茂平の荒神さんには、戦争を描いた絵が額で飾ってあった。
南太平の海上で日本軍戦闘機が空中戦をしている絵だった。
それが絵馬を見た最初だった。
でも空中戦を描いた絵馬は、それ以後一度も見たことがないような気がする。
(笠岡市大河 葛城神社)
・・・・・
「岡山の絵馬と扁額」 脇田秀太郎 岡山文庫 昭和50年発行
神馬をお宮に奉納する風習が簡便になって板立馬や絵の彫刻を、
さらには馬の姿を描いて、
のちにはいろいろなものを描いて願をかけるために、あるいは満願の御礼のために、
更にはなにかの記念のために、
社頭にあるいはお寺に奉納するようになった。
板に描かれたものが一番多い。
これらの絵はがんらい奉納者自身か若しくはその縁者の者が、あるいは近在の絵心のある者が描いたもので、
原則として奉納者の名前とその年月日を書いている。
だから郷土の歴史や民俗史の生きた資料の一つである。
・・・・
「浅口の絵馬」 浅口歴史探訪会 あさひ印刷 2010年発行
絵馬とは
神社、仏閣、小祠、小堂に祈願するため、または大願成就の御礼として、馬やその他の図を描いて奉納する絵のことを言います。
絵画の図柄(184点)
武者絵(41点)
加藤清正と豊臣秀吉併せて8点、楠公父子桜井の別れが5点、後醍醐天皇と名和長年、川中島の戦い5点、平敦盛と熊谷直実4点、賤ケ岳合戦2点、物語不明の武者16点。
芝居絵(25点)
義経と弁慶3点、太閤記もの3点、特定できないもの16点。
神話絵(14点)
神功皇后と竹内祝弥8点、天の岩戸2点、他1点。
礼拝図(12点)
社の前で祈願している絵10点、金光教礼拝2点。
日清・日露戦争図
日清5点、日露7点。
風景図(5点)
伊勢神宮参宮記念に奉納されたと思われるもの2点、ほか。
動物図(31点)
雀と狐各1点、ガザミ1点、干支関係20点、馬4点、虎2点、牛1点。
ガラス絵(20点)
船(弁才船)(4点)、模型1点
その他(19点)
除外(50点)
絵馬の風化が激しく判別困難。
・・・
(笠岡市西大戸 聖霊神社)
・・・・・