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謹賀新年2019 まずはベートーヴェン。

2019年01月06日 10時13分34秒 | ベートーヴェン
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。昨年度並みのペースで更新できればいいな、と思っています。ご高覧いただければ幸いであります。

さて今年のお正月、穏やかな日和でしたが、私はほぼ寝正月でした。近所の神社に初詣でに行ったり、テレビも箱根駅伝やライスボールを見た程度。他はなんだかあまり面白くなかったですかね。他は、amazon primeでいくつかの映画をみました。酒もほどほど。そう言えば、今年はほんとに久しぶりの家人と二人の正月でした。こどもの頃は、お正月って、本当に楽しかったんですがねえ。仕事は休みってところだけですかねえ。なんだか寂しいことでありました。

昨年末からのベートーヴェン。新年もまたまたベートーヴェン。それもまたまたピアノ・ソナタであります。知り合いの音大志望の高校生が、課題曲がバッハの平均律のベートーヴェンのピアノ・ソナタと言ってました。後者については、第7番の第1楽章だそうです。それで、それを弾くのを聴かせてもらいました。おぉ!ベートーヴェン、って感じでしたね。しばらくしてまた聴いたのですが、最初に比べると驚くほどうまくなっていました。若い子の進歩は速いですね。

それで、今回はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第7番二長調作品10-3であります。この作品10の3曲(5・6・7番)は、1795年~1798年の間に作曲され、1798年にウィーンのエーダー社から出版され、ブロウネ伯爵夫人アンナ・マルガレーテに献呈されました。5・6番は三楽章構成ですが、この7番だけは4楽章であり、最も優れた曲とされ、内容の深化も目覚ましい、と言われています。私もこの曲は好きです。ただ、第1楽章はそれほど好きではありません。

それで、この曲については、ウィルヘルム・ケンプの演奏です。1964年11月~1965年1月録音の全集からです。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの演奏の中で最も好きなのは、もしかしたらケンプ、というくらい私はケンプの演奏を好んでいます。若い頃はまったくいいと思わなかったのですが、年を取るに従い好きになってきたんですね。このブログでもケンプの演奏はこれで8回目となります。

やはり、ケンプのピアノは、優しく柔和な表情にあふれています。ここが最大のケンプの魅力でしょうか。厳しさや武骨さといったところとは別のところで勝負するってところでしょうか。そして、以前はそれがもったいぶって、だらだらとしているし、軟弱に感じるところもあったのですが、加齢のせいか、それが妙によく理解できるようになった気がします。大袈裟に言えば、ケンプのピアノの一音一音が心の琴線に触れるとでもいうのでしょうか。そして、ケンプのピアノは計算しつくされた表現のような気がします。その点で緻密な演奏です。テンポや強弱などは、実に巧みです。それがこの人の凄さなんでしょうねえ。

第1楽章、冒頭の主題は奇を衒った印象をもつが、ケンプは柔和な印象で入る。そしてこの楽章は一気に駆け上がるように展開。ときたまゆったり振り向く表情がいいです。特に、印象的なのは第2楽章。「悲しんでいる人の心の状態」を表現したと言われるが、ケンプの演奏は実に優しい。深い悲しみだが、そこには絶望ではなく、それに対する慈しみや希望を感じさせます。悲しみの重奏和音に対して救いを感じさせるようにピアノが歌います。また、第3楽章メヌエット。悲しみから癒えるような、これまた優しいピアノがとてもよい。低音も優しく語りかけ、高音も希望や喜びを感じさせる。このメヌエットのケンプは、私大好きです。第4楽章、単純な三つの音からなる主題。これによる即興的なロンド。この主題は幾度か登場するが、そのたびにケンプは異なる印象で畳みかける。そこにもケンプの熟練の技を感じます。

この年末年始は、4日に午前中出勤したのみで、あとは8日はお休みでした。明日から仕事であります。
(DG 477 7958 2008年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2019-01-09 20:43:55
新年を迎え、今年もコメントさせていただきますので、宜しく、お願いいたします。
ところで、この第7番のソナタ、何種類かの演奏を聴いてみました。残念ながら、ケンプの盤は持っていませんので、他の演奏を聴くことにしました。第8番はよく聴くのに、第7番は、あまり聴いていませんでしたが、実に良い曲ですね。初期のピアノ・ソナタの中では、傑作の一つに数えられると、思います。恐らく、ケンプには、。ぴったりの曲ではないかと思うのです。特に、第2~第3楽章当たりは、ケンプの演奏を、聴いてみたいです。是非、全集を購入してみたいです。因みに、私が聴いたのは、グルダ、バックハウス、ギレリス、そしてリヒテル。割と新しいところでは、アニー・オランドという無名ですが、良い録音のCDが、気に入っています。
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謹賀新年です。 (mikotomochi58)
2019-01-10 21:50:09
クレモナ 様、旧年中はたいへんお世話になりました。本年もどうかよろしくお願いいたします。ここのところ、ベートーヴェン、そしてピアノ・ソナタがたいへん多くて申し訳ないです。私もギレリス、グルダ、バックハウスは、一番よく聴く演奏です。これにケンプを加えれば、まあ他はいらないか(笑)と思うこともしばしばであります。オランドは、聴いたことありませんが、今年は、含めて若い人の演奏も聴こうと思っています。また、ご教示ください。
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