こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

アバドとVPOでブラームス

2012年12月23日 18時35分40秒 | ブラームス
東北に行く前のことですが、職場の忘年会が姫路の塩田温泉であって、その翌日三宮で飲み会がありました。それはなんとマリーンズファンが三人集まっての、世にも珍しい会でありました。マリーンズファンなんて、中にはマリーンズで何?と言われるし、私自身もいままでの知り合いでマリーンズファンだという人には一人しか会ったことがないのです。それが三人も集まったのですから、これは奇蹟的なこと。今年のマリーンズの反省会として熱く語り合ったのでした。当日、あまりのうれしさと焼酎のうまさで、飲み過ぎて、ぼろぞうきんのように、前後不覚になって、家まで帰った私でありました。

さて、今回はブラームス。久しぶりですねえ。今年は1月に朝比奈さんの演奏で取り上げて、ほぼ一年ぶりです。今年は、ブラームスはあまり聴かなかったんですねえ。うーん。そうでしたか。ブラームスの交響曲第1番ハ短調作品68。演奏は、クラウディオ・アバド指揮のVPO。1972年3月ウィーンのムジークフェラインでの録音です。今から40年も前の録音であります。ジャケットの写真には、若い颯爽としたアバドがVPOを指揮している姿。背後にはこれも若いヘッツェルやキュッヒル、ヒューブナーの姿も見えますねえ。

このCDは、Tower Records Vintage Collection Vol.12のひとつとして復刻されたもの。タワーさんは、入手できない名盤をこんな形で再発売してくれて、実にいい仕事をしてくれます。これは、アバドがVPO・BPO・SKD・ロンドン響の四つのオケを振ってブラームスの交響曲を録音したものの1枚。当時DGは、クーベリックに九つのオケを振り分けてベートーヴェンの交響曲全集を録音しましたが、それと同趣向のものですね。

なかなかこのブラームス、4つのヨーロッパの名門オケを起用したところに、面白みがあります。やはり、オケが異なれば、演奏は変わってきますねえ。そして、アバドは、BPOの音楽監督となった直後にBPOとこの曲を録音しています。このVPOの録音から約20年後のものですが、非常に重厚で彫りの深い、立派な演奏であります。これに対して、このVPOとの演奏、まだ、30台のアバドの若さや躍動感などがあふれたものであります。比較してみると、VPOの方がいいなと思うことしきりでありました。

ということで、このVPOとのブラームス、やはりVPOのしなやかできめの細かいオケの美音がなんともいいです。随所で聴けるVPOのそんな素晴らしさは、このオケならではのものですねえ。アバドの指揮も繊細で、旋律をじっくり歌わせております。若いアバドが勢いに任せて、と言ったことではなく、また力業で威力を発揮する、といったこともなく、1音1音をじっくりと大切に歌い上げております。あくまで、VPOの音色は明るく、それはそれでもっと重く、厚みがあるブラームスがいいという向きもあるでしょうが、こんな,明快で繊細なブラームスもいいですよねえ。

ちょうど、この演奏が録音されたころに、私は初めてブラームスのこの曲を聴きました。この曲のもつ暗さと重さと分厚さに、当時はどうもなあ、って印象を持ちました。そのころにアバドはこんな演奏をしていたんだ、と思うと、こんな演奏を最初に聴いたら、また印象も違ったのかなと思ってしまいますね。

12月になったな、と思えば、明日はもうクリスマスイブ。寒いです。神戸もホワイトクリスマスになるかも知れません。でも、そこまでは…、でしょうねえ。
(DG Tower Records Vintage Collection Vol.12 2011年)

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