近頃、再び東野圭吾さんを読んでます。『さまよる刃』『むかし僕が死んだ家』『仮面山荘殺人事件』『プラチナデータ』『変身』などなど。凝りだしたら止まらず、すべて読んでしまいたいと思う方なので…。面白いです。のめり込んでしまいます。『仮面山荘…』なんて最後のどんでん返しがいいですね。でも、必ず人が死んじゃうので、それが気づくと心が寒々してしまう。心温まるような、感動して生きててよかったなあと思うような本を読みたいと思ってしまいます。といいながら、また東野さんの本を読んでいます。
さて、今回はマーラーです。マーラーって2012年には8回取り上げていますが、それ以来は、2013、14年にはそれぞれ一度のみなですね。それなりに聴いているようにもあるんですが…。今年初めてのマーラーです。そんなことは、前回にものたまわっておりますね。今回は前回に続いて交響曲第5番嬰ハ短調であります。指揮は小林研一郎さんで、オケはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団。1999年3月11日~13日、プラハの『芸術家の家』ドヴォルザーク・ホールでの録音であります。
私、小林研一郎さんの演奏を聴くのは、なんと初めてなんです。なんでって言われても、その機会が無かったというしかないのですが、すんません。加えて、どんなCDがあるのかもあまり意識していなかったのでした。それで、いろいろと調べてみますと、チャイコフスキーはロンドン・フィルと、ブラームスはハンガリー国立響と、ベートーヴェンはチェコ・フィルと、それぞれ交響曲全集がSACDであります。マーラー についてもチェコ・フィルとは、1・2・3・5・7番があるんでしょうか。また、新日フィルとも1・2・3・5・7・8・9番がありました。加えて、SACDで出ているものも多く、この指揮者の支持者の多いことを示すものでしょう。
ということで、この5番なんですが、まずチェコ・フィルの演奏に耳を奪われます。このオヶそれほど聴いたことはないのですが、マタチッチとのブルックナーやチャイコの5番が印象的ですね。ここでも艶のある美音を響かせています。この小林さんの演奏でチェコ・フィルを振っているというところがポイントではないでしょうか。このオケを縦横無尽に操り、このマーラーは「炎のコバケン」というイメージもそうかと思わせますが、むしろ細部にまで心憎いような心配りと大胆にオケを歌わせる、小林さんの緻密な読みと曲作りが実に素晴らしいのでありました。はやり日本のオケではこうはいかないなってところも随所に感じますよねえ。
第1楽章冒頭のトランペットから心を唸らせる響き。確かにテンションの高さを感じさせるところもあるが、逆に粗さはなく、安定した運びで進むので、演奏にのめり込むことはできますね。第2楽章、全曲を通じて、もっとも熱く展開される。荒れ狂うような心情を巧にコントロールされたオケが冷静であるが、熱くそして大胆に歌い上げる。そして、叙情的な美しさも極めて巧妙に表現しながら、熱く盛り上がり、その高揚感に酔いしれます。金管の輝かしいコラールが登場してからの終わりの3分ほどの盛り上がりは凄まじいですね。第3楽章スケルツォ。レントラー風のヴァイオリンによる第2主題の風情はいいですし、ホルンを中心とした金管の響きも柔らかく、心に染み込むようです。そんな旋律が響き渡った中間部のあとの高らかに再現部が分厚く歌い上げられ、ここでも気持ちが鼓舞され凄い高まりを小林さんの唸り声と共に、感じます。第4楽章、チェコ・フィルの甘美な弦が駆使され、むせるような世界が展開されます。これまで聴いた演奏の中でも飛び抜けて、これほどの美しさと優しさと甘さを感じるものも珍しいです。再現部の前の下降するポルタメントがいいですねえ。約十分間、弦による世界にとっぷり浸かり、酔いしれるのでありました。そして終楽章。これまでの音楽をまとめるようにオケが鳴り響きます。これまでとは趣の違う高揚感が実に心地よいのでありました。
初めて聴いた小林さんでしたが、これからも聴いていこう!と思いました。このジャケットは、SACD版のもののであります。私が聴いたものは、普通のCDでジャケットも少し異なっている部分もありあます。ご了承ください。
