏に驚き、安かろう悪かろうとは無縁であることを再認識したのでありました。
(Dautsche Schallplatten TKCC-7065 1995年)
暖かくなってきて、弦楽四重奏のような音楽が心地よく聴けるようになりましたね。ベルリンSQは聴いたことがないのですが今度中期、後期位は聴いてみようかな。
ズスケは1962年にゲヴァントハウス四重奏団でベートーベンの初期の6曲録音しております。lp3枚組で6900円で奮発して求めました。ベルリンsqより古雅な響きで大好きでした。