日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国での新型コロナウイルス騒動の一件落着は本当か

2020年03月28日 09時53分01秒 | 日々雑感
 3月19日、中国国家衛生健康委員会は中国国内の新型肺炎新規感染者の最新データを発表した。それによると、武漢市・湖北省を含めて18日に中国国内で発生した新規感染例はゼロであったそうだ。

 これが事実であれば、中国国内における新型コロナウイルスの拡散はすでに治まったことになる。問題は前記委員会の発表を額面通りに信じて良いかどうかである。中国は情報統制が徹底している。習近平主席の命令は絶対的であり、物事は彼が言うように動かざるを得ない。忖度の程度は日本の比ではない。

 習氏が早期に収束させたいことは勿論であり、目標に新規感染者数をゼロにすることは当然であろう。地方の政治家はこの目標に向かって努力し、部下には厳格に指示し、党の意向に沿うように多少の誤魔化しもするであろう。

 武漢の食肉市場の従業員が原因不明の肺病に罹ったことがそもそも事の始まりとのことであり、コロナウイルスを保有している野生動物と何らかの関係があるのではないかという説が最も有力であった。その後の調査で最初の患者と市場やその他の患者との間につながりが確認されなかったとの政府の発表であるが、政府の発表には裏があると思って聞く必要がある。

 ネット情報によれば、中国の感染症の専門家の二人が政府に対して、新規感染者数ゼロを目標にするようなことはやめた方が良い、と進言したそうだ。この2人の専門家の公の発言であれば、中国政府が実際に新規感染者ゼロを目標にしている、と言うことだ。新規感染者数をゼロとする目標は当然であるが、感染者の定義を変えてまでゼロとするとなると大問題だ。

 驚くべきことに中国政府は2月7日に統計の基準をウイルス検査で陽性と判定されても無症状の人を感染者として計上しない方針に変更していたとのことだ。無症状の感染者は他人に感染させる可能性が低いとの理由からだ。

 最近日本でも無症状の感染者を自宅療養にする方針も検討され始めたようであり、全くの根拠が無い話でもなさそうであるが、現在の世界の基準は保菌者はすべて感染者だ。

 さて、ある香港紙は22日、中国政府の非公開資料が情報源だとしながらも、中国本土の無症状の新型コロナウイルスの感染者4万3千人超が2月末時で中国政府の統計に計上されていなかったと報じた。同時点の公式な感染者数は約8万人だが、これらの無症状者を合計すると12万人を超えた計算となる。

 27日の日本の新聞の報道によれば米国の感染者は8万人で、これまで最多だった中国(8万人)やイタリア(8万人)を上回ったと報道しており、先の香港紙の報道内容を疑っているようだが、中国の公式発表よりは真実味がある。

 東京五輪も1年延期になり、中国の責任も問われることになるが、中国は情報公開を徹底し、多少なりとも汚名挽回に努めるべきである。保菌者が他人を感染させる可能性が本当の所どうなんだと、これが分かるだけでも日本の対策は大いに助かる。2020.03.28(犬賀 大好-586)

パンデミックを利用する中国はしたたか

2020年03月25日 09時15分22秒 | 日々雑感
 3月10日、習近平国家主席は新型コロナウイルス肺炎の発祥あるいは発症の地、湖北省武漢市を初めて訪問したそうだ。そこで中国が新型コロナウイルスから脱出したと宣言すると、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日の記者会見で、新型コロナウイルスがパンデミック状態となったと宣言した。

 この宣言のタイミングは中国では収束しているのに今更の感もするが、ちゃんと計算されていたのだ。

 この事務局長は中国寄りとうわさされていたが、ここにおいても中国におけるウイルス騒動が一段落するのを待って、パンデミック宣言したに違いない。

 中国での報道を信ずる限り、国内のウイルス騒動は落着したように思える。3月19日、国家衛生健康委員会は、国内の新型コロナ肺炎新規感染者は武漢市・湖北省を含めて18日にはゼロであった、と発表したからだ。

