こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

SPからの復刻したワルターのモーツァルト、

2018年08月05日 21時36分08秒 | モーツァルト
8月になりました。5日からは甲子園の高校野球も始まりますが、この酷暑の中、炎天下での運動ってもう正気ではないな、ですね。しかし、今年は百回大会ということで、特に朝日新聞やテレビは加熱気味。高校球児をスターやアイドルのように扱うなど、すべてにおいて異常です。体調のことなど含めて、甲子園で行うのは、ベスト8から。それまでは周辺の球場で分散開催する。となれば、日程的にも余裕ができる、と思うのですが、まあ無理でしょうねえ(笑)。

さて、酷暑の中、今回はモーツァルト。ブルーノ・ワルターによる戦前のSPへの録音から。オーパス蔵による復刻です。最近、このオーパス蔵とGRANDSLAM、OTAKEN RECORDSなどの復刻CDをよく聴きます。中古やさんで見るときも多いですが、タワーさんでワゴンセールで1050円くらでよく売られています。それをちょこちょこ行って買っております。過日もオーパス蔵からのこのワルターの交響曲第39、40、41番の復刻CDを買いました。1050円(税抜)でありました。

しかし、このCDもそうなんですが、この手のいわゆる盤起こしは、実に音の向上が著しいですねえ。先述の三つのレーベルも、それぞれ特徴があるんですが、SPなどからの復刻では、やはりオーパス蔵ですねえ。と言っても、もともとのSP盤を聴いたことがないのですが、このモーツァルトは、2001年に続いて、新リマスターで2013年に3曲を一枚にして発売されたそうです。とにかく、「SPの溝にはここまでの音が入っていた」と驚嘆せざるを得ない音であります。実に生々音で、ノイズもそれほど多くいです。そしてしっかりとした低音がうなり、音がズンズンと心に染み込んでくるのでありました。聴いた初めはこんな音なんだ、と思いますが、聴くに従って、まったくストレスなく、普通以上にしっかりと聴くことができるのが、ホントに凄いです。

そして、今回は交響曲第39番変ホ長調K.543です。BBC交響楽団との1934年5月21日の録音です。ワルターのこの曲の録音は、三種類あります。この録音と、1956年のニューヨークPO、1960年のコロンビア響とのものです。中でも最も名高いのは、以前にも取り上げた1956年盤ですね。非常にスケールが大きく、迫力満点で輝かしい響きの演奏であります。ベートーヴェンの交響曲のようですね。それの20年ほど前で、57才のときの録音。しかし、解説にもあるように、1934年はドイツではヒトラーが全権を掌握し、ワルターはナチスによりドイツを追われ、ウィーンに移住した年。歴史的な年でありますねえ。

やはり、ワルターのモーツァルトはいい。ニューヨークPOとの録音もいいが、こちらの方がよりモーツァルトらしい。それでも甘美すぎたり、優雅すぎたりすることなく、造型は堅固であり、
少しももれもない演奏を聴かせてくれます。テンポもかなり自由に設定し、それも効果をあげています。オケも、ワルターの統制のもと、堅実な演奏を展開しています。そうは言っても、ここぞという場面でもワルターらしい優雅さや優しさは健在で、それがまたこの演奏を引き立てています。この曲の多くの演奏がある中、ベストというのはモノラルなので気がひけるのであります。

第一楽章、冒頭の序奏からゆったりとしたテンポで、これから展開する音楽の期待がいやが上にも高まって行く。そしてこの復刻、低音部の充実振りも素晴らしい。そして主部に入ると、テンポはかなり揺れ、主題が心憎いほどに、心に染み込んでいくような演奏。伸びやかにそして優しいモーツァルトが語られます。第二楽章、ゆったりとしたテンポで、一音一音噛み締めるように進む。なめらかな弦の響きに応じるかのような、優しい表情が実にいい。第三楽章メヌエット、ここでもゆったりで進む。しかし、音楽は剛毅な点も見え隠れする。それに対して、中間部では一層テンポが遅く、ワルターによっての優しい展開がとてもいい。そして、第四楽章、一転してテンポが早くなり、一気に駆け抜けるようです。それでもBBC響がまったくついていっており、乱れもなくワルターの統制の下、優れた演奏が聴かれ、それも気持ちよいです。

今日から甲子園100回記念大会が始まりました。観客席でも熱中症の危険があります。十分、注意してほしいですねえ。でも、一日どれらの人が救護室のようなところにいくんでしょうねえ。選手も危ないです。十分に手当をしてほしいものです。
(OPUS蔵 OPK2107 2013年)

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