箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森の中では頭上にも目がいるよ・・・! 

2021-07-17 | *編集・秋/9月

森の中では頭上にも目がいるよ・・・! 

 今日も厳しい残暑です・・・ 32℃とか! 

しかし、空の色は青く澄んでいて秋空を感じます。

実際、森の中で感じる風はもうすっかりと秋の始まりなんですがね・・・!

尾根道のススキの穂も風になびき、秋の虫の根も聞えています。

晩夏か?  初秋か?

一日のうち山や森の場所によってそれぞれ肌で感じる季節の移り目

ですね。

 

今日はスカイアリーナ(箕面市立第二総合体育館)の東横方にある

「小川口」から森に入り、まず憩いの丘を目指しました。

ここはとても気持ちのいい森で、私のお気に入りのコースです。

 

しばらく上ると大きな松の枯れ木がドデ~ン! と倒れて山道をふさいで

いました・・・ まだ倒れてまもないようです。

幸い誰もいなかったのでしょう・・・ よかった!

倒れた木をまたいで通りましたが、男一人の力では片付けようもありま

せん。

 

箕面の森の中でもマツクイムシにやられた松の枯れ木が時々見受けられ

危ないな・・・! と思っています。

そのうち強風でも吹けば倒れそうな古木も多くあります。

 

強風と言えば数年前の近畿直撃の台風で箕面の森の樹木も相当倒れて

一時はあちこちの山道を通行止めにした事がありました・・・

松だけでなくいろんな森の樹木が根こそぎ倒れていた時はビックリした

ものです。

 

そんなことを思いながら歩いていましたら、ようらく台へ向かう途中にある

大ケヤキの所に着いた時です・・・

なにやら表示物が立っていました。

よく見ると・・・ 「この大ケヤキに枯れ枝があり危険です・・・注意して

通ってください・・・」 旨の事。

 

見上げると、確かに5M位の長さの太い枯れ枝が、今にも落ちてきそう

です・・・ 

確かにあれをまともに受けたら大怪我です。

幸いどなたかが見上げて気づかれたのか・・・

よく見ると大ケヤキの回りには黄色テープで予防線を張っていて、かつ

その横に迂回路を作ってくれていました・・・ ありがたいです・・・ 

感謝しながら通りました。

 

 

そこから尾根にでて三国峠(454.6m)へ向かいました。

すると、さっきまであれほど快晴のお天気が急に崩れてきました。

今日に限って私は雨具を何一つ持っていません・・・

いつも慎重な私も今日の真夏日にすっかり安心していました・・・ 

失敗です!

 

急に空が暗くなってきたかと思うとポツリポツリ・・・

それがやがて急にものすごい風と共に横殴りの大雨になってきました。

すぐに大きなヒノキの下に雨宿り・・・

しかし、今日の雨はまさに暴風雨の様相です・・・すごい嵐です!

あっという間に頭から足先までずぶ濡れです。

 

それに恐かったのは、上から強風にあおられて枯れた小枝が、バラバラ

落ちてきたときです・・・

中には7-8M位の中枝もあって・・・ さっきの大ケヤキどころではあり

ません。

 

その時、ドカ~ン! バリバリ・・・ とものすごい大音響でカミナリが

鳴り響きました・・・真上です。

大きな木の下にいると危ない! と分かっていても動けません・・・

上を見ながらもう必死です・・・! 

 

やがて雨が小降りになったかと思うと森が明るくなってきました・・・

アレヨアレヨと思うままに山道に木漏れ日が差し込んできました・・・

何とも言えない素晴らしい光景です!

 

照葉樹林の葉っぱの上の雨露に太陽の日差しが当たると、まるで

宝石の輝きのように虹色に輝きながら森をキラキラと照らすのです・・・

こんな素晴らしい光景を独り占めしていいのでしょうか・・・!

私はずぶ濡れの服を着たまま唖然としてその自然の営みに酔いしれて

いました。

その時、風にあおられてまた枯れた小枝が落ちてきて我に返りました・・・

 

先週は聖天の森を歩いている時、帽子にパラパラと小さなドングリの実

落ちてきたので、それを拾って秋の風情を楽しむ為に家に持ち帰り

ましたが、今日は落ちてくるものが大きくて危険です。

 

そう言えばこの冬の寒い日の事、この道の南側にある前鬼谷で、20m

以上の高さのあるヒノキ林で一休みしていたときに、目の前に大きな

雪の固まった氷魂が落ちてきてビックリした事があります・・・ ドスン!

