箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

お猿さんの恩返し?  不思議な体験!・・・(2)

2007-02-22 | *編集・その他

お猿さんの恩返し?  不思議な体験!・・・(2)

 

 (1) から続く・・・

それは一瞬の思いでした・・・ 心に浮かんだことがありました。

もう遠くにいたので思い違いかと ?

あれから何度か心に確認してみましたが・・・

やっぱり1年半前のあの時のお猿さんに違いない・・・!?

 

それは左足を引きずっていた障害をもつお猿さんでしたが・・・ 

先ほど森であったときは恐怖の方が先でそんなことまではよく見ていなかった

のに今、去っていく少し先から改めてみると左足を引きずっていたのでした。

そしてその数秒後にはもう森の中に入っていって見えなくなりましたが・・・。

 

 

あれは夏の暑い日でした。

私は 「EXPO90みのお記年の森」 から 「堂屋敷山」 を経て 

「天上ケ岳」 で一休みをして後 「山伏の修験道」 を 

「ビジターセンター」 へ 向かって歩いているときでした。      

山道の切り株の上に一匹の親ザルとまだ幼い小猿がちょこん! と、座って

いました。 

急に横にいて私はビックリしたのですが、私を見ると2匹ともゆっくりと私の後

付いて来ました。

 

よく見ると2匹とも 何となくやせていて少し哀れな印象をもちましたが, 

親猿の方は左足を引きずっていて少し気にはなりましたが、私はそのまま

歩いていたのです。

でも何となく後ろを振り返るとある一定の距離を保ちながら ず~ とついて

くる様子です・・・   群れを追われたはぐれ猿か?    

何か理由があって群れにおれないのか?   

群れで行動する大家族制の猿族ですから、何か理由がありそうです。 

足が悪くて食料調達ができないのか?  小猿は可哀想にな~・・・ 

いろいろ考えたり, 振り向いてそれとなく観察したりしていました。   

 

この森の西側には天上ケ谷があり、この谷には

「箕面猿の保護管理センター」(正式名称は?)  があって専門係官が

常駐し、1日の決まった時間に餌をやっているので、ここに群れている限り

飢えることはないはずだが・・・?

一度私はこの谷を歩いたとき, 丁度餌やりの時間にぶつかった事があるが、

約1kmの谷間をマウンテンバイクに乗った係官が大きなバケツに餌 

(雑穀の米粒のようだったが・・) を撒きながら・・・      

その後を数百匹の猿達が追いかけながら続いているのを、目の前で見た

ことがある。

どこから出てきたのか?      餌の時間を知っているのか?       

とにかくすごい数だったが、それが谷間を埋め尽くすようにしていた。

 (私も一時、その大群の中に埋まってしまったが・・・)      

一粒一粒を拾って食べている姿は壮観だった・・・・・。

 

どうしてあの親子猿はそこにおれないのだろうか? 

そんなことを思い浮かべながらまた、振り返ってみたらまだ遠くからついて

きている・・・    

「分かった・・分かったよ!  ちょっと待ってな・・ 」 

私はリュックを下ろして何か食べ物を探した。  

私はいつもお昼を二分して食べるのでまだ残っていたバナナとふかし芋、

それに常備して持っているピーナツとチョコレートを全て出して、横の切り株の

上に並べた・・・ 

よし!   これでいいや・・・ 

私はありったけの食料をだして、遠くから見ている親子猿に指さして・・  

ここに置くとくからね・・・  と合図をし、すぐに歩き出した。  

しばらくして振り返ったら相変わらずのゆっくりした歩きだが、私の置いた

食べ物の所へ近づいていた。

それからの事は分からないし・・・ もうとっくに忘れていたのだが・・・。

 

でも、あの母親の足の怪我の事は他の事故のことから思い出すことが

あった。

それは、いつか滝上の駐車場で見た悲しい光景だ。

ここには車から猿達に禁じられているお菓子などの餌をやる人々が絶えず、

たまに車に轢かれてしまう小猿がいる・・・

 

私はその日、いつものように沢山の猿群が観光客から餌をもらい人も猿も

ワイワイ、キーキーといっている所に、一匹の母ザルがもうとっくに皮ばかり

に干からびた小猿の亡骸を大事に抱えながらいるのを見て、衝撃を受けた

事があった。

その時にあの左足を引きずっていた親子猿のことを思い出したのだが・・・・

 

(箕面ドライブウエイの道路わきによく車を停めて猿達に食べ物をやっている

人がいて、 それを覚えていて人間様から餌をもらう為に待ち受けている

猿達・・・ そしてその中の小猿が車に轢かれることがある・・・

この事はまたいつか機会を見て話をしよう・・・ ) 

 

そんなわけで余談が長くなったが・・・ 

話を元に戻すことにしよう・・・

この迷った森の中で私に道案内をしてくれた(?) のは、 あの時に

出会った親子ザルの足の悪かった母猿なのか?    まさか?

良いように解釈すれば、 あの時の私を覚えていて迷った私を助けてくれた

のか? 

