環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意で、農業水産物は81%の品目の関税を撤廃することになり、安い輸入品と競合する農家の不安が高まっているとの話だ。しかし、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖、の重要5項目の中核部分はしっかり守っていくことが出来たと、甘利TPP相は胸を張る。
米に関しては、1kgあたりの輸入関税341円を維持し、米国と豪州から最大で年約8万トンの輸入枠を新設した。現在の最低輸入義務枠(ミニマムアクセス、MA)は年77万トンであり、その約1割増しに過ぎず、しかも、MAのような輸入義務はなく、民間の需要がなければ輸入しなくてもよいらしい。額面通り受け取れば、大した影響は無いであろう。
日本における米の年間需要約780万トンであるのに対し、生産量790万トンで、相変わらず生産過剰状態であり、しかも食生活の多様化で需要は年8万トンの減少の方向らしい。米農家はTPP云々に関わらず、厳しい将来が待ち受ける。農地の大規模化や米のブランド化等、何らかの努力が強いられる。これまでの兼業農家は政府の買い取り制度に守られて来たといえども、従事者の高齢化と共に急激に減少していくだろう。
キャノングローバル戦略研究所の山下氏は、“貿易の自由化を皆が怖がるが大きなショックが無ければ、国内農業は変わらない”と言うがその通りであろう。困難な状況に直面した時に、何らかの工夫、挑戦、努力は、農業に関わらず何事においても必要である。
政府は、全閣僚をメンバーにしたTPP総合対策本部の初会合を9日開いた。安倍首相は「守る農業から攻める農業に転換し、意欲ある生産者が安心して取り組めるものにしていく」と強調した。補正予算案には、農地の集約を促したり、輸出に積極的な農家を支援したりして、農業の競争力を高める政策を中心に盛り込む予定とのことである。小泉進次郎議員も自民党の農政部会長に就任し、攻めの農業への変換を訴えた。
TPPに対する政府の前向き姿勢は結構であるが、兼業農家に対する保護は何らかの形で続くであろう。休耕田の増加は買い取り制度の副産物であるが、このような必要以上の保護政策は長い目でみれば蛇の生殺し状態になる。少なくとも若者が、農業に喜んで挑戦できる環境を整えてもらいたいものだ。(犬賀 大好-177)
米に関しては、1kgあたりの輸入関税341円を維持し、米国と豪州から最大で年約8万トンの輸入枠を新設した。現在の最低輸入義務枠(ミニマムアクセス、MA)は年77万トンであり、その約1割増しに過ぎず、しかも、MAのような輸入義務はなく、民間の需要がなければ輸入しなくてもよいらしい。額面通り受け取れば、大した影響は無いであろう。
日本における米の年間需要約780万トンであるのに対し、生産量790万トンで、相変わらず生産過剰状態であり、しかも食生活の多様化で需要は年8万トンの減少の方向らしい。米農家はTPP云々に関わらず、厳しい将来が待ち受ける。農地の大規模化や米のブランド化等、何らかの努力が強いられる。これまでの兼業農家は政府の買い取り制度に守られて来たといえども、従事者の高齢化と共に急激に減少していくだろう。
キャノングローバル戦略研究所の山下氏は、“貿易の自由化を皆が怖がるが大きなショックが無ければ、国内農業は変わらない”と言うがその通りであろう。困難な状況に直面した時に、何らかの工夫、挑戦、努力は、農業に関わらず何事においても必要である。
政府は、全閣僚をメンバーにしたTPP総合対策本部の初会合を9日開いた。安倍首相は「守る農業から攻める農業に転換し、意欲ある生産者が安心して取り組めるものにしていく」と強調した。補正予算案には、農地の集約を促したり、輸出に積極的な農家を支援したりして、農業の競争力を高める政策を中心に盛り込む予定とのことである。小泉進次郎議員も自民党の農政部会長に就任し、攻めの農業への変換を訴えた。
TPPに対する政府の前向き姿勢は結構であるが、兼業農家に対する保護は何らかの形で続くであろう。休耕田の増加は買い取り制度の副産物であるが、このような必要以上の保護政策は長い目でみれば蛇の生殺し状態になる。少なくとも若者が、農業に喜んで挑戦できる環境を整えてもらいたいものだ。(犬賀 大好-177)