平成のヤクザを描いたのは

ジョー・バイデン米新政権が発足、島岡美延です。
40万人ものコロナ犠牲者が出ているし、課題山積…、まずは国際社会に“戻って”きてほしいもの。
誰の人生にも役割があり、家族がいます。
映画『ヤクザと家族（29日公開）』をご紹介します。
『新聞記者』で現代社会のリアルを描き出した藤井道人監督とスタッフが新たに挑んだのは「ヤクザ」。
暴対法施行で変わっていく平成のヤクザを三つの時代で描きます。
1999年、柴咲組の親分（舘ひろし）との運命的な出会いにより、裏の世界でのし上がっていく山本（綾野剛）。
2005年、オヤジを支えてほしいと、アニキの罪を背負って服役する。
2019年、出所した彼は、かつてホステスだったユカ（尾野真千子）と再会し…。
綾野剛は初のヤクザ役、人間の悲しさがにじみ出ています。
舘ひろしは、人間愛をみせる組長。
ヤクザたちが通う焼肉屋女将に寺島しのぶ。柴咲組と関わり続ける刑事に岩松了。
時代に翻弄されながら、ヤクザとして生きる者たちを“家族・ファミリー”の視点で見つめた物語。

美術館に行ける、という日常

アメリカ大統領就任式、どうか無事に…、島岡美延です。
異様なまでに厳重な警備、大人げなく欠席の大統領、コロナで密を避ける必要も。
一方、こちらの国会に、現場で働く人々の声は届くでしょうか。
緊急事態宣言が出ている神奈川県の昨日のコロナ感染者は737人。
なんとか右肩下がりが続いてほしいと思いながら、昨日はある用事のため、横浜へ。
駅周辺の人出がなかなか減らないと言われている横浜、冬物セールの1月平日昼間として、こんなに人が少ない光景は見たことない…！
そごう美術館の『ミレーから印象派への流れ展（24日まで）』を観てきました。
混雑状況モニターは、18％。検温、消毒液を経て入場。
19世紀フランス絵画の系譜をフランスとイギリスの美術館から出品されたコレクションを中心に辿ります。
当たり前のように思っていた、海外から作品がやってくるということ。それもコロナ禍で簡単ではなくなりました。
去年は上野あたりの美術館へは一度も行かず。
予約なしで当たり前のように美術館を堪能できる日がきますように。

北欧の農場で暮らす27歳女性

記者会見で想像できた施政方針演説、島岡美延です。
コロナ収束へ罰則導入へ。脅して協力させる、入院させる、という発想が根本的に逆のような。
個人と国の関係が日本とは何か違う…、北欧ってどんなイメージですか？
映画『わたしの叔父さん（29日公開）』をご紹介します。
デンマーク・ユトランド半島の美しい農村。
27歳のクリスは幼い頃に家族を失って以来、叔父さんと二人暮らし。
毎朝早く起きて、足の不自由な叔父さんの世話をし、家業の酪農の仕事をして、夕食後はコーヒーを入れてくつろぐ。
週に一度スーパーに出かけ、たまにケンカ…、ずっとこんな生活。
ある夏の日を境に、クリスはかつての獣医になるという夢を思い出し、教会で出会った青年からのデートの誘いにときめく。
広い世界に目を向け始めたクリスを叔父さんはそっと後押しするも…。
「同じ繰り返し」は自らの選択なのか、見守りたくなります。
コロナとは無縁そうな広大な農地、大きな牛舎…、小津安二郎を映画の師と仰ぐ新鋭フラレ・ピーダセン監督の静かだけど雄弁な世界。

