日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本オリンピック委員会(JOC)の東京五輪に対する姿勢は?

2021年05月29日 10時12分29秒 | 日々雑感
 オリンピックの開催決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にあるそうで、オリンピックの商標、過去の大会の映像などの著作権その他、オリンピック関連の知的財産権を国際的に保有する唯一の団体でもあるそうだ。

 さて、東京五輪・パラリンピック組織委員会は先日26日、新型コロナウイルス対策の一環として進めている来日関係者削減計画の詳細を発表した。約1.4万人の選手を除き、全体で約14.1万人から約5.9万人まで圧縮したが、”五輪ファミリー”と呼ばれる国際オリンピック委員会(IOC)関係者3千人、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)関係者1万4800人はそのまま維持されたとの内容だ。過去のメダル獲得者等の招待者や報道関係者は大きく減らすことが出来たが、五輪ファミリーを減らすことが出来なかったとのことだ。組織委員会の武藤事務総長は五輪ファミリーなどの人数削減が難しい理由について、運営に必要不可欠な人材であると説明した。

 大会が一旦始まれば、運営は直接競技に関わる審判員等だと思うが、IOCやNOCの人々が直接門の開け閉めや進行状態のチェック等をするとは思えない。五輪ファミリーは特等席で観戦等することしか無いと思うが。武藤氏の説得力ある説明を聞きたい。

 IOCは、この特権を最大限生かせるのはオリンピックの開催の場であるとし、何としてでも開催したいのだろう。最古参のIOC委員が、菅首相が中止を求めても五輪は開催されると発言したようだがこれ程日本を馬鹿にした話は無い。

 IOCが国連で決められた組織でもないが、かくも権力絶大である理由は何であろうか。オリンピックはスポーツを介しての世界平和の実現と言うクーベルタン男爵の理念を実現するためのものであり、世界中から尊敬を集める組織となり、それゆえ権威や権力も高まったのであろう。しかし、IOCは商業主義を前面に出してきたが、相変わらず世界から尊敬されていると思い込み好き勝手にやっているのだろう。

 日本はこの商業主義にすっかり巻き込まれてしまったが、日本が五輪開催を中止した場合に、日本の経済的損失が何兆円にもなるとの試算はあるが、その他IOCより損害賠償を請求される可能性があるのだそうだ。

 どうも、日本側から中止を申し出た場合、明確な契約書は無いようだが、損害賠償を科せられるのは日本側にあると解釈するのが欧米の慣習のようだ。しかし、コロナウイルスが世界中で猛威を奮う中、世界平和の祭典を実現できないとの理由で中止を申し出て、賠償を要求されるのであれば、今でも少ない開催都市の立候補は今後皆無となるであろう。

 弁護士の宇都宮氏は、もしIOCが賠償金を請求するようなことになれば、世界中から袋叩きになってIOCは崩壊するのではと持論を述べたそうだが、IOCの改革の為にはこの荒治療が必要かも知れない。

 日本は、現在コロナウイルスの蔓延で五輪騒ぎで無いと思うが、日本オリンピック委員会(JOC)は五輪ファミリーの一員の為か全く沈黙を保っている。今こそ、開催すべきか中止すべきか態度をはっきりさせるべきと思うが。2021.05.29(犬賀 大好ー706)

国際オリンピック委員会(IOC)の役目は世界平和実現ではないのか

2021年05月26日 09時47分52秒 | 日々雑感
 今月21日、国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会のコーツ委員長が記者会見し、その席で緊急事態宣言下でもなぜやるのかの質問に、理由は”アスリートのために開催する”と断言した。

 オリンピックは世界平和の為の祭典の筈であるが、アスリートファーストであると断定したのには驚いた。4年に1度のオリンピックは、ほとんどの選手にとって一生に1度しかないチャンスであり、彼らが夢を果たすことができるように敢えて開催するのだと。確かにそこで金メダルを獲得できれば、たちまち有名人になり、テレビに引っ張りだこになり、行く末は国会議員になる可能性も生まれるため、選手にとって夢の舞台であることは間違いない。

 クーベルタン男爵のアマチュアリズムはプロ選手の参加を認めた段階で影を潜め、ここに来て世界平和の祭典の大義も無くなり、一部選手の出世の為の手段と化してしまったのだ。

 しかし、アスリートファーストであるならば酷暑の中での命を削る競技を避けるべきと突っ込みたくなるが、裏にはIOCの事業ファーストの顔が垣間見える。テレビ局は選手が酷暑の中死に物狂いで頑張る姿を放映し、視聴者が感激し視聴率の上がるのを期待しているのだ。何しろIOCの収入の大半はテレビ局からの放映権料なのだ。

 5月始め、米ワシントン・ポスト紙が東京は損切りし、IOCに他で略奪するよう告げるべき、という五輪中止と開催地変更を勧めるコラムを掲載し、バッハ会長を”ぼったくり男爵〟と揶揄した。

 また、バッハ会長が国際ホッケー連盟(FIH)のオンライン総会に寄せた連盟関係者向けのビデオメッセージが24日波紋を呼んだ。東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならず、そうすれば選手は夢を間違いなくかなえることができる、と話したそうだ。

 アスリートファーストを裏付けた訳だが、五輪は1984年ロサンゼルス大会から商業主義に転換し、米放送局NBCやスポンサーから拠出される巨額の資金によってIOCは潤うようになったことが裏にある。

 その巨大組織のトップに君臨するのがバッハ会長で、IOCの規定により年間約3000万円の報酬を得ているが、その他2016年リオ五輪の閉幕時に社長をバッハ会長が勤めるインターネット放送会社を開局し、しっかり裏収入も得るシステムをつくり上げているそうだ。

 インターネットを通じて五輪の理念を若い世代に伝える目的で設立されたと説明しているが、その理念はクーベルタン男爵のアマチュアリズムの理念とは程遠いものであろう。

 東京五輪が無事開催されるか未だ分からないが、海外からの観客を排除した時点で既に世界平和の為との目的の大半を失った。IOCの商業主義が目立ち、この他ドーピング問題等山積みであり、オリンピックのあり方を見直す時期に来ている。

 コロナ騒ぎや開催可否問題で、IOCや組織委員会等の情報発信が注目を集めているが、日本オリンピック委員会(JOC)の存在がすっかり忘れ去られている。JOCの理念にもアスリートファーストの文言はなく、あるのは世界平和だ。沈黙は金ではなく、一言あって然るべきだ。2021.05.26(犬賀 大好ー705)

東京五輪開催と都議会選挙の行方

2021年05月22日 10時28分40秒 | 日々雑感
 東京オリンピック・パラリンピックを延期または中止した方が良いと考える人が、様々な世論調査の結果でも8割以上になることが分かったそうだ。東京都の小池知事はコロナ下での大会開催を主張しているが、コロナ対策に追われている為か、開催に関するかっての熱意は感じられない。

 一方、彼女の政治生命にも関わる都議会議員選挙が目前に迫ってきた。東京都議選の告示(6月25日)まで約2か月となり、世論の動向に敏と言われてきた小池知事がこれを無視するとは思えない。

 今回の選挙では、コロナ対策や経済対策、少子高齢化問題そして東京五輪開催の是非が焦点となるとのことであるが、当面の課題である五輪開催に関し活発な議論があるようには思えない。弁護士の宇都宮健児氏が行っている東京五輪・パラリンピックの中止を求めるオンライン署名は14日までに35万筆を集めたそうだ。

 都民ファーストの会は現有勢力46名の最大会派であり、前回小池旋風で第1会派を自民から奪った結果だ。都民ファーストの会の公式サイトに政策や活動についての紹介があるが、5月21日現在、五輪成功に向けてと題する記事があり、開催には一応前向きである。

 19日現在、五輪中止を明言しているのは共産党だけで、他の政党に属する候補者は、東京五輪の話題を避けている感である。都知事が生みの親である都民ファーストの会も、本来は都知事の明言する五輪の開催に向けて積極的に賛成の意を表明すべきであろう。しかし、世論の動向を気にして、どうしたらよいか迷っているのだろう。

 小池都知事は、かって東京開催を主張して都知事に当選した手前、開催反対を唱えるにはそれなりの理論武装が必要であろう。単にコロナ感染が収まらないからとの理由で開催反対を唱えるのは、感染拡大を抑えられなかった自身の責任もあり、言い出し難い。大衆迎合と批判され無いためには、今後の展開を明らかにした上で反対する必要があろう。

 何より、中止した場合これまでに蓄積してきた五輪開催のための借金や資産の処理法等、問題山積みだ。これらの負の遺産の印象を薄める為にも夢のある代替案が必要だ。理想的には2,3か月、あるいは来年に延期する案もあるが、既に各種の国際競技大会が日程的に決まっており、IOCと言えども割り込むのは困難であろう。

 オリンピックの2024年のロスアンジェルス開催や2028年のパリ開催も決まっているが、小池都知事が頭を下げて、どちらかの都市に代わって貰えることになれば大手柄であり、小池旋風が再び起こるかも知れない。

 IOCのコーツ調整委員長が19日五輪関係者に大会開催への強い決議文書を送ったそうだ。IOCは東京の感染状況がどうであれ、開催するつもりのようだが、小池都知事はその勢いに負けて開催に踏み切るであろうか。その場合、都民ファーストの会は大惨敗となろうが、このまま黙って流れに身を任せているようには思えない。2021.05.22(犬賀 大好ー704)

バイデン大統領の地球温暖化対策目標は高いが

2021年05月19日 09時13分04秒 | 日々雑感
 11日(火)には九州南部で、15日(土)には九州北部、中国、四国が梅雨入りしたとみられると発表があった。平年より3週間近い早い梅雨入りだそうだ。これに先立ち、先月24日、気象庁は、3か月予報を発表している。梅雨は、平年と同じような季節の進み方になるが、梅雨前線の活動は活発になりやすい予想で、降水量は平年より多くなる見込みとの予想だった。

 梅雨入りの時期に関しては外れたが、活動の程度に関しては不活発な方に外れて欲しいものだ。梅雨入りが早いからには梅雨明けも早いと思われ、高齢者にとって長くて厳しい夏がやって来そうだ。もし東京五輪が予定通り開催されれば、記憶に残る酷暑の中での競技となろう。

 この暑さも地球温暖化効果ガスが影響しているのであろうが、現時点で即排出ゼロにしたところで、これまでの蓄積分で今夏の暑さは変わらないと思うが、このまま何もしないで放っておけば、将来もっと酷いことになるだろう。

 最近将来に向けたSDGsの活動が活発になっている。SDGsの17つの項目の中にも”気候変動に具体的な対策を”が掲げられており、将来の為にガス排出規制などが取り上げられているのは当然だ。

 バイデン米大統領は先月のオンライ気候変動サミットで、米国の温室効果ガス排出量を2030年までに2005年の水準から50~52%削減すると発表した。この値はオバマ元大統領が打ち出した値のほぼ倍であり、更に途上国向けの気候関連支援を倍増させると公約し、途上国は温暖化への取り組みを加速させるように促した。

 トランプ前大統領は地球温暖化はまやかしだとしてパリ協定から離脱したが、バイデン氏は、大統領当選直後にパリ協定復帰を宣言し、温室効果ガス削減にリーダシップを発揮しようと削減目標を大幅に引き上げた。

 米国の一部の同盟国は、バイデン大統領の熱意に賛同し、これまでの公約を引き上げる計画を発表した。カナダのトルドー首相は2030年までの温室効果ガス削減目標を2005年との比較で30%減としていた従来の目標を40~45%減に引き上げた。菅義偉首相も2030年度の温室効果ガスの排出削減目標を2013年度比で46%減と、従来の26%減から引き上げたが、具体的な方策を示すこと無く、バイデン大統領に押し切られた感である。