 パンデミック宣言に際して事務局長は言った。韓国や中国は新型コロナのコントロールが可能であることを証明したが、検査能力や病院の収容能力等のキャパシティーやリソース、解決策不足のため、コントロールに苦労している国々があると指摘、強い対応が講じられないと、健康福祉システムが脆弱なアフリカの国々に拡散し、感染者数や死者数が爆発的に増加する懸念がある、と。

 さて、WHOがパンデミック宣言をすると、関係各国はそれなりの覚悟を持って対策に取り組む努力が必要になる。この事務局長のパンデミック宣言に中国が含まれていないことが重要で、中国は自国の感染拡大を防止し、他国への支援の準備が出来ているので大いに中国に頼れと言っているのだ。

 現に、中国は世界の流行国に支援物質を提供したり、医療専門家を派遣したりする援助に力を入れ始めているそうだ。3月12日、習近平主席は国連事務総長と電話で中国の経験を関係国と分かち合いたいと伝えたそうだし、東南アジア諸国連合やアフリカ連合にもテレビ会議を通じて感染拡大の防止策を伝えているようだ。

 これらの行為は感染を世界に広げた国の責任を感じたからより、世界で最初に感染を克服した世界の大国であることを誇示するためであり、この機会に世界に中国を売り込むためのように思われる。

 しかし、3月23日の新聞報道によれば、中国政府は統計の基準をウイルス検査で陽性と判定されても無症状の人を感染者として計上しない方針に変更していたとのことだ。この変更は既に2月7日に公表されていたとの話だが1か月以上にもなるのに、日本のマスコミから初めて知った。

 ただし、本日の同新聞では武漢の感染者数がゼロと報道しているので、上記変更を疑っているのかも知れないが、中国のことだこの位のことはやるであろう。

 世界の基準は検査で陽性と判定された人がすべて感染者となるが、中国では陽性と判定されても症状の出ていない人は他人に感染させる可能性が低いとのことで統計から除いているとのことだ。この理屈も、世界の基準は中国が作るとの驚くべき勝手な変更だ。パンデミック宣言を自国の商売に結び付けるとは実にしたたかである。2020.03.25(犬賀 大好-585)

中国の落とし前のつけ方

2020年03月21日 09時14分49秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスの発生源は、武漢の海産物市場で違法に取引されていた野生動物からではないかと言われている。この市場で扱われる、生きたコウモリやウサギ、マーモット等にコロナウイルスが寄生していることが理由であるが、人間への感染に対する具体的な発生源はまだ特定されていない。

 武漢市のコロナウイルスを始めて世間に知らしめたのは、武漢の眼科医、李文亮氏と言われている。彼がSNSに海鮮市場で7件の重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た肺炎が確認されたと書き込んだのは2019年12月30日のことだったが、武漢市公安当局は事実でない書き込みをして世間を惑わしたと李氏を処罰したそうだ。しかし後に政府はその処罰は誤りであったと公式に認めたようである。

 これらの情報より、新型コロナウイルス感染症の発生源は武漢の海鮮卸売市場で売買された野生動物からと信じられてきたが、もし中国政府がこれを正式に認めれば、世界に拡散する新型コロナウイルスに対し何らかの責任を負う必要があるだろう。

 米国はこれまで中国の初動の遅れを批判したほか、トランプ大統領やポンペオ国務長官は武漢コロナウイルスや中国ウイルスなどと呼んで武漢が発生源だと断定している。

 兎も角、中国政府は情報管理の徹底により都合の悪いことはひたすら隠す傾向にあるため、現在のようにWHOからパンデミック宣言される程拡散する原因になったと非難されている分けである。

 さて武漢市での拡散が隠せなくなると、中国政府は市からの人の出入りを一切禁止する等の強硬手段、また突貫工事による専門病院の建設等、政府の徹底した統制管理によりこの疫病を克服できたと今では逆に習近平主席の強い指導力を積極的に宣伝している。

 しかし、最近その発生源に関し様々な情報が出てきており、武漢野生動物起源説を有耶無耶にするための攪乱戦法ではないかと勘繰る程である。その一つ、中国の若手の大学教授が、同市内の政府研究機関からウイルスが流出した可能性を指摘するレポートを発表したが、レポートは即座に闇に葬られ、教授は失踪してしまったそうで、よくある話だ。