拍手のない優勝インタビュー

大学入学共通テスト、とにかく終了、島岡美延です。
読解力、応用力がより必要になったようですが、そもそも学校の授業はそうなった？
昨日の卓球全日本選手権女子決勝、石川佳純選手の優勝に涙が出ました。
無観客試合の優勝インタビューは、拍手や声援のない会場にやりとりだけが響きました。
伊藤美誠選手という強い選手と試合が出来たことを喜び、涙を押さえながら、約20秒にもわたる長い沈黙もありました。
普通なら、ここで「後押しする会場の拍手」が起こるはず。おそらく、インタビュアも感情が動かされるほどの時間だったでしょう。
「諦めないで最後まで」って、本当にすごい。
さらに試合中、繰り返し「客観的に」なっていたようで、「もっと思い切りやりなよ」と自分に声をかけていた…！
27歳で5年ぶり5度目の優勝。
彼女が東京五輪で活躍する姿を観たいと思いつつ、コロナ禍のスポーツ界。
ラグビーのトップリーグは開幕延期、テニス全豪オープンでは陽性者と同じ飛行機だった選手は屋外練習できず。
東京五輪2020の運命は…。

1995年1月17日、救出された人は

兵庫県もコロナの緊急事態宣言下、阪神・淡路大震災から26年、島岡美延です。
神奈川に住んでいた私には、信じがたい街の映像。
「ここでこんな大地震が起きるなんて思わなかった…」、その経験をなんとか伝えようと、語り継ぐ人たち。
ラジオで、定期的に阪神・淡路大震災の経験者の手記を読みます。
当然ですが、“救出されたから語れる”言葉…、読むだけで身体のどこかが麻痺しそう。
例えば、落ちてきた天井で互いの場所がわからず、体力を消耗しないようじっとしてと夫に言われても、無事を確かめようと、救助を呼ぼうと声を出した女性。
下半身がタンスの下敷きで、どんどん感覚がなくなった男性。
身動きできない中、ガスの匂いがして、爆発の恐怖に怯えた女性。
語ってくれた人がいるから、家屋の耐震補強や、家具の転倒防止という、今では防災の基本とされる対策が身近になりました。
火災で目の前の人を救えないという、強烈な犠牲が多かった大震災。
ボランティアやコミュニティFMもこれを機に増えました。
ちゃんと、伝えていかなくては。

大韓民国大統領の運命って

従わないなら圧力・罰則、これが切り札とは、島岡美延です。
「正当な理由なく」という文言が、ちゃんと意味を持つのか。
香港で起きていることが、より迫ってきたような…。
韓国では、パク・クネ前大統領の懲役20年の実刑が確定しました。
イ・ミョンバク元大統領も懲役刑、政権を取ると激しい運命が待っている？
映画『KCIA　南山の部長たち（22日公開）』をご紹介します。
独裁者と批判されるほど絶大な権勢をふるったパク・チョンヒ大統領暗殺事件を基にした本作は、アカデミー国際長編映画賞韓国代表に内定。
1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である中央情報部（通称：KCIA)のキム部長（イ・ビョンホン）が、大統領を射殺した。
大統領に次ぐ強大な権力を持つKCIAトップによる驚愕の事件発生の40日前。
KCIAの元部長が、亡命先のアメリカ下院議会聴聞会で、韓国大統領の腐敗を告発する証言。大統領から事態の収拾を命じられたキム部長は…。
こういう映画がコロナ下で興行収入第1位になるのが、韓国。

再びの外出自粛、身体は動かそう

緊急事態宣言から1週間の首都圏、島岡美延です。
人々は仕事に行き、2週間前に驚いた数字に慣れてしまった？
入院調整がつかない感染者が雪だるま式に増えて、医療現場からは、“崩壊”“壊滅”とも。
感染症法を変えて、罰金だ、懲役だって、この国はどこへ向かうのか。
さて、今月の姿勢テーマ『身体を動かして、心を動かそう』を実践していますか？
このブログは、毎月1日と15日は『姿勢』がテーマ。
1月は2日にテーマを掲げましたが、その日に1都3県の知事が、緊急事態宣言を出してほしいと国に要請しました。
そうして、再び緊急事態宣言発出。
「ステイホーム」と横文字での呼びかけも影をひそめる現実。
「巣ごもり」という表現すら弱いのか、「外出自粛」と強調されるようになっても、すでに自粛疲れの人々にどこまで響いているか。
活動量が低いレベルでいることに慣れてしまった身体。
何時間も動画を見っぱなし、身体はガチガチ…、「コロナフレイル」の危険は全世代に及びます。
意識的に身体を動かして、心の健康も保ちましょう。

