消えゆく記憶、求める言葉

また寒さが戻ってきました、島岡美延です。急な暖かさが各地に被害をもたらしています。雪の試練はまだ続きます。
年金の試算で1955年以降生まれは、払った金額よりもらうほうが少なくなる、というニュースがありました。老後は悠々自適、は20世紀の過去の遺物になりそうです。
長く生きると色々あるけど、だからこそ見えてくるものもあります。
韓国から、66歳の女性を主人公にした素敵な映画が届きました。『ポエトリー　アグネスの詩（うた）（11日公開）』をご紹介します。
遠く釜山で働く娘の代わりに中学生の孫息子を育てているミジャ。たまたま見つけた詩の教室に引き寄せられ、通い始める。美しい言葉を無垢な心で求めようとするミジャに突きつけられた厳しい現実。
それはアルツハイマーの初期症状が出ていることと、孫が自殺した少女アグネスの事件に関っていたこと。
この状況を誠実に受け入れようとするミジャの魂に寄り添いたくなる映像の詩、のような作品。
彼女がたどりついた一篇の詩。あなたも一緒に探してみませんか。