初秋の箕面路散策!
今日は、初秋の箕面・北の森を散策しようと出かけました。
「Expo90・みのお記念」の森の管理棟では、係りの方が今頃咲く森の
花や、鳥たちの写真、また注意事項などを掲示板に張りながら、一組の
家族づれに「花の谷」の説明をしているのが聞えます。
すぐ横の草地には、艶やかな彼岸花が群生しています・・・
秋がきたよ! と 根っこにカレンダーがついているかのように、
季節になると正確に花を咲かせてくれます。
小道にきれいな山柿の葉が落ちていて、思わず手にとって鑑賞しました。
何という素晴らしい自然のデザインと色彩なのでしょう・・・
何度か家に持ち帰り、絵に描いて見ようと思いました・・・ しかし、翌日
にはもう色が変わって枯れ葉となってしまい、いつも残念な思いをして
います・・・
ハゼ、ヌルデ、ウルシなど、はっきりと紅葉した葉もあれば、コナラ、クリ、
ブナ、ケヤキなどの葉は薄紅葉というのか、少し黄色味をおびた
気配です・・・
風が吹くと、時折一葉二葉とそんな薄紅葉がハラハラと舞い落ちて
きます・・・
まさに初秋の感がします。
四反田谷へ向かう途中の山道で、何人かの人が大きな望遠レンズの
ついたカメラを構えて、何か鳥の撮影に夢中でした・・・
何の鳥でしょうか・・・?
聞いてみたいものの、いつか声をかけてえらい怒られたことがあります
から・・・
そ~ と 静かに通りました・・・
「おおさか環状自然歩道」 と新しくできた表示板を横目に、
私は鉢伏山(604.4m)へ向かって、細い笹薮の尾根道を北上します。
さかんに秋の虫の音が聞えてきます・・・
時々、ヒグラシやクマゼミの鳴き声も聞えます・・・
でも、そろそろ終演かな?
今は、スズムシやキリギリスなどの秋の虫と夏のセミたちの混声合唱団
の時期のようです。
そんなコンサートを聞きながら上っていると、尾根道に急に北風のような
冷たい風が吹いてきて、それまで流していた汗を一気に吹き飛ばして
くれました・・・
そのうち半袖の腕が、急に冷たくなってくるのが分かります・・・ さむい!
まさに急変です。
やがて平原に出ると遮る物が無く、じかに太陽が照り付けてくると、また
すぐに暑くなってきました。
白い綿のようなものがいっぱい飛んでいます・・・
黄色い花を咲かせているその上に白い綿があるので、この花のものの
ようです・・・
何の花? よく見かけますが背が高いのでフジバカマかな?
それともアキノイゲシかな?
ハックション!
綿が鼻をつついたので思わずクシャミをしたら、草むらから驚いた
バッタが飛び跳ねました・・・ ショウジョウバッタに、オスがメスの背中に
乗ったオンブバッタもいます・・・
子供のころの知識は不思議と思い出せます・・・
見上げるとシオカラトンボ、ギンヤンマ、キトンボ? なども見かけます。
蝶々も・・・ 茶黒とオレンジの羽柄の・・・ アカタテハかな?
上空ではピューと言う鳴き声・・・ トンビが空高く旋回しています・・・
なにか獲物を見つけたのかな?
鉢伏山頂の周辺には背丈20cm以上もある大きなきのこを沢山見つけ
ました・・・
食用のカラカサタケのようですが、先日も間違えて毒キノコを食べ、
亡くなった方のニュースを見たばかりですから、眺めるだけにしました。
明ケ田尾山(619.9m)へ向かう為には、いったん梅ケ谷へ下りねば
なりませんが、(尾根沿いの道もあるそうですが私はまだ行った事があり
ません・・・)
その途中の森には落葉高木樹が多く、四季折々の季節感をいつも
楽しませてくれます。
コナラ、クヌギ、カシワ、ミズナラ・・ ドングリの実もいっぱい落ちています。
梅ケ谷に下りてくるとイノシシのヌタ場が何ヶ所か見られます・・・
つい今朝も使ったかのようなイノシシのお風呂場と、体を擦り付けた
杉木立にくっきりと残る泥アートを横目に再び上りです。
フーフーと汗を流しながらやっと尾根道に出ると、先ほどと違う
明ケ田尾山の風・・・ といった爽やかな風が吹いています・・・
違いを感じる不思議な感覚です。
山頂に着くとお昼にしました・・・
回りの樹木を切り倒してあるので、そこだけがポッカリと穴があいたよう
に空が開けて見えます。 抜けるような青空です・・・
そのまま目を閉じていると、風がささやいているような葉の擦れ合う音!
鳥たちのさえずり・・・ それまでの夏の鳥と鳴き声が違います・・・
ふっと目を開けて目の前を見ると切り株の上にアカトンボがこっちを見て
いるよう・・・? しばしのにらめっこ・・・ こんちわ!
トンボもときどき羽をふるわせている・・・ 応えてくれているのかな?
なにか交信が出来そうな気分になってくる・・・
やがてガレ岩の山道を高山へ下ります・・・
途中から水が流れ出していて、そのうち川だか道だか分からなくなる
ような山道を抜けると、高山の村落が見えてきました。
道端のお地蔵様に手を合わせて、やがてキリシタン大名だった
「高山右近 生誕石碑」 の前で一休みにします・・・
目の前には色とりどりのコスモスがいっぱい咲いていて秋風になびいて
います・・・
近くには、リンドウ、イヌタデ、ヨメナ、ヒガンバナなど秋草花が見られ、
秋の七草の一つ、萩の花も咲き、葛のつるも紫色の花を咲かせて
います。
柿の木にはたわわになった柿の実が色づいています。
いつもこの高山の村落につくと故郷を思い出してしまいます・・・
高山のバス停の前に来ると、前方の棚田の稲がもう一部刈り取られて
いて、その稲干し姿がとても懐かしい風景です。
そんな風景をぼんやりと眺めていると・・・
前方で一人で稲刈りをしていたおじいさんがいましたが・・・
その方を訪ねて、隣の畦道からまた別のおじいさんが現れて・・・
「オレ終わったから手伝うわ」 「あ- すまんな!」
そんな会話が聞えてきました。
この村落では余り若い人を見たことがありません・・・ 昼間だからかな?
いつも老人ばかりですが、お互い助け合って生活しているようで、
なにか昔ながらの温かいものを感じました。
土手にはネコジャラン、オヒシバ、シシズダマ、ヤマアザミ、イノコズラ、
ススキ、ブタクサなど、嫌になるほどの雑草も今日は、なぜか懐かしい
思いで、見ていました・・・
やがて、北摂霊園を抜けて東海自然歩道に入り、途中から自然8号路
にでて、清水谷林道を下りました・・・
清水谷の谷川の水で顔の汗を拭うと、もうすっかりと冷たい秋の水に
なっています。
夕暮れになると、昼間に時々まだ鳴いていたヒグラシやクマゼミの音は
すっかりと影をひそめ、それに代わって、秋の虫たちの素晴らしい音色
が大きく響き渡ってきました・・・
あの小さな昆虫たちの自然時計のすごさと、そんな不思議な季節の
移り変わりを感じながら、秋の森を楽しみました・・・
彼岸花 秋がきたよと教え咲く
秋ですね ドングリ拾う散策路
秋の虫 自然時計のベル奏で (花詩)