お母さんの愛の花!
気持ちの良い快晴の5月です・・・
箕面大滝前の人模様!
三国峠(395.9m)から箕面山(352.3m)を経て、石子詰に下って
くると、新緑を求めて沢山の人々が滝道を散策していました。
今日は晴れ渡る青空の下、暑い! と思わせるような夏日です。
明日からは大雨との予報ですから、私も予定変更して出かけて
きました。
箕面大滝前で一休みをしながら、いつになく人模様を眺めていると
、改めていろんな方々がおられ、各々に滝前で楽しんでおられる
のが伺えます。
そんな中から小さな出来事を拾ってみると・・・
* 一人の女性は、頭をさかんにひねりながら、先ほどから
小さなノートに何やら書き綴っています。
その前には後藤夜半の・・・
「瀧の上に水現われて落ちにけり」 の句碑があり、
自然の息遣いをたくみに現しています。
いい俳句が浮かんだでしょうか?
* スケッチブックを開き大滝を写生している女性がいます。
それを、後から斜めになって覗き込んでいるおじさんの
格好が面白く、そちらの姿を見ていました。
* 幼い子を連れた若い夫婦が、滝前にシートを敷き
お弁当を広げています。
お父さんが三脚を立て、何度もやり直しをしながら写真を
撮っています。
そのピースサインは、幼子と家族の絆を記念する幸せな
光景です。
* 突然、滝見橋の端からハーモニカの調べが・・・
「峠の我が家」?
ちょっと大滝とは似合わないものの、老人の思いが
詰まっているようで懐かしさがありました。
* 滝壷前の店で、タコ焼き中のおばさんの手さばきを
じっと食い入るように眺めている外人さんがいます。
大滝よりもタコ焼きの方に彼女の関心は大いにあるよう
です。
* ランニング途中の方お二人が、それまで流した汗を
一気に補給するかのようにスポーツドリンクをゴクゴクと
飲んでいます。
・・・あの滝壷へ飛び込みたいな~
その心境は分かる気がしますけど・・・
* 同種のワンちゃんを連れた二組のご夫婦が、初対面の
ようなのに犬を介して親友のように話し込んでいます。
ワンちゃんたちも嬉しそう・・・?
* 大滝を背に、缶ビールで乾杯している中年四人組、
三人のおばさん達は、滝音に負けじと大きな大阪弁で
嫁の悪口? 噂話に興じています。
声が嗄(か)れませんか?
* しばらくしてファミリートレッキング? とか書かれた札を
下げた沢山の人たちが次々と到着しました。
子供たちは汗ビッショリです。
しかし、大滝の水しぶきの前ではみんな決まったように
深呼吸をしています。
マイナスイオンがいっぱいですからね。
* 箕面山猿管理事務所の監視員の方が森を見上げて
います。
* 滝道を見回りながら、ゴミを拾ったり管理をしながら
歩いている係員の方も見かけます。
みなさん、ご苦労さまです。
流れ落ちる大滝の前に、前髪のようなモミジの大樹の若葉が
見え、五月の爽やかな風になびいています。
流れの脇に、小さな赤い椿のような一輪の花を見つけました。
ヒヨドリが二羽、戯れながら飛び交っていきます。
今、箕面の森はシイの樹冠いっぱいに、クリの花に似た
クリーム色の花に覆われています。
ホオノキ、ヤブデマリ、タニウツギやコデマリなどの花が咲き、
イチリンソウ、ニリンソウ、シハイスミレなどの草花も咲いて
います。
滝の周辺や滝道では、白く小さなハクサンハタザオが沢山咲いて
いますよ。
アゲハ蝶、クロアゲハが舞い、昆虫たちも活動をはじめましたね。
大滝前で少し長めの休憩をとりながら、そんな森と人の様相を
ゆっくりと楽しみました。
帰路、こもれびの森から才が原林道に出た所で、十数匹の猿群
に出会いました。
休憩しながらそんな群れの行動を眺め、いろんな仕草を見て
いると、何か先ほど見ていた人間社会の様相と似ているようで、
思わず一人で笑ってしまいました。
'13 5.24
清水谷に浸る・・・
東海自然歩道の尾根筋から北の自然8号路に下り、清水谷林道に
入りました・・・
数年前から間伐を繰り返してきた清水谷は、欝蒼とした暗い森から、
今や林床にまでしっかりと陽光が差し込む、明るい森に生まれ
変わっています。
それまで気がつかなかったようなシダ類や草花、コケ類が多く見られ
ます。
夏鳥たちの森のコンサートも賑やかです。
そんな明るい木もれびの差し込む林道を、いつもの如く一人
ゆっくり ゆっくりと浸りながら歩く時の私の至福感といったら、
たまりません・・・
時には立ち止り・・・
大きな杉の木に両手をあて、ゆっくりと深呼吸をしながら根元から
先端を見上げていく・・・
やがて、今度はゆっくりと息を吐きながら根元まで目を下ろして
くる・・・
そんな事を2~3度ほど繰り返していると、木と森の精気をいっぱい
もらい受けます・・・
すると、自分の心の中の「気」を総入れ替えして、新たに生まれ
変われるような気持ちになるので不思議です。
「森林療法」 という学問の世界が、最近流行ってきている
そうですが ?
私の実感では、もうそれは太古の昔から森を歩く人々には
分かっている事のように思いました。
ふっと我に返って歩き始めた時でした・・・
急に前方で激しい音が・・・
なんだ・・・?
見ると、小さな谷川の流れの中から1頭の雌鹿がすごい勢いで
山裾を駆け上がっていくところでした・・・
どうやら谷川の水を飲みに来ていたようです・・・
ああ 驚かして ごめん ごめん! です。
鹿は途中でこっちの様子を見るように立ち止り、私と目が合うと
また少し駆け上がります・・・
次に双眼鏡で山の中腹を探しているとまた目が合い、鹿はまた少し
駆け上がるといった感じで、いつしか見えなくなりました。
奈良公園などで見る餌付けされた鹿は、人を見ると近づいてきます
が・・・
野生の鹿は逆に人を見ると逃げ出します・・・
箕面の猿も二分化しているように、ドライブウエイでエサをねだる
猿は強引に人に近づき、人は逆にそんな猿を避け・・・
私が森で出会う猿たちは私を見て逃げたり、または避けるか、
無視するかで、知らん顔をされると・・・ 何となくこちらから近づく
ような・・・
何だか人の恋路と同じようですね・・・ ?
箕面の鹿も増えてきているのかな・・・ ?
