日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

東京に高温多湿をもたらしている太平洋高気圧の発生原因

2022年08月31日 08時51分44秒 | 日々雑感
 東京の今年の夏は猛暑もさることながら蒸し暑い日が連日続いている。これも太平洋高気圧が日本に沿って張り出し、この高気圧の縁に沿って湿った空気が日本に押し寄せているからだそうだ。その為関東地方が湿気の多い猛暑となり、東北地方の日本海側に異常降雨をもたらしているのだそうだ。

 高気圧が発生する原因は、寒冷な陸地面や海水面に接する大気が冷却され、密度が大きくなり、体積が縮小して沈み込み上空の空隙部に周りからの大気が流れ込み、それが高気圧となるのだそうだ。

 最近の地球温暖化は海水温の上昇を招いているようだが、太平洋の海水温も上昇していると思うと太平洋で高気圧が発生し易くなっているとは感覚的に合わない。日本の冬季におけるシベリア高気圧は、寒いシベリアの大地に発生するので直感的にも分かりやすいが。

 太平洋と言っても広く、特に西太平洋熱帯地域の海面温度の影響が強いらしい。ラニーニャ現象では、西太平洋熱帯域の海面水温が上昇し、この帯域で積乱雲の活動が活発し易くなるそうだ。そこで赤道付近で上昇した大気が中緯度まで運ばれてきて下降し、太平洋高気圧となるのであろう。太平洋の海水温が多少上昇したところで熱帯地域の海水温がそれ以上に上昇しておれば日本近辺の高気圧が強くなると理解すれば納得できる。

 エルニーニョ現象では西太平洋熱帯域の海面水温が低下し、逆の現象となるそうだ。ラニーニャ現象では日本付近の夏は太平洋高気圧が北に張り出しやすく、気温が高くなる傾向となり、エルニーニョ現象の日本付近の夏は太平洋高気圧の張り出しが弱く、気温が低く日照時間が少なくなる傾向があるとのことだ。

 従って東京に高温多湿をもたらしているのはラニーニャ現象となるが、気象庁も今年8月10日 ラニーニャ現象が続いていると発表しているから間違いないだろう。そこで今年は西太平洋熱帯地域の海面温度が高くなり、これにより太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、東京に高温多湿をもたらしていることになるが、次の疑問はなぜ西太平洋熱帯地域の海面温度が高くなるのであろうか。

 ラニーニャ現象とエルニーニョ現象はある周期で交互に繰り返すそうだが原因はよく分かっていないのだそうだ。気象衛星等の観測手段や大型コンピュターの発展により気象予報の確度は上がったが、気象変化の根本となる現象に関しては未開な部分が多い。偏西風の蛇行に関しても原因は分かっていない。現在日本の南海上を台風11号が西方向に迷走しているが、今週末進路を北向きに変えるようだ。これも偏西風の影響のようであるが偏西風の動きはなかなかつかめないようだ。

 地球温暖化は間違いなく進んでおり、気象の変化を極端にする方向に働いているようだ。最近のヨーロッパの異常高温、中国大陸の異常渇水等、世界各地に異常気象をもたらしている。ラニーニャ現象、エルニーニョ現象が極端化すると日本の気象はどうなるのであろうか。2022.08.31(犬賀 大好ー842)

地方への移住を本物としたいが

2022年08月27日 17時25分41秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルス感染拡大防止の為、在宅勤務やサテライトオッフィス勤務のリモートワークが増えたとの事であったが、最近の状況はどうであろうか。現在コロナの第7波の最中であるが、2年以上になるコロナ禍で元の勤務体系に戻している企業も結構多いようだ。

 今年6月、NTTは働き方に関する制度を見直し、勤務場所は自宅を基本とし、出社する場合は出張扱いにする等の新たなルールを導入すると発表した。全国どこでも住むことができ、転勤や単身赴任を伴わない働き方を拡大するとして、ルールが適用された従業員は全国どこでも住むことが可能で、交通費は一律の上限を設けず、航空機を使った出社も認めるとの画期的なルールだ。

 このルールが全従業員一律に適応されるか分からないが、NTTの主力の業務は情報であるので、パソコンとインターネット回線さえどこでも仕事ができ出社は必要ないのかも知れない。大企業でなくてもWeb作成等パソコンを使用した仕事であれば、リモートワークが可能で、猛暑の都会を離れ地方移住に踏ん切りをつける人もいるだろう。

 一方、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者は5月31日夜に従業員宛てにメールを送り、週最低40時間の出社を要請し、従わなければ退職と見なすとし、ほぼ強制的に職場復帰を義務付けた。理由は、リモートワークではエキサイティングな製品は生み出せないからと述べている。