 バイデン大統領の意気込みは買われるとしても、果たして実行が伴うか懸念される。世の中、将来のことより、現実の生活が何事においても優先されるのだ。

 バイデン大統領の目標に対し、中国やインドは当面経済を優先させ、削減を図る前に国内の増加を引き続き容認する計画を固持する姿勢を示している。

 2017年の二酸化炭素排出量の最も多い国は中国であり2番目に多いアメリカの2倍近い排出量だ。先進国が努力しても中国の経済優先の姿勢に空しさを感ずる。

 日本も目標達成のためにはかなりの努力を必要とするが、この努力は何処の国でも同じだろう。パリ協定においては、目標が達成できなくても罰則は無いとのことで、ただ単に大きな目標を掲げているような気もする。2021.05.19(犬賀 大好ー703)

東京五輪は進むも退くも地獄が待ちかまえる

2021年05月15日 10時13分35秒 | 日々雑感
 2016年東京五輪招致の際の大会ビジョンは、「平和に貢献する大会」や「世界一コンパクトな五輪」であった。しかし、それらに代わる世界平和も東日本大震災からの復興もどこかへ消え、現在の「コロナに打ち勝った証しの五輪」も風前の灯である。コロナウイルスに翻弄され、外国からの観客を受け入れないことだけでも人類はコロナに負けた証であるが、今掲げるとしたら「コロナと共存する五輪」であろうか。

 政府は、コロナ対策では長期戦略を欠いたまま、その場しのぎの対応を繰り返し、菅首相はコロナが蔓延して中にあっても安心安全なオリンピックが開催できると、根拠の無い強気な姿勢を崩していない。恐らく太平洋戦争に突入したのもこんな竹やり精神状態ではなかったのではと思いめぐらす。

 橋本組織委員会会長は、元スケート選手であり”諦めなければ夢はかなう”とばかりスポーツ根性で頑張ってはいるがどこか冷静さもあり、無観客開催も覚悟しているようだが、中止の覚悟までは無いだろう。

 五輪開催までに2ヶ月と少しになり、コロナ感染の収束は見通せず、海外からの事前合宿の知らせも増えてきた。千葉県は12日、東京五輪でメダルが有力な米国陸上チームが県内で実施予定だった事前合宿を中止すると連絡があったと発表した。新型コロナウイルスの世界的流行が続き、今後も収束の見通しが立たない中で、選手の安全面に懸念が生じているためと説明しているという。

 無観客開催でも、選手や関係者を含めると10万人程度の人々が来日するとの話であり、その人々に対し毎日PCR検査等を行う等の計画らしいが、万が一関係者から感染者が出た場合、日本の現在の医療体制で対応出来るのであろうかと、多くの識者が懸念している。

 世界中から集まる選手は、自国でPCR検査を受けた後、来日してからも毎日PCR検査する等、何重にも関門を設けるようであるが、新たに設けられるこのシステムが始めから十分機能するとは言い切れない。人間の作るシステムは必ずどこかに欠陥があり、使いこなして完成するものだ。

 4月12日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、日本で新型コロナウイルス感染が収まらずワクチン接種も滞る中で東京五輪を開催するのは最悪のタイミングであり、日本と世界にとって”一大感染イベント”になる可能性があると伝えた、ようだが、あながち的外れでは無い。

 片や中止した場合、選手の失望が大きいことは想像に難くないが、政府は経済的な損失を考えるだろう。経済的損失は入場料の収入が無くなる等の直接的な損失の他に、観光客のお土産代等の波及効果もあるので、損額は4兆円~30兆円と幅広い。一般国民の生活に多大な影響を及ぼすだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大に関する対応と同時進行で東京五輪が開催された場合、日本の医療機関への経済的・人材的負担が増加することなどが考えらるが、上記の見積もりにはこうした内容は反映されていないようだ。東京五輪は強行開催でも、また中止するにしても、進むも地獄退くも地獄が待ちかまえるようだ。2021.05.15(犬賀 大好)