手の握りこぶしぐらいの大きさです・・・

もし私の頭に当たっていたら怪我どころの騒ぎではありません・・・

ゾッ! としたものです。

降った雪が枝の上で固まり氷魂になって20m以上の上から落ちてきた

ですから、たまったものではありません。

 

まだありますよ・・・

これはまだやわらかい話ですが・・・

ババタレ坂を上ってこもれびの森へ向かっている時になにやら雨露・・・? 

上を見上げると何匹かのお猿さんがおしっこを私めがけてしているんで

すよ・・・

イタズラ好きな若猿でしょうが、これもたまったものではありませんでした。

谷川の水で頭から洗い流しましたがね・・・  (笑)

 

もう一つ思い出しました・・・ これも恐かった! 

あの台風の後ですよ・・・落合谷から後鬼谷を上っていると急に右斜面の

山上から頭大の岩がゴロゴロと目の前に落ちてきて、あっと思うままに

左下の谷に流れる渓流に落ちていった時・・・これももし直撃していたらと

思うと ゾゾッ! としました。

 

森の中では足場の悪い山道ですからどうしても足元を見て歩きますが、

それ以来 頭上にも気を配りながら歩くようになりました。

山や森など自然界での行動は全てが自己責任ですから何事も慎重に、

気配りして歩かねば・・・ と 自戒したものでした。

 

あちこちに警戒の目が必要です。

いつも人事のように思いがちですが、今日の突然の嵐と枯れ枝の落下

に、改めて身を引き締めたのでした。

森の中では頭上にも目が必要です!

 

あれからずぶ濡れのまま山を下りてやっと車に乗る頃には、暑い太陽

に照らされて服から湯気が上がっていました・・・ 

蒸し焼き芋状態です!  (笑)

 

でも、貴重な体験を通していつも学ばされ、いろんな危険もありますが、

でもあの嵐の後の神秘的な森の光景を見てしまうと、改めてまた自然の

素晴らしさを思い、箕面の森が大好きになるのでした・・・ 

今日もいい森の散策でした。

 07-9・18 (完)


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石澄の滝へはどこから行けば・・・?  

2021-07-17 | *編集・夏/8月

石澄の滝(いしずみのたき)へはどこから行けば・・・? 

 教学の森から散策路の西尾根コースに入り、第一キャンプ場を過ぎた

所の木の幹に一枚の紙片が取り付けられているのが見えました。

 

紙片には・・・

「 石澄の滝へは やぶこぎ(登山道のない藪の密生地をかき分けて

進むこと)が必要です。  右側の正規ルート(西尾根---六箇山山頂)

お勧めいたします。  光衛門より 」 とありました。

やぶこぎ・・・ と言う言葉を初めて知りましたが、その意味を(  )して

書いてありましたのでよく理解できました。

 

その通りなのです。

何年か前に初めてこの道を通った時はまさに藪との戦いでどうしようか

思いましたよ・・・

道に迷い・・・ と言っても元々道の無い所ですから闇雲に滝の音の

する方に進んだだけでしたがよく脱出できたものだと思いました。

最初は興味深々ですから恐いもの知らずですが、今思うとよく入って

いったものです。

 

そしてその都度、自分の無責任さを棚に挙げて、山を管理する行政が

悪い・・・  こんな危険な所に表示でもしておけよ・・・ なんて! 

他人を非難し、高慢にも怒っていたものです。

全てが山では自己責任である・・・ と分かるまで、一年ぐらいかかり

ましたね。

赤面の思いです。

 

あるご婦人が箕面の山を歩いていて猿に出会い、ビックリして転んで

ケガをされ・・・

その責任追及に箕面市や行政を訴えた裁判がありましたね・・・

当然ながら判決は棄却でしたが・・・

私も初期は同じような考えでしたから人の事を笑えません。

 

あれから6年・・・

今、「みのお里山プラットホーム」のボランテイアの皆さんが、箕面の森

あちらこちらの要所々に道案内版を取り付けてくれています。

木片に焼印をした表示板で、麻紐で近くの木の幹にしっかりと取り付け

られていて、ハイカーの心強い道しるべになっています。

木の幹が大きくなってもいいように麻紐の先にはスプリングが着いていて

伸び縮みができるのも、樹木や自然に優しい心配りで頭が下がる思い

です。

 

六箇山(395m)へ向かう山道の西側には細い4ケ所の石澄の滝

(いしずみのたき)へ下りる道が見受けられます。

あの紙片のあった道の次には石の立て看板のある道・・・ 

これも曲者の道? 

