日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

超円安のメリットを生かせるのは訪日外国人観光客であるが

2022年09月28日 09時20分02秒 | 日々雑感
 円安が145円と進む中、政府の為替介入が今月22日あり、一時140円台まで下げたが26日には再び144円まで戻った。為替介入は手持ちのドルを売って円を買うことであるが、今回3兆円の買い物と推計されているそうだ。

 政府の現有するドルは約180兆円とのことであり、その額からすれば大した買い物でないような気がするが、たった4日で元の円安に戻ったことからするとこの程度の買い物では効果が無かったようだ。

 それでも鈴木財務大臣は一定の効果があったと釈明している。これは、為替の売買で大儲けを企んでいる人には十分脅しが効いたとの意味のようであるが、素人には何のことかよく理解できない。

 さて、ロシアのウクライナ侵攻以降、原油などのエネルギーや穀物などの価格が高止まりする中、原材料を輸入する際のコストが一段とかさみ、値上げラッシュが続いている。

 戦後1ドル360円の時代があったが、日本の国力の増加とともに、1973年から変動相場制に移行し一時100円を切る時代もあった。円安のメリットは輸出企業に有利であり、360円時代には”安かろう悪かろう”と揶揄されながらも輸出産業は栄え、日本の国力の増大に貢献した。しかし、円高の進行とともに生産を海外に移す企業が増え、今の円安は”かつてほどのメリットはない”そうだ。

 バブルの頃の円高は、日本を売ればアメリカが買えるとの冗談も出る程であったが、現在の円安は日本不動産のバーゲンセールらしい。また、外国人観光客の爆買いが再びマスコミにたびたび紹介されるようになったが、かってに比べれば微々たるものであろう。そもそも訪日する外国人観光客の数がまだ圧倒的に少ないのだ。

 訪日外国人観光客はコロナ前の2019年は3188万人と大幅に増え、政府は2020年の目標値を4000万人としていた。しかし、コロナ感染拡大の為2020年の訪日外国人旅行者数は、412万人と大激減した。

 現在の円安がいつまで続くか分からないが、兎も角円安は海外からの観光客に喜ばれることは間違いなく、少しでも早く観光客の増加を望みたいところだ。さて今後の見通しであるが、今年6月の訪日客数は12万人で、そのうち1万人が観光客だったそうだ。今後規制緩和とともに訪日外国人の数や観光客の割合もどんどん増えるであろうが、今年の訪日外国人観光客の数が100万人を越すのは難しそうである。

 今年5月の訪日数を国別に見ると、1位はベトナムの3万9000人、2位は中国の1万7600人だったそうだ。ベトナムや中国が上位を占めているが、これは観光客ではなくコロナの為入国できなかった技能実習生によるものと見られるそうだ。

 2019年の観光客の1位は中国であり爆買いでも有名になったが、現在の中国はゼロコロナ政策で厳しい入出国の制限がありこの制限がいつ解除されるか分からない。かっての賑わいもここ2,3年は無理な気がする。
2022.09.28(犬賀 大好ー850)

超円安の行方を誰も分かっていない

2022年09月24日 09時31分05秒 | 日々雑感
 今月21日米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は、0.75%幅の利上げを決めた。米国の物価高が収まる兆しがみえず、FRBは景気の減速を招く恐れがあっても、インフレの抑え込みを引き続き優先する方針だそうだ。

 利上げとインフレ抑制の関係は直感的に分かりにくいが、利上げは投資を控えさせ金の動きを鈍化させ景気を冷え込ませ値上げを抑えると理解すれば良いのであろうか。

 米国をはじめ欧州各国は金利を巡り動きが激しい。日本で物価上昇が激しいのは、米国の例からは金利がほぼゼロであるからであるが、ロシアのウクライナ侵攻の影響だと言う。もし、戦争が終了したならば、物価上昇が収まるのであろうか。そんなに簡単な話では無さそうだ。異次元金融緩和により市中には金が溢れており、国の借金は1千兆円を越える等の異常状態のため、物価が安定するとは考えられない。

 米国に限らず日本でも最近物価の上昇は著しいが、日銀は今月20~21日に開かれた金融政策決定会議で大規模金融緩和を続行すると決めた。理由は、賃金の上昇を伴わない物価上昇は悪い上昇だとし、金融緩和を止めたら更に景気が悪化するからだそうだ。ゼロ金利政策を止めると、国債が暴落すると共に、中小企業の資金繰りが悪化し倒産が続出するとの恐ろしい予測もあり、日銀は怖くて実施出来ないが本音とのことだ。

 異次元金融緩和のお陰で大企業の内部留保資金が増加したため、これに課税するとか、従業員の給与に振り向けるとの政策があってよさそうだ。岸田首相の新しい資本主義に大きな期待はあったが、最近の首相の言動からは全くの期待はずれであり、支持率の低下は当然である。

