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朝比奈さんの『大地の歌』

2022年07月10日 23時55分00秒 | マーラー
一昨日、職場の同僚が、突然辞職することを聞いて、それなりに驚き、何だか複雑な気持ちになっているときに、安倍さんの事件を知り、これまた衝撃でした。ウクライナのことといい、21世紀になっても、こんなことがまだ起こるのか!ですねえ。同じ報道を繰り返し見ましたが、警備が手薄ですよね。1~2人しかSPはいないとか。問題はいろいろあるでしょうが、これはいけません。絶対にいけません。ほんとにいけません。。。政治家としての安倍さんは、私にとってはほとんど好ましくはありませんでしたが、本当に心からご冥福をお祈りします。

なんだか気分が晴れないですが、そんな中、今回はマーラーの交響曲『大地の歌』であります。演奏は、朝比奈隆指揮大フィル。伊原直子さんと林誠さん。1984年10月19日大阪のフェスティバルホールでのライブ録音です。もう大方40年も前の演奏になります。朝比奈さんは、同じ顔ぶれで1995年の録音もありますが、それについては、私は未聴であります。この1995年盤はあまりみたことがないですねえ。見たら恐らく買っていたでしょうから…(笑)

伊原直子さんの『大地の歌』は、以前にピアノ伴奏版で神戸学院大でのコンサートで聴いたことがあります。そう思っていたら、あれ伊原さんは他にも生で観たよなあ。神戸学院のときとお召し物が一緒だよなあ、と思ったような…。確かそれは大地の歌だったよなあ。うーん、思い出せないなあ、やっぱりそれはテレビで見ただけだったかなあ。なんとも、記憶が定かでなくなっていることに対して、私は大丈夫かなあ、と深刻に心配になったのでありました(笑)。

閑話休題、朝比奈さんのマーラーは、第3番と第6番をフェスで聴いたことがあります。1990年代前半のころでした。朝比奈さんのマーラーはあまり聞きませんが、ちょうどマーラーブームのころだったこともあったんでしょうね。演奏に関しては、ほとんど…でありました。この大地の歌も1984年ですから、それほどまだマーラーがもてはやされていないころですかねえ。朝比奈さんは、巨人をまったく演奏しなかったそうですが、その他は取り上げられていたようです。

この大地の歌、実に危ういです。第1楽章から、当時の大フィルの実演でたまに聴かれたミスや音の外れなどがそれなりに聴ける。朝比奈さんの歳晩年ではそれほどでもないんですがねえ。しかしながら、そうは言ってもこの大地の歌には大いに惹かれるものがあります。マーラーの音楽がこれほど心に染み込んでくる演奏はそうはないのですね。それだけ雄弁なオケなんでしょうねえ。曲が進むに連れて、朝比奈さんもオケも調子が出てくるのか、たいそう生き生きとして気持ちの入った熱演となっていくのでありました。この大地の歌の東洋的雰囲気が朝比奈さんと合うのでしょうか。そして、伊原直子さんいいです。これまで聴いたことのある伊原さんは1990年代以降の歌唱でした。それよりも10年ほどお若いこともあってか、非常に力強く声にもハリがあるし、これまた雄弁であります。

第1楽章、オケもテノールも非常に不安定な印象。7分あたりでのテノールのミスも聴かれる。これからどうなるんだろうかと…。しかし、その不安は第2楽章で払拭される。伊原さんのアルトが響くと一変。それに併せるようにオケも伸びやかで気持ちが入って来ます。第4楽章でもオケと伊原さんが一体となったような演奏に、熱気も加わり、とてもいいです。一方の奇数楽章でも林さんの明るく伸びやかなテノールが響き渡ります。そして、やはり第6楽章ですねえ。ここでの伊原さんは、立派です。アルトの美声が力強く、輝かしく歌い上げられます。朝比奈さんも入魂の伴奏。このマーラーの曲が朝比奈さんは好感がおありなのか、実に鮮やかに気持ちを込めて、歌い上げています。この演奏は同じ日本人の我々にもたいそう合うんでしょうね。「しかし、春になれば…」からのくだりはとてもいいです。

しかし、安倍さんのこと、犯人の襲撃の理由がよくわかりませんね。宗教団体に対する怨み云々。政治的な理由での犯行ではないのですかね。うーん、しっかり究明してほしいものであります。(KING KICC 3559 2010年)
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