もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「8月の家族たち」見てきました

2016-06-16 00:33:38 | お芝居
「8月の家族たち」 シアターコクーン 2016.05.18 18:30~

ケラさんがアメリカの劇作家トレイシー・レッツの戯曲を演出。この作品は映画化はされているとのこと。
三姉妹ものなわけで、ケラさんお得意ですもんね。

キャストがまた豪華。麻実れいさんが母、秋山菜津子さん、常盤貴子さん、音月桂さんが三姉妹を演じ、
その夫や恋人を、村井国男さん、生瀬勝久さん、橋本さとしさん・・・
さらには、犬山イヌコさんや木場勝己さんも。。。

私は、橋本さとしさんが一番の目当てですけどね~

もう公演も終了したので、ネタバレを気にせずに書いていこうとおもいます


まずは、公式のあらすじから
「詩人でアルコール中毒の父ベバリーが突如、失踪。その知らせを受け、8月酷暑のオクラホマ州の実家には、両親思いの次女アイビー、
5年振りの訪問となる母方の叔母マティ・フェイと夫のチャーリー、そして長女バーバラと夫ビル、その娘ジーンが帰省してくる。
久しぶりに集まった家族が目の当たりにしたのは、夫の失踪と薬物の過剰摂取で半錯乱状態となった母バイオレットの姿であった。
そしてある衝撃的な事件が起こる。やがて三女カレンが婚約者スティーブを連れてやってくる。叔母の息子リトル・チャールズもあたふたと現れ、
ようやく一族全員がそろい楽しいディナーを迎えるはずが、皆が抱える心の闇が見え隠れし始める・・・。」


3時間以上、途中2回も休憩をはさむ大作でしたが、長さを感じないくらいの芝居でした。
とにかく、キャスト。。。特に、麻実れいさんと秋山菜津子さんの演技がすごかった。

途中、くすっと笑ったり、声をだして笑うところもあるけど、でも、全体を通しての緊張感。
一家の主が失踪したことから始まる、家族の問題劇。胸が痛くなるような辛辣な言い合いもあったり、
麻実さん演じる母のバイオレットと、長女のバーバラの言い合いは、ほんとにすごかった。

出てくる人物は、みんな一癖も二癖もありそう。
一幕は、人物紹介が主。

夫のベバリーと使用人のジョナのシーンから始まる。
ベバリーはアルコール中毒であり、妻のバイオレットは薬物中毒。
一緒に住んでいるが、心は通い合っていない。ジョナを雇うための面接をしているときも、
バイオレットは奇声を発している。
家には次女のアイビーも暮らしている。

8月の暑いある日、ベバリーが突如失踪する。その知らせを受けて、バイオレットの妹のマティとその夫チャーリー、
長女のバーバラとその夫のビルと娘のジーンが家に集まる。
久しぶりに集まった彼らは、お互いの近況を好き勝手に話し合っている。話し合うというか、勝手にしゃべっているだけのような。
バイオレットは中毒からか、足元はおぼつかないし、何を言っているかわからないところもあるが、それでも、バーバラやマティにしゃべっている。

そこに保安官がやってきて、ベバリーの遺体が湖で発見されたことを告げる。

一幕は登場人物がひたすらしゃべる内容から、人物が整理される形がわかりやすい。
バーバラとビルは離婚寸前だし、その娘のジーンはマリファナをやっている。マティの夫のチャーリーは役立たずでビールをあおっている。
次女のアイビーはおとなしいが何か隠しているふう。

二幕の初めは、三女のカレンが婚約者のスティーブと父がなくなった葬式のために、かえってくるところから始まる。スティーブはいわくありげな男で、早速ジーンにマリファナを勧めたりと問題を起こしだす。
使用人のジョナが作った料理で全員でのディナーとなる。葬儀に遅れたマティの息子の、リトル・チャールズもやってくる。実は、リトル・チャールズは、次女のアイビーとひそかに付き合っている。
ディナーの場をしきるのはバイオレット。薬物中毒の影響なのか、性格なのか、誰かれかまわずに暴言を吐き、ディナーをめちゃくちゃにしてしまう。
みんなの秘密まで次々と暴いていく。バーバラは最後は母に切れて、薬を没収し、「この場を仕切ってるのは私だ」と叫ぶ。
二幕から登場してくる人物もいて、ようやく全キャストが勢ぞろい、この食事のシーンは、テーブルの乗った舞台が回転しながら、真ん中に移動してくるなど、なかなか面白かった。

