去る22日に行われた総選挙で、小池都知事が代表となる希望の党は惨敗であった。当初、民進党の全議員が希望の党へ合流する予定であったが、小池氏の仕分けに会い、無事合流できた者、立憲民主党へ移った者、無所属で総選挙に臨む者の3者に分かれた選挙となった。
その結果、立憲民主党へ移ったものは全員当選し、無所属で立った者もほとんどが当選した。しかし民進党から希望の党へ移った者52人のうち当選したのは31人のみであった。
25日、フランスから帰国した小池氏を交えて希望の党の衆参両議員による懇談会が催されたが、小池氏に対する不満が続出したとの話である。小池氏の言動に対する落ち度は多々あったとは言え、代表を辞めろ等の非難ばかりで、自分に対する反省がほとんど無かったようであり、真に身勝手で情けない。
また落選した者の言い訳が更に情けない。民進党時代に安保法案に反対したのに、小池氏の人気にあやかって当選したいがため、安保法制の適切な運用などを条件とした政策協定書への署名にサインして希望の党へ合流した。その事実を棚に上げ、落選の原因は小池氏の言動にあるとして、自らの節制の無さを恥ずる者はいない。
今回の総選挙で安倍一強体制が強化されたことは日本の国難であるが、せめてもの成果は大勢に迎合する輩の一部が表舞台から消えてなくなったことである。
しかし、大勢に迎合する衆は、自民党にも多数いると思われる。安倍一強では、益々ご説ごっもともで首相の言うがままであり、日本の将来が懸念される。森友・加計学園問題は国民の大半が納得できていないに拘わらず、自民党の国会議員の多くは、首相の丁寧な説明に納得できたと拍手するであろう。
もし小池氏の余計な言動が無く、希望の党の候補者のほとんどが当選した場合、政権交代が実現出来たであろうか。万が一小池氏が首班指名を勝ち取り、総理大臣に指名されたとしても、すぐに政権運営に生き詰まったことであろう。民進党の出身者は憲法改定賛成から反対まで幅広く、一本にまとまる筈が無い。また、民進党が従来通り、希望の党と関係なく、総選挙を迎えたならば、結果は惨敗であったであろう。
民主党の政権時代に何も決められない政権と揶揄されたが、その体質は何も変わらなかった。この点、今回の総選挙ではそれぞれの立ち位置が明確化されたため、野党連合等と安易な統合が無ければ、体質を整える絶好のチャンスである。前原氏の最大の功績は、この機会を与えたことである。
小池氏に代わり、今回の総選挙では立憲民主党を立ち上げた枝野氏に注目が集まっている。枝野氏は、前原氏の口車に乗って、一時は希望の党への合流に合意したが、希望の党の小池党首の仕分けに反発し、立憲民主党を立ち上げた。信念を曲げない姿勢が好感を得て、立憲民主党が大躍進した。
石原慎太郎元東京都知事は16日のツイッターで、衆院選の直前に新党結成に踏み切った立憲民主党の枝野幸男代表を称賛した。「今度の選挙では候補者達の卑しい人格が透けて見える。戦の前に敵前逃亡、相手への逃げ込み、裏切り。まるで関ヶ原の合戦の時のようだ。その中で節を通した枝野は本物の男に見える」と投稿した。石原氏の上から目線には反発するが、この意見に対しては賛同する。
一度カラスが白いと言ったならば死んでも白いと言い続ける位の気概は欲しい。自分が一度口にしたことを曲げないことは、時代遅れになり、現状に合わなくなることもあるだろう。しかし、それでも言い続けることは偏屈とのそしりから免れないだろう。従って、最初の発言に余程の慎重さが求められることであり、一語一語が大切になる。この点ペラペラとしゃべる政治家は信頼が置けない。今後、憲法論議が盛んになるのは必須である。第2次世界大戦前、国内の疲弊を海外にはけ口を求め、戦争へと拡大していった原因の一つは、政治家が現状のみに目を奪われ、将来を見通す力が無かったからである。