 この件に限らず、新型コロナウイルスは中国の生物兵器が流出したものだという陰謀論がまことしやかに囁かれているそうだ。武漢にウイルス研究所があることが、噂に真実味を持たせ、更に中国の秘密主義がこの噂に拍車をかけているのだ。

 そしてついには米国の陰謀説まで飛び出した。中国外務省の報道局長が3月12日夜、新型コロナウイルスは米軍が中国に持ち込んだ可能性があるとツイッターに投稿したのだ。前述のウイルス流出説の出処がはっきりしないのに比べ、米国陰謀説の出処は明確である。局長個人の意見と思えず、裏には中国政府が糸を引いているとしか思えない。

 また、中国の外交担当トップの政治局員が3月16日、ポンペオ米国務長官と電話会談した。そこで新型コロナウイルスへの対応をめぐって米国は中国側による防疫の努力を中傷し、中国に汚名を着せようとしていると批判したそうだ。中国は何かにつけて米国にいちゃもんを付けると思われるが、これも武漢起源説を曖昧にし責任逃れをするための戦略でないかと勘繰る。2020.03.21(犬賀 大好)

アフガニスタンはコロナウイルス騒動どころではない!

2020年03月18日 09時37分24秒 | 日々雑感
 アフガニスタンは先史時代からメソポタミア文明やインダス文明とも交流があったと言われる歴史ある国であるが、その地政学的理由から、長年にわたり他民族からの侵攻や他国からの干渉を受けてきた。1989年、ソ連軍はアフガンから撤退したが、その後の主導権をめぐりイスラム系各派が衝突し内戦状態に陥った。そんな中で1994年頃から台頭したのがタリバンであり、1999年までには国土の9割を支配するまでに至った。

 しかし、2001年の米国同時多発テロ事件が起こり、タリバン政権が事件の首謀者アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者を匿っているとして、米国はアフガンでの軍事作戦を始めた。それが現在まで続いており、主にアフガン政府やそれを支援するアメリカ合衆国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとタリバンやアルカイダなどの武力集団の間の紛争となっている。

 さて、米国とアフガンの反政府武装勢力タリバンは今年2月29日、カタールの首都ドーハで和平合意に署名した。この合意では、米国が135日以内に駐留米軍を現在の1.3万人規模から約8600人にまで縮小、米軍とNATO軍は来年春にもにアフガンから完全撤収するとし、タリバンはアフガン国土をテロ攻撃の拠点にしない等を約束したそうだ。

 これを契機に約18年に及んだ戦争の終結へとなる筈であったが、そもそもこの合意はトランプ大統領の選挙目当ての成果稼ぎと言われており、早くも綻びも出てきた。最大の欠陥はこの和平交渉にアフガン政府が加わって居なかったことである。
合意には、タリバンの捕虜約5000人とアフガン治安部隊の捕虜約1000人を交換することも盛り込まれていたが、アフガンのガニ大統領は捕虜5000人を解放すると約束はしていないと主張したのだ。

 そこでタリバンは、政府が拘束しているタリバンの捕虜約5000人を解放しない限り、政府との和平交渉には臨まないと述べ、3月2日、政府軍に対する攻撃を再開すると表明したのだ。

 そもそもタリバンとアフガン政府の関係が悪く、和平交渉に政府が加わっておれば、こんなに早く交渉はまとまらなかったであろう。トランプ大統領の焦りが伺われる。米軍撤退の後はタリバンが政権を狙うと見られており、事ある毎にタリバンと政府軍の衝突は必須である。

 アフガニスタン紛争はブッシュ元大統領が始めたが、次のオバマ前大統領はアフガンに民主的な政治制度や女性の基本的人権の保護のための体制を作ることを目指していた。しかし、トランプ現大統領の頭にはそんな理想は始めから無いように思われる。

 米軍撤退後アフガニスタン政府の崩壊、基本的人権を否定するタリバンによる過酷な独裁、IS系を含む過激派グループの勢力拡大闘争で、国内は一