 日銀が金融緩和を続ければ、日米の金利差が広がり、円安がいっそう進む可能性が強まる。東京外国為替市場は、アメリカが大幅な利上げを続けるという見方から円安が加速し、円相場は、1ドル=145円台後半まで下落した。これは24年ぶりの円安水準だとのことだ。22日、政府は慌てて為替介入を実施し、5円近く円高にふれるなど一時的な効果が現れた。ただ、政府が保有するドルには限りがあり、介入は何度も出来ないとの指摘や、日銀が金融緩和を続ける限り、アメリカとの金利差は一層広がるため円安の是正は難しいといった見方が支配的だ。

 政府の為替介入は24年前の1998年に実施されたが、当時日本はバブル崩壊で日本経済は金融危機の最中であった。山一証券などの経営破たんが相次ぎ、市場では金融システムに対する不安から円安ドル高が進行していたのだ。政府・日銀は、円安に歯止めをかけるため、市場介入に踏み切ったが円安の流れは止まらなかった。市場介入はこのときを最後に実施されておらず、久々の介入だった。

 従って今回市場介入に踏み切ったと言うことは、現在の円安は24年前の金融危機に匹敵す経済危機と政府は考えているようだが、経済を取り巻く環境は当時と全く異なるだろう。経済素人には支配要因が多すぎて何が何だか分からない状態だが、どうも経済通であっても今後の行方は分からないようだ。2022.09.24(犬賀 大好ー849)

世界の新型コロナウイルス感染は終息の方向だが中国は

2022年09月21日 09時27分59秒 | 日々雑感
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が9月14日、新型コロナウイルスのパンデミックの終息が視野に入ったとの認識を示した。WHOの統計によると、昨年1月には、1週間で10万人超だった世界の死者数が、今年9月5~11日は約1万1000人となり、世界的にみても死者数が減少傾向にあること等がその認識の理由だ。

 日本政府は、今年9月8日に、新たな行動制限を行わず、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点を置いて、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針を打ち出した。マスク着用等に関しては自主的な判断に委ねる等、大幅な規制緩和に動き出している。西欧諸国では外出時マスク無しが原則であり、19日のエリザベス女王の国葬の参列者でもマスクしている人は見かけなかった。

 一方中国であるが、国家衛生健康委員会が7月30日の公表によると、同月30日の中国本土における新規感染者は74人であり、厳しい抑止政策が奏功し、6日連続して100人以下となっているそうだ。中国14億人の民からすれば微々たる数であるが、中国当局は今なお引き続き、ゼロコロナ政策を堅持する考えを強調しており、局地的ロックダウン、全市民PCR検査によるスクリーニング等、何かしらの抑止措置が今後も講じられていくようだ。

 中国でのワクチン接種は現在、34億2,206万回が行われており、数的には全国民2回以上は接種している計算になり、更にブースターショットも強く推し進められているとのことだ。世界は規制撤廃と言うのに、なぜ中国だけはこれほどかたくなにゼロコロナ政策に固執するのであろうか。

 10月16日に共産党の第20回全国代表大会が開催され、この大会閉幕後に中央委員会第1回全体会議を開催し総書記などを選出するそうだが、習近平氏は引き続き総書記を務めたい為、コロナ対策で失敗知り訳にはいかないとの話だ。習氏の心配を裏付ける内容が、今年5月に米国の医学系学術誌で公表されているのだそうだ。

 ゼロコロナ政策を解除した場合、6か月で有症状者数1億1220万人、入院者数(中等症)510万人、ICU入院者数(重症)270万人、死亡者数160万人となるとの予想だ。また、感染ピーク時には、中国全体のICU病床数の15.6倍のICU病床が必要となり、病床数の不足は44日間続くとの内容が公表されたのだ。

 この論文内容の信頼性がどの程度あるのか分からないが、ゼロコロナ政策の為中国での感染者の割合が意外に少ないことや中国製ワクチンの効果が欧米のワクチン程でないことを想定するとゼロコロナ政策を解除した場合、感染爆発は必至であり医療体制及び社会自体の大きな混乱を引き起こす可能性が高く、習近平氏はこれを恐れているのだろう。

 WHOの終息予測を信じたいが、中国でもゼロコロナ政策をいづれは止めなくてはならず、この場合に感染爆発を起こすと、この影響が世界に拡がると懸念する。2022.09.21(犬賀 大好ー848)

オリンピックの利権に群がる輩

2022年09月17日 16時29分17秒 | 日々雑感
 全力で競争する選手を見て感動するのは万人に共通だ。この為にオリンピックをはじめとする各種の国際大会が開催される。感動は観客が多ければ多いほど高まる。人が大勢集まれば商品を宣伝する絶好の場となる。この場で誰もが宣伝したいが、宣伝する権利を獲得する必要がある。

 その権利を有する公式スポンサーに選ばれると、そのスポーツから派生する権利を独占的に活用できる。オリンピックの場合、大会会場に広告看板を設置できないが五輪マークや大会の公式エンブレム、マスコットの商業利用や、商品の独占販売が大会期間中の競技サイト内で認められ、他の競合企業との差別化を可能にする。