次いで古いかまぼこ板に 「石澄の滝へはここが近道です」 と書かれ

たものが、枝にぶら下がっています・・・ 

ここは何とかいけそうですが・・・?

そして最後は 「海の見える丘」 の前にある笹薮の細道から下っていく

もの・・・ 私はここからは行った事がありませんが・・・。

 

いずれも滝へ下りるまでの道は細く険しく大変ですが、それだけに馬の

尾っぽのような細長い石澄の滝を前方に見たときは感激です。

今まで私はここで一人として人に出会ったことがありません。

穴場ですね。

 

年間120万人が訪れると言う箕面の大滝とは全く違った様相を呈して

います。

 

 

「大阪・自然の歴史」(菅野 耕三著)にある「石澄の滝」の記載には

その大昔、箕面山地から流れ出た三つの川、箕面川、石澄川、

如意谷才川・・・  それぞれに滝があったようですよ。

その滝の誕生は地質時代区分から言うと今から2000万年前の新生代

・第三記の頃とか・・・この近くの六甲山や生駒山などは箕面山から

1500万年後の事とか・・・ 想像できますか?   

余りの昔に絶句! (笑)

まだ日本海が広い陸地だった頃、今の箕面渓谷の入り口付近で海に

面した崖っぷちから海に向かって勢いよく滝が流れていた・・・

はず?   とか。

 

地質学者の先生はものすごい事を研究しているのですね。

なんとも壮大なロマンを感じさせてくれる滝物語ではありませんか・・・!

 

石澄の滝への案内紙片からの小さな発見でした。

 07-8・20 (完) 


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森の(人)に癒される

2021-07-17 | *編集・夏/8月

森の(人)に癒される・・・

 今日は勝尾寺・旧巡礼道の七町石碑の前で、昼食にしました。

 ボランテイアの方が作ってくれた、丸太を組んだ簡素なベンチながら、

休める所があるのはありがたいことです・・・

こんな所が随所にあって、黙々と手弁当で作業されている方を

お見受けすると、頭が下がります。

 

木漏れ日も余り差し込まないような、真緑となった森の中に座っている

と、涼風もいつしか冷風になり、思わず大きなクシャミがでました(笑)

もっともこれは私だけではないようで、その後 谷間からもっと大きな

クシャミが聞こえてきた時は、ふきだしてしまいました(笑)

急に涼しくなりました。

 

谷山を超えるために登り口に差し掛かった時でした・・・

前方で一人の方が、何か切っている様子です・・・?

何かの採集かな?

近づいてみると、斜面の山道に、木の階段を作る作業をされている

ようです・・・

・  こんにちわ!  ご苦労様です!  ありがとうございます!

   それにしても大変な事をされていますね・・・

   お一人でですか?

      *  いえいえ暇なもんですから・・・

         以前にここを通った時に、思い切りここで滑りましてね

         上がりはまだしも、下りが危ないんで・・・

         この先にもありますんで・・・

         順々にやっていこうと思ってます・・・

・  以前、この近くで同じような事をされている方に出会いましたが・・・

(このブログでも、最近ご紹介した事がありますね・・・

  「谷道を作る人、怒る人!」 09-7-1付)

 

      *  私はあの方の作業に感銘を受けまして、自分の出来る

          範囲でやってます・・・

          健康維持と暇つぶしです(笑)

・  そうだったんですか・・・ まさに善意のつながり、広がりですね!

   でもそれを実際に実行されておられる事はすごい事です。

しばし立ち話の後に・・・

・  それではありがたく通らせてもらいます・・・

私は完成した手作りの木の階段を最初に上らせてもらいました・・・

      *  お気をつけて・・・! 