 ルーチンワーク的な仕事であればリモートワークは可能であろうが、新しい仕事であれば個人の発想には限界があり、大勢での討論が必要となろう。パソコンでの多人数のテレビ会議が可能になったと言え、直接対面と画面越し対面では雲泥の差がある。今後は2極化の方向にあろうか。

 また、リモートワークでなくても、過密都市の住みにくさを嫌い、自然豊かな環境で暮らしたいと、地方移住を希望する人もいるだろう。高齢者の退職後の過ごし方として、地方に移住し自宅近くで畑作業等を楽しみとする人は、病気の際の心配がある程度で大きな問題無く可能であろう。

 しかし若者の場合、生活の糧を心配しなくてはならない。地域の活性化の為そんな移住者の受け入れに積極的な自治体が全国には沢山あり、仕事から住まい等まで多方面から支援している。テレビでもそんな移住者を取り上げ応援しているが、良いことばかりで悪いことに関しあまり取り上げていないのには心配になる。例えリモートワークの仕事があっても、農村であれば近所付き合いは欠かせない。隣近所で力を合わせて、農道の草刈り等の仕事はいくらでもある。

 過疎化や人口集中による諸問題の解決の為、人口密度の平均化を図りたいが、都会にはそれなりの便利さがあり、地方移住が本物になるかは疑問だ。2022.08.27(犬賀 大好ー841)

子ども家庭庁とデジタル庁は組織の壁をどこまで打破できるか

2022年08月26日 10時47分15秒 | 日々雑感
 今月20日夜東京都渋谷区の路上で母と娘が刺された事件で、中学3年の少女が逮捕された。中学3年と言えばまだ子供であるが、家庭に学校に様々な問題を抱えていそうで、周りの大人がなぜ助けられなかったか非常に残念である。

 この事件に先立つ今月15日こども家庭庁設置法が成立し、来年4月に子ども家庭庁が発足することに決まった。この庁はすべての子どもが、自立した個人として、平等に、健やかで、幸せな状態で成長することができる社会の実現をめざし、子どもや子育て当事者の視点に立った政策立案や、子どもや家庭の抱えこれまで各府省庁が別々に行ってきた子ども政策を一元的に集約し、様々な課題に対する包括的支援を行うことを目的とした国の行政機関だ。

 これまで文部科学省、厚生労働省、内閣府などの各府省に分散していた子どもに対する行政業務やこども政策に関する総合調整権限を集約し、司令塔としての役割をもたせることにある。例えば、内閣府の子ども・子育て本部や厚生労働省の子ども家庭局は移管され、廃止となります。一方、幼児教育や義務教育の振興や、学校におけるいじめ防止や不登校対策はこれまで通り文部科学省が、医療の普及および向上や労働者の働く環境の整備などは厚生労働省が担い、こども家庭庁と密に連携を取りながら進めていくことになるのだそうだ。

 以前、幼保一体化が話題となったことがあった。厚労省が管轄する保育園と、文科省の管轄する幼稚園を一体化する案件であったが、結局一体化を果たせなかった。2つの省がそれぞれ縄張りを主張したことが根本原因であろう。

 現在の日本は出生率が年々低下し1990年代に出生率が1.5を下回るなど厳しい少子化に直面している。子ども家庭庁が立派に機能して、すべての子どもが元気に健全に育つような環境が整えば、自ずから出生率が上昇するであろうが、子ども家庭庁が従来のお役所の縦割り意識を乗り越えられるか極めて心配だ。同じような問題は既に発足したデジタル庁にもあり、組織の壁の打破に苦しんである声も聞かれる。

 河野太郎デジタル大臣、小倉將信担当大臣の突破力に期待する。
2022.08.26 (犬賀 大好ー840)

あとがき;
 この日々雑感のプログを毎週水曜日と土曜日に書いてきた。今回、水曜日の予定が2日遅れてしまった。原因は、80歳の記念に山登りしたためである。若いころ登った山であるが、体力の落込みをまざまざと見せつけられた。
人生100年時代、この体力の落込みをどうやってカバーして今後過ごすか考えさせられる山登りであった。以上

新しい資本主義に期待するところ大ではあるが

2022年08月20日 10時09分49秒 | 日々雑感
 1980年代から2000年代にかけて、市場や競争に任せればうまくいくという”新自由主義経済”と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで、世界経済が大きく成長したかに思えた。しかし、経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済安全保障リスクの増大等、多くの弊害も生んだ。

 特に、グローバル経済の発展は人々の往来を活発化し、これが新型コロナウイルス感染症拡大に大きく影響した。また、物流のグローバル化は、エネルギーや食糧資源の世界共有に貢献したが、ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアの天然ガスやウクライナの穀物の輸出が停止し世界中が大迷惑している。米国におけるトランプ前大統領の人気は相変わらず高いが、これも急激に変化するグローバル経済に落ちこぼれた人々の不満の捌け口となっている側面もあろう。

