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ショルティのマーラーについて

2014年08月17日 18時12分23秒 | マーラー
お盆も無事終わりました。今週は休みをもらって三日間岡山に滞在しました。岡山では墓参や掃除など頑張りましたが、DVDで映画を見たり、持参したCDを聴いたり、そして夜には刺身を肴に酒を飲んでおりました。台風のあとは、急に涼しくなったようで、エアコンも不要でした。そんな気楽なお盆休みでありました。家は、なかなか手入れもできなく、雨漏りなどが心配であります。いろんな課題がありますが、なんとか今年もお盆もすごすことができたのでありました。

そんなこんなで、今回はマーラーなんです。しかし、振り返って見ると、マーラーを取り上げるのは、去年の正月以来で、約1年7ヶ月振りです。うーん、マーラーは日常的によく聴いてはいるのですがねえ。如何せん、マーラーの曲って交響曲10曲、歌曲が、5つくらいですから、まあそんなもんでしょうか。

それはともかく、今回のマーラーは交響曲第5番嬰ハ短調であります。演奏は、ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ交響楽団。マーラー演奏の原点のひとつとも言える演奏であります。ショルティは、バーンスタインやクーベリック、ハイティンクなどとならんで、早い時期にマーラーの交響曲全曲録音を達成しました。彼のマーラー初録音は、ACOと1961年に行った4番。それからロンドン響と1・2・3・9番を録音しました。そして1969年にシカゴ響の音楽監督になってから、シカゴ響との全曲録音が始まります。その嚆矢となったのが、この1970年3月に録音された第5番でありました。私は、ショルティの演奏、けっこう贔屓にしておるものでございます。

ショルティは、マーラーの音楽が現代においてこれほど聴かれるのは、「その音楽に不安、愛、苦悩、恐れ、混沌といった、現代社会の特徴が現されているからだろう」と言ってます。ショルティは、マーラーの音楽の演奏に、このようなことを表現しようとしていたということなんでしょうね。しかし、実際に演奏から受ける印象は、どうなんでしょうか。

このショルティの演奏、現代の管弦楽の素晴らしさをすべて表している優れたものです。若干、速めのテンポで、ズンズンと進み、その中で金管は凄まじい威力で吼えまくります。第1楽章のトランペットや第3楽章のホルンなどは、優れた響きを聴くことができます。それらの一方で、コントラバスやティンパニ、そしてチューバなどの低音においては、もう胸に突き刺さるような威力で、全曲を蹂躙していってます。この演奏での金管の素晴らしさは限りないが、一方での低音の充実振りは、嬉しい限りであります。

しかし、この曲はあまりよくわからないんですね。最初は葬送行進曲などで深刻なんですが、第3楽章以降は、様子がガラリと変わり、終楽章に至っては、?って。ですので、最初に深刻な様相での演奏の限りを尽くすと、けっこう後半において極端なアンバランスさを感じるときもあるんです。といっても、それなりの第5楽章の表情にはなっているんですがね。それにおいて、ショルティの演奏は、最初から最後まで、そんなことに気を遣うことはあまりないのですね。感情を掘り下げたり、過度な表情になるなどのところはそれほどなく、現代管弦楽に素晴らしい響きと至芸を堪能することができます。それはそれで、至って大満足なんですね。でも、そんなときに、ショルティの発言を聴くと、少し違和感を感じざるを得ないところがありますね。まあそれはそれとして、ショルティの演奏は、マーラーの音楽を聴く醍醐味を満喫させてくれますねえ。
そんなところが私は大好きであります。

そんなわけで、月曜日からはお仕事に復帰します。今年の夏は、なんとなく短いような気がするのは、私だけでしょうか。ほんとに、よく雨が降りますねえ。
(London 430 804-2 1996年 輸入盤)

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2 コメント

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マーラーとショルティ (クレモナ)
2014-08-17 21:11:25
お盆休み、お疲れ様でした。当地(千葉)では、雨が少なく、常に風が吹いているので(但し、熱風?)気持ちが良いですよ!
さて、この暑い時期にマーラーですか?私のマーラー体験はLP時代に遡ります。確か、28,000円を出してバーンスタインの全集を買ったのです。それに付いていた応募券で、東京でのバーンスタインの公演に招待されました。東京文化会館の新装こけら落としで、曲はマーラー/交響曲第9番でした。もちろん、ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏で、初めて第9番を生で聴きました。その時の感動は今も忘れません。第2楽章の3拍子で、バーンスタインが踊り、例のジャンプも目の当たりにしました。確か、中間で休憩を入れたと思います。あの時のライブ録音が残っていれば、すぐ購入したいと思います。この,LP殆ど聴いていません。当時のオーディオシステムでは、マーラーの再生は無理でしたから。今、この演奏のCDと新しいグラムフォン盤のCDを持っています。
さて、ショルティの第5番ですが、古いキングのロンドン盤でこの演奏は持っています。マーラーの交響曲はどの曲も全体がまとまっているものが、ありませんが、この第5番も前半と後半では随分、感じが違いますね。でも、少し、くつろぎたい時などは、よくアダージョ部分を聴きますね!ショルティはカラヤンなどと比べると、あっさり演奏しますので、アダージョは物足りないですね。でも、シカゴの管はスゴイですね。つくづくそう思います。因みに、ショルティ/シカゴSOもNHKホールで、生を聴いています。ドビュッシーの「海」がメイン・プログラムだったと思いますが、最初にワーグナー/「ニュルンベルグの名歌手」序曲が演奏された時は、シカゴSOの管の凄さを全身に浴びて、心臓がしびれた記憶があります。日本のオーケストラの管はまだまだだなあと思いました。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2014-08-18 21:40:10
クレモナ 様、コメントありがとうございます。先週末からの雨もやっと上がり、今日は久しぶりに晴天となりました。いつもなら厳しい残暑も、ことしはかなり過ごしやすいですね。でもこれから残暑がぶり返すかもしれません。バーンスタイン、生で、それもマーラーの9番となれば、うらやましい限りです。やはり、当時はショルティよりも断然バーンスタインでしたよね。私もLPでマーラー全集は、ショルティで持っております。1・3・9はロンドン響、4番はACOです。しかし、中古やさんで買ったためかなり安かったことと思っております。ショルティはやはり評価が定まったのは、1970年代後半以降のシカゴととの来日公演以降のことなんでしょうかねえ。私も、シカゴ響との来日公演を聴いて、度肝を抜けれた一人であります。またご教示ください。
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