日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球生命体のご先祖様の姿は?

2017年02月08日 09時21分59秒 | 日々雑感
 現在地球上のすべての生物は、基本的な遺伝の仕組みや生化学的性質により大きく3つに分類されるとのことだ。この3ドメイン説においては、①真核生物ドメイン(植物、動物、真菌)、②真正細菌ドメイン(大腸菌や藍藻などの普通の細菌)と③古細菌ドメインの3つに分類されるのだ。

 人間も真核生物ドメインの一角を占めているが、カビの仲間の総称である真菌と同じ仲間であるとは驚き、桃ノ木である。なお、ウイルスは生物かどうか意見が分かれており、この分類には含まれていないとのことだ。

 さて、生物の中でも③古細菌は、形態的には②真正細菌と同じであり、細胞の大きさなどの点で共通するため長らく②真正細菌と同じグループとして扱われて来たようだ。しかし、進化系統的にはDNAの複製やタンパク質合成系といった生命の基幹部分の機構が②真正細菌より①真核生物に類似しているのだそうだ。

 近年のゲノム解析の進歩により、進化系統的な考察が深まり、古細菌が独自な立場を占めると明らかになってきたのだ。すなわち、代謝系の遺伝子は真正細菌にやや類似しているが、転写・複製・翻訳に関連する遺伝子は真核生物に類似しているとのことだ。詳しいことは理解できないが、要は進化の過程からは古細菌は大腸菌より人間に近いと言っているのであろう。

 しかし、類似していると言っても、古細菌の半分以上の遺伝子はどちらにも無い新しい遺伝子とのことだ。これは古細菌が、他の生物とは大きく異なることを裏付けるものであり、これらの結果を受け、今日ほとんどの微生物学者は古細菌ドメインという特別な分類群を認めているのだそうだ。

 また、古細菌は極限環境微生物とも呼ばれ、100°Cを超える高温の間欠泉、海底の熱水噴出孔等から発見されるものや、高い塩濃度や強酸、強アルカリ、非常に低温の環境からも比較的容易に発見することができるそうだ。 

 このように、極限の環境で生活している仲間が多いとなると、地球誕生後の厳しい環境の中でも生活していたのではないかと思われ、生物の一番の御先祖様は古細菌ではないかと想像してしまう。

 ペンシルベニア州立大学の研究チームが発見した古細菌は、見た目はバクテリアに似ているが、バクテリアのように食べたり動いたりしないそうだ。また大腸菌は30分で数が倍に増えるが、この古細菌は、倍に増えるまでに数百年、場合によっては数千年もかかる可能性があるという。何とも謎に満ちた生物で、益々、地球生命体のご先祖様に見えてくる。

 しかし、現在の研究では進化系統的な検証を踏まえ、始めに原始生命体と称する生命体があり、その生命体が共通祖先と称する生命体に進化し、次に古細菌および真正細菌に進化したと、信じられている。すなわち古細菌は原始生命体から進化したものであり、一番のご先祖様ではないとのことである。

 しかしながら、共通先祖や原始生命体の存在は、確認された訳ではなく、頭の中で作った仮説の域にある。逆に、勝手な想像が出来るため、いろいろな説が飛び交い、素人であってもワクワクする。現在でも生物か非生物課議論が分かれているウイルスが、生物誕生以前にいたのか、あるいは生物から進化した形なのかも、意見が分かれており、この件も興味深い。

 古菌類は、その新種が現在でも米国イエローストーン公園の間欠泉からは毎年のように発見されているとのことだ。地球誕生後の過酷な環境下で生まれた古菌類の仲間が、今なお、間欠泉のような厳しいの環境で生き延びているのではないかと想像したくなる。更に古菌類のご先祖様、人類のご先祖様でもあるが、原始生命体も近くにいるように思えてくるが、人間の知識が及ばない形をしており、気が付かないだけかも知れない。
2017.01.08(犬賀 大好-310)

文科省の天下り問題は氷山の一角

2017年02月04日 09時42分51秒 | 日々雑感
文部科学省の吉田前高等教育局長が2年前に省内の ”天下りあっせん”を受け、早稲田大学に再就職していたとされる問題で、内閣府の再就職等監視委員会(監視委)が今年1月20日、文科省が国家公務員法に違反したとする調査結果を公表した。

