こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

格安カルメンDVD

2009年10月01日 21時12分38秒 | その他の作曲家
民主党政権が誕生しました。現在の日本政治の閉塞感を打破することなればいいですねえ。ただ、気になること一つ。新しく「国家戦略局」が設立されましたね。この部署の是非はともかく、問題は、ここに用いられる「戦略」なんです。この言葉、辞書で引きますと、「戦争・闘争などに勝つための大局的・長期的な経略」とあります。最近はもっと幅広く、政治や社会運動においても用いられることがあるとしても、言葉の本義は、「戦争」に関連する用語であることは明白ですよね。そうなると、戦争放棄を国是とする平和国家日本の政府機関の名称としては、はなはだ不的確と思うのですが、いかがでしょうか。「国家政策局」くらいが妥当だと思ってしまうのは私だけでしょうか。
前置きが長くなりました。今回は、『カルメン』であります。さきごろ、ディアゴスティーニから『DVDオペラコレクション』が創刊されました。その創刊号がカルロス・クライバーのビゼーの歌劇『カルメン』(1978年のウィーン国立歌劇場公演)でありました。創刊記念ということで990円の特価でしたので、ましてやクライバーの演奏、ということもあって、早速購入しました。次号からは1990円ということで、欲しいのがあれば買おうと思いますが…(笑)。
『カルメン』は、数あるオペラの中でも、聴き慣れた曲が盛りだくさんで、聞きやすいオペラと思います。お話もそれほど複雑でもありませんが、まあドン・ホセを可哀相やねえ~と思うのですね。 しかし、ビデオでオペラを見ることは楽しいことなんですが、指揮者や歌手の演奏よりも、演技やストーリーの方に目がいってしまいませんか。言わんとすることは、あまり好みではない歌手でも、容姿や演技で誤魔化されてしまうのです。まあ、オペラは本来そんなものかもしれませんが…。
このDVD、何と言ってもクライバーの指揮が見どころです。颯爽と登場して、鮮やかな棒さばきはいつものように魅力一杯ですね。まだ若いです。細いです。クライバーの躍動感あふれる、またえぐりの効いた音楽は、ほんとに聞かせてくれます。第一幕でのカルメンが登場するときの音楽は、誠に鋭角的で心に突き刺さるようです。また、歌手では何と言ってもドミンゴですね。少々立派なところと、情けないところが同居するようですが、その存在感はたいしたものです。第二幕の「花の歌」の鳴り止まぬ拍手は、どれほど続いたのでしょうか。カルメンのエレーナ・オブラスツォワは、なかなかカルメンの妖艶さをよく打ち出していましたね。演技で納得させられました。これに対して、ミカエラのイソベル・ブキャナンは、少々力不足ですが、その非ラテン的な美貌でカバーしてました。特に、私は第1幕の第6曲のホセとミカエラの二重唱が気に入っております。カルメンの毒気を感じない曲です。ホセもこのまま変な気を起こさなかったら、と思いますねえ。また、第3幕のミカエラのアリアもいいですねえ。密輸人の中で現れるミカエラはほんとに素敵であります。こんなときに美人は得なんでしょうか。エスカミーリョのユーリ・マズロクについては、すべてにおいて小型ですかね。うーん、難しいです。
しかし、クライバー、最初はよく出場していましたが、次第に出なくなります。そこのところは残念ですねえ。このひと、出てくるだけで大した存在感があります。大したもんです。
(Deagostini Opera collection DDC-001 2009年)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ショルティによるベートーヴ... | トップ | 今度のベートーヴェンは、チ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

その他の作曲家」カテゴリの最新記事