自動車の完成検査は、組み上がった完成車に対して、検査員が規定の検査をして完成検査終了証を発行することである。これに合格して初めて自動車メーカは販売会社に卸すことができるのだそうだ。販売会社は、買手が決まった段階で公的機関で新規登録をしてナンバーを付け、お客様に引き渡す。この際、公的機関は、完成検査終了証を確認し、新規登録を許可するので非常に重要な書類となる。従って、本来は国が1台ずつ運輸支局で検査する必要があるが、大量生産車は手間がかかるためメーカーが代行しているのだ。
この最終検査に検査資格を有さない人が長年従事した等の不正が発覚したため、国土交通省が昨年11月末、新車の完成検査制度を見直す検討会を立ち上げると発表し、早速1週間後、初会合を開いたそうだ。有識者と国交省の担当者で構成し、今年3月中に一定の結論を出す方針のようだ。
市場に出た自動車に対する一般人の評価は厳しく、悪評はインターネットですぐに広がる。この為自動車メーカ各社は工程ごとに品質管理を徹底している。そこで最終的な完成検査で不具合が見つかることはほとんど無いとのことだ。
かっては制度の意味があったかも知れないが、現在制度は形骸化しており、後生大事に検査制度を維持しようとしているのはお役所のみだ。面倒な作業は民間に任せていても、お客様が頭を下げてやって来る美味しい商売だからだ。
輸出車には終了証は必要ないとのことであり、また検査資格を有さない人が検査をしていても、事故が発生したとの事例は無いそうで、この検査制度が廃止されても問題ないと思われる。しかし国交省は車の新規登録する権限を有しており、この権限実行を飯の種にしている人もいる。国交省はこの既得権益をおいそれとは手放さないであろう。
今年3月までに完成検査制度に関する検討会の答申が出るであろうが、恐らく若干の改善があるものの、制度の廃止まではいかないであろう。
形骸化している制度と言えば自動車検査登録制度(車検制度)もあり、これも典型的な既得権益である。新車は3年目、その後2年毎の車検を受けなければならない。車検そのものの手数料は現在小型車1700円である。数万円かかる車検の際の費用は自動車損害賠償責任保険料、自動車重量税、そして取り扱いディーラーへの検査料や修理代等であり、車検代そのものは大した額では無い。
費用の発生する検査には、車検の他にも12か月点検がある。こちらは義務化されてはいるが、受けない場合でも罰則は無い。世界でトップクラスの高品質の自動車生産国のクルマがこんなに頻繁に点検を受けなければ公道を走れないのは不思議な話だ。また、運転距離に関係なく、時間で検査間隔を決めているのも摩訶不思議だ。
この車検制度により、潤っているのは整備業界だ。何しろ時間で検査間隔が決められているので定期的に仕事があり、安心して商売が出来るのだ。つまり、車検制度は、安全という言葉に隠れたクルマに関わる業者を儲けさせるための法律である。また、許認可権があれば、天下りもあり、そこから利益を得ている政治家もいるだろう。
車検制度を廃止した場合、無整備のクルマや素人の改造車で事故を起こす輩が頻発すると主張する者もいる。自動車事故には、飲酒運転、わき見運転、高齢者の不注意事故等、様々であり、悲惨な事故は後を絶たない。これらの事故はほとんど車検制度とは関係なく、自己責任に帰せられる。事故全体に占める無整備自動車事故の発生割合がどうなるか不明であるが、自己責任で良いのではなかろうか。
少なくても車検制度が廃止されなくとも、その検査間隔には走行距離も加味すべきである。走行距離を考慮すると、税や保険の徴収が面倒になるとの言い訳が聞こえてくるが、検査に関係なく自動車税は毎年きちんと請求が来る。この制度に関しても見直し検討会を開いて欲しい。2018.01.31(犬賀 大好-412)
この最終検査に検査資格を有さない人が長年従事した等の不正が発覚したため、国土交通省が昨年11月末、新車の完成検査制度を見直す検討会を立ち上げると発表し、早速1週間後、初会合を開いたそうだ。有識者と国交省の担当者で構成し、今年3月中に一定の結論を出す方針のようだ。
市場に出た自動車に対する一般人の評価は厳しく、悪評はインターネットですぐに広がる。この為自動車メーカ各社は工程ごとに品質管理を徹底している。そこで最終的な完成検査で不具合が見つかることはほとんど無いとのことだ。
かっては制度の意味があったかも知れないが、現在制度は形骸化しており、後生大事に検査制度を維持しようとしているのはお役所のみだ。面倒な作業は民間に任せていても、お客様が頭を下げてやって来る美味しい商売だからだ。
輸出車には終了証は必要ないとのことであり、また検査資格を有さない人が検査をしていても、事故が発生したとの事例は無いそうで、この検査制度が廃止されても問題ないと思われる。しかし国交省は車の新規登録する権限を有しており、この権限実行を飯の種にしている人もいる。国交省はこの既得権益をおいそれとは手放さないであろう。
今年3月までに完成検査制度に関する検討会の答申が出るであろうが、恐らく若干の改善があるものの、制度の廃止まではいかないであろう。
形骸化している制度と言えば自動車検査登録制度(車検制度)もあり、これも典型的な既得権益である。新車は3年目、その後2年毎の車検を受けなければならない。車検そのものの手数料は現在小型車1700円である。数万円かかる車検の際の費用は自動車損害賠償責任保険料、自動車重量税、そして取り扱いディーラーへの検査料や修理代等であり、車検代そのものは大した額では無い。
費用の発生する検査には、車検の他にも12か月点検がある。こちらは義務化されてはいるが、受けない場合でも罰則は無い。世界でトップクラスの高品質の自動車生産国のクルマがこんなに頻繁に点検を受けなければ公道を走れないのは不思議な話だ。また、運転距離に関係なく、時間で検査間隔を決めているのも摩訶不思議だ。
この車検制度により、潤っているのは整備業界だ。何しろ時間で検査間隔が決められているので定期的に仕事があり、安心して商売が出来るのだ。つまり、車検制度は、安全という言葉に隠れたクルマに関わる業者を儲けさせるための法律である。また、許認可権があれば、天下りもあり、そこから利益を得ている政治家もいるだろう。
車検制度を廃止した場合、無整備のクルマや素人の改造車で事故を起こす輩が頻発すると主張する者もいる。自動車事故には、飲酒運転、わき見運転、高齢者の不注意事故等、様々であり、悲惨な事故は後を絶たない。これらの事故はほとんど車検制度とは関係なく、自己責任に帰せられる。事故全体に占める無整備自動車事故の発生割合がどうなるか不明であるが、自己責任で良いのではなかろうか。
少なくても車検制度が廃止されなくとも、その検査間隔には走行距離も加味すべきである。走行距離を考慮すると、税や保険の徴収が面倒になるとの言い訳が聞こえてくるが、検査に関係なく自動車税は毎年きちんと請求が来る。この制度に関しても見直し検討会を開いて欲しい。2018.01.31(犬賀 大好-412)