こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ティーレマンのバイロイトの『指環』から

2013年06月09日 22時37分58秒 | ワーグナー
この週末は、家でゴロゴロでしたが、二日とも交流戦、マリーンズは、甲子園での阪神戦。三年前から勝っていない阪神でしたが、案の定、二連敗。土曜日は成瀬が新井貴の一発にやられ、今日は、拙攻続きで4併殺、案の定九回益田がマートンに逆転サヨナラ2ランを打たれ…。もう最悪の負け方です。よくない藤浪にきちんと送りバントなどの手堅い攻撃をしておればなあ、と思うのですが、うーん、去年と同様、ここいらからの大失速にならないように、祈るだけであります。

ということで、この二日間、野球で時間がつぶれてしまいました。そんな中、聴こうとしてたのが、クリスチャン・ティーレマンの指環であります。というのも、近日、ティーレマンのウィーン国立歌劇場での2011年のライブでのワーグナーの『ニーベルングの指環』が発売されるということを聴いたことによります。ティーレマンには、2008年のバイロイト音楽祭でのライブ盤がすでに発売されており、これで二組目になります。それも興味深く思い、それならば、バイロイトライブもしっかり聴こうと思ったのであります。

私は、ティーレマンについては、これまで広告などに踊らされて、多少は購入してきましたが、熱心に聴いたり、または積極的に、これはすごいとは思っているわけではありませんでした。どちらかといえば、そんなにすごいの?、と思っていたひねくれもんでありました。といっても、ベートーヴェンの交響曲全集とブルックナーの8番くらいしか持っておりませんが…。ただ、バイロイトのライブの『指環』については、出ると同時に買ってしまったのでありました。

しかし、あまり聴いていない。その理由は?といえば、やはり歌手なんですね。私はオペラは、指揮者うんぬんよりも、歌手に重きを置いて聴く方と思っています。ここ十年来(いや、もしかすると二十年か)、どうも歌手が物足りないなっていうイメージなんですねえ。ですので、どうしても過去の録音に目が、いや耳がいってしまうのです。ティーレマンも、いくらティーレマンがいいといっても、歌手の力不足や物足りなさをどうしても感じてしまうのでした。

ということで、ティーレマンの『指環』から、『ワルキューレ』であります。ジークムント:エントリク・ヴォトリヒ、フンディング=クヮンチュル・ユン、ヴォータン=アルベルト・ドーメン、ジークリンデ:エファ=マリア・ウェストブロック、ブリュンヒルデ:リンダ・ワトソン、フリッカ:ミシェル・ブリート、という顔ぶれ。最近、バイロイトのライブもそれほど聴いていないので、半分くらいは新鮮さを感じてしまいます。

まあ、歌手のことは別の機会ということで…。今回はティーレマンの指揮であります。このひと、いいですね。まずバイロイト祝祭管弦楽団。こんな充実した演奏を聴くのは、久々かも知れませんね。極めて安定してしっかりとしたものであります。少々明るめの印象がありますが、それはそれで明快でいいと思います。そして、お話しの流れに従って、曲の表情や流れなど、実に表現力に満ちあふれています。悲しげなところは実に悲しい。希望に満ちたところは、そんな情景に溢れている。また、歌唱以上にそのストーリーに沿った表情であることも、聴いていく中で、実に心地よいのです。そんな表現力に、バイロイトのオケが絶妙の音色で歌っているのもうれしいです。これほどの表現力に満ちた演奏もそう聴けるものでもないでしょう。そして、歌唱に対しても、絶妙のバランスであり、そんな風なので、不思議なことで、オケの演奏を聴いていると、物足りなさを感じる歌唱も、それほど気にならなくなるのでありました。

やはり、ティーレマン、ただものではありません。今後やはり彼の演奏はしっかり聴いていかなければいけません。それを改めて感じたことでありました。

(Opus Arte OACD9000BD 2009年 輸入盤)

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