(CANYON PCCL-00466 1999年)
さて、今回はマーラーです。マーラーって2012年には8回取り上げていますが、それ以来は、2013、14年にはそれぞれ一度のみなですね。それなりに聴いているようにもあるんですが…。今年初めてのマーラーです。そんなことは、前回にものたまわっておりますね。今回は前回に続いて交響曲第5番嬰ハ短調であります。指揮は小林研一郎さんで、オケはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団。1999年3月11日~13日、プラハの『芸術家の家』ドヴォルザーク・ホールでの録音であります。
私、小林研一郎さんの演奏を聴くのは、なんと初めてなんです。なんでって言われても、その機会が無かったというしかないのですが、すんません。加えて、どんなCDがあるのかもあまり意識していなかったのでした。それで、いろいろと調べてみますと、チャイコフスキーはロンドン・フィルと、ブラームスはハンガリー国立響と、ベートーヴェンはチェコ・フィルと、それぞれ交響曲全集がSACDであります。マーラー についてもチェコ・フィルとは、1・2・3・5・7番があるんでしょうか。また、新日フィルとも1・2・3・5・7・8・9番がありました。加えて、SACDで出ているものも多く、この指揮者の支持者の多いことを示すものでしょう。
ということで、この5番なんですが、まずチェコ・フィルの演奏に耳を奪われます。このオヶそれほど聴いたことはないのですが、マタチッチとのブルックナーやチャイコの5番が印象的ですね。ここでも艶のある美音を響かせています。この小林さんの演奏でチェコ・フィルを振っているというところがポイントではないでしょうか。このオケを縦横無尽に操り、このマーラーは「炎のコバケン」というイメージもそうかと思わせますが、むしろ細部にまで心憎いような心配りと大胆にオケを歌わせる、小林さんの緻密な読みと曲作りが実に素晴らしいのでありました。はやり日本のオケではこうはいかないなってところも随所に感じますよねえ。
第1楽章冒頭のトランペットから心を唸らせる響き。確かにテンションの高さを感じさせるところもあるが、逆に粗さはなく、安定した運びで進むので、演奏にのめり込むことはできますね。第2楽章、全曲を通じて、もっとも熱く展開される。荒れ狂うような心情を巧にコントロールされたオケが冷静であるが、熱くそして大胆に歌い上げる。そして、叙情的な美しさも極めて巧妙に表現しながら、熱く盛り上がり、その高揚感に酔いしれます。金管の輝かしいコラールが登場してからの終わりの3分ほどの盛り上がりは凄まじいですね。第3楽章スケルツォ。レントラー風のヴァイオリンによる第2主題の風情はいいですし、ホルンを中心とした金管の響きも柔らかく、心に染み込むようです。そんな旋律が響き渡った中間部のあとの高らかに再現部が分厚く歌い上げられ、ここでも気持ちが鼓舞され凄い高まりを小林さんの唸り声と共に、感じます。第4楽章、チェコ・フィルの甘美な弦が駆使され、むせるような世界が展開されます。これまで聴いた演奏の中でも飛び抜けて、これほどの美しさと優しさと甘さを感じるものも珍しいです。再現部の前の下降するポルタメントがいいですねえ。約十分間、弦による世界にとっぷり浸かり、酔いしれるのでありました。そして終楽章。これまでの音楽をまとめるようにオケが鳴り響きます。これまでとは趣の違う高揚感が実に心地よいのでありました。
初めて聴いた小林さんでしたが、これからも聴いていこう!と思いました。このジャケットは、SACD版のもののであります。私が聴いたものは、普通のCDでジャケットも少し異なっている部分もありあます。ご了承ください。
(CANYON PCCL-00466 1999年)
小林さんのマーラー5番は、ハンガリー国立SOとの演奏を東京で聴いたのですが、あまり印象に残っていないのです。それを遡ること5年ほど前の同じコンビによるマーラー2番は、圧倒的な熱演に痺れ、本当に感動しました。彼ももう70歳を過ぎたのですね。でも、いまだにステージに登場する時は走ってきます。凄い。