そう見送られながら、なぜか心苦しさを覚えました。

しばらく上って振り向くと、枯れ木を切りながら、黙々と作業の続きを

されています・・・

言葉にならない ジ~ン と胸に迫るものがありました・・・

私もここで何度も滑って、危ない思いをしただけに・・・

ありがたいことです。

 

谷山を超え、尾根伝いに谷間に下りてきました・・・

分岐点に着くと、谷川を双眼鏡で眺めている方がいます・・・

横にはカメラ機材があり、野鳥の撮影でもされているのかな?

見ると、近くに奥さんもおられ、両肘を抱えてウトウトと居眠りをされて

います・・・ そんなお二人の構図にひきつけられました。

老夫婦のなんとも穏やかで温かい光景です。

 

後からお見受けすると・・・

お二人とも、もう30年以上も箕面の森を撮りつづけておられる

カメラマンご夫婦のようです・・・?

先週も、清水谷で撮影されているのをお見かけしました・・・

もう何回となく森でお見かけしていますが、いつも仲良くご一緒で、

老後のご夫婦でのライフワークとしても、羨ましい限りです。

次回の個展や写真集も楽しみにしています・・・

 

才が原池に着くと、池面が一面 藻でおおわれていて、小さな白い花が

咲いています・・・ 

きれいだな!  バイカモかな?

しばしそんな光景を眺めていると、対岸に人が一人いました。

 

見ると、藻のない僅かな池の間に向って釣り糸を垂れ、じっと浮きを

眺めています・・・

セミの声は賑やかながら、不思議と池畔は シ~ン として静寂感が

漂っています。

爽やかな涼風が、池岸に咲くススキの穂をゆったりとなびかせて

います・・・ そんな中で・・・

藻に覆われた池の、梅の花に似た小さな白い花を見るめる私と、

対岸で、小さな空間の池面に釣り糸をたれ、浮きを見つめる青年と、

二人だけの池畔・・・

その時間はどのぐらいだったろうか・・・?

長い間、そうした静かな時がゆったりと流れていく・・・ いいな!

私のまさに至福を感じる一時です!

この空間、間、距離感・・・静か! それでいて人を感じ、自分を愉しむ、

心が通じるような、穏やかな初秋の風情です。

 

新聞のコラムにこんな事が書いてありました・・・

  「孤独は山にはない・・・ 街にあるのだ。

 一人の人間の間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのだ・・・」 

 

孤独は山にはない・・・ これには深くうなずきました。

山や森の散策を新しい趣味? としてから、私はいつも一人で、

気の向くままに愉しんでいますが、今まで一度も山や森の中で

孤独を感じた事はありません・・・ 不思議です。

小さい頃から孤独がちで、寂しがり屋のこの私が・・・? (笑)

そこには森と言う、母の胎内にいるような安心感と穏やかな空間が

あると共に、人の温かさをいつも感じるからでしょうか?

 

今日は森の自然に癒されるだけでなく、その森にいる(人)と、

その静かな行動に癒される一日でもありました・・・

 09-8-23 (完)


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森の中のセールスマン?

2021-07-17 | *編集・夏/8月

森の中のセールスマン?

 今年もいつの間にか白雲愁色の季節になりました・・・

野草の花の穂が日の光を浴びています・・・

白、紫、紅赤色した名も知らぬ、小さな花が咲いています・・・

 

涼しい風を感じて滝道を歩くと、箕面渓流の音と、ヒグラシの鳴声とが

なぜか不思議な静寂感を覚えます。

早や去り行くような夏の姿を感じ、その哀惜の情に思わず

たたずんでしまいます。

 

滝道の落合谷から後鬼谷(ごきだに)を登り、尾根に着いた所で

一休みをしていました。

半分朽ちかけた木のベンチに座り、汗だくの顔を拭いていると・・・

 

    *  こんにちわ!  ええ季節ですな~

        山歩きですか?  ええですな!

と、一見ハイカーのような?  セールスマンのような?  

そんな格好の中年男性が声をかけてきました・・・

こんな山の中で、改まって声をかけられたのは初めてです。

・  そうですね!  気持ちのいい季節になりました・・・

 

    *  ところで田舎の家に興味ありませんか?

・  田舎の家ですか?  どういうことですか?