吉田前局長は2015年8月に文科省を退職したが、2か月後には早大の大学総合研究センターの教授に着任した。監視委の調査で、吉田前局長が文科省在職中(~2015年7月)に同省人事課を通じて履歴書を早大に送る等、監視委は国家公務員法が禁じる在職中の求職活動にあたると断定した訳だ。しかもこの求職活動は文科省からの働きかけであるに関わらず、早稲田からの希望であるかのように口裏を合わせていたとのことだ。

国家公務員法は、許認可権を持つ、あるいは補助金を交付する等、利害関係を持つ企業や団体に対して、在職中の就職活動を禁じている。この主旨は、利益の独占や寡占を禁ずるためである。

文科省のホームページを見ると、私立大学に実に様々な補助金が交付されていることが分かる。私立学校施設整備費補助金、私立大学等研究設備整備費補助金等、無数にある。これらの交付金を受けるためには恐らく多数の申請書を書く必要があり、私立大学としても事務手続きに長けた人材を欲しがる背景はあるだろう。

一方文科省は、ピラミッド構造の官僚制度を維持するために、毎年多くの官僚を退職させる必要がある。退職をスムーズに勧めるためには、現役時代と同様な地位と給与を受けられる再就職先を斡旋しなければならない。

国の経済発展が著しい時代には、国の組織の拡大に伴う新設ポストがあり、また民間企業もいくらでも再就職先のポストを準備できたであろう。しかし、少子化が進み、経済も飽和状態になると、ポストは自ずから限定される。上級官僚の重要な役目の一つは、新たなポストを作る事だと言われる。大学補助金制度の種類の多さと複雑さも、このポストを生むための細工ではないかと勘繰ってしまう。

大学側が事務処理に長けた人間が欲しいと言っても、毎年新たな仕組みが出来るわけではないので、単なる口実でしかないと思うが、国からの要求には逆らえない。何しろ、予算配分の決定権は国が握っている。国の情報は公報と言う形で一般に知らされるが、昔の仲間にはそれ以前にそっと耳打ちの形で知らせるであろう。何事においても、先んずれば人を制す。

また、申請書に不備があった場合普通黙って突き返すところ、昔の仲間には不備の個所を指摘し、書き直し方も指導すること位の対応の違いは当然あるだろう。また、かって公募される案件は出来レースであると言われていたが、最近は公平に審査されているのであろうか。そもそもここにおける公平というのが、人によって捉え方が全く異なるのが問題ではあるが。

天下りを予防する監視委は 2007年の国家公務員法の改正により内閣府本府に設置された、中立・公正の第三者機関であり、委員長1名(常勤)及び委員4名(非常勤)によって構成されているが、本当に機能しているのであろうか。

実際、退職後2か月未満で私立大学などの学校法人に再就職した文科省職員は2011~2015年度で計41名だったことを文科省は認めている。うち14名は退職翌日に再就職していたとの話だ。監視委は、”国は天下りを認めない”との単なる格好づけのような気がする。

ここでは文科省の天下りだけを問題としているが、それは氷山の一角であり、他の省庁でも同じであろう。小池さんの率いる東京都においても、同様な問題が指摘されている。権力を有する官僚機構があれば、どこにでも起きうる問題である。監視委がどう頑張ろうと、ピラミッド構造の官僚機構や、補助金制度や許認可制度がある限り、姿、形を変え存続するであろう。2017.02.04(犬賀 大好-309)

地球温暖化と異常気象頻発に関係あるか?