最近は昼間の森の中でも、たまに見かけるようになりました。
前回、この清水谷で見かけたのは立派な角をもった雄鹿でした。
いずれも四足で ダ ダ ダ ダ ダ--- と、斜面を駆け上がる
脚力をみると・・・ 素直に素晴らしいな・・・! と、
足の遅いドンカメの私は、いつ見ても見とれてしまいます。
胡蝶花の咲き終わった後には、白いヒメウツギやヤブデマリ、黄色い
カワラフジ、ピンクのタニウツギなど、初夏の花々がいろいろと
咲いています。
名も知らぬ草木が、随所に花を咲かせています・・・
新緑の若葉が風にそよぎ、谷間全体で萌えいずる躍動の季節を
感じさせてくれます。
植物や動物の体内時計は、いつも正確に季節の移り変わりを人間に
教えてくれますね。
自然界の営みとリズムには、いつも畏敬の念をいだきます。
一休みをして腰を下ろした横にマムシグサが一本・・・
品のある花ですが・・・
名前を思い出すと、それがマムシが鎌首を上げたときのような姿の
花で、誰が付けた名前か知りませんがイメージが悪いです・・・
もし私なら、ツルグサ (品のあるツルの首のようですから!) と、
付けたいような花です。
そんな事を考えながら浸る、清水谷の至福のひと時です・・・
それにしても、あの若い雌鹿の瞳は愛らしかったな・・・
動物の 美しい瞳 にさえまだ、私は心ときめかせているようです
よ・・・
贅沢な森の一日!
今朝、箕面ビジターセンター前に着くと、沢山の中高年ハイカーの
方々でいっぱいでした。
これから山へ入る装備を整えている若い男女・・・
ゆっくり森の散策を楽しむ老夫婦など、老若男女多くの方々が
風薫る新緑の森へそれぞれ向って行きました。
私は「東海自然歩道」へ向います・・・
最初の岩場を上がっていくと、両脇に薄紅紫色したモチツツジの
花がとても美しく咲いています。
先週は満開の藤の花に感激し、感動していたのに、
今週はモチツツジやヤマツツジが目を楽しませてくれます。
足音に振り向くと、青年が一人 挨拶をしながら元気に
駆け上がって行きました。
いくら 青春は心の若さである! と意気込んで見ても
私の脚力はもう全くダメで、とても追いつくどころでは
ありません。
最勝ヶ峰(535.5m)までその後 誰一人としてハイカーの方に
出会うことはありませんでした。
日本で二番目に小さな面積の国定公園とは言え、
あれだけ沢山のハイカーの方々がいて、絶好のハイキング日和
にもかかわらず、一旦森に入れば余り人に出会うこともなく
その広大さを実感します。
前方の小枝にとまった野鳥を双眼鏡で覗いてみると・・・
イカルのようです。
警戒心が強いので余り見ることがない鳥で、この冬場に
六箇山近くで見かけて以来です。
黄色い大きなくちばしに黒い帽子がはっきりと見えました。
ヒノキの天辺ではメジロが一羽 大声でさえずり、
近くではウグイスが森に響き渡る美声を聴かせていました。
ミズキやウツギの白い花が咲き、見上げるとまだ八重桜が咲いて
いるのには少しビックリです。
証如峰(604.2m)から泉原へ向う途中で引き返し、裏山から
勝尾寺へ下りました。
境内では牡丹の花が咲き、石楠花やツツジ、シャガなどの花が
咲き、いつも花木や草花が美しく咲いています。
奥の院・薬師堂の脇から自然4号路に入り、箕面ビジターセンター
へ向けて戻ります・・・
爽やかな五月の風が森を吹きぬけ、見上げると上空では
杉木立が大きく左右に揺れて戯れているように見えます。
コナラ、リョーブ、モミジ、カエデ、ヤマザクラやカツラなど、
広葉樹林の若葉が木漏れ日に反射してキラキラと輝いています。
ヤブツバキ、ウバメガシ、シラカシ、ヒイラギやヒサカキなどの
常緑樹林も、今は新旧入れ替え葉の時期のようで、クスノキ、
カナメモチなど若葉の紅葉が新緑を彩り、風が吹くたびに
古い葉がバラバラと落葉していきます。
人間の衣替えの季節と同じように、森の植物たちも一斉に
衣替えのようですね。
いい季節になりました。
森でスケッチ!
さわやかな五月晴れです。
今日はスケッチブックを持って森へ出かけました。
箕面の森の中で描いてみたい所は沢山リストアップしている
ものの・・・何分、不器用で感性も鈍いので・・・
いくら絵の先生に教えていただいても遅々として進歩しません。
でも、我ながらめずらしく毎週休まずに教室に通っていて、
飽き性の私がもう何年も続いているのですから奇跡です。
外院(げいん)の山里で初夏の風情を楽しんだ後、勝尾寺へ
山越えする旧参道へ入り、二つ目の休憩どころで一休み
しながらスケッチを始めました・・・
東に粟生間谷の集落、茨木から生駒山、金剛山などがくっきりと
見え、絵になる光景です。
リュックからスケッチの道具をおもむろに出すと・・・
急に後ろの方からウグイスが美声で励ましてくれたり・・・
心地よい風当たり、若葉の香り・・・
シ~ン とした森の中で、野鳥のさえずりを聴きながら、
まさに風薫る新緑の季節感を味わいながら描く・・・
もう最高の幸せ感です。
鉛筆でスケッチを描き始めて30分ほどした頃でした・・・
三人連れのオバサンたちが、賑やかにおしゃべりしながら上って
こられました・・・
嫌~な 予感!(笑)
* や~! 絵 かいてはるわ~ 見せて見せて・・・
と、覗き込んできた・・・賑やかに 突然失礼な・・・!
* ふ~ん・・・
それだけ?
そのまま横で人の噂話が始まった・・・
さっきまでの幸せ感が吹っ飛んでしまった。
私はこれを区切りに一枚目を描いたので気分を変えてみることに
して腰をあげました・・・
次はそこから「しらみ地蔵」前を経て、七丁石から南山(407.1m)
山頂に登り、お昼を食べながらスケッチを始めました。
箕面・船場の街並みが下方に見渡せ、その先には大阪の高層
ビル群が、まるで墨絵のように幻想的な雰囲気でたち、
その後方には奈良の山々が連なっていていい構図なのです。
ハイカーの方もいなくて気分も最高です。
やがて谷山を超えて才が原池に着くと、ここも絵になる光景です。
一人、年配のハイカーの方が描いている後を通りながら・・・
* ほ~ ええもんじゃの! ええ趣味でんな!
そう言って、ニコニコしながら帽子を取り、挨拶されていかれた。
こんなささやかな温かさのある交わりが好きだ・・・
余談だが・・・
そもそも私が絵を描いてみたい・・・と思った動機は・・・
もう何年も前のこと・・・
箕面の滝道でキャンバスを立てて油絵を描いていた一人の
画家に出会ったからです。
一目で絵に感動したのだった・・・すごい!
見た瞬間、心揺さぶられる思いがしたのが始まりでした。
気さくな方で、ニュージーランド在住の日本人の方とかで、
奥さんの出産のために箕面に数年住んでいて、もうすぐ帰国する
と話しておられた。
なんとも素晴らしい絵にすっかり心捕らわれて、いつしか自分でも
描きたいと思っていたのだが・・・
あれから数年が経ち、あの思いの日からやっといい先生にめぐり
合い、いまは全くの最初から油絵、アクリル画を教えて
いただいているところです。
そして記念すべき第一作が私の故郷 「信州・安曇野の風景」を
描けた時は、本当に嬉しかったものです。
やがて才が原林道を通り、化石谷の「望海展望台」に着き
最後のスケッチを始めました。
左右V字の山の谷間から双眼鏡で覗くと、遠くの大阪湾の波が
太陽を反射してキラキラと輝き、コンテナ船がゆっくりと漂っている
のが見えます。
緑豊かな箕面の森が、その新しい若葉で生き生きと輝き、
躍動しているかのように盛り上がって見えます。
やがて同年輩の女性ハイカーの方が上がってこられました。
* いい季節ですね・・・ いい絵ですね・・・
と、可愛い? 笑顔で挨拶してくれました。
言葉少なくとも、自然の風景、森の風情、それを描く行為を通して
、何か心が素直になれるように感じました。
自然と絵は、人と人との心をつないでくれるものなんだな・・・
と 実感!
改めて自分のスケッチを眺めながら・・・
下手でも エエ(絵・絵)じゃないか・・・!
来週もまた箕面の森のどこかで、懲りずにスケッチブックを
相手に格闘している私がいそうですが・・・?
'13 5.17
森は恋の季節・・・!
朝から快晴かと思いきや・・・ 急に雲が出て小雨・・・
しばらくしてまた雲が晴れて太陽が顔を出してきたので、
私は新稲(にいな)の里山から小川口へ入りました。
里に下りてくるイノシシ対策用の 「害獣防止柵」 のカギを開けて
森に入ります・・・ どっちが檻の中にいるのかいつも考えます。
森に入ったとたん頭上でウグイスが素晴らしい鳴き声で歓迎してくれて
感激です・・・と、思いきや・・・別のウグイスがまた鳴いています。
どうやら二羽が交互に愛の歌を交わしているようです。
しばしうっとりと聞きほれました。
あの小さな体で森じゅうに響き渡る見事な声量です。
山道にはまだモチツツジがきれいに咲いています・・・
モミジ、ケヤキ、ヤマザクラやクヌギ、コナラ・・・雑木林には沢山の樹木が
新芽をだしていて、その新緑が太陽に当たりキラキラと反射して眩しい
ぐらいです。
穏やかな風が吹き渡り、まさに風薫る新緑の五月晴れです。
それにしても今日は沢山の鳥が飛んでいます。
目を閉じて耳を澄ますと、いろんな鳥の鳴き声が聞えてくる・・・
私は首から下げた双眼鏡を何度も覗き見るが中々鳥を見つけられない。
しかし、最近5回に一回ぐらいはしっかりと捉えられるようになり、その鳥の
仕草をつぶさにじっくりと見る事ができるようになったのがなんとも嬉しい。
最近物忘れが多くなり、帰宅して 鳥の図鑑と にらめっこしてやっと
覚えたのに、次週になると忘れてまた同じ鳥を探しておぼえ直し・・・
名前と鳥が一致せず、いつまでたっても覚えられないので最近は
あきらめて、もっぱらその場を楽しむ事に専念しています。
お陰で余計な頭を使わずにすみ、自然はいいな~ と いつも幸せ感に
浸っていることができるのです。
たまにですが、こんな浸りの時に別のハイカーに出会うといかにも私が
詳しいバードウオッチャーと思われるらしく、何かと質問されるのには
閉口してしまいます。 格好だけだのに・・・
一つの尾根に出たとき空が急に暗くなり、再び雨が降り出してきた・・・
今日はおかしなお天気です。
あれよあれよと言う間に本降りになり、そのうちどしゃ降り・・・
あわてて坂を下り クヌギの大木の下で雨宿りにしました。
森が一気に暗くなってきた。
こんな時は動かない方がいい・・・ リュックを下ろしてお茶を飲む・・・
しばし 雨音のコンサートを楽しむとするかな・・・!
さっきまでうるさいぐらいに鳴いていた鳥達の鳴き声が全く聞こえない・・・
ザーザー降りとなる。
そんなときでした・・・ 何となく目の先に動くものがある・・・ 何?
早速双眼鏡で覗いてみる・・・レンズを絞ると・・・
なんと二羽の鳥が葉陰で雨宿りをしていたのが・・・
私はじっと見ていて恥かしくなってしまった・・・ と 言うのも、
並んで小枝に止まっている二羽だが、双方向き合って くちばしを交互に
何度も何度も合わせあっているではないか・・・
チョット オイ オイ!
昼間から人前でなんということを・・・?
(近頃の高校生が、電車の中で堂々とキスをしているのを、見たときのような
気分です・・・)
見てはいけない秘め事を見た時のようで、こっちが気恥ずかしくなる・・・
鳥の愛の交換・・・?
鳥を相手に何も羨ましく思わなくてもいいのだが・・・
でも、いいな・・・!
やがて雨が上がり始めたので再び歩きはじめました・・・
森が急速に明るくなっていく・・・太陽が出て木漏れ日が山道を照らす・・・
きれいだな~
と しばし立ち止まり自然の壮大な演出に感激する。
新緑の若葉に丸い雨粒・・・ それに太陽が当たるとまるで宝石の輝きに
なって、なんとも森じゅうがキラキラし、幻想的で神秘的なおとぎの世界に
なりました・・・ (文章苦手の為に上手く表現できません・・・)
見事な自然のシンフォニーを、森の中で私一人だけが独占・・・!
こんな予想も出来ない至福の一時がいつも突然訪れるので、私の森の散策
を止められないんだな・・・。
尾根に出ると今度は霧・・・ なんとも前がかすんで良く見えない。
ゆっくり歩いていくと前で何か動いている・・・
近づくとバタバタ・・・と大きな鳥が二羽飛び立っていきました。
よく見ると山道に雨で水溜りができていて、二羽はそこで水遊びをしていた
ようです・・・
せっかくのデートを邪魔してしまい、悪い事をしてしまったな・・・
ハート広場に近づくと遠くで低音のグオ-グオ-と言う、なんとも不気味な
音が聞えてくる・・・ ちょっと恐いな! 何やつ!
ゆっくりと近づくと小さな池がありそこから聞えてくる・・・ 分かった!
牛ガエル? だな!
それにしても小さいのにその大きな鳴き声は、聞けば聞くほどグロテスクな
響きだ・・・
2匹が交互に鳴いている・・・ これも愛の交換歌かな?
ささゆり、こもれび、桜谷の各コースを回って滝道へ出てきて休憩を
していたら、後ろでチチチ・・・と 鳥の鳴き声がする。
振り向くとなんとも小さくて可愛いメジロかな?
二羽が小枝を行ったり来たりして遊んでいる。
見ていると何とも楽しそうだ・・・ ほほえましい。
箕面駅前に戻ってきたので駅舎のツバメの巣作りに立ち寄ってみた・・・
大分出来てきている。
丁度見上げている時、二羽のツバメが口にいっぱいの資材を持ってきて
交互に上手に巣にくっつけている・・・ うまいな!