 男性はリュックから丸包みを取り出し、一枚のチラシを私に見せ

ながら説明を始めました・・・

何でも、箕面から車で40分ぐらいで行ける亀岡(京都府)の

森の中の家・・・

100坪近くの土地に、二階建ての家付きだとか・・・

    *  森に囲まれた最高の別荘ですわ・・・ との事。

そしておもむろに・・・ 

価格は大サービスの 800万円・・・ どうです?  と。

心の中では 安い! と思いつつ・・・

写真をみればついつい見とれ、ヨダレが垂れそうで(笑)

夢がわいてきそうな物件です。

 

    *  一度見に行きませんか?

       気にいってもろたらもう少し安くします・・・

       この山 下りたとこに車止めてますんですぐ行けますし、

       またここまでお送りしますさかいに・・・

なんと言う段取りのよさ・・・ (笑)

 

森歩きをゆっくりと楽しんでいるのに、その誘いはないと思うのだが、

そんな森の好きそうな客の心理を巧みにつかんだトークに、

思わず乗りそうになってしまった(笑)

・  すいませんが・・・ 私、別荘はもう持ってるものですから

   いりません!

よくそんなウソがつけるものだが、これも方便! 

仕方ないよな・・・(笑)

 

私は六箇山方面へ向いながら、あのパンフレットを何度も

頭の中で思い浮かべていました・・・(笑)

いいな!

あんな別荘があったらな~

森の中の家なんていいよな!

やっぱり見るだけでも、見ておいたらよかったかな・・・(笑)

何とも優柔不断な自分の性格に苦笑です。

お陰で家路につくまで、その情景と夢物語が頭を離れず、せっかくの

季節を感じることなく、とんだ森の散策になってしまいました (笑)

 

  森の中でセールスなんかするな! 

  大迷惑だ!  (笑)

 

ツク ツク ボーシ  ツク ツク ボーシ~ 大きな鳴声のセミが・・・

そんなこと 勝手や! 勝手やボーシ! ? と聞えました・・・(笑)

 「歩きつつ 森の別荘 夢浸り」   (花詩)

 09-8・22(完)


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夏の森・・・それぞれを楽しむ!

2021-07-17 | *編集・夏/8月

夏の森・・・ それぞれを楽しむ!

 勝尾寺の旧参道からウツギ池に着いたのは、丁度お昼時でした。

真夏の入道雲がモクモク~と湧き上がり、特有のダイナミックな

盛り上がりを見せています・・・

その雄大な雲の姿をくっきりと浮かび上がらせているのが、抜けるよう

青い空の色です・・・

そして、その空と雲の姿が周りの杉木立と共に、きれいに池面に写り

込んでいるのが見えます。

 

誰もいない静かな大きな池・・・

かすかに池が波立つと、ほぼ同時に木立も少し揺れています。

森の中でこの池の周りだけが、ポッカリと空が開けた広い空間です。

暑いギンギラギンの太陽が池面を照らすと、その波紋に光が反射し

て、キラキラキラ~ と輝き、美しいオーラを放っています。

セミの合唱隊の合間に、久しぶりにウグイスの鳴き声を聞きました・・・

最近はウグイスももっぱらセミの伴奏に回っているようです (笑)

 

リュックからおにぎりを出して口にほおばると、塩味がきいていて

美味い!

流した汗の補給をしてくれるようで、一気に一個 丸ごと口に入れて

しまうと、とうとうムセてしまい胸をトントントン・・・ 

あわててお茶を流し込んでホッと一息です・・・ (笑)

そんなにあわてなくても、ゆっくりと食べたらいいものを・・・

ゆっくりでいい時にはせっかちで、あわててもよさそうな時にはゆっくり

で・・・

相変わらずの不器用なドンくさいカメさんです (笑)

 

ボンヤリとただ池に写り込んだ雲や木立の動きを眺めていると・・・

突然!  バシャ~

大きな魚が飛び跳ねてビックリです・・・ 魚がいるんだ!

その大きな波紋が岸に届く頃に、また先のほうで飛び跳ねました・・・

池の中ではパーティでもやっているのか?  

