こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

朝比奈さんは、いかがですか?

2008年08月08日 21時36分46秒 | シューベルト
天候が不安定で、夕方になると雷をともなった激しい雨がよく降ります。その分夜は涼しくなるので、それはありがたいのですが、いろんな被害もでてるみたいで、それを考えると、困ったものでありますね。その昔、岡山の田舎で受験勉強に励んでいた頃、夏に夕立ちがあったあとの、なんともさわやかな、世間のごみを一切合財浄化してくれたような、景色が好きでした。もっとも、最近はそんなことは思いませんが…。
さて、今回は朝比奈隆さんであります。つい先日NHKBSで四回シリーズで「朝比奈隆の芸術」と特集していました。ビデオには一応撮ったのですが、まだ忙しさにかまけてみていないんですね。でも、その少し前から朝比奈さんの演奏を聴く機会がありまして、これまではそれほど聴いたことがなかったのですが、なかなかももので、これはもっと聴かなければなるまい、と思った次第です。
そうは言っても、1990年代前半に3回ほど実演を聴いたものとしては、それほどいい印象はなかったんですね。まあ、そのよさがわからなかっただけかもしれませんが。それで最近それなりに聴く機会があって、そのよさを実感するようなこともあり、それ以来中古やさんなんかでも物色しているわけです。それでかなわんのは、フルトヴェングラー並みの同曲異演盤が多いことなんです。まあ、それも馴れていけばいいのでしょうが…。
それで、朝比奈さんのシーベルト交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」であります。1996年2月16日愛知県芸術劇場でのライブであります。この曲は、ややもすれば、冗長な印象を受けがちなんですが、この演奏においては、そんなことはほとんど感じないメリハリの効いたものです。そして、シューベルトの全編にあふれるばかりの歌が、忠実に再現されているのも、飽きない理由でしょう。第1楽章、序奏部のホルンによる主題から、弦楽器、それにオーボエの波打つような美しさに続き、主部に入ってからの主題にからまった表現は、リズム感に満ち、多くの楽器のまとめかたが素晴らしいですねえ。飽きません。そして、第2楽章オーボエから歌から、ちりばめられた歌、これはしっかりと聴かせてくれます。全体を通してもて低音の立派な存在感も比類なきものかもしれません。第3楽章スケルツォ。充実した躍動感で他楽しさも感じます。けっして粗くはならいところが印象的。第4楽章も、演奏によっては、早く終わってもいいよと言うのもあるんですが、愉悦感に満ちた楽しさが終わらないでほしいと思ってしまうのが、これまた朝比奈の手腕でしょうね。オケも粗くならないで、畳みかけるような演奏に、時折のティンパニの強打、たのしさ一杯ですね。金管がよくなっているのもいいです。でも、朝比奈さんが逝去されてもう8年もたつんですねえ。
(CANYON PCCL-00386 1997年)

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