文豪ディケンズの半自伝的物語

電車はけっこう混雑の平日、島岡美延です。
「昼間は外出していい」と思っている人々は、けして誤解しているのではなく、「20時以降の外出を控えて」という呼びかけをを文字通り受け取っているのです。
「20時まで、4人以下ならOK」という会食ルールまで作ろうとしていたのは、国会議員の皆さんだったのでは？
あの時、ああしていれば、あれさえやめておけば…、人生はそんなことの繰り返し。
映画『どん底作家の人生に幸あれ！（22日公開）』をご紹介します。
文豪チャールズ・ディケンズの半自伝的傑作小説『デイヴィッド・コパフィールド』の映画化。
デイヴィッド（デヴ・パテル）は少年の頃、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては、空想して遊んでいた。
借金まみれの老紳士、ロバが嫌いな裕福な叔母、凧が好きな同居人、犬が親友の恋人…。
貧乏のどん底から金持ちへ、そしてまた貧乏へと数奇な運命に翻弄されながらも、愛すべき“変人”たちとの物語を綴り続けた時、奇跡が巻き起こる…。
今が辛すぎると思ったら、何か書いてみる？

昭和史のこと、もっと

緊急事態宣言の対象は、大阪など7府県にも拡大へ、島岡美延です。
令和3年、日本が混乱する中、昭和を語り続けてきた半藤一利さんが90歳で亡くなりました。
昨年は戦後75年の節目、さらに日本学術会議の問題などもあって、戦争に向かう日本、その後の日本…、激動の昭和史に関する本を読んでいます。
半藤さんの本にも多く触れていますが、この年末年始に読んだのが、『歴史と戦争』。
これは、180冊以上ともいわれる著作から、エッセンスを抜き出して集めたような本。
若い人たちにも、なんとか“昭和の過ち”を伝えておかなくては、という力強さ、そしてわかりやすさ。
半藤さんが10代で見た戦争、編集者、作家になって、インタビューを通して知った戦争。
映画の原作にもなった『日本のいちばん長い日』で、1945年8月15日という日の重みを人々はあらためて感じたはずです。
戦争を知らない昭和生まれとして、アメリカと戦争した事実を知らない平成生まれに、何を伝えられるか、私も考えます。
昭和史のこと、もっと勉強しなきゃ。

緊急事態宣言下の成人式と大相撲

雪かもと思ったら晴れていた朝、島岡美延です。
今日からリモートワークの会社員はどれくらい増えるでしょう。
緊急事態宣言下、晴れ着の新成人を見かけました。
川崎市ではいつもの2部制から3回に分けてオンライン併用。それでも昨夜、多人数のグループを見かけたのは、成人式帰りの会食？
緊急事態宣言下とは思えない雰囲気は、国技館の中。
コロナ感染などで休場の力士が多く、取組も懸賞も減っているとはいえ、無観客ではなく、沸いています。
確かに、18時にすべて終わるイベントで、収容人数のガイドラインも守られているだろうけど、「屋内でけっこう密で盛り上がっている」様子が、緊急事態宣言期間に毎日放映されるのです。
お相撲は嫌いじゃないけど、なんだか…。
コロナ感染拡大で今は相撲を取れない、と申し出た心臓手術の経験を持つ力士は、引退するしかありませんでした。
大相撲では昨年5月、コロナ感染で20代の力士が死亡。
あの悲しい出来事を忘れて、医学的根拠や人権より、精神論重視？
戦時中の兵隊のように扱われる命。