ケムリ研究室no.1「ベイジルタウンの女神」 世田谷パブリックシアター 2020.09.16 18:00~ & 9.22 12:00~
ケラさんと緒川たまきさんの立ちあげた新ユニット。「ケムリ研究室」
その第一弾である「ベイジルタウンの女神」
発表になった時に、絶対行きたい思った。
ケラさんの舞台、コロナで、「桜の園」「欲望のみ」の2作中止になって見に行けなかったから、もう絶対って。
運よく、2回チケットが取れたので、勇んでいってきました。
すごく面白かった。ホントに面白かった。
まずハッピーエンドだったのが、この時代に本当に心地よくて、ほっこりする話だった。
それと、キャストの面々がすごく楽しそうに生き生きと演じていたのも、伝わってきて、幸せな空間だった。
童話のような、おとぎ話のような、絵本にしたら素敵そうな(事実、アニメっぽいこともしてあったけど)
そんな素敵なお話でした。。。
そう、物語とかお話とかいう言い方がぴったりするような舞台でした。
物語の内容は
「大企業ロイド社の社長であるマーガレット(緒川)と、ライバル企業ソニック社の社長タチアナ(高田)は、ベイジルタウンと呼ばれる貧民街の再開発を巡って火花を散らしていた。ある賭けをすることになり、ベイジルタウンにやって来たマーガレットは、不思議なあだ名で呼び合う住人たちと出会い……。」(ステージナタリーより)
ネタバレ込みで書くので、これからご覧になる方はご注意ください。
簡単な話の内容。
大企業ロイド社の社長のマーガレットは、乞食たちの住むベイジルタウンの再開発を考えていた。
この町の一部は、ライバル会社のソニック社が所有しており、そこを売ってもらう交渉に、婚約者のハットンと弁護士のチャックとともに、ソニック社に乗り込む。ソニック社の社長のタチアナは、実はマーガレットの家の小間使いだった。しかし、マーガレットはタチアナのことを全く覚えていなかった。
タチアナは育った町である、その土地を売らないといい、二人は火花を散らす。
そこで、そのベイジルタウンにお嬢様で世間知らずのマーガレットが、名前も明かさずに1か月間暮らせたら、タチアナがその土地をマーガレットに渡すという賭けをすることになった。
マーガレットはベイジルタウンにひとりで無一文でやってきたが、乞食たちの生活に驚き、戸惑う。
しかし、そこで暮らす王様やハムの兄妹と仲良くなり、彼らの家に居候させてもらうことになる。また、サーカスやドクター、ヤングとも知り合い、思ったより楽しく過ごせていた。マーガレットはチキンというあだ名をつけられ、すっかり町になじみだす。
そんな状況をスパイを使って見ていた、ハットンは苦々しく思う。実はハットンも、ここベイジルタウンの出身だったのだ。
ハットンはタチアナのところに出かけ、提案を持ち掛け、二人は手を組むことになる。
順調に1か月が過ぎると思った矢先、王様たちの住むバラック小屋で火事がおき、王様やハム、マーガレットはその家に住むことができなくなる。
乞食の仲間のヤングは、礼拝堂で無料の食事を提供するボランティアのスージーのことが好きなのだが、なかなか伝えられない。
スージーの誕生日にイベントの日を合わせ、その日に告白し、二人は恋人となる。
マーガレットがきてちょうど一か月となる約束の日、ヤングとスージーの結婚式の日、ベイジルタウンにビラがまかれる。
そこには、マーガレットがロイド社の社長で、ベイジルタウンの再開発のために、ここに下見にやってきていたことが書かれていた。そして町の一部ではすでに、取り壊しの工事が始まっているという。ハットンの仕業だった。
前にスージーが見た夢「マーガレットが、ベイジルタウンをめちゃめちゃにする」というのが正夢になると、
ベイジルタウンの住人から追い出されるマーガレット。
失意のままだが、1か月がたったので、自宅に帰ると、すでに家は人のものだった。
