バスは一路「兵馬俑博物館」へと思っていましたら、案の定、“玉(ぎょく)”の製造販売所に案内されました。
中国の玉彫は中国最古の彫刻のひとつで、新石器時代の晩期にはすでに玉制の工具が使われていました。昔から玉石は珍宝とされ、古代中国で玉は高級品のしるしであり君子の象徴でした。
玉とは良質の石の事で、白玉・黄玉・碧玉・ヒスイ・メノウ・等等種類も豊富です。
中国の玉彫は世界でも高い評価を得ている、魅力的な伝統手工芸品の一つです。
前途洋々のT君、豪華な玉彫の船の前で記念写真を。 お値段は?
1時間以上も玉工場で時間をつぶし、やっと「兵馬俑博物館」に到着。はやる心を抑えて、レストランで昼食をとります。
この2品とスープがきました。
私はあまり食欲が無かったので二人に任せましたが、食べてみるととても美味しいのです。
思わず箸が進んでしまいました。
食事が終わって、やっとガイドさんに入場券を渡されました。
「兵馬俑」は中国・西安市より東へ35キロメートル、驪山(りざん)の北に秦始皇帝陵がある。この陵墓より更に東へ1.5キロメートルの所で1974年、集団農場の井戸掘削りで偶然発見された。世界の考古学史上、20世紀最大の発見とされています。その発掘数は八千数百体にものぼり、世界の考古学者達をおおいに驚かせました。
(拝借写真) 兵馬俑の中で一番有名な1号坑のものです。
私たちが撮影したものは、ピンボケばかりですので、1枚だけPCから拝借しました。
後はピンボケですが、お許し下さい。
1号坑は東西に伸びる長方形で長さ230㍍幅62㍍深さ5㍍総面積は1万4260平方㍍、3つの俑坑の中で最大である。
1号坑では陶俑、陶馬あわせて約6,000体が発掘された。
この日だけではないと思いますが、本当に沢山の人でゆっくり見ることもできません。 しかし、私は小さな体が幸いして、しっかり隙間に潜り込みました。
一人ひとりの顔をじっくり見たかったのです。 説明によると、一体も同じ顔のものは無いと言います。
じっと見ていると、降りて行ってお話してみたいような気がしてきました。
2号坑の軍陣は1号坑の東端北側で1号坑との距離は20メートルで、発掘調査から戦車の引き馬350余頭、騎兵用に馬100余頭、その他各種武士俑が900余、合計1300件の陶俑、木製戦車89台で、これらは歩兵、騎馬兵、軽車等で混編された一種の曲形陣である。
3号坑は【凹】字型をしていて発掘された三つの兵馬俑坑の中で一番小さい。兵俑66体、馬俑4体、戦車1台と兵馬俑の数も少ないが三つの兵馬俑坑の中で一番重要な役目をしていた。それはこの3号坑が全軍の指揮の中枢である軍幕(司令部)であった為だ。
2号坑、3号坑は1号坑のようにきちんとしておらず、まだ発掘の途中です。
そしてとても深いところにあるので、思わず「お~い!」と呼びかけたくなりました。
未だ復元されてないままに、置かれてあるものも多く胸が痛みます。
「早く頭を探して、つけてあげて下さい!」
銅車馬 兵馬俑博物館には兵馬俑の他にもう一つ世界に誇る宝物が展示されている。それは銅車馬である。銅車馬は秦始皇帝陵墓よりわずか西へ20㍍の所で発掘された。銅車馬は秦始皇帝が巡行するさいに使用された車馬(馬車と馬)を銅で製作したものです。
この大きな兵俑はオリンピックを記念して作られたものだそうです。
銅車馬の展示されてある館のロビーに置かれて?(吊るされて)ありました。
中国は本当に“大きいもの”が好きです。
1号坑館の出口近くの売店に、「あのおじさん」がいました。
「兵馬俑」の写真集を買った人の本にサインをしているのです。
ここで又、「どうして、このおじさんだけなの!?」 こんなことが気になる私は変なのでしょうか?
夫は中国にしてはとても高い150元を払って、サイン入りの本を手に入れました。
見学を終わって・・・・・。
ここに来て見るまでは、「凄い歴史的大発見!」というだけの認識でしたが、歴史的背景や秦の始皇帝の圧制を映像で見たり、パネルの説明を読んだりしていると不思議な矛盾を感じました。
「万里の長城」や「兵馬俑」に、現代の私たちが感動している陰には、当時の人々の苦しみがあったのです。 自分達が凄い物を作っているのだという気持などは無かったように思えます。 その途中で命を失った人も沢山いるのだとか・・・。
どういう過程でできた物にせよ、今、当時を偲べるものがあることはありがたいことです。 私たちに出来る事は、昔の人々が苦労して作り上げ、残されたものをできるだけ大切に保存していく事ではないでしょうか。 感謝の心を忘れずに・・・。
嬉しい出来事・・・・・!
あら!この男の子は? お気づきでしょうか。
昨日の夕食の時、合席になった男の子です。
「兵馬俑」に着いて、直ぐに向こうからニコニコしながら近づいてくる男の子が居ます。
「見たような子だな? 何処で会ったっけ?」考えているうちに、目の前で止まりました。 「あっ、昨日の子だ!」 『偶然ね、あなた達も来ていたの?』
『再見!』・・・ 「しまった! 名前と住所を聞いておけばよかった!」
ところが、偶然が何度も重なれば、もう偶然ではなくなります。
しばっらく見学して、疲れたのでベンチで一休みしていると、また、にこやかな顔が現れました。 『あっ、よかった! お名前と住所を教えて下さい。 私たち近々海南に旅行したいと思っているのですよ。 また、会えると良いですね!』 食事をしながら海南から旅行にきているとだけ聞いていました。
お母さんが住所と名前と電話番号を書いたメモを渡してくれました。
「待ってて下さいね! きっと会いに行きますから・・・。」
私はこのにこやかな顔がどのように成長していくのか、見ていきたい思いがしています。