もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「セールスマンの死」見てきました

2022-05-05 02:15:23 | お芝居

「セールスマンの死」 シアターコクーン 2022.04.27 13:00~

なかなかな豪華キャスト。特に鈴木保奈美さんがどんな演技をするのかが
ちょっと楽しみでチケット取りました。

アーサー・ミラーの有名な戯曲で、日本でも何回か舞台化されています。
公式のあらすじより
「舞台は1950年代前後のアメリカ、ニューヨーク。かつて敏腕セールスマンとして鳴らしたウィリー・ローマンも、もう63歳。
得意先も次々と引退する中、思うようにセールスの成績も上がらない。かつてのような精彩を欠き、二世の社長からは厄介者として扱われている。
それでも地方へのセールスの旅を終え、いつもの通り帰宅する。
妻のリンダは夫のウィリーを尊敬し献身的に支えているが、30歳を過ぎても自立出来ない2人の息子達とは過去のある事件により微妙な関係だ。
息子たちへの不満と不安もウィリーの心をつぶす。
セールスマンこそが夢を叶えるにふさわしい仕事だと信じてきたウィリーだが、ブルックリンの一戸建て、愛しい妻、自分を尊敬する自慢の息子、一度は手にしたと思った夢はもろくも崩れ始め、全てに行き詰まったウィリーは、家族のため、そして自分のために、ある決断を下す・・・・・」

 

見終わって、なんというか悲しいというか、やるせないというか
人間ってなんで虚勢を張るのかなあと、単純に思ってしまいました。

段田さん演じるウィリーが、ニューヨークの自宅に戻った2日感を描く話。
ウィリーはストッキングを売るセールスマン。
月曜の夜に地方でのセールスを終えて帰宅する。かつては敏腕なセールスマンだったが、
もう63歳。会社の社長も二世に代替わりして、厄介者扱いされている。

保奈美さん演じる妻のリンダは、ウィリーを出迎え世話をやくが、会話もギクシャクして二人の関係性が
上手くいっていないことがわかる。
福士誠治さん演じる長男のビフは何をやってもうまくいかなくて、久しぶりに自宅に戻ってきている。
林遣都くん演じる次男のハッピーは、お調子者のプレーボーイ。
子供たちは30歳過ぎても自立できない状況で、この二人もウィリーの不安の種。

ウィリーは車で事故ったりと、少し精神的にも参っている感じ。
また、現実と過去がごっちゃになっていて、妄想状態にもなるので、年齢的に認知症も?
そして子供たちと顔を合わせると口論になってしまう。特に自分の価値観を押し付けるので・・・

ウィリーはビフが高校時代フットボールの選手で、大学も推薦で行けるような成績だったことを
自慢に思っていて、自分の理想をおしつけている。
その反面、次男のハッピーには全く興味がない。また妻の話も聞こうともしていない。

となりの家に住む一家、鶴見辰吾さん演じるチャーリー・バーナード親子と比較して、自分たちの方が
上だと昔は思っていたが、今はチャーリーにお金を借りるようになっている。
そして下に見ていたバーナードも今は弁護士になっている。

ビフは職が長続きしない状態だが、ウィリーにとっては自慢の息子で、きっと成功すると思っていて、
翌日に昔の知り合いのところに行って、お金を借りて起業するように勧める。
自分の名前を出せば大丈夫だからと。。。
そして、弟のハッピーもそれに同調する。

ウィリーは年齢的なこともあり、地方での営業はきついので、ニューヨーク勤務にしてもらうよう
妻のリンダからも、社長に頼むように言われる。

翌日、子供たちは知り合いの会社に、そしてウィリーは社長のところへ出かける。
夜、食事をする約束をして。。

ウィリーは二代目社長にニューヨーク勤務のお願いをするが、逆にクビを言い渡される。
そしてビフは知り合いに会ってももらえず、結局出資もしてもらえず。。。

食事をしに行ったレストランでも、また口論になり。。。
とうとう、ビフはなぜ自分がこうなったかをウィリーに語り。。。
(補習のテストの日に、父親が愛人と会っているのを見てしまってから、彼の人生が変わってしまった)
そして、ようやく今の自分と向き合うことを始めようとする。

ウィリーは、それで自分の人生が失敗だったと悟る。職もなくなり、息子にも愛想をつかされ。。
それでウィリーは、自分の保険金でリンダにお金を残すことを考え。。。冷蔵庫の中に入って扉を閉め
死ぬことを決断する・・・

というような話で。。。


このウィリーという男に全く共感ができなくて、こうなることは自業自得というか、仕方ないじゃんと
思ってみていたのでした。この人は悲しい人だなあと。。。
子供にも妻にも、虚勢を張って、周りの人にも見栄を張って、生きてきて。。。
そして、いろいろなものをなくしたあとも、現実を受け入れられず、自分の価値観も変えられず、
最終的に自滅してしまったとしか思えなかったんですよね~
可哀そうな人なんだなあ。。。周りの人も彼に振り回されて、可哀そう
そういう意味では、ビフは最後には、自分の身の丈をしってやり直そうとしたので、まだ救いがあるのかも。

そうそう。。。
セールスマンの死なので、ウィリーが死んでしまうんだろうなとはわかってたんだけど、
まさか冷蔵庫の中に入って死んでしまうとは思わなかったです。。。このときは意表を突かれました。


舞台セットでは、大きな電信柱が2本、宙づりになっていたのは、、、どういう意味なんだったんだろう。
ウィリーの家のキッチン、庭、子供部屋のセットが、出たり入ったりという感じでした。
そして一番目を引いたのが、古い冷蔵庫が舞台中央に、ずっとおかれていたこと。。。


キャストの感想

ウィリーの段田さん
もう素晴らしいです。表情やセリフの言い方だけでなく、歩き方とかで、その時の感情を
しっかり表していて。。。すごいな~の一言でした。
自分に降りかかってくる境遇を認められないという、感情がよくわかりました。


リンダの鈴木保奈美さん
舞台で見るのは初めてでしたけど、声がとても聴きやすかったです。
夫に振り回されながら、それでも夫に尽くす、妻の姿が切なかった。
そして、細くてキレイでした。。。舞台でまた見たいです。


ビフの福士誠治さん
上手いですよね~好きな役者さんです。
彼も自分の境遇や、親からの過度な期待、そして過去の父親への不信感。
そんな葛藤がよく表れてました。
今回、一番共感したよな~


ハッピーの林遣都くん
彼は本当にいろんな役を演じますよね。今回は本当にチャラい役。
その場しのぎで適当に生きてる感じ・・・
本当は親に期待されてないことが悲しいんだよね。。。って思いました。


ウィリーの兄の高橋克実さんや、チャーリーの鶴見辰吾さん
ベテラン陣の使い方がもったいない。。。
特に克実さんは、これだけ?って思っちゃいました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする