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フルトヴェングラーの「ザ・グレート」

2016年09月11日 18時04分12秒 | シューベルト
先週末は、亡母の七回忌ということで、一家四人で岡山に行って法事でありました。もう7年(実際は6年)も経つのかと思い、まだそんなものか、と思うのでありました。もう長いこと母にはお会いしていないというのが実感でしょうか。一方で、まだ当分はお会いしたくないなと思うのでありました。次ぎは十三回忌ですが、もう家族だけで行うだろうし、幾人かの親戚にも来ていただいたことも、最後かなと思うのでありました。

それはそれとして、今回は、フルトヴェングラーによるシューベルト。先の大戦中の録音と言うことで、ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮BPOによるシューベルト交響曲第9番「ザ・グレート」です。録音は、1942年12月6・7・8日のライブです。フルトヴェングラーの「ザ・グレート」は、この録音と、1951年12月のスタジオ録音と1953年8月のザルツブルク音楽祭での録音が有名です。その中でも、1951年盤は落ち着いた風格のある演奏であり、これに対して1942年盤は戦時中のライブ録音ということもあって、フルトヴェングラーらしさが全面に押し出されたものということができます。はやり、戦時中のライブは、一種独特の雰囲気と凄さがありますねえ。そんなこともあって、私は、1942年盤を溺愛するものであります。

さて、この1942年盤、近年のいわゆる「板起こし」による復刻CDが出ております。手元には、オーパス蔵盤とGRANDSLAM盤があり、この二つはかなりいい音で聴かせてくれるので、嬉しいのでありました。前者は、音の細かいところまで聴けるようで、後者は豪快で迫力に満ちた音を楽しませてくれます。初めは前者が好きでしたが、最近では、後者の良さもひしひしと感じております。しかし、これがそのレーベルの全体的な傾向かと言えば、そうも言えないと思います。
この手の復刻は、音源となったSPなどの状況によって変わるからであります。GRANDSLAM盤は、メロディア盤のLPからの復刻だそうです。戦後ソ連が戦利品として持ち帰ったもののなかに含まれ、ソ連でLP化されたものの中に含まれていたものですね。

実は私、「ザ・グレート」の1951年のスタジオ録音は、LPでも持っていなかったし、おそらく聴いたことがないのではないかと思うのです。それゆえ、フルトヴェングラーのこの曲と言えば、この1942年盤を思い浮かべるのでありました。この演奏は凄絶ですよねえ。特に第1・4楽章の気合の入り用は尋常ではありませんねえ。間の2・3楽章もそれほどではにないにしても、そうですねえ、という演奏であり、いろんな意味で楽しめるのでありました。このGRANDSLAM盤は、そんなフルトヴェングラーの演奏をうまく聴かせてくれるのです。

第1楽章、最初は、ゆったりとごく一般的な導入ですが、主部になるとテンポがどんどん速くなり、気がつけば、疾走の如くだだならぬ熱気に驚かされる。テンポの自由な変化は、ここでこう変えるかとか、ここでこう力をこめるかなど、いかにもフルトヴェングラーらしい演奏には、興奮させられますね。次第に速度と力強さを増していくところにはいつも心が高揚します。第2楽章、シューベルトらしい美しい旋律が存分に歌わされる。その中で、テンポの独特の揺れも加わり、神秘的な表情が垣間見れます。ここでもらしさは存分に聴くことができます。第3楽章スケルツォ。ティンパニや低弦の強奏が、迫力満天ですね。中間部では、心が籠もった歌がいい。そして終楽章。冒頭は気の抜けたような演奏だが、その後は、アチェレランドをかけ、力一杯の入魂の演奏が加わり、いやが上にも興奮が増していきます。 いつもの雄弁なティンパニは、いいですし、曲が進む中で緊張感も一層高まりながら、であります。いやはや、フルトヴェングラーの演奏は、ほんとにいいですねえ。

昨日、広島カープが四半世紀ぶりにリーグ優勝を飾りましたね。いつの間にか強いチームになりました。一方、マリーンズは、本日四球押し出しのサヨナラ負け。さえませんねえ。トホホ。
(GRANDSLAM GS-2102 2013年)

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