 過度な自由主義経済は多くの弊害を生んでおり、これに代わると思われる”新しい資本主義”は一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現するものと期待される。岸田首相の新しい資本主義の具体的な中身がはっきりしないが、”成長と分配”の考えは、安倍元首相の進めた異次元金融緩和による格差拡大を解消するものと期待したい。

 岸田政府は ”成長と分配の好循環”と”コロナ後の新しい社会の開拓”を実現するとして、内閣に新しい資本主義実現本部を設置した。今年5月31日、総理大臣官邸で第8回目の新しい資本主義実現会議が開催されたようだが、理念が先行するばかりで、具体策が余り聞こえてこない。会議資料の中に、新しい資本主義を貫く基本的な思想は、①「市場も国家も」、「官も民も」によって課題を解決すること、②課題解決を通じて新たな市場を創る、すなわち社会的課題解決と経済成長の二兎を実現すること、③国民の暮らしを改善し、課題解決を通じて一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現すること、と有難い言葉が並べられているが、中身が伴わない文言は、御託に過ぎない。

 現在の日本は、少子高齢化、経済格差、1000兆円を越える国の借金、インフレ等、対外的には韓国との徴用工を巡る問題、ロシア産エネルギー資源問題、北方4島問題、対中国問題等、枚挙にいとまがない。

 新しい資本主義はどうも国内向けの対策のようで対外的な問題は別扱いのようであり、こちらはこちらでどのように対応するか注目される。と言いながらも、国内の難課題一つでも無事解決できれば、万々歳とするべきであろう。

 さて旧統一教会の自民党への浸透ぶりがますます明らかになってきた。これも安倍元首相の影響によるところが大きいのであろうが、安倍氏の8年間の実績も国葬に値するどころか、先述の国内問題の元凶と評価すべきであろう。
2022.08.20(犬賀 大好ー839)


鉄道路線の赤字対策は限界集落対策と同じ

2022年08月17日 09時13分04秒 | 日々雑感
 赤字が続く地方鉄道のあり方を議論してきた国の検討会は、利用客の少ない区間などを対象に、バスなどへの転換も含め、赤字路線対策を進めるべきとする提言をまとめた。赤字路線には100円の収入を得るためにかかる費用が2万円以上掛かる区間もあるそうだ。このような赤字路線の維持はいくら公共交通と言っても、福祉の公平さに欠け、何らかの対策が必要なことは言うまでもない。

 赤字路線の原因は利用客が少ないことであり、沿線の人口が減っていることが根本原因である。現在日本は出生率が低く人口減少の時代であるが、それ以前に都市への集中と地方の過疎化が問題であった。テレビの人気番組 ”ポツンと一軒家”でも山の中の一軒家がよく登場するが、今現在ポツンと一軒家だが昔は集落だったとの話もよく出てくる。

 高齢化のため、手入れの行き届かなくなった貯水槽や水道施設の老朽化、水源の枯渇などで生活用水の確保が難しくなっているにも拘らず、どの自治体も財源に余裕がない為、水道管や道路、電気などのインフラに十分なお金を回すことができない。一度このような状況に陥ると、人が離れる為一掃人口減少に拍車がかかる。

 限界集落とは、人口比率の50%以上が65歳以上を占める集落のことを意味するとのことだ。これは、過疎化・高齢化の進行により、社会的共同生活の維持が困難になり、限界になりつつある集落という意味である。この定義から言えば、この水準を上回る限界集落が横浜市内の住宅地に急増していると言う。主な原因は、同時期に同世代がいっせいに住み始め、かつ次の世代が地域を離れてしまうからのようだ。しかし、大都市周辺の限界集落は大都市の通勤圏内であり、地方の限界集落とは区別するべきであり、対策は別のところにる。

 地方の限界集落における産業は、農林業や漁業など1次産業が多く、持続的で十分な収入を得ることが難しい。ポツンと一軒家に登場する山の中の一軒家は、昔林業で生計を立てていた家族もあるが、現在木材は輸入品に押され林業は成り立たなくなっている。日本の国土は7,8割が森林で覆われているのに、無策のままに放っておかれるのは嘆かわしいばかりだ。これも自由主義経済の結果であろうが、岸田首相の新しい資本主義に僅かに期待する。

 鉄道の赤字路線対策も限界集落対策も地方の活性化が抜本的解決策であり、観光地化や農作物のブランド化を目指し努力している地域も沢山ある。コロナカ禍でテレワークや在宅勤務が進み地方への移住者も増えているとのことだが、本物になるには紆余曲折があるだろう。

 地域の活性化が進み人が集まれば、人の交流や物流が必要となり交通機関も必要になる。地方の活性化は歴代の政権が提唱していたが大成功の話は余り聞けない。日本には森林資源が豊富である。この資源を生かす方法はないだろうか。2022.08.17(犬賀 大好ー838)