なにやら賑やかそうです・・・

 

 

池の土手に大の字になって横になると、上空は真っ青な空に白い

入道雲がゆっくりと動いていて、それがいろんな形に変化していって

面白いのです・・・

ついウトウトウトとしてしまいます・・・

目の前にシオカラトンボが行ったり来たり・・・ 起き上がって周りを見る

と、結構沢山のトンボが飛んでいます・・・

そんなノンビリとした森浸りを楽しんでいると・・・

遠くから何やら人工音?  

近づいてくるとどうやらバイクの音らしい・・・ 嫌な予感です?

 

この先の林道はこの池で行き止まりですが、一般車乗り入れ禁止で、

民有林の林業者の車が時々ここを通る位なのですが・・・?

やがてバイクは池の下で停まった・・・

 

そして、二人の方が釣り道具を背負いながら土手を上がってきま

した・・・

私のいる西の土手と、彼らの来た北の土手ではかなり離れている

ので、お互いに挨拶するような事はありませんでした・・・

正面には 「・・・釣り禁止・・・水利組合」 の大きな看板があるのに、

これだけは目に入らないようで素通りです (笑) 

 

何げなく釣りの準備をしている二人連れを見ていると、手馴れた様子

次々と道具を組み立てていきます・・・

釣りを知らない私には何をやっているのか分かりませんが、そのうち

斜面に逆L型の台をつけ、枝のない傘を頭に載せるとエサを

つけた竿がしなり、池の中央にポトン! と着水してウキが立ち、

波紋が広がっていきます・・・

この間、二人の大声で喋る会話に聞き入ってしまいましたが・・・ 

どうやら兄弟のようでお互いの孫や嫁の話などをしています・・・  

楽しそうです!

 

先程まで賑やかだった魚たちはどうしているのかな?

人間と魚の知恵比べの始まりですね・・・

そんなゲームの始まりですが、私はもう浸るどころではないので、

腰をあげました・・・

すると、林道下から5人の若者がマウンテンバイクを肩に担いで上って

きました・・・ 

みんな気持ちのいい挨拶をしてくれて、マナーもいい人たちです・・・ 

これからのツーリングにワクワクしていて嬉しそうです。

 

古参道に入ってもしばらくは、あの釣り人二人の笑い声が森に

こだまして聞えてきました・・・ 仲のよい兄弟のようです・・・

( 先年、仲のよかった弟を亡くした私にはとても羨ましく、つい思い出し

寂しさに涙してしまいました・・・  一緒に森を歩きたかった・・・ ) 

 

 

心地よい風が森を吹き抜けていき、汗ばんだ額を拭ってくれます・・・

地上の風と違い、森の風はどうしてこんなにも清涼で気持ちのいい

ものなのでしょうか・・・?

帽子をとり、胸襟を開いてその新鮮な空気を思い切り吸い込み深呼吸

すると、足の指先から頭のてっぺんまで ビ~ン と血が巡り、

邪気や諸々の滞っている体の空気を総入れ替えしてくれるようで、

気持ちのいいものです。

 

この古参道は旧参道の裏道のようですが、特に何ら整備されたものは

なく、昔々の参道で自然のままですが・・・ 

自然が自然である事に価値があり、そんな自然の中では人は謙虚な

姿勢で臨み、自然と静かに対話する事ができます・・・

だからここは、私の好きな森の散策路の一つなのです。

 

途中から愛宕の森へ入り尾根道を下っていました・・・

すると下のほうから男女の声がしたかと思うと、すぐ目の前にお二人

駆け上がってこられました・・・

・ こんにちわ・・・

    *  こんちわ!  すいません!  お先です・・・!

 

お揃いのランニングウエアーで、お互い腰にペットボトルの小さいのが

見えただけで、あっという間に見えなくなりましたが・・・ 

足の筋肉が隆々としているのが印象的でした・・・ 

まさに野山を駆け巡るウサギさん!  ドンカメの私には到底真似の

出来ないものです (笑)

 

今までに箕面の森で過ごされるいろんな方々を見てきました・・・

ハイキングや自然観察、昆虫や植物の採集、バードウオッチング、

犬の散歩(兼、山歩きの番犬)、キャンプ・バーベキュー、マウンテン

バイク、モトクロス、トレイルランナー、山岳競歩、写真、戦争ごっこ、

絵画、音楽や楽器の練習、野点、カラオケ、釣り、ツリーグライミング、

ハンモックで読書、デイト、耐寒ハイキングと自然教育、木登り、

障害者活動、清掃、森の整備を含めた各種ボランテイヤ活動、

太極拳、私のようにフォレスト ランブリング(森の散策)まで、

挙げればきりがないぐらいに、人それぞれの楽しみ方があります・・・

そして、そこにそれぞれの満足があれば、それはとても素晴らしい事

ですね。

 

 

夏の森・・・ 

箕面の森は、今日もここを訪れるそれぞれの人たちに、沢山の

心の糧を与えてくれているに違いありません・・・

先程の釣り人さん・・・!  いつまでも兄弟仲よくお過ごし

ください・・・!