三幕は、薬物中毒のバイオレットをどうするかを、三姉妹が話し合うところから始まる。アイビーもカレンもニューヨークやマイアミにくので、母の世話を長女のバーバラにしてもらいたいという。
バイオレットはバーバラに、妹の子のリトル・チャールズの父親は実はビバリーだと話す。だから、アイビーとは兄弟になってしまう。バーバラはアイビーに伝えようとしていたが、バイオレットが直接アイビーに言い放ち、アイビーはショックを受ける。

カレンの婚約者のスティーブはジーンに手を出そうとしたところを見つかり、それでもカレンは結婚すると言ってニューヨークに行ってしまう。バーバラとビルは離婚することになり、ビルはジーンを連れて帰ってしまった。アイビーもショックを受けたまま家を出ていく。そしてバーバラは、バイオレットがビバリーの浮気を知ってたことや失踪したときに居場所を知ってたことなどを聞き、やはりこの家を出ていく。
残ったのは、バイオレットと使用人のジョナだけ。バイオレットはジョナに縋り付いて泣くのだった。



最後に母、バイオレットが家族に出ていかれ、一人になってしまうのは、あまりに悲しく切ない結末でした。
でも、あんな風に人を罵倒し、わがままで独善的な性格だと、だれもついてこれないと思います。
原因はいろいろあるでしょう。夫が実の妹と関係をもち、それを知っていながら黙っていたことなどで、
精神をおかしくしてしまい、薬に頼ってしまったのかもしれない・・・そう考えると、悲しい人なんだなとも思います。

バーバラもやっぱりこの母の血を引いているんでしょう。似た者同士だからこそのバトルは迫力ありすぎでした。

家族とはいっても、結局は個人個人。父親が失踪したことで集まったとはいっても、すでに崩壊しつつある家族だったので、
それがあらわになっただけとも言えますが。。。

どこの家族でも、それぞれ問題は抱えているわけで、、、、なんか、考えさせられてしまう話でした。

それにしても、ケラさんはすごいな。こんな重い話なのに、笑える箇所をあれこれ入れて、サラッと演出してしまうのが・・・
ホントにいつも思うけど、どんな頭の構造してるんでしょうね~


さて、キャストの感想ですが、皆さんホントにすばらしかったんですが。。。

特に印象に残ったのは、
麻実れいさんと秋山菜津子さんですよね。

麻実さんは、ホントに素晴らしかった。
薬に侵されているときの狂った感じと、薬が切れた時のよぼよぼの老女の演じ分けとか。。。もう感動でした。
圧倒的な存在感でした

それから秋山菜津子さんも。二人の激しいバトルはすさまじかったけどワクワクする感じでもありました。
秋山さんは、長女だからこその葛藤もよく表していたと思います。
長女だから、、、おとなしい次女や、天真爛漫な三女との立場の違いにも悩むわけですよね。

1幕の最初だけだった村井さんも、存在感ありました。彼の話から芝居が始まるわけですけど、
最初から引き込まれました

あとは、ひょうひょうとした木場さんも。。。どうも木場さんを見るといまだにナカタさんなんですけどね(笑い)

生瀬さんやさとしさんも、上手いんだけど、今回ばかりは、麻実さんや秋山さんにもっていかれてしまいましたね~


それにしても、あのディナーの場面のテーブルが回る演出と、あの場の迫力あるバトルは見ごたえがありました。


シアターコクーンの入り口に、蜷川さんの記帳台があり、しっかりと記帳してきました。
蜷川さんの芝居もたくさん、ここで上演されてましたもんね


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする