円安が145円と進む中、政府の為替介入が今月22日あり、一時140円台まで下げたが26日には再び144円まで戻った。為替介入は手持ちのドルを売って円を買うことであるが、今回3兆円の買い物と推計されているそうだ。
政府の現有するドルは約180兆円とのことであり、その額からすれば大した買い物でないような気がするが、たった4日で元の円安に戻ったことからするとこの程度の買い物では効果が無かったようだ。
それでも鈴木財務大臣は一定の効果があったと釈明している。これは、為替の売買で大儲けを企んでいる人には十分脅しが効いたとの意味のようであるが、素人には何のことかよく理解できない。
さて、ロシアのウクライナ侵攻以降、原油などのエネルギーや穀物などの価格が高止まりする中、原材料を輸入する際のコストが一段とかさみ、値上げラッシュが続いている。
戦後1ドル360円の時代があったが、日本の国力の増加とともに、1973年から変動相場制に移行し一時100円を切る時代もあった。円安のメリットは輸出企業に有利であり、360円時代には”安かろう悪かろう”と揶揄されながらも輸出産業は栄え、日本の国力の増大に貢献した。しかし、円高の進行とともに生産を海外に移す企業が増え、今の円安は”かつてほどのメリットはない”そうだ。
バブルの頃の円高は、日本を売ればアメリカが買えるとの冗談も出る程であったが、現在の円安は日本不動産のバーゲンセールらしい。また、外国人観光客の爆買いが再びマスコミにたびたび紹介されるようになったが、かってに比べれば微々たるものであろう。そもそも訪日する外国人観光客の数がまだ圧倒的に少ないのだ。
訪日外国人観光客はコロナ前の2019年は3188万人と大幅に増え、政府は2020年の目標値を4000万人としていた。しかし、コロナ感染拡大の為2020年の訪日外国人旅行者数は、412万人と大激減した。
現在の円安がいつまで続くか分からないが、兎も角円安は海外からの観光客に喜ばれることは間違いなく、少しでも早く観光客の増加を望みたいところだ。さて今後の見通しであるが、今年6月の訪日客数は12万人で、そのうち1万人が観光客だったそうだ。今後規制緩和とともに訪日外国人の数や観光客の割合もどんどん増えるであろうが、今年の訪日外国人観光客の数が100万人を越すのは難しそうである。
今年5月の訪日数を国別に見ると、1位はベトナムの3万9000人、2位は中国の1万7600人だったそうだ。ベトナムや中国が上位を占めているが、これは観光客ではなくコロナの為入国できなかった技能実習生によるものと見られるそうだ。
2019年の観光客の1位は中国であり爆買いでも有名になったが、現在の中国はゼロコロナ政策で厳しい入出国の制限がありこの制限がいつ解除されるか分からない。かっての賑わいもここ2,3年は無理な気がする。
2022.09.28(犬賀 大好ー850)