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「音のカタログ」とシベリウスの2番

2008年09月26日 18時27分14秒 | シベリウス
私が、クラシック音楽を聴き始めた1970年代前半、CBSソニーから1000円で名曲の聴きどころを100曲ほど集めた、たしか「音のカタログ」なんて名のLPが通信販売で入手できました。このLPはけっこうまめに聴いていて、これを元にして気に入った曲を全曲買う、そんな方法で音楽に親しんでいったことを思い出します。その中で良く憶えているのが、シベリウスの交響曲第2番の第4楽章の冒頭であります。このテーマはほんとよく聴いたし、いいなあと思うことしきりでした。でも、何故か全曲の購入はしませんでした。なぜだか、その理由は思い出せませんが…。その後、シベリウスの2番は全曲で聴く機会はあったんですが、それほどの感動を得ないまま時は過ぎていきました。そんな経緯はありましたが、この2番は、シベリウスの中では1番有名ですが、シベリウス臭さは少ない曲と言われています。多くの演奏がありますが、今回は、またまたカラヤン。なんかカラヤンの演奏を取り上げることが多くて、申し訳ありませんね。カヤラン指揮のBPO。1980年11月 ベルリンのフィルハーモニーでのデジタル録音です。最初のものは1960年のPOとのもの。それに続くカラヤン二度目の録音です。
この演奏、私はかなり気に入っています。極めてスケールの大きく、メリハリにと富んだ演奏。そして、シベリウスの美しい旋律を叙情的に歌うところにおいて、極めて印象的ですね。そこには、BPOの卓絶した力量が背景となっています。カラヤンとBPOの最も充実していた時期の演奏です。いつも思うのですが、低音の充実振りがこの演奏を支えています。第1楽章、大変親しみやすい主題ではじまり、伸びやかな弦の音色もいいです。音が立体的に聞こえるように思えるほど、重なった楽器が混じりっけのない演奏とでもいえるでしょうか。それぞれの第2楽章、ここがポイントです。この演奏はここが凄まじい。金管の咆哮にティンパニの強打、これらを弦や金管の低音が支える、この充実ぶりはただものではありません。ただ、表面的と言われれば、そうかもしれませんが。そして、第3楽章、A-BーAーBの構成。Aは弦のスケルツォ。荒々しさが爽快で快感。低音が体にしみ込むよう。いいです。続いてトリオ。極めて叙情的で牧歌的な旋律がオーボエやチェロでふくよかに登場します。BPOの演奏の美しさはカラヤンらしいものですね。そして、第4楽章になだれ込みます。壮麗なトランペットに、しなやかで伸びやかなな弦が加わって、テーマを優雅に歌い上げられます。ここでもカラヤンの巧さが光ります。充実した弦の低音に、高音で歌い上げる金管、この対比が演奏に安定感をもたらしていますね。いやいや、カラヤンらしい演奏ですね。もちろん、これ以上のものを求めることは野暮でしょう。
この曲、カラヤンはコンサートで一度も取り上げたことがないそうですね。これも興味ぶかいことです。
(EMI CC28-99005 1987)

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6 コメント

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圧倒的に美しいシベリウス (ヒロノミンV)
2008-09-26 23:57:36
 こんばんは。
 このカラヤンの2番、コンサートでは取り上げられていないんですね。いやいや、本当に圧倒的に重厚で美しいシベリウスだと思います。
 最近の演奏は、第4楽章の第1主題が結構あっさり演奏されたものが多いですが、この部分のカラヤンの大見得が見事です。たしか車のCMにも使われていましたね。
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いつもどうもです。 (mikotomochi58)
2008-09-27 22:16:33
ヒロノミンV 様
いつもありがとうございます。私はそれほどシベリウスについては、聴き込んではいないんですが、このカラヤンの一連の録音は、けっこう気に入っています。いわゆるお国ものではないのですが…。またご教示ください。
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スケール大きな演奏でした (mozart1889)
2008-09-29 07:43:16
おはようございます。
カラヤンのシベリウス、イイですね。よく聴いてます。
ゴージャスでスケール豊かな演奏、BPOも本当に巧いです。豪快に演奏しても、この第2交響曲は十分に栄えますね。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2008-10-15 19:25:59
mozart1889 様。返信が著しく遅れたこと、謹んでお詫びします。いつもお世話になります。
いままで、シベリウスと言えば、カラヤンとは余り思い浮かばなかったんですね。これをこの度しっかり聴くことになって、いやいや大したものだと、改めて感服した次第であります。いやいやいいですねえ。ほんと。
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シベリウスの透明さ (Klug)
2016-08-26 06:41:06
カラヤンの演奏はシベリウスの透明さを極限に生かした演奏であるのが印象的です。シベリウスの様々な曲のうち、バイオリン協奏曲、フィンランディア、カレリア組曲と同じイメージが第2番からはします。第3番以降は完全に北欧のイメージが全面に出てくるのでいまだに距離感をおいています。最近ニールセンの不滅や第5番のメロデイが頭の中に入って来てやっと第3番以降の曲がわかりかけて来ました。個人的にはバルビローリやオーマンディ等シベリウスゆかりの指揮者に惹かれます
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2016-08-28 18:38:04
Klug 様、コメントありがとうございます。シベリウスの作品については、思い出したように聴くといったような私です。カラヤンも、1960年代まではDGにいくつか録音し、それ以降はEMIに数曲といったところででょうか。カラヤンのシベリウスはご指摘のとおり素晴らしいですね。7番なども聴きたかったです。またご教示ください。
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