貸金庫に預けなくてホッとした人も、島岡美延です。鍵を管理する元行員がそれを使って盗み続けて時価十数億円って。自民党からは「公開方法工夫支出」という冗談のような言葉。2024年の漢字「金」はやはり、カネ。
毎日の生活に「金」は欠かせず、モノを買うのは消費者かお客様か。満薗勇著『消費者と日本経済の歴史 高度成長から社会運動、推し活ブームまで』(中公新書)を読みました。就職氷河期世代=1980年生まれの著者による、消費者が社会を変えてきたのか、という問い。
企業社会と近代家族が結びつく戦後日本社会の編成原理は雇用のジェンダー化とケアのジェンダー化。中流意識の定着は企業社会のジェンダー不平等のもとで成り立っていた――。
「おにぎり、弁当は家で作るもの」という常識に逆らって開発されたセブンイレブンのそれら。今や現代人に不可欠? 大きく注目される「103万円の壁」も様々な不平等を当たり前として押し付けてきた社会の構造から生まれてきたことが実感できる本書。