それにしても字の読めるお孫さんを一緒に連れてこなかったのは

正解ですよ・・・

きっと・・・!? (笑)

 08-8・15 (完)

 


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暑い夏・・・夏の森へ!

2021-07-17 | *編集・夏/8月

暑い夏・・・ 夏の森へ!

 今日も35℃を越える猛暑日です・・・ 暑いです!

私はリュックを肩にかけ、帽子をかぶり、トレッキングシューズにストックを

もって、いつもの山歩きの格好で「外院」(げいん)のバス停に降りました。

 

すると視線を感じて前を見ると、コンビニの車の中から若い二人の男女が、

何か言いながら私をまるで珍しいものでも見るようにじろじろと見て

います・・・

どうやら、 ” このクソ暑いのに物好きな奴やな・・・? ” と いった

呆れた様子です (笑)

すると、前の店の店員さんは・・・ 暑いのに ご苦労なこって!・・・ 

と、言う感じ?

余りの暑さに、涼しい所にいる人を見ての、私のヒガミかも

しれませんが・・・(笑)

 

そんなにおかしな格好してるのかな? と、店のガラスに自分の姿を

写してみると、確かに ” カメが風呂敷包みを担いで、どこかで泥棒して

きたような格好・・・” ?   (笑)

確かに不恰好でむさぐるしい・・・ 

見てるだけで汗が出てくる・・・ (実際にもう汗だくのゆでだこ!?)

他人のほっとけない・・・ と 言う視線に理解を示しつつも・・・? 

カメはそんな事には我れ関せずに、外院の里山に向かいました・・・ (笑)

  

里山に入るとムッとする生暖かい風と共に草の匂いがしてきます・・・

水田の稲はもう60CMぐらいに成長していて風になびいています。

田畑には真っ赤に熟れたトマト、そしてナス、キュウリ、ゴウヤ、

オクラなどの野菜が、太陽をいっぱい浴びて健康そうに育っています。

 

つい半年前にスズメたちが井戸端会議をしながら最後の残り柿を

ついばんでいた池のほとりの柿の木・・・

今 沢山の青い実をつけています・・・

あと数ヶ月で、また鳥たちの憩いの場所になることでしょうね。

その下にはピンクの秋桜(コスモス)が3輪・・・ 可憐な花を咲かせ、

ゆらゆらと風にそよいでいます・・・ 

もうそんな季節なんだな・・・ ?

 

大きな農業池の土手を上がり、振り向くと大阪市街が一望でき、暑さの

せいなのか、ゆらゆらと陽炎(かげろう)が漂っています。

池にはカメが悠々と泳いでいます・・・

甲羅干しも暑くてかなわん・・・ のか? 水の中が気持ちよさそうです。

カメにはなぜか近親感を憶えます (笑)

 

足元の草むらは、この時とばかりに草群が急成長しています・・・

そこを歩くたびにバッタや虫が一斉に飛び立ちます・・・

子供時代になじんだ懐かしのイナゴを探しましたが、最近はめった

見かけなくなりました・・・

 

 

私は先年に自分で探した細い道へ分け入り、ウツギ谷へ迂回する

つもりで森の中に入っていきました。

村人作の手製のイノシシ柵を開け、電気柵の間に入ると、もうどっちが

動物なのか錯覚しそうです?  いつも複雑な変が気持ちになります (笑)

 

急に大きなクモの巣に頭を突っ込んでしまい・・・ ワアーこりゃ大変!  

