なんでも台風が接近しているそうです。一時、台湾から西に抜けそうだったのが、迷走して東向きに進路を変えて、今週末までには西日本に接近するそうですねえ。これも困ったことであります。季節は、急激に秋色になってきていますが、今回は一足早く、シベリウスであります。シベリウスというと北欧→寒い→冬、という単純な図式が頭の中で出来上がっているのですね。これも固定観念に近いことかもしれません。シベリウスは今回初めてのエントリーとなります。
これまで、シベリウスは聴かなかったかと言えば、そんなこともなく、一通りのCDは持ってました。その昔はシベリウスと言えば、バルビローリが浮かぶ、そんなころもありましたかね。その他もお国ものも含めて、多くのCDも出ています。過日、大阪に行った折に、カラヤンのシベリウスを見つけまして、買ってしまいました。カラヤンには1960年代のDGへの録音(4-7番)と、1970年代以降のEMIへの録音(1・2・4-6番)、加えてフィルハーモニアへのものとあります。いずれも全集になってないのもカラヤンにしては不思議と言えば言えますね。
今回のCDは、EMIのDouble fforteからのもの。交響曲第1・4-6番と「カレリア」組曲が収録されています。その中から、交響曲第5番変ホ長調であります。1976年の録音。このシベリウス、やはり北欧のお国振りがないと評価はされにくいのですかね。もっともカラヤンはドイツもの以外にも、さまざまな他国の作曲家の作品を取り上げているので、彼の演奏にはその国の土臭さなどは、皆無であり、そこにはカラヤンの土臭さがあるだけで、それはどの作品にも普遍的なものであるのです。それゆえ、この演奏もシベリウスの曲に込められた理念などを聴こうとすることはほとんど意味がないことなんでしょう。それを求めるのなら他の演奏を聴くべきでしょうね。まあ、こんなことは考えなくても、この演奏は十分楽しめる。
ここでのカラヤンとBPOは、両者の全盛期の輝きと自信に満ちあふれた演奏を聴かせてくれます。第1楽章、伸びやかで味わい深いあじわいホルンので始まって、木管と弦のからみの中に曲が進んでいきます。この雄大なスケールの中にも繊細さを感じるカヤランBPOの名人芸。そして次第に盛り上り、大自然が展開される。その中で、トランペットによる主題が登場。ここにいたるまでの諸楽器の扱いはカラヤンは巧い。そして、金管の合奏の迫力、この時期のBPOの威力爆発であります。そして、第2楽章。変奏曲。ヴィオラとヴァイオリンのピチカートに木管が加わり、曲が進む。穏やかな主題が出てくるが、BPOの巧さが光る。次への前提となる自然の休息なんでしょう。カラヤンも力を蓄える。そして、第3楽章。一転して曲は雄大に。弦のトレモロが気ぜわしいが、その中から、ホルンによるかくもスケールの大きなテーマが流れる。この曲の流れの扱いもカラヤンはうまい。そして、トランペットに受けつがれ、ゆったり目のテンポで気宇壮大なうちに曲を閉じる。BPOは自然を表現するのにあっているかどうか、そんなことは問題ない。とにかく、カラヤンのシベリウスでありました。
(EMI 5 74858 2 2001年 Double fforte 輸入盤)
これまで、シベリウスは聴かなかったかと言えば、そんなこともなく、一通りのCDは持ってました。その昔はシベリウスと言えば、バルビローリが浮かぶ、そんなころもありましたかね。その他もお国ものも含めて、多くのCDも出ています。過日、大阪に行った折に、カラヤンのシベリウスを見つけまして、買ってしまいました。カラヤンには1960年代のDGへの録音(4-7番)と、1970年代以降のEMIへの録音(1・2・4-6番)、加えてフィルハーモニアへのものとあります。いずれも全集になってないのもカラヤンにしては不思議と言えば言えますね。
今回のCDは、EMIのDouble fforteからのもの。交響曲第1・4-6番と「カレリア」組曲が収録されています。その中から、交響曲第5番変ホ長調であります。1976年の録音。このシベリウス、やはり北欧のお国振りがないと評価はされにくいのですかね。もっともカラヤンはドイツもの以外にも、さまざまな他国の作曲家の作品を取り上げているので、彼の演奏にはその国の土臭さなどは、皆無であり、そこにはカラヤンの土臭さがあるだけで、それはどの作品にも普遍的なものであるのです。それゆえ、この演奏もシベリウスの曲に込められた理念などを聴こうとすることはほとんど意味がないことなんでしょう。それを求めるのなら他の演奏を聴くべきでしょうね。まあ、こんなことは考えなくても、この演奏は十分楽しめる。
ここでのカラヤンとBPOは、両者の全盛期の輝きと自信に満ちあふれた演奏を聴かせてくれます。第1楽章、伸びやかで味わい深いあじわいホルンので始まって、木管と弦のからみの中に曲が進んでいきます。この雄大なスケールの中にも繊細さを感じるカヤランBPOの名人芸。そして次第に盛り上り、大自然が展開される。その中で、トランペットによる主題が登場。ここにいたるまでの諸楽器の扱いはカラヤンは巧い。そして、金管の合奏の迫力、この時期のBPOの威力爆発であります。そして、第2楽章。変奏曲。ヴィオラとヴァイオリンのピチカートに木管が加わり、曲が進む。穏やかな主題が出てくるが、BPOの巧さが光る。次への前提となる自然の休息なんでしょう。カラヤンも力を蓄える。そして、第3楽章。一転して曲は雄大に。弦のトレモロが気ぜわしいが、その中から、ホルンによるかくもスケールの大きなテーマが流れる。この曲の流れの扱いもカラヤンはうまい。そして、トランペットに受けつがれ、ゆったり目のテンポで気宇壮大なうちに曲を閉じる。BPOは自然を表現するのにあっているかどうか、そんなことは問題ない。とにかく、カラヤンのシベリウスでありました。
(EMI 5 74858 2 2001年 Double fforte 輸入盤)
カラヤンのシベリウスはいいですね。僕は5番と7番しか持っていませんが、BPOの作り出す響きの美しさが素晴らしいと思います。
『カラヤンの土臭さがあるだけで』
なるほど、そういうとらえ方があるんですね。勉強になりました。
コメントありがとうございます。私はそれほどシベリウスは聴かないのですが、久しぶりに聴いてみると、その世界にとっぷり浸かってしまって、いいですね。カラヤンの演奏は、DG盤などは未聴なんですが、EMI盤の充実振りは、いいですね。よんちゃんさんのブログで言われているディヴィス盤も聞いてみようと思います。