チームワークも抜群だ・・・
それにしても、新しい巣作りをしているあの仲のよいツバメの夫婦は いつ
どこで どんな風にして知り合い 結ばれたんだろうな・・・ ?
近くの禅寺に 人との縁・・・ について書いてあったが・・・
鳥も縁なんだろうな・・・
自然界の縁を大切にしないといけないな・・・ なんて考えながら・・・
今日は一日中、鳥達に当てられっぱなしだったけど・・・
幸せをいっぱいもらって、楽しかったな・・・ と 思いながら帰路に着いたの
でした。
森は恋の季節のようですよ・・・。
森は無言の教材!
今日は落合谷から前鬼谷(ぜんきだに)の尾根に出た所でお昼にしました。
12時を10分ほど過ぎた頃です。
この休憩場所には丸太で作った6人掛けのイス、テーブルが2台と、2人掛け
のベンチが3台ほどあります。
いつもお昼時にここを通るとお弁当を広げている方が時々いますが、今日は
3人の方がお弁当を食べていました。
と言ってもよく見ると傍に電気ノコギリやロープ、ヘルメットなどがあり、
山林作業員の方と分かりました。
「こんにちわ!」
と、挨拶を交わして、私は横の空きベンチに座りお茶を飲んでいました。
ここへ来るまでに森の中で遠くに作業の音がしていて、途中老木や倒木が
整理されていた所を通ったばかりなので・・・ この方たちが・・・
「今、何をなさっているのですか?」
と、問い掛けてみた。
「倒れた木が多いんでね・・・」
とのことです。
そういえば3年前の大型台風で箕面の森の木々が相当倒された事が
あった。
長い間放置されていたが、やっと予算が下りて回復作業にかかっているよう
です。
一人のおじさんはもうお弁当を食べて、ベンチの上で大の字になってお昼寝
を始めていた。
遠くでウグイスが鳴き、目の上の松の木からヒヨドリが飛んでいった。
そんな穏やかな一時を過ごしていた時、下の方で急に賑やかな声が聞えて
きたかと思ったら・・・
若者が3人競走をしてきたらしく フ~フ~ 言いながら上がってきた・・・
そして次から次から若者が到着し、あっという間に休憩場所は人 人 人で
埋まってしまった。
ベンチで寝ていたおじさんはあわてて起き出し、他の2人もあわてて荷物を
横に移動したり・・・
空いたところにはもうすぐに有無を言わせず若者が腰掛けている。
私もあわてて荷物を下に降ろしたとたん、若者が一人腰掛けてきた。
あっという間に何たる事・・・ と 唖然とする。
挨拶一つまともに出来ない・・・ マナーも悪いし無礼な!
ここは学生食堂か? と 思うほどだ・・・
座る所が無く,ほとんどが地べたに座っている・・・ 砂埃がする。
私の横に座った若者が、後から よっこらしょ! と 上がってきた中年に
” 先生ここ取っといたで・・・ ” と。
なんと? ここは電車の席取りか・・・?
先生は ” どうもすみませんな・・・ ” と、私の横に座られて汗を
ぬぐっておられる。
私は・・・
「 学生さんですか?」
と、声をかけてみた。
先生は・・・
「そうですねんです。 一年生35人と教師6人ですわ・・・
騒がしてすみませんな・・・」
「 先生お昼まだですか・・・ 」
「 もうすぐや! 今食べたらあかんで・・・
ここは休憩のみ、あと5分で立つんやで・・・ 」
「 そんなん! 腹減ったわ・・・」
とか・・・ とにかく賑やかな事。
横に座った先生は・・・
「福祉介護の専門学校でして・・・
こんな子達でもあと何年かすると、プロとしてお年寄りの介護や
福祉の仕事についてくれるんですわ・・・
今はこんなんですけどね・・・」
と、笑いながら私の顔を見る・・・
(見なくてもそうですよ! 私も近くお世話になる年ですから・・・
これ私のヒガミ!
そして・・・
「山を歩くのは教育の一環でしてね・・・
チームワークがよくなるんですわ・・・
それに私らは、子供ら一人一人の性格が、山を歩くとよく
分かるんですわ・・・
教室だけでは分からんのですけどね・・・
それに何といっても、自然の中には無言の教材が山ほど
ありますからね・・・」
と・・・ さらに・・・
「今の子供は自分の思考や情報収集なども、みんなネットで
やりますからね・・・
こういう自然の素材をじかにふれたり、感じたりが大事で
して・・・
教室で教えるより、山や森を歩く方が興味が湧いて、よう
学べるんですわ・・・ 」
とのことです。
その時 ピー と 笛がなった・・・
「出発するよ! 早よ立ちや!・・・
各班の班長は報告するんやで・・・」
「どうもお騒がせしてすいませんでした・・・ ホナ失礼します」
僅か10分ほどのあっという間の出来事だったが、彼らが去った後には
また静寂が戻った。
あの3人の作業員と私は顔を見合わせて・・・
「台風一過・・・?」 ですな・・・ と 苦笑し合った。
再び小鳥が頭上で鳴いた・・・
鳥達は森で働く人からお弁当の残りのおすそ分けをもらい、それをついばん
でいる・・・
まもなくオジさんたちは、それぞれのベンチの上でお昼寝に入った・・・
「森は無言の教材・・・」 か・・・
それにしてもあの賑やかで、がさつで、礼儀もまだ知らない学生達だが、
先生が言われるように、数年後には勉強をして人間を磨き、プロの
「介護福祉士」 として社会で活躍するようになるんだな・・・
そう思うと・・・
やがてお世話になる私としては、自分の事と関連付けるや、急にあの賑やか
さも頼もしく感じられ・・・
ガンバレ! ガンバレ! と エールを送るのでした。
ちゃっかりものです・・・
'13 5.13
森は高貴な季節!?
昨日の雨が上がり、今日は朝から文字通りの五月晴れと
なりました。
箕面駅前から西江寺の裏山を上り、聖天の森の展望台へ、
一望できる箕面の森はみずみずしく、若葉が太陽を浴びて
キラキラと輝いています。
展望台横手の箕面ドライブウエイに出てすぐに、
満開の藤の花が目の前に見えました。
紫色の清楚で高貴な雰囲気を漂わせる花弁の垂れ下がりは
約30cmぐらいあり、風に吹かれてほのかに甘い香りが漂って
きました。
見事な藤の花です・・・
と言っても正式名は分からず、よく知られているノダフジ
(かつて太閤秀吉が大阪の野田で藤の花見をしたから
付いた名とか?)