ハットンが会社も乗っ取り、家も売ってしまったのだった。行くところもないマーガレットはまたベイジルタウンに戻る。
そこにタチアナがやってくる。マーガレットはタチアナとの思い出をすべて思い出していて、二人は心を通わせる。
そこに今度は王様がやってきて、王様はヤングのように、マーガレットに告白する。
ベイジルタウンのみんなは、取り壊しなどはハットンの仕業だと理解し。マーガレットと再び仲良くなるのだった。
ハットンは実はモイという名前でベイジルタウンの出身だった。双子の弟がハットンという名前で、彼は心を病んでいたが
水道のことに詳しくいつも、水道のことを話していた。
モイは昔から詐欺師で嘘つきで問題児だった。昔はハムの恋人だったが、ハムは騙されて傷つけられていたのだった。
モイは市長になることが目的で、マーガレットにも近づいてきたのだったが、ベイジルタウンの再開発で名を上げようとしていた。ベイジルタウンで演説をすることがわかったので、乞食のみんなは策を立てた。
双子のハットン(水道のハットン)を演説させようという計画。それはうまくいき、王様の昔の同僚であるテレビ局にも生中継させ、モイの計画は失敗となった。
マーガレットはベイジルタウンを乞食たちにも住みやすい街として再開発し、乞食たちはみんな幸せに暮らすことができた。
王様は持っていた土地から石油が出て、石油王となり、マーガレットと結婚して幸せに暮らした・・・・めでたしめでたし
ざっと、、、こんな感じのお話でした。
抜けてるとこもあるかもしれないけど。。。。
ホントに最後は「めでたしめでたし」で、、、心が温かくなりました。
ケラさんの作品らしく、プロジェクションマッピングをうまく使っていて、
今回なんか特に高度で、ちょっとでもずれたら、成り立たないようなマッピング技術で楽しませてもらいました。
セットも、かわいい感じで、上の方の窓を使ったり、階段をうまく使ったりと、立体的にも
楽しめました。
キャストはホントに皆さん芸達者で、最高でした。
マーガレットの緒川たまきさんは、めっちゃ可愛かった。
世間知らずのお嬢様なんだけど、ホントにまっすぐな人で、愛らしい。
何事にも一生懸命だし。。。すごくチャーミングだった。たまきさんにピッタリ。
そしてこの人も主演って感じでしたね。
ハットンの山内圭哉さん。
あて書きだよね~って感じたんだけど。。。圭哉さんの魅力満載。
双子を演じてたから二役。全然違うキャラだし。。。私の中では水道のハットン最高だったな、。。。
でも、あのヒール役のモイも圭哉さんじゃなきゃできなかっただろうな。
どっちも最高でした。
そして安定のおかしさを醸し出す。仲村トオルさんの王様。
ずれてるけど、我が道を行き、さらに情に厚いんだよね。いい人だ。
トオルさんの声がめっちゃこの役にあってた。
ハムの水野美紀さんは、優しい人。そしてモイに傷つけられたけどしっかり生きてる人。
こういう役あうよね
それから、ぬっくんのドクターとイヌコさんのサーカス。二人ともめっちゃ可愛かった。
ヤングの松下くん。こういう役もやるのね。
あーいう衣装だったから、最初わからなかった・・・
スージーの吉岡里帆さんは、舞台では初めてだったけど、可憐だった。
そして、、、タチアナの聖子さんは、もう抜群の存在感だった。
マーガレットの日記を見て、涙するシーンとかは、さすがだったなあ
適材適所のキャスティングで本当に最高でした。
そして気持ちがハッピーになれたお芝居でした。
この時代にこんな素敵なお芝居を作ってくださって、ケラさん、ありがとう。
キャストの皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました
東京は終わって、これから地方公演。
最後までしっかり走り続けますように、祈ってます.