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ベートーヴェン 後期弦楽四重奏曲から。

2018年03月19日 22時30分24秒 | ベートーヴェン
3月になったと思ったら、もう後半。本格的な年度末の忙しさに突入です。今年は異動はないとしても、新年度への準備などもあってか、3月中はほとんど休みがありません。うーん、辛いですねえ。そんな中、財務省の文書改ざん。いったいどうなるんでしょうね。安倍内閣の命運も尽きるのか。佐川さんがスケープコートになっちゃうのか。「佐川、佐川」と財務大臣に呼び捨てされたり、なんともこの人も不幸ですよねえ。忖度ではなく命令によるものに違いないと皆さん思っているでしょうね。

そんなこんなで、今回はベートーヴェン。弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130であります。いわゆる後期の弦楽四重奏曲については、難解とか晦渋とかよく言われます。一般に後期の作品とは、12番~16番までの5曲ですが、作曲は、12番→15番→13番→14番→16番であり、この中で12,15,13番の三曲はロシアの貴族、ニコライ・ガリツィン伯爵に献呈されていることから「ガリツィンセット」と呼ばれていますね。どれもなかなか独特の曲であります。そして12番(4)→15番(5)→13番(6)→14番(7)と楽章の数は、1つずつ増えています。

その昔、私がこの曲を聴いたのは、20才台のころであり、初めて聴いたのが第13番でした。最初に聴いたときは、なんだこれは、って感じでした。まったくおもしろくいなってところでしたねと言っても要は慣れですね。もちろんそれからかなりの年月がたっておりますので、今やまったく違和感は感じませんし、普通であります。もっと聴きにくい音楽も、他にもたくさんありますからね。具体名を出すと、そんなんもあかんのか、と思われそうで…、遠慮します(笑)。

この作品、終楽章に大フーガがあるのとないのとでは、まったく違いますね。私が聴いたCDは、13番の第5楽章のあとに大フーガあり、そのあとに第6楽章がある演奏だったので、これが当たり前になり、そうなると大フーガがないのは、物足りなさ尋常でなくなるのでした。私的には大フーガを独立した曲としてでなく、13番の第6楽章として聴くのが一番しっくりくるのでした。そして、新しい第6楽章も、それなりにいい曲なんで、好きです。

それで、この曲の演奏ですが、ラサールSQであります。1972年12月ハノーヴァーでの録音です。ラサールSQは、アメリカのSQで、戦後間もない時期に活動を開始、1987年に解散しました、まず、弦の音色が非常に美しい。構成も非常に堅固です。そして客観的な演奏であり、感情の高まりとか、その類のものは、それほど聴かれません。それでいて、繰り返しますが、弦の美しさが際立ち、4つの楽器のそれぞれの、そして合わさった音も、混じりっけのない純な美しさに満ちています。聴いていて、一番曲のよさがわかりやすい演奏ではないかと思います。

第1楽章。いくつかの主題が繰り返されるか、いつ聴いても明瞭かつ新鮮な響きであり、なんら変哲のないメロディを上手く表現しているのは見事です。第2楽章スケルツォ。ふたつの主題から構成されており、短い楽章。緻密な演奏が気持ちよい。第3楽章一つ目の援徐楽章。第一ヴァイオリンの響きが流麗であり、それに呼応するように他の楽器も力を発揮している。第4楽章ふたつめの援徐楽章.レントラー舞曲。魅力的な旋律を中心に、雄弁な弦の響きがとてもいい。第5楽章カヴァティーナ。抒情的な美しさに満ちた楽章。ラサールSQの弦による極上の美しさは筆舌に尽くしがたい。ベートーヴェンの晩年の澄み切った心情がよく表されています。そして大フーガ。私が聴いたこの曲の中で最も整然として、美しいものと思います。この難解な曲も非常にわかりやすく聴くことができます。終楽章。聴きやすくわかりやすい曲であり、それが弦によって明快に演奏されています。この曲を繰り返し聴くと、ベートーヴェンの偉大さがよくわかりますね。他にも、すぐれた演奏はありますが、ラサールSQ、一番好きな演奏と思います。

ということでお彼岸ですね。21日も用事があるために、お墓参りにも行けません。31日にはなんとか行こうと思っていますが、行けるでしょうか…。
(DG F60G29128/30 1990年)

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