は蔓が左巻きで、ヤマフジは右巻きと言われているものの、
私にはよく見分けがつきません。
実は昨日の大雨の中、私は奈良・室生寺のシャクナゲ、
長谷寺の牡丹とともに、樹齢600年と言われる春日大社の
「砂ずりの藤」、その130cmも垂れ下がる見事な藤の花を
観て感動してきたところです。
更に巨木に絡まる真っ白い藤の花にも圧倒され、
まだ私の目に焼き付いていたところに、この地元・箕面でも
立派な藤の花を見ることができて感激しました。
「風の杜・みのお山荘」まえから北の化石谷渓谷を見下ろすと、
ここにも沢山のヤマフジが高木に絡まりついて花を咲かせて
います。
東の才が原渓谷の随所にも、咲くヤマフジが見られます。
私はあえて箕面ドライブウエイを歩く事にしました。
左右の斜面に、谷下にも、向かいの山肌にも、随所に
ヤマフジの咲く景観を楽しむ事ができ、再び感動です。
ヤマフジはコナラ、クヌギ、マツ、ケヤキ、モミジなど
あらゆる木の幹に巻きつきながら伸び、双眼鏡で眺めると
遥か20mぐらいの上空でもその花房を見ることができ、
見事な景観とともにその成長振りにはビックリします。
しかし反面、その蔓に巻きつけられ、締め上げられながら
枯れ枯れ状態の木もあり、林業的には有害な植物として
その蔓切り作業の対象となっているのも分かります。
そうは言ってもこの開花の時期にこうして森を歩き、
その花房を目の前にすると心が和み、その美しさに心惹かれ
感動するのは人間の勝手な言い分なのだろうか・・・?
箕面ビジターセンターに着き、前の野草園を見ると、
丁度 紫色のミヤコワスレ、紅紫色のショウジョウバカマ、
淡紫色のヒメシャガ、紫黄色のミヤマオダマキ、
淡紫色のエビネやミヤマオダマキなどの花が咲いています。
勝尾寺園地に入り、「郷土の森」や「連合大阪の森」などを
歩き回り、勝尾寺林道を降三世道方面へ向うと・・・
突然開けた森の林床にシャガの群生地がありました。
淡紫色した卵型の花弁をいっぱいに広げ、満開の群れの中で
しばし佇んでシャガの花を見ていました。
清水谷にも群生地があるものの、先月見たときは鹿の食事と
なってしまい無残でした。
今頃はもう再生して花を咲かせているかもしれませんが?
府道茨木能勢線と勝尾寺川沿いを粟生間谷の方へ下って
くると、左右にまたヤマフジが満開の花を垂らしているのが
随所に見られます。
一日でこんなにも沢山のヤマフジを見るのは初めてのことです。
それに余り見かけない薄紫色した桐の木の花も見かけます。
キリの花は「風の杜」でも見かけましたが、この紫色した花弁は
独特なものです。
下りながら足元を見れば、紫青系のオオイヌノフグリ、
カキドオシ、スミレ、トキワハゼ、ホトケノザ、ノアザミ、
それにマムシグサも奇妙な花弁を開いています。
今はなんと紫系の花が多いことでしょう・・・
紫といえば箕面ビジターセンターの渓流沿いで鳴く、
美しい青紫色の羽根のオオルリを見ましたよ。
箕面の森はいま パープルフォレスト のようで、
高貴さが漂っているようですね・・・
'13 5/13
早や夏の鼓動が!
今日は真青な、まさに五月晴れのお天気です・・・
しかしまだ5月というのに、もう真夏日ですよ・・・
新稲の山里では一面に咲き乱れるレンゲ畑に耕運機が入り、早くも
田植えの準備が始まったようです・・・
畑の畦道や土手には紫色したアザミの花が咲いています・・・
それに黄色や白色の小さな夏花も咲いています・・・
いつの間にか季節はもう春から夏なのですね・・・
小川口から森に入ると、コナラの木の枝に一羽のコゲラがやって
来て コン コン コン と、ドラミングが始まりました・・・
そこへもう一羽がやってくると、待ってましたとばかりに二羽で激しく
踊り始めました・・・ 恋の季節ですね。
コナラ、ヤマザクラ、リョウブ・・・ いろんな樹木が若葉を輝かせて
いて眩しいぐらいです。
両脇の山道にはモチツツジが満開に咲いています・・・
花ガラや葉はネバつくので近づいて見るだけにします・・・
そんな私の横に真っ黒なアゲハ蝶がとまり、蜜を吸い始めました・・・
やがてもう一匹 (羽か? 蝶はなんと呼んだのか忘れしました? )
が、飛んできたかと思うと、もう空中で飛び交いながら一緒に
どこかへ行ってしまいました・・・
恋の季節はいいですね・・・!
登っていくと更に別のクロアゲハです・・・ さらにまた・・・!
上に行くまでに数えたら30数匹も・・・ そのうち数えるのが面倒で
やめましたが、アゲハ、キアゲハ、モンシロチョウが数匹で、
後は全てクロアゲハでした。
どうやらここは蝶の道のようです・・・。
あの 手塚 治少年が、網を持って飛び回っている時代の頃を、
なぜか想像してしまいました。
アレ? まさか? ふっと耳を澄ませていると、また・・・
じ~ じ~ じ~ ミン ミン じじじ・・・ セミ? 間違いかな?
しばらくして別のところで じ~ じ~ ミ~ン ミ~ン ミ~ン
じじじ・・・やっぱりセミだ!
じい じい と、私を呼んでいるように聞えましたが・・・
それから数回、中途半端な鳴声ながらセミの初鳴きを聞きました。
もっとも今日は7月下旬の気候とかですから、セミも慌てて出てきた
ものの、まだ眠たいような鳴声でした・・・
中尾根へ向って登っている時でした・・・
上方から男女お二人さんが、なにやら喋りながら下りてこられ
ます・・・ アレ? ひょっとして・・・?
・ こんにちわ! お久しぶりです・・・
* あ! 久しぶりやね・・・ ビックリやわ!
こんなとこで・・・
何と! うん十年ぶりに、昔お世話になった方と出会ったの
でした・・・
しばし近況を話し合い、お互いの健康を気遣いながらお別れしました
が・・・
それにしても余り人が歩かない森の中で、何と言う奇跡的な
偶然なのでしょうか・・・ ビックリでした。
それからしばし、自分の事業を始めたころの事や、その当時の人々
との関わりなどを、アレ コレ と思いながら歩いていました・・・
うん!? ここはどこだ・・・?
森に心あらずで歩いていたら、どこを歩いているのか分からなく
なってしまい、思わず我に返りました。
箕面・教学の森の東尾根道でした・・・
何か前の空中で動くもの・・・?
よく見ると虫がクモの網に掛かり、必死に逃げ出そうとしてもがいて
いる所です・・・
羽根をバタバタさせてもがいているものの、粘着力が強いのか?
全くはずれそうにありません・・・
すると今度は巣の主がスルスルとやってきたかと思うと、おもむろに
その虫めがけて糸をだし、あっという間に虫をグルグル巻きにして
しまいました・・・
これでは手も足もでません・・・
さてこれからどうするのかな?
見ていると、主はやがて虫の死を確認するかのように一回りし、
そこのほうから ゴソ ゴソ と、何かをやっていたかと思うと、
おもむろにその獲物を引っ張り始めました・・・
あれ? あの粘着がどこかへ消えたように、スル スル スルと
引っ張っていくではありませんか・・・
どうしてそんな事ができるの?