2017年02月01日 09時14分48秒 | 日々雑感
 トランプ米大統領は、就任直後に、オバマ政権が地球温暖化対策として導入した温室効果ガス排出削減対策である ”気候行動計画” を撤廃すると表明した。これは雇用増のため化石燃料の使用を増やす政策を推し進める政策の一環である。

 就任後は、地球温暖化対策の新たな枠組みであるパリ協定には、何も触れていないようだ。しかし、気候行動計画を有害で不要な政策と切り捨て、石油や天然ガスの開発に注力する姿勢を示しているため、すべての国に温暖化対策を義務付けたパリ協定が実質的に形骸化することになろう。

 パリ協定を支持する各国の代表らは、トランプ新大統領が、いかなる法的手段に出ようとも、協定から離脱することはできないとの考えを示していたが、安直な考えであった。そもそも、削減目標が未達成でも罰則がないため、トランプ氏はパリ協定を離脱せず無視するだけで良いのだ。

 これに対し、米国と並び世界2大排出国である中国はどう出るであろうか。中国はパリ協定に積極的であった。しかし、中国は地球の将来を本当に心配して積極的であったというより、世界の大国であることを誇示するため、米国に倣おうとしていただけと勘繰られる。従って、トランプ氏に倣い中国も実質的に無視する戦略に出ると思われる。そうであるならば、地球の温暖化は一層急激に進むと懸念される。

 さて、米海洋大気局(NOAA)は今年の始め、2016年の世界の平均気温は約14.8度で過去最高であった前年を0.04度上回ったと発表した。米航空宇宙局(NASA)も独自に集計・分析し過去最高であったことを確認した。

 平均気温が高々0.04度上昇したところで大した影響は無いと感覚的には思われる。トランプ大統領ならずとも、地球温暖化と大騒ぎする必要は無いと思われてもしょうがないところはある。それより近年頻発する異常気象の方が気になる。地球温暖化と異常気象の頻発は関係しているのであろうか。

 地球温暖化による長期的な気温の上昇にともなって、大気中の水蒸気が増加する。すると、雨をもたらす低気圧の強さが変わらないとしても、水蒸気が多い分だけ多量の雨が降る傾向となる、との説明がある。豪雨に関してはその通りかも知れない。しかし、旱魃に関してはどうかと考えると、別の理屈を考え出さなくてはならない。また、異常高温、異常低温も同様である。

 これまでに、2010年夏に起きたロシアの記録的な猛暑、2010年夏の南アマゾンの干ばつ、2012年7月の九州北部豪雨など、社会的に大きな被害をもたらした気象現象について、地球温暖化がどの程度寄与したか、気候モデルを用いた調査が進められてきたそうだ。その結果、記録的な極端現象の発生には自然本来の”ゆらぎ”が最も重要な要因であるが、一部の気象現象については、地球温暖化の進行によってその発生確率が大きく引き上げられていたことがわかったそうだ。

 すなわち、気象変動は自然が元々有するゆらぎであり避けようが無い。このゆらぎの幅が極端化する傾向は地球温暖化によって高まる傾向にあるが、まだその原因は十分に分かっていない、がこれまでの研究結果であるそうだ。

 そもそもこのような自然現象のゆらぎの原因は何か、研究者にとって重要かつ研究意欲をかきたてる壮大なテーマであり、研究者は必死に探っていると思われる。ゆらぎの原因が分かれば、温暖化がどのように影響するか自ずから分かるであろう。

 さて、鹿威し(ししおどし)と言う水の流れを利用して自動的に音を発生する装置がある。竹筒の中央付近に支点を設けて支え、上向きに一端を開放した所に水を引き入れ、竹筒に水がいっぱいになるとその重みで竹筒が頭を下げ水がこぼれて空になり、反動で元に戻る時竹筒の尻で石をたたいて音を出す仕掛けである。

 水の流れが一定であれば、一定の周期で繰り返し、一定の音を発生する。気象現象の変動は鹿威しに似た現象のような気がする。鹿威しの繰り返しの周期は、水量、竹筒の容量等、数少ない要因によって決まるが、エルニーニョやラニーニャ等の気象変動を支配する要因は遥かに多くあるに違いない。その要因の一つが平均温度となるだろう。竹筒にわずかな亀裂が入れば、様子は大きく変化する。平均温度がこの亀裂に相当する可能性もある。
 
 気象学者の努力により、遠からず因果関係は明らかになるであろうが、その時には地球温暖化の影響は引き返すことが出来ない状態になっているのではないかと懸念する。2017.02.01(犬賀 大好-308)