普通に解釈すれば、たまたま通りかかっただけで、たまたまそのとき足を悪く

していただけの別の猿で、 こじつけにしても程がある・・・ となるのか?・・・

どうやら後者のほうが常識的かも知れない・・・?

でも、あの時の小猿はその後どうしたのかな?   生き延びたのか?

あれから1年半を経てもう立派な大人になって親離れしたに違いない・・・ 

母猿は子育てを終えて今は一匹 悠々自適に森の中を駆け回っているの

かもしれない・・・ 

そんなことを勝手に思いながら 時の移ろいを感じつつ不思議な思いを胸に

箕面の森 を 後にしたのでした・・・

 

のお猿さんも、今ごろ ”世話のやける人間だな~もう・・・”  と つぶやいて

いるかも? (笑)

 

 

06-12 (完)


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お猿さんの恩返し?  不思議な体験!・・・(1) 

2007-02-22 | *編集・その他

お猿さんの恩返し? 不思議な体験! (1)

 

 

数年前の初冬の1日の事だった・・・

暖冬のせいか?  暖かい冬の始まりだ・・・   

穏やかで、冬の寒い風もなく、まるでもうすぐ一気に春が来そうな

気配の一日だった。

私はこの日、箕面ビジターセンター駐車場に車を停めて、前の

道から「東海自然歩道」に入り、 最勝ケ峰から 北摂霊園、 

高山, 明ケ田尾山、 梅ケ谷、と回り  鉢伏山へと向かって

いた。

まだ残り紅葉が最後の色香を見せていたし、鳥の群れが木々から

飛び立つごとに大量の落葉があって、それはまるで枯れ葉の

シャワーのようだった。                          

何本かのカエデの木がありその紅葉が見事でしばしそこで休憩を

しようとしたが・・・

どうせならもう少し奥の森に入ってみようとおもい・・・   

全く初めての森の中だが、ごく細い「獣道」だろうか?   

そこへ分け入っていった。

 

すると急に開けたところに出て・・・

そこは余り人が来ないのであろうか何とも自然で気持ちのいい

ところだった。

私はもう4時間ほど歩いていたのでこのところで一休み・・・と、 

リュックを下ろし,中に入れていた折り畳みの小椅子を出して座り、

残っていたコーヒーとチョコレートを食べながら私の好きな森浸りを

愉しんでいた。

それは目を閉じて体を楽にし、瞑想するような感じだが 

実に心が穏やかになり癒されるものだ。

小鳥のさえずり・・森の風の音、落葉の瞬間の音、時々風で

揺れる木々が擦れ合う音、耳を清ませばいろんな音が共感し合い

それはそれは素晴らしいハーモニーとなって私の心に響き渡る。

 

その内、少し疲れたのか、または森のコンサートに酔いしれた

のか眠たくなってきて、私は小椅子を枕にして落ち葉の中で体を

伸ばし再び目を閉じた。

どうやら眠ってしまったようだった。     

しかしその時間は僅かだったように思う。冬の日が落ちるのは

早い・・・

もう西に太陽は沈みかけていたが、やがてそれが消えると急に

森の中が薄暗くなってきて私は急いで帰り支度をした。

 

寝ぼけているのか頭がぼんやりしながらも帰りを急いだ。

しかしどうも先ほどから道がおかしい?   

さっき来た方面の景色と違う?   

もともと獣道を辿ってきたので足元が薄暗くなると間違えたのかも

しれない・・? 

回りを見渡しても思い当たる景色は見当たらない・・・どうしよう?   

一瞬このまま迷って夜になれば全く装備なしではいくら暖冬とは

いえ、冬の冷え込みには耐えられない。   

困った・・・!  どうしよう・・・

 

ところが,そこへ一匹のお猿さんが前から来たのだ・・・

このときは恐さが先に走った・・・

朝や昼なら話は別だが、薄暗くなった森の中では不気味な

出合いだ。 

しかし、お猿さんは横へそれながら、私の顔を見ると,

私が来た逆の方へ歩いていく・・・ そしてまた私のほうを見る。

私は何となく後について逆に歩き始めた・・・ 

    

途中で右に入った・・・

道なき道だがそういえばさっき来るとき分け入った道に似ている?           

すると、まもなくあの最初に休もうかと思ったカエデの木々が

先方に見えてきた・・・ 

 助かった!    よかった・・・  

ホッ! とした安堵感でいっぱいなった。

 

つかの間の恐怖と不安感を味わった後なだけに カエデの木が

どんなに美しかった事か・・・  

もし、あそこで お猿さんの後をついていってなければ

全く逆方向に向かっていた事になり、少し背筋が寒くなった。

お猿さんの道案内? なんて・・・   誰も笑うだろうな・・・ と 

思いつつ今日まで誰にもいわなかった。

 

(実はこの体験話はこれから始まるのだが・・・)

 

もうすでに遠くを行く先ほどのお猿さんを改めて見ようとしたとき、

一瞬私の心に衝撃が走った・・・

 

(長くなったのでコーヒーブレイクとして、この続きは明日にしよう。)

 

 

(2) へ 続く・・・


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