四億年という長い進化の歴史を生きてきたというクモとその糸の
ことですから、人智では計り知れないような秘密があるのかもしれ
ませんね。
やがて巣の端にくると一本の糸が横のヒサカキの木とつながって
います・・・
まさか! この細い一本の糸の上を獲物を引っ張って渡る
のか・・・?
しかし、大きく巻いた荷物状態の獲物を、クモはいとも簡単に器用に
その細い糸の上を引っ張って渡り終えました・・・
糸の強度にもびっくりです。
するとその先に屋根つきの巣がありました・・・
クモの立派な家です・・・
それはヒサカキの葉を40度ぐらいに曲げ、その上にクモの糸で
びっしりと屋根を覆い、その中に獲物を引っ張って入っていったの
です・・・
中を覗いて見ていると、ゆっくりと料理を始めたようでした・・・
狩りの一部始終を見たのは初めてですが、感動しました。
(そのクモは全長2~3cmぐらいの緑色した小さなクモで、
私は初めて見る種類です・・・
帰宅して子供が昔使っていた図鑑を調べてみたものの該当する
クモはいなく、分かりませんでした・・・)
虫の飛び交う夏になると、巣を張ったクモの狩りも活発になり、
箕面の森の中でもいろんな所で垣間見る事ができますね。
ふっと足元を見ると、黒いゴミムシが ノソ ノソ ノソと、動いていま
す・・・ しばらく歩いていると頭上で数匹の大きなクマバチが、グル
グル と ホバリングして警戒しています・・・
また嫌なスズメバチの季節もやってきますね・・・
横の山裾の枯葉の中から ゴソ ゴソ ゴソ と・・・ 見たくない
爬虫類をしっかりと見てしまいました・・・
どうも好きになれません。
否応なしに、もう夏の始まりを実感します。
でも、ちょっと季節が早すぎませんか・・・?
歩いていると暑く、汗っかきの私はもうビッショリになってしまい
ました。
先日は北海道で28℃、沖縄で23℃なんて日がありましたね・・・
逆転です。
私の頭も、更に可笑しくなってしまいそうですよ。
それにしても、この爽やかな新緑の五月を、もう少しゆっくりと
満喫していたい・・・ なのに、今日は一気に夏日よりです。
セミたちのあの大合唱団の定期演奏会は、もう少し後にして
欲しい・・・ と、切に願うものです。
'13 5/10
森の中のタイムカプセル!
箕面自然休養林の勝尾寺園地で一休みをしていました・・・
五月晴れの空を眺めていると、目の前に高さ20m以上もある
メタセコイヤ(アケボノスギ)の大木が数本見えます・・・
まっすぐに空へ向って胸をはっているような姿は、堂々とした
貫禄です。
この木は何でも中国原産の生きた化石といわれている一種とか・・・
古代からの木で、古い時代に絶滅したとされ、化石の発見しか
なされていなかった種とされていました・・・
それが1945年に中国で自生種が発見されて世界へ広がり・・・
今では日本の各地にも植えられているようです・・・
見事な円錐形に育ち、成長が早く、晩秋には見事な紅葉も見れて、
私はここへ来るといつも見上げているのです。
何気なく西の方向を見たときでした・・・
アレは何だろうか・・・?
丁度、園地の 「エコ トイレ」の裏手にあたり、少し囲いがあり、大きな
切り株のようなものが見えました。
いつもその横手を通って森に入るのに、今まで全く気がつきません
でした。
近づいてみると・・・ やはり巨木の切り株のようです。
そして、少し斜めに切った断面の中央に、何か埋め込まれているよう
です。
よくよく見てみると、御影石のプレートに何か文字を掘り込み、木に
埋め込んであります。
「 タイムカプセル
大青協20
-- 1979年から 1000年後の 木材業界へ --
1979年 3月 17日
大阪営林局
大阪木材青年経営者協議会 」
とあります。
何と30年前に、ここで1000年後の木材業界の人たちへ とした
タイムカプセルが埋め込まれているようです。
土台の切り株をよく見ると、直系は150CMぐらいで、年輪は少し
数えてみても 300以上あり、かなりの歳月を経てきた木のよう
です・・・
付いている樹皮は厚く、クスノキか、トチノキか、ヒマラヤスギか、
マツかのような起伏のある荒々しいものですが、樹種は分かり
ません。
この木の中にタイムカプセルが埋められているのでしょうか・・・ ?
どんなメッセージが入れられているのでしょうか・・・?
俄然興味が湧いてきましたが・・・
それにしても1000年後の未来の人へなんて・・・ 夢とロマンがあり
ますね!
1000年先とは・・・ どんな世界になっているのでしょうね?
このタイムカプセルを開く人はどんな人なのでしょうか?
その時、この箕面の森はどうなっているのでしょうか・・・?
そんなことを思いながら森を歩いていると、いつの間にかどこを歩いて
いたのか? 森の中で迷ってしまいました。
元の山道へ戻りながら再び考えてしまいました・・・
1000年も先の事など私にはSFの世界で、全く想像もつきませんが、
1000年前の過去の歴史なら分かります・・・
今から1000年前は丁度 平安時代ですね・・・
しかも、それよりまだ前の宝亀6年(727年)には、光仁天皇の皇子
「開成」が、この箕面に勝尾寺を創建されています。
さらに平安時代の流行歌を集めた「梁塵秘抄」には、勝尾寺・箕面寺
が「聖の住所」 とし収められている史実からみると、1000年も
前の事とはいえ、そんなにも天文学的な昔話でなくなるのが
不思議です。
ヨーロッパで1000年前と言えば、神聖ローマ帝国が成立し、
十字軍の開始の時期ですが、私の感覚からはかなり古く感じます。
しかし箕面寺・瀧安寺の創建は、今から1359年前の 白雉元年
(650年)とありますから・・・ 更に古いのにそうも感じないのは、
身近にあるからでしょうか・・・? 不思議な感覚です・・・
でも、改めて箕面山の存在とその歴史を再確認しました・・・
そんな箕面の山の歴史から見ると、1000年先の未来の人たちへの
このメッセージも夢物語でなく、しっかりと届くような気がしてきました。
私も何かタイムカプセルに入れて、この横にでも埋めてみよう
かな・・・?
素朴な疑問ですが・・・?
この埋めた切り株が朽ち果てた時・・・
(数十年で朽ちると思いますが・・・?)
その時、中のタイムカプセルがむき出しになるという事はないので
しょうね・・・?
それともプレートだけが残るのかな・・・?
'13 5/10
スカイアリーナからの山里風景!
今日(30日)は、5月最後の週末です・・・
新稲(にいな)の山里にある禅寺の正面には、今月こんな言葉が
書いてあります・・・
「 一人にひとつ あなたの いのち 」
含蓄のある言葉を、自分なりに改めてかみしめました・・・
その横には大阪青山大学の正門があり、若い学生達がそれを横目に
行き交っていますが・・・
山麓のスカイアリーナ(箕面市立第一総合体育館)に上がって、南の
方角へ振り向くと、そこにはもう180度視界の開けた大阪平野を一望
できます。
今日は少し風が強く吹き、空気が澄んでいるせいか?