 スポンサーにはワールドワイドオリンピックパートナー、ゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルサポーターがあるようだが、門外漢にはその差は全く分からない。

 スポンサー企業に与えられているのは、オリンピックを応援しているという表現およびオリンピック・ロゴを使用する権利であり、この権利を行使して企業やブランドの認知度やイメージ向上、そして商品の販売促進活動に取り組むことが出来る。しかし、その権利の大きさはスポンサーの種類によって異なるのであろう。

 オフィシャルサポーターである紳士服メーカーのAOKIのデザインの服装で2020東京五輪開会式の選手団が入場行進をした。その場でAOKIと明示されなくてもネットで検索すれば分かり噂はすぐに広がり、宣伝効果は抜群である。

 公式スポンサーに選ばれる為の資格や選考基準、また選考審査会等、ネットで検索してもよく分からないが、ワールドワイドパートナーは4年で70億円以上の協賛金を国際オリンピック委員会(IOC)に拠出しているようで、協賛金の多さが重要な要因になっていると思われる。

 さて現在、組織委員会元理事の高橋容疑者が出版大手KADOKAWAや先述のAOKI等から賄賂を受け取った罪で起訴されているが、この利権を巡り使われたの金であろう。オリンピックは利権の塊であり、しかも多大な国の税金が投入されるため、官民合わせて利権の争奪戦が行われるのだ。ここで基準が明確でないため口利きが重要な役目を果たし、スポーツ界のフィクサーとして有名らしい高橋容疑者の活躍の場ができたのだ。

 そもそも高橋容疑者がなぜ組織委員会の理事になれたか、東京地検特捜部は目下、組織委会長だった森元総理や副会長を務めた竹田氏から事情聴取をおこなったとのことだが、真相は藪の中であろう。

 オリンピックを巡る商業主義の弊害は国際オリンピック委員会(IOC)の上層部で有名であったが、今回の件で上のみならず下まで拡がっていたのだ。札幌は現在2030年冬季五輪開催に立候補しているが、8月下旬に道内民放局が札幌市民に対して独自に行った五輪招致アンケートの結果では、反対が72%で賛成が28%であった。スポーツ祭典も金に塗れているとなれば反対するのは当然であろう。IOCのトップはぼったくり男爵と揶揄されたが、改善されたとの声は聞かれない。下も同様であると危惧する。
2022.09.17(犬賀 大好ー847)

訪日外国人観光客数をコロナ前に戻したいが

2022年09月14日 10時01分48秒 | 日々雑感
 歴代の政権はいづれも成長戦略を掲げたが、成功したのは観光立国を掲げ外国人観光客を招き入れたのが唯一の成功例だった。しかし、新型コロナウイルス拡大で水を差された昨年2021年の訪日外国人客数は約24万6000人と、2019年に記録した過去最多の3190万人には遠く及ばなかった。

 最近コロナ感染が一段落するとともにドルに対する円が144円と円安が進み、外国人観光客は日本で安く買い物ができ大喜びである。政府は6月に海外からの観光客の受け入れを一部再開したが、思うように伸びていない。再開の影響が反映された7月の訪日外国人客数について、日本政府観光局(JNTO)は先月14万4500人だったと発表した。コロナ禍前の2019年7月(299万人)と比べると95.2%減と低い水準のままだ。

 これは政府が観光会社の主催する団体旅行しか認めていなかったことが影響している。その後、観光会社が企画する個人旅行に解禁されたが、日本におけるコロナ感染が完全に終息していない為、感染した場合の個人の特定を容易にするためであり、個人が自由に動き回れる個人旅行では無かった。

 木原官房副長官は9月11日、報道番組で秋冬の観光シーズン前に1日の入国者数の上限撤廃や個人旅行の解禁、訪日ビザの免除などを検討し、訪日外国人客の受け入れ拡大を図る考えを示した。

 欧米主要国ではすでに個人旅行客が自由に行き来できるようになっている国も多い。日本では今月7日に1日の入国者数の上限を2万人から5万人へと引き上げ、ワクチン3回接種を条件に入国時の陰性証明提出も不要にしているが、先述の副長官の検討はいつになったら実行に移されるであろうか。

 現在、24年ぶりの水準となっている円安の特性を生かし、外国人観光客の呼び込む絶好の機会であり、エコノミストからは経常収支の改善につながり、円安の歯止めになるとの見方も出ている。

 政府、日銀は円安を指をくわえて見ているだけで何も出来ないようだが、外国人観光客の増加が円安の歯止めとなる理屈がよく分からないが、可能性があるならば対策を急いで貰いたいものだ。

 外国人観光客を増やす場合のリスクは、コロナ感染の再拡大である。コロナウイルスは変異が激しく新たな変異株が登場するかもしれないが、余り慎重になっていても経済の回復は遅れるばかりである。決断と実行の人、岸田首相の実行力が試される。2022.09.14(犬賀 大好ー846)