こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

フィラデルフィアとブルックナー

2014年06月15日 00時24分32秒 | ブルックナー
サッカーのワールドカップが始まりました。普段はほとんどサッカーって見ないのですが、こればっかりは、ちょこちょこ見てしまいそうです。でも、いつまでも国別対抗になるんですねえ。オリンピックは、団体はそうですが、基本的には個人の争いですよねえ。ワールドカップは国対国であり、まあもういい加減国というものの呪縛から解放されたい気分です。でもそうは言っても、国同士の戦いって、やはり盛り上がりますね。これも国というものの呪縛ですかねえ。

ということで、今回は、ブルックナーです。これで、ブルックナーを取り上げるのは45回目。と言っても、11曲の交響曲とミサ曲などしかない作曲家ですので、モーツァルトやベートーヴェンとは、曲の数が違います。マーラーも同様に、11曲の交響曲と歌曲しかないですからね。まあ数少ない曲をとっかえひっかえ取り上げているのでしょうね。なかなかかないませんなあ。

私は、ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」、かなり好きなのです。奥の深さでは、7番以降の曲にかなわないのですが、この曲を聴く度に、やはりいいなあ、と思ってしまうのです。以前にも書きましたが、この曲を初めて聴いたときの感動が私の頭から抜けきらないのですねえ。14才のころに聴いたときの情景が、昨日のことのように思い出されます。これまでも、この曲は、カラヤン、ベーム、ブロムシュテット、テンシュテット、リヒター、ケンペ、コンヴィチュニー、ハイティンク、朝比奈、ザンデルリンク、チェリビダッケと11回もこのブログでも取り上げていますからねえ。

今回は、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏です。1967年10月9日フィラデルフィアのタウン・ホールでの録音です。オーマンディは、少し前にベートーヴェンの交響曲を取り上げましたが、それを買ったときに一緒に買ったのが、このブルックナーです。5番との2枚組です。あまりオーマンディのブルックナーというのは、印象がないのですが、この4・5番と7番の録音があるそうです。

オーマンディといえば、絢爛豪華なフィラデルフィア・サウンドでありますが、この4番、私は、カンガンそしてビンビンとオケが鳴り響くような演奏が好きなんですねえ。まあけっこう明るくて開放的であり、それほど深くないところも指摘されています。そんな曲を、オケ全開で、派手にやってくれれば大満足であります。この演奏も、そんな風なもので、非常に明るく金管がガンガンで、木管も明朗快活、弦もビンビン、ということで、私的には理想的なものでありました。

第1楽章から、伸び伸びとしたホルンで始まり、各楽器の鮮明な音色で、ブルックナーの世界が広がって行きます。テンポの程よく、力強く聴かせるところは全力では迫力も満点であります。フィラデルフィア管はさすがに巧い。実に豪華絢爛な管弦楽。いいです。第2楽章、たまに退屈になる楽章ですが、弦は実に美しい。木管も華やか、そんな名人芸に耳を奪われて、心地よく聴くことができます。音楽には屈託もなく、直球一本の表情。これはこれでいいです。第3楽章、やはり金管の合奏は鮮明で爽快。中間部の木管も味わい深いです。そして、終楽章。やはりここでもスケールの大きな演奏で終楽章に相応しい演奏が繰り広げられます。熱気も感じ、もりあがりも感じられます。それを支えているのは、やはり金管の圧倒的な威力であり、このオケの凄さなんでしょうねえ。いやいや、最後まで音の饗宴に満足の演奏でありました。そして、やはりアメリカのオケの音色だなとも思った次第です。

これからワールドカップ、一ヶ月くらいの期間は、みなさんサッカーに夢中になってしまいますねえ。それが終われば、夏ですかねえ。

(SONY SICC 1679-80 2013年 タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション)

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2 コメント

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タイトル付きに弱い (クレモナ)
2014-06-22 08:35:43
初めてコメントいたします。宜しくお付き合い願います。
オーマンディ、ブルックナーをやっていたんですねえ?5番や7番もあるんですか?ブルックナーのそれまでの短調シンフォニーと違い、この4番はオーケストラを思い切り鳴らした演奏が良いかも知れませんね。オーマンディは未聴ですが、案外向いている曲なのかも知れません。
私の4番との出会いは、今から45年前、1969年になります。クラシック音楽を聴き始めた頃、レコードが高かったのでおいそれと購入は出来ませんでした。そんな時、コンサート・ホール・ソサエティという会員制の通販会社があって、値段の安さと、曲目の珍しさ、購入のし易さから、時々入手していました。その中に、この「ロマンティック」があったのです。演奏は、ハインツ・ワルベルク/ウィーン国立交響楽団というレコ芸などでは見かけない名のものでした。しかし、初めて聞くブルックナーに当時は興味を抱いたものです。ただ単に4番の交響曲なら、興味を示さなかったと思いますが、「ロマンティック」というタイトルが気に入ったのだと思います。その後、レコードでは、ベーム、メータ、フルトヴェングラーなど購入しましたが、再生の難しい曲でもありました。
CDになり、棚を見てみると、ハイティンク/VPO、フルトヴェングラー/VPO、ショルティ/CSO、エッシェンバッハ/パリO、クレンペラー/PO、テンシュテット/LPO、カラヤン/BPO、ヴァント/BPO、ベーム/VPO、バレンボイム/BPOなどがありました。
クラシックの曲もタイトルが重要で、やはり良い曲には、ピッタリのタイトルが付いていますが、この曲にタイトルが付けば、もっと聴かれるのになあ、というのがあります。ブルックナーも5番や7番、8番、9番にも良いタイトルが付けば変わっていたかも知れません。「ロマンティック」も十分良い曲ですが、ふと、そう思いました。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2014-06-22 21:59:13
クレモナ様、コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。オーマンディの演奏は、タワーさんの復刻で久々に接することになりました。オーマンディのブルックナーなんて、聴く気にもならなかったのですが、ついつい興味本位で買ってしまいました。私も、この「ロンマンティック」という標題に惹かれて、1972年頃にカラヤンのEMI盤を買いました。今でも、このカラヤン盤が一番のお気に入りであります。こんなタイトルは、確かに重要ですねえ。また、ご教示ください。
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