大阪市街の高層ビル群がとても近くに見えます・・・
関空のある泉南の山並みから 奈良の山、金剛山、東の生駒山まで
がよく見渡せます・・・
正面には大阪ドーム(此花区)の丸屋根が、太陽を反射してピカリ!
と輝いて見えます。
ひとしきり遠望での眺めを楽しんだ後、すぐ下の山里に目を向けて
みました。
すると、いつもご夫婦で仲良く畑仕事をされている方が見えました・・・
今日はタマネギの収穫をしているようです・・・
頭上ではツバメが二羽飛んでいて、畑に下りると交互に何やらワラの
ような物をくわえてまた飛んでいきます・・・
双眼鏡で覗いていると、二羽の愛の巣づくりをしているようです・・・
羨ましいな・・・! (笑)
私は下に下りて、里歩きを始めました・・・
上空は風が強いのか? スズメが三羽、東に向って懸命に羽根を
広げているのに、一向に前に進まず空中でホバリング状態です・・・
見ていると、とうとう諦めたのか? 風に乗って西の方へ飛んでいき
ました。 快晴の青空です・・・
もうすぐ梅雨・・・ と、天気予報を伝えていますが、その前の好天気
なのかもしれません?
新稲の牛舎前に下ってくると、乳牛が口をモグモグしています・・・
さらに プ~ン と、田舎のかぐわしい香りが・・・? (笑)
その前方の畑には子供たちが沢山いて、賑やかに何かを植えて
います。
近づいてよく見ると、サツマイモの苗をみんなで植えているようです。
そう言えば毎年収穫時になると、子供たちの歓声と、土から掘り出され
た芋の大きさ、不思議さにビックリしている童顔を思い出します。
いい経験をしている子供たちの様子が、微笑ましい・・・!
横の畑には背の高い ラークスパー(ちどり草)が・・・
その隣の畑にはジギタリスが、それぞれに一面に花咲かせ、初夏の風
になびいています。
花栽培農家の畑では、いつもいろんな花が咲いていて目を楽しませて
くれます。
私が再び道を戻り、山裾の畑の畦道を歩いていると・・・
先程、タマネギを収穫していたご夫婦の畑に耕運機が入っています。
そうか・・・!
ここはこれから田植えの準備なんだな・・・!
そう言えば先年、収穫の秋にこのご夫婦と話したことがあります・・・
「・・・ 私らはスズメの分も見越して稲を育てています・・・」 と、目の前
のスズメの大群を見ながらつぶやいていたのを思い出します・・・
半月前に、箕面北部の止々呂美(とどろみ)や高山の棚田などでは、
すでに田植えが終わっていてビックリしましたが、この辺はこれからの
ようですね。
犬の散歩をしながら畦道を歩いてきた若い夫婦・・・
その後ろからは杖をついた老婆が散歩なのか? ゆっくりと道端の
草花を探すように歩いています。
前回、子供たちが虫やカエル取りをして遊んでいましたが、今日は
まだみあたりません・・・
田畑の周りや畦道は、みんなの自然のオワシスのようです。
アザミの花がひときわ美しく咲いています・・・
その下には薄紫色のツユクサが咲き、黄色いタンポポがあり、近くに
はニリンソウ、スミレ、オニユリが一輪だけ咲いています。
ナズナやタゼリの花は終わり、スカンポ、イタドリ、ヒルガオ、
マムシグサ、ノコンギク・・・? フキが出てきました・・・
私はそんな畦道や土手、水路の回りの野草花を見ていると飽きま
せん・・・
おとうちゃん!
急に前方で大きな声です・・・
見ると、おかあちゃん? が、風呂敷包みを上げて叫んでいます・・・
どうやら別の畑で耕している おとうちゃんに、お昼のお弁当を持って
きたようです・・・
お う !
おとうちゃんは手を休めて嬉しそうにしています。
あの畑の人は、いつも家族総出で稲を植え、刈り入れもしていて、
毎年私はそんな光景を目にしてきているので、全く他人に思えない
ぐらいです (笑)
それに、これから畦道で二人してお弁当を広げるなんて、羨ましい限り
です。
いいですね・・・! (笑)
こんな山里の風情を垣間見ていると、ホンワカ! と、心が温かくなり
ます。
すぐ近くのクスノキの大木かユーカリの木からか、ウグイスの澄ん
だ・・・ホー ホー ホー ホケキョ ケキョ ケキョ・・・ の鳴声・・・
するとしばらくして北の森の中からも ホー ホケキョ ケキョ・・・ と。
どうやらそれぞれのウグイスの縄張りを主張しているようですが、
聞いている方は求愛と思うほうが心地よく・・・?
素晴らしい森の独唱会にいるようです (笑)
この辺は僅か1km四方の狭い山里ながら、市街地調整区域の為に
貴重な自然の営みや風景が保たれてきました・・・
東の外院(げいん)や粟生地区の一部にも同じような事がいえます
が・・・
都市近郊の農家も大変な事かもしれませんが、調整解除審議も
始まっていると聞きました・・・
山里の開発行為はいまや箕面市も例外ではありませんが、心痛み
ます。
大都市近郊の数少ない自然環境こそ保護し、市民の憩いと潤いの
ある生活環境を築いていく事こそ、行政トップのビジョンとミッションで
あるべきだと、素人ながら思うのですが・・・
山里を歩きながらも気になっております・・・ ハイ! (笑)
教学の森から六箇山(松尾山)へ続く山並みを見上げていると・・・
4月のヤマザクラの咲くピンク山から、5月の新緑の黄緑山、
そして6月、これからは徐々に濃い真緑山へと移っていきます・・・
ついこの前までは赤茶の紅葉山、そして落葉した冬枯れ山を見てきた
ところなのに・・・
一年のサイクルが早く感じられます。
移り変る山並みや森の姿、その山里を見つめていると・・・
それは刻々と変化し、時を刻むが如く、その風景も二度と同じ光景を
見ることはありません。
人間と同じで、自然ともまさに一期一会の出会いであり、その時々を
心に大切に刻み、大事にしていきたいものだとつくづく思うのです。
「山里の ぬくもり畑 いつまでも」
「ツバメ舞う 愛の巣づくり 山の里」 (花詩)
09-5.30 (完)
支えあう里山・・・
今日は新稲(にいな)の里山で急に雨となり、木陰で雨宿りをしていました。
二羽のツバメが、田畑の中で巣作りのための、建材集めに必死になって
いるのを、双眼鏡で眺めていました。
私の遠き昔のよき巣作りの時代を想いだしたりして・・・
すこしセンチメンタルになったりしていました。
ヒナが巣立った後の二羽はどうして過ごすんだろう? なんて、真剣に考え
たりしていました。
どうも暇な時は、日頃考えないようなくだらない事を、考えるようですね。
そんな事を考えている間に空が急に開け、太陽が顔を出し始めました。
私は再び目の前にきたツバメ夫婦の老後? を考えながら・・・
ふっと双眼鏡を上に向けた時でした・・・
突然、一人のお年寄りが双眼鏡の目に入りました。
あばあさんです・・・髪は真っ白で腰を少し丸め、手には真っ赤な杖を持って
いるのが印象的です。
双眼鏡から目を離してみてみると遠くのあぜ道をヨロヨロしながら歩いて
おられるのです。
少し前を男の老人が同じように歩いておられる・・・ ご夫婦なんだ!
