Nikon FE
1978年から1983年ごろまで製造された絞り優先の自動露出が可能なカメラ。外観上はモルト(遮光材)の劣化と裏蓋のガタツキ以外に重大な問題点は見つかりませんが、不動。どこか機械的にひっかかりがあるのか、接点が劣化してるかでしょう!?ということで、オーバーホールします。
約30点ほどのねじやパーツを取り外すとトップカバーが外れます。巻き上げレバーを固定しているところがかなり固着して普通使うレンジファインダーオープナーでは工具が負けるので、なんとかはまったカメラオープナーで外しました。
このカメラは電子シャッター機なので、分解するとこの通り基板がびっしり。シンプルで機械部品だけで構成されている機械式シャッターのカメラとは違います。動きを観察して機構がわかる機械式カメラに比べて、電子シャッターのカメラはわけがわからんですが、このころのカメラはまだ機械と電子制御がほどよく調和しているというか、最新のデジタル一眼に比べるとまだわかります。基板に可変抵抗が多数ありますが、このカメラの製造時に調整されているものなので、触りません。
見てしまいました。。。中央の黒い部分はプリズムです。表面は曇りとカビ。その下のモルトは盛大にバラバラになり飛散しています。なるほどファインダーを覗いたときに霞がかかったようになっていたわけです。見てしまったからには清掃。モルトも張り替えます。ファインダーが汚れているだけで使っているカメラに飽きたなんて話もありますから、こういう部分はしっかりと直しましょう。
このパーツユニットはプリズムに接するようについていますが、2つの丸いパーツ。これが、測光素子(SPD:シリコンフォトダイオード)です。これで明るさを測り、露出を制御しています。