代議士の先生方、周りの意見に左右されることのない、憲法に対する自分の考えを良く熟慮し、判断をお願いしたいものである。益して選挙に有利になるからとの迎合はまっぴら御免である。2017.10.28(犬賀 大好-385)
その結果、立憲民主党へ移ったものは全員当選し、無所属で立った者もほとんどが当選した。しかし民進党から希望の党へ移った者52人のうち当選したのは31人のみであった。
25日、フランスから帰国した小池氏を交えて希望の党の衆参両議員による懇談会が催されたが、小池氏に対する不満が続出したとの話である。小池氏の言動に対する落ち度は多々あったとは言え、代表を辞めろ等の非難ばかりで、自分に対する反省がほとんど無かったようであり、真に身勝手で情けない。
また落選した者の言い訳が更に情けない。民進党時代に安保法案に反対したのに、小池氏の人気にあやかって当選したいがため、安保法制の適切な運用などを条件とした政策協定書への署名にサインして希望の党へ合流した。その事実を棚に上げ、落選の原因は小池氏の言動にあるとして、自らの節制の無さを恥ずる者はいない。
今回の総選挙で安倍一強体制が強化されたことは日本の国難であるが、せめてもの成果は大勢に迎合する輩の一部が表舞台から消えてなくなったことである。
しかし、大勢に迎合する衆は、自民党にも多数いると思われる。安倍一強では、益々ご説ごっもともで首相の言うがままであり、日本の将来が懸念される。森友・加計学園問題は国民の大半が納得できていないに拘わらず、自民党の国会議員の多くは、首相の丁寧な説明に納得できたと拍手するであろう。
もし小池氏の余計な言動が無く、希望の党の候補者のほとんどが当選した場合、政権交代が実現出来たであろうか。万が一小池氏が首班指名を勝ち取り、総理大臣に指名されたとしても、すぐに政権運営に生き詰まったことであろう。民進党の出身者は憲法改定賛成から反対まで幅広く、一本にまとまる筈が無い。また、民進党が従来通り、希望の党と関係なく、総選挙を迎えたならば、結果は惨敗であったであろう。
民主党の政権時代に何も決められない政権と揶揄されたが、その体質は何も変わらなかった。この点、今回の総選挙ではそれぞれの立ち位置が明確化されたため、野党連合等と安易な統合が無ければ、体質を整える絶好のチャンスである。前原氏の最大の功績は、この機会を与えたことである。
小池氏に代わり、今回の総選挙では立憲民主党を立ち上げた枝野氏に注目が集まっている。枝野氏は、前原氏の口車に乗って、一時は希望の党への合流に合意したが、希望の党の小池党首の仕分けに反発し、立憲民主党を立ち上げた。信念を曲げない姿勢が好感を得て、立憲民主党が大躍進した。
石原慎太郎元東京都知事は16日のツイッターで、衆院選の直前に新党結成に踏み切った立憲民主党の枝野幸男代表を称賛した。「今度の選挙では候補者達の卑しい人格が透けて見える。戦の前に敵前逃亡、相手への逃げ込み、裏切り。まるで関ヶ原の合戦の時のようだ。その中で節を通した枝野は本物の男に見える」と投稿した。石原氏の上から目線には反発するが、この意見に対しては賛同する。
一度カラスが白いと言ったならば死んでも白いと言い続ける位の気概は欲しい。自分が一度口にしたことを曲げないことは、時代遅れになり、現状に合わなくなることもあるだろう。しかし、それでも言い続けることは偏屈とのそしりから免れないだろう。従って、最初の発言に余程の慎重さが求められることであり、一語一語が大切になる。この点ペラペラとしゃべる政治家は信頼が置けない。今後、憲法論議が盛んになるのは必須である。第2次世界大戦前、国内の疲弊を海外にはけ口を求め、戦争へと拡大していった原因の一つは、政治家が現状のみに目を奪われ、将来を見通す力が無かったからである。
代議士の先生方、周りの意見に左右されることのない、憲法に対する自分の考えを良く熟慮し、判断をお願いしたいものである。益して選挙に有利になるからとの迎合はまっぴら御免である。2017.10.28(犬賀 大好-385)