おじいさんは和装に布袋を肩からたすき掛けにされている。
お2人ともよく見るととてもオシャレです!
おばあさんが何か指さしておられる・・・
私は失礼ながら再び双眼鏡で覗かせてもらった。
あぜ道に野花が咲いているようです・・・
私も先程そのあたりを歩いてきたので、そこに紫色のきれいな野アザミが
咲いていましたし、それに野菊が群生していたし、露草やたんぽぽも、
それに名も知らない黄色やピンクの野花がいっぱい咲いていたんです。
お2人は揃ってそこに座り、野花を眺めておられる様子です・・・
お顔をみると、お2人とも80歳前後でしょうか・・・?
何とも年輪を重ねた穏やかな笑顔が微笑ましい・・・。
おばあさんが立ち上がったとき少しよろめかれました・・・
すると、 とっさにおじいさんが手を添えられた・・・
2人で笑っておられる・・・ 温かいご夫婦だな・・・
おばあさんを労わるようにおじいさんは手をつながれた・・・
お2人であぜ道をまた歩きながらゆっくりと話しておられる・・・
野草の話だろうか? 巣立っていった子供たちの話だろうか?
いいな・・・ とても温かないい光景です。
私は双眼鏡から目を離して遠くのお二人を見ていました・・・
ゆっくり ゆっくりとお互いを労わりあうように、手を取り合って
あぜ道を去っていかれるお2人を眺めながら・・・
私はかつての流行り言葉・・・ 林住期(りんじゅうき)のあり方! を
なにか示されたような気がしました。
あのツバメ夫婦も、あのあぜ道の老夫婦のような、温かい老後が過ごせると
いいね・・・ と、思いながら・・・
雨が上がったと思ったら太陽が暑いくらいに照り始めました・・・。
鳥たちは私が雨宿りをしていた樹木ににまた飛んできて鳴き始めました・・・
私はその鳥たちの合唱隊に見送られて、今日の散策予定・・・教学の森~
六固山 へと元気に出かけていきました。
温かな不思議な余韻がいつまでも、私の心に残っていました・・・
「 転んでも 支えてくれる 人がいる 」 花詩
自然散策路の小さな営み
今日は箕面ドライブウエイを通り、車で森に入りました・・・
車道には一群の猿たちがいたものの、いつになく少ない感じです。
先日まで薄紫色した藤の花が咲いていたかと思うと、今日は
白い花が多く咲いていて、車道にも白い花びらが散っています・・・
今頃はドウダンツツジ、ウノハナ、エゴノキ、ヒメウツギ、ヤマナシ、
ムシカリ、ヤブデマリ・・・
そんな白い花と言ったところでしょうか ?
箕面ビジターセンターの駐車場(無料)に入ると、絶好の日和にも
かかわらず、人が少ない感じです。
でも、カメラを担いで野鳥の撮影をされている方々がいます・・・
今頃はどんな野鳥が飛び交っているのかな・・・?
サラ サラ サラ・・・ と、気持ち良く流れる箕面渓流の川面・・・
そこへ垂れ下がる新緑の若葉をつけたイロハモミジの小枝・・・
それだけの事なのに、何ともいえない風を感じて見入ってしまい
ます。
こもれびの差し込む、明るい自然4号路を上っていくと・・・
イロハモミジの他に、クヌギ、カラスザンショウ、ホウノキ、リョウブ、
アカシデ、イヌシデ、ヤマザクラ、カツラ・・・
次々と新緑の若葉をつけた森の樹木たちが出迎えてくれます・・・
気持ちいい・・・!
この箕面の森の中で、いつ来ても本当に気持ちのいい散策を
楽しめるのがこの路で、私の大好きな散策路の一つです。
ド ド ド ド ド ド --- バリ バリ バリ---
突然、前方から機械音が聞えてきました・・・
せっかくのいい気分が台無しです。
何だろうか・・・ ?
近づくと・・・
* 危ないからチョット待って! その方向へ倒すので・・・
もう少し先へお願いします・・・ と。
少し離れて見ていると、間もなくして ド ド ド ド ド・・・ ドスン!
一本の松の老木が倒れてきました・・・
すると作業の人たちはすぐに枝を払い、幹を輪切りにして、
あっという間に短く処理してしまいました・・・
それはまるで料理人が、魚をあっという間に三枚におろして刺身を
作ってしまうような感じです・・・?
寒暖と風雨に耐え、樹齢数十年の歳月を生きた老木の最後は、実に
あっけないものでした・・・
周辺を見ると、この自然散策路の間伐作業を、上方から順次やって
きているようです・・・
お陰で森は明るくなり、林床にまで気持ちいい陽光が差し込んで
います。
私は一段落した三人の若者に声をかけてみました・・・
・ ご苦労様です・・・ 大変ですね!
* ああ どうも! ありがとうございます。
どうぞお気をつけて・・・
たったそれだけの事ですが、森で働く若者が近年少しづつ
増えてきているそうですから、頼もしい限りです。
しばらく上っていくと・・・
チチ ココ インジ・・・ ポー ピー ピピロ・・・ ポキ キリリ・・・?
何とも軽快にさえずる野鳥の鳴声です。
( 野鳥のさえずりを言葉にすることの難しさ・・・ ?)
どこにいるのかな・・・?
声のする方向をしばし探していると、珍しく探し当てました・・・
い た! 見つけたぞ!
私は肉眼で確認し、すぐに双眼鏡でのぞいて見ました・・・
いつもはこの動作の途中で鳥はいなくなってしまうのに・・・
珍しく今日はまだいます・・・
なんときれいな鳥でしょうか・・・!
ノドの下面がオレンジ色、足元は黄色で背黒の鳥・・・
美しい鳴声です!
どうやら キビタキ のようですが・・・ ?
さすが森のピッコロ奏者と言われるだけあって美声ですね・・・
それに美人ならぬ美鳥!
なんでもこの渡り鳥は遠くフィリピンやボルネオまで渡って冬を越し、
再び日本へ戻ってくるのだとか・・・
その長旅を終え、今 こうして箕面の森で、そのキビタキのさえずりを
私一人だけでゆっくりと聞き、堪能できる事の至福感は・・・
もうたまりませんね・・・
長い時間、美しいさえずりを聞かせてくれるので、観察している私の
首の方が疲れてしまい、参ってしまいましたよ・・・
初夏の香りと爽やかな森の風・・・
山道を照らす木漏れ日の明るさ・・・
野鳥たちの森のコンサート・・・
新緑のトンネルの中を、こうして健康で歩ける事の幸せ・・・
ほんの何気ない小さなできごとの中に、今日も生かされている事の
有り難さと、その至福を味わうことができました・・・