先週末は、少し遅れたお彼岸のお墓参りに岡山に行きました。実は家人が「よく岡山に行くのに、ラーメンやうどんしか食べていない」という不満を漏らしたので、これはいかんということで、何か美味しいものを、ということになりました。家人は穴子が好きなので、ネットで穴子料理のお店を探し、市内の清輝橋の北西にあるお店に行きました。焼地穴子重を食べました。たいへん美味しかったので満足満足。そして、晩御飯にはいつもの長浜ラーメンを食べて帰りました。
さてさて暖かくなり、戸外に出るのが楽しくなってきました。そんなわけでもないのですが、ベートーヴェンの交響曲第6番へ長調作品68『田園』であります。演奏はオイゲン・ヨッフム指揮ロンドン交響楽団。1977年10月の録音です。ヨッフムは、ベートーヴェンの交響曲全曲を三度録音しています。1回目がBPOとバイエルン放響とで(1952~61年)、2回目がACOと(1967~69年)、そして3回目がこのロンドン響(1976~79年)となります。
しかし、三度もの全集、それもすべてセッション録音というのは、カラヤン以外では彼一人しかいないのではないでしょうかね(ただし、アバドが三回だがライブも含まれている)。やはり、ヨッフムにはこのニーズがあったんでしょうかね。このCDは、元々EMIからのものでしたが、オランダのDISKYからライセンス販売されていました。真っ黒に「Beethoven」という字があるジャケットでした。その後、EMIのICONシリーズに、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲全集20枚組で、3600円ほどの激安で販売されています。安いです。
私は、以前にも申しましたが、ヨッフムの演奏好きです。それは、その質実剛健とでもいうんでしょうか、渋いオケの音色で誠心誠意演奏している様が伝わってくる。まさに、作曲家に奉仕するように、実にまじめに力と心をこめての演奏であります。それがこのベートーヴェンの曲を実に忠実に再現しているように思います。また、ヨッフムはテンポの変化も効果的に行い、曲の聴かせどころや盛り上げるような、実に巧みに表現しています。また、私はヨッフムの演奏では弦の澄んだ音色がたいそう気に入っているのですが、ここでも混じりっけのない純な響きでいいですねえ。
まず、第1楽章から、意外にゆったりとしたテンポ。正に田園を逍遥するようなゆったりとしたした落ち着いた風情がうまく表現されています。かなりのゆったりなんですが、これを聴くとテンポの速い演奏は、なんと趣のないことかと思ってしまいます。また弦の透明な響きが、きれいで素朴な田園風景を示すようなんです。第2楽章、ますます写実的な様子は濃厚になり、小川の清流が純粋な弦で一層強調され、それに時折かわいらしく表情豊かな木管が、実に効果的に加わるのであります。これが何を示すかは置いといて、背後では低音の木管が存在感をしめしています。これが音楽に奥行きを与えています。いやー本当に伸び伸びした田園、いいですねえ、第3楽章、ここでもゆったりめで、それで各楽器の生き生きとした表情が、村人の集いをよく表しています。木管がこれまた効果的。ここでの表現は実に巧みです。そして、第4楽章の雷雨・嵐。決して声高でなく、むしろ抑えめなのですが、オケの総合力で写実性を示していますねえ。その迫力は決して他には劣りません。第5楽章、感謝の歌。ここでもそれほどの思い入れがあるわけでもないのですが、感動的な表現が心に染み込んできます。ここまでくるとヨッフムによって、オケのそれぞれが表情を変化し、それは感情的なものではなく、それでいて曲にこめられている心が巧妙にしめされていることに気づくのでありました。本当にいい演奏であります。これぞベートーヴェンと思ってしまいます。
職場でも、やっと桜が咲き出しました。もう4月ですもんねえ。
(DISKY HR70616 2005年 輸入盤)
さてさて暖かくなり、戸外に出るのが楽しくなってきました。そんなわけでもないのですが、ベートーヴェンの交響曲第6番へ長調作品68『田園』であります。演奏はオイゲン・ヨッフム指揮ロンドン交響楽団。1977年10月の録音です。ヨッフムは、ベートーヴェンの交響曲全曲を三度録音しています。1回目がBPOとバイエルン放響とで(1952~61年)、2回目がACOと(1967~69年)、そして3回目がこのロンドン響(1976~79年)となります。
しかし、三度もの全集、それもすべてセッション録音というのは、カラヤン以外では彼一人しかいないのではないでしょうかね(ただし、アバドが三回だがライブも含まれている)。やはり、ヨッフムにはこのニーズがあったんでしょうかね。このCDは、元々EMIからのものでしたが、オランダのDISKYからライセンス販売されていました。真っ黒に「Beethoven」という字があるジャケットでした。その後、EMIのICONシリーズに、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲全集20枚組で、3600円ほどの激安で販売されています。安いです。
私は、以前にも申しましたが、ヨッフムの演奏好きです。それは、その質実剛健とでもいうんでしょうか、渋いオケの音色で誠心誠意演奏している様が伝わってくる。まさに、作曲家に奉仕するように、実にまじめに力と心をこめての演奏であります。それがこのベートーヴェンの曲を実に忠実に再現しているように思います。また、ヨッフムはテンポの変化も効果的に行い、曲の聴かせどころや盛り上げるような、実に巧みに表現しています。また、私はヨッフムの演奏では弦の澄んだ音色がたいそう気に入っているのですが、ここでも混じりっけのない純な響きでいいですねえ。
まず、第1楽章から、意外にゆったりとしたテンポ。正に田園を逍遥するようなゆったりとしたした落ち着いた風情がうまく表現されています。かなりのゆったりなんですが、これを聴くとテンポの速い演奏は、なんと趣のないことかと思ってしまいます。また弦の透明な響きが、きれいで素朴な田園風景を示すようなんです。第2楽章、ますます写実的な様子は濃厚になり、小川の清流が純粋な弦で一層強調され、それに時折かわいらしく表情豊かな木管が、実に効果的に加わるのであります。これが何を示すかは置いといて、背後では低音の木管が存在感をしめしています。これが音楽に奥行きを与えています。いやー本当に伸び伸びした田園、いいですねえ、第3楽章、ここでもゆったりめで、それで各楽器の生き生きとした表情が、村人の集いをよく表しています。木管がこれまた効果的。ここでの表現は実に巧みです。そして、第4楽章の雷雨・嵐。決して声高でなく、むしろ抑えめなのですが、オケの総合力で写実性を示していますねえ。その迫力は決して他には劣りません。第5楽章、感謝の歌。ここでもそれほどの思い入れがあるわけでもないのですが、感動的な表現が心に染み込んできます。ここまでくるとヨッフムによって、オケのそれぞれが表情を変化し、それは感情的なものではなく、それでいて曲にこめられている心が巧妙にしめされていることに気づくのでありました。本当にいい演奏であります。これぞベートーヴェンと思ってしまいます。
職場でも、やっと桜が咲き出しました。もう4月ですもんねえ。
(DISKY HR70616 2005年 輸入盤)
ヨッフムの演奏は昔風のアゴーギクでルバートが利いて濃いめの味付けですね。lpで田園と英雄をよく聴いておりました。懐かしいです。
emiの比較をお願いできませんでしょうか。
私は特にヨッフムのブラームスの4番dg盤が好きなのです。
時間あればお願いいたします。