やっと糸を取って歩いていくと、また突っ込んでしまった・・・ ドジ! (笑)

やっと通り過ぎていくと今度はやぶ蚊と虫の大群・・・ 

追っても追ってもついてくる・・・ 

どうも虫たちにはいつも好かれる体質のようです (笑) 

好いてほしいものにはそっぽを向かれて・・・ 私の人生と似ています (笑)

幸いこんな事もあろうかと、昨夏から持っている携帯用電気蚊取り器の

スイッチをオン・・・

効果抜群でやっと抜け出しましたよ (笑)

 

 

竹やぶの横を小さな疎水が流れています・・・

少し開けた所に出たときでした・・・汗だくのゆでだこ頭を拭いていると・・・

私の目の前を一頭の蝶々が飛んで行きます・・・ きれいだな ~

目で追っていると、また戻ってきた・・・そして、目の前の枝にとまりました・・・

 

まさか・・・! 

再度よくよく見ても まさか です・・・ 「オオムラサキ」 です!

 

先月、手塚治虫少年の文章から箕面の森でオオムラサキを追いかけて

いたことを、このブログを紹介したばかりです・・・

あれから図鑑や標本で何度かオオムラサキを見たので、私の老眼でも

間違いありません・・・  

実は、本当は分かりません? (笑) 

余りの予期せぬ偶然に、もうビックリしてしまいました。

 

こんな所に?  なぜ?  どうして? 

どこをどのように飛ぼうが蝶々の勝手ですが・・・ (笑) 

私も少年時代にこんな美しい蝶と出会っていたら今頃は~~? に

なっていたかもしれません (笑)

すぐにオオムラサキは南のほうへ飛んでいってしまいましたが、しばし

感動しながら行き先を眺めていました。

こんな予期せぬ感動や感激があるので、暑い夏の森でも全く苦に

ならないのです・・・

 

 

ウツギ谷へ入ると早速 獣道を下り、渓流に両手を入れて顔、両腕の

汗を流しました・・・ 冷たくて気持ちいい!・・・

濡らしたタオルで体の汗も拭います・・・

 

ホッとして耳を澄ますと相変わらずのセミの大合唱!

もう慣れてしまいました・・・ 夏の風物詩ですね・・・ 

それによく聴いてみると、この賑やかさでもなかなか味深い響きを感じ

ます・・・

セミ一匹づつ同じようでいて、音色や音程が微妙に違うのですよ・・・

 

先日、滝道で私の前を歩く親子がいました・・・ 

どうやら初めてセミ取りにきたようです・・・ 

すると小さな子供が道に落ちでいた死んでいるセミを拾い・・・

大きな声で・・・ 「お父さん! これ電池切れや!」 ・・・ 

お父さんは回りの手前あわてていました・・・ これはマジな話ですよ (笑)

 

話がそれましたが・・・

一休みをしている岩場に、真っ黒な川トンボが10数匹飛び交っています・・・ 

黒一色は初めて見ました・・・ 私の好きな上品な美しさを感じます・・・(笑)

小刻みにハネを震わせて嬉しそうに舞っています。

 

川にはカワムツが泳いでいるのが見えます・・・

岩の間からゆっくりとサワガニが出てきました・・・

杉木立の多い鬱蒼としたウツギ谷には、木漏れ日以外に太陽が余り

届かず、その緑いっぱいの木蔭の下にはさわやかな風の流れがあり、

更に岩にあたる水しぶきとせせらぎの水音で、静かな清涼感に溢れて

いるのです。

 

クーラーの涼しさと違った、自然の奏でる優しい風や、音や、緑豊かな

森の空気が、実際温度をはるかにしのいで涼しさを体感できるのは

不思議な事です・・・

自然の営みを見ていると我を忘れてしまいます・・・

そして、静かに自然と対話するという・・・ それが何とも贅沢な一時

なのだと感じます。

 

暑い夏です・・・ 私の夏の森には沢山のドラマがあり、感動があり、

いつも安らぎと癒しを与えてくれます。

 

 

このクソ暑い時に、物好きなやっちゃな・・・ (笑)と、哀れみに近い

目つきで私を眺めていた朝の若い二人連れにも、是非この森の至福感を

味わってもらいたいものだと思っていますが・・・  さて反応やいかに・・・?

 

コマーシャルでやってるみたいに・・・

「森の中にもローソンありまんのか・・・?」

森のなかにローソンは  ありまへ~ん・・・!

 08-8・11 (完)

 

 


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