自然の織り成しごと・・・!
箕面山麓の薩摩池、五藤池の横を上がり、白姫大明神から
谷山林道を上がっていくと、旧採石跡があります。
かつて削られた岩肌は、この10数年の時を経て木が繁り、
もうすっかりと森の様相です。
更に上がっていくと小さな橋があり、その東側に廃坑跡があります。
ここから谷山東谷は少し危険な場所があるので、西谷を登ります。
谷川の流れは サラ サラ サラ~ と音をたてて流れています・・・
木もれ陽が川面を照らすと キラ キラ キラと波に反射して輝き、
それが群生するシダの葉にまた照り返し、神秘的な光景を
かもし出しています。
グオー グオー~ 何とも初めて聞くと、異様な鳴声にビックリ
したものですが、ウシガエルの求愛声が鳴り響いています・・・
話しのついでに・・・
箕面には里と山に13種類にカエルが生息していて、
箕面の山赤三兄弟 と言うのがいるとか・・・
ちなみに、山地の森にいるヤマアカガエル、低山地の草地や
林の中にいるニホンアカガエル、山の森にいるタゴガエルだ
そうですよ。
先日来、箕面の森の中ではモリアオガエルの卵魂を良く見かけ
ますね・・・
地域によっては天然記念物に指定されている価値の高い
両生類とか・・・
しかし、箕面は指定外とか? なぜなのでしょうか?
谷川の水で顔を洗います・・・
冷たくてなんと気持ちのいいこと・・・
すると目の前の泥地に、くっきりと何種かの動物の足跡がある・・・
シカかイノシシか、それとも・・・?
箕面の森には約20種の哺乳動物がいるそうですが、
その殆どは夜間の活動だそうですから、心配しなくとも・・・?
(最も、私は時々見かけますがね・・・)
森の中では野鳥が沢山さえずっています・・・
セミも負けじと鳴き始めました。
梅雨明け宣言がまだとはいえ、箕面の森はもう真夏の暑さです。
シダが群生している山道をゆっくりと登っていくと、前方で一人の
男性が、谷川の中洲にまたがり、何やら作業をされています・・・
お邪魔してはいけない雰囲気なので、しばし後方で作業を眺めて
いました・・・
どうやら野鳥の撮影をするために、鳥から見えないように大きな布で
前を覆い、真中からカメラレンズだけを出して機材を固定して
います。
お一人で作業なさるのには大掛かりなようですが、慣れた手つきに
見とれてしまいます。
いつもこうやって、山や渓流などで写真を撮っておられるので
しょうか?
私は静かに横を通り過ぎました・・・
すぐ先の渓流沿いに、何か機材が設置されています・・・
何だろうか・・・?
よく見るとこれもカメラのようで、どうやら動く物を自動で感知して
撮影するものかな? と、推察したものの・・・ 違うかな?
おじさんの野鳥撮影にかける執念のようなものを感じます。
それにしても蚊も虫も沢山いる谷川の上で、長時間に渡り
シャッターチャンスをただ待つだけ・・・
その持久力、忍耐力、集中力には恐れ入ります・・・
短気で、面倒臭さがり屋の、移り気な私には、到底真似のできること
ではありません。
まして 蚊と友 なんて! かゆう! て仲良くなんか
できませんよ。
しばらく登ってから山裾で一休みにしました・・・
横は気持ちのいい谷川が流れています・・・
川面を眺めていると、一羽の鳥が小枝にとまり、しばらくして
川溜りへ下りると バシャ バシャ! と音を立てながら水浴びを
始めました・・・
しばらくすると別の鳥が同じ小枝にとまり、先ほどの鳥と入れ替えに
また水浴びを始めました・・・
ここは野鳥のお風呂場かな?
いつもみる箕面川渓流のカワガラスと、違う種類のようですが・・・?
やがて一風呂浴びた鳥たちが去り、私も腰をあげました・・・
すると独特のユニークな鳥の鳴声が、頭上で聞えます・・・
ツキ ヒ ホシ ホイ ホイ ホイ~?
どうやら尾の長い、目の回りが真青色した サンコウチョウ の
ようです・・・
昨年、箕面ビジターセンター前の杉の木で、このサンコウチョウの
子育てライブ中継を、特別に設置されたビデオカメラで、実況つきで
見せてもらったので覚えているのです・・・
もうそんな季節なんだな・・・
杉林の梢で鳴いているようなので、双眼鏡で反り返って覗いた
ものの、首が痛くなってやめました。
自然の織り成す営みごとは、いつも人為的に出来ないすごい演出を
感じます。
こうして観客一人で堪能できる事の幸せを、しみじみと味わいます。
まさに私の至福のひとときです。
それはそうと、先ほど野鳥撮影をされていたおじさんに、ここをそっと
教えてあげたいような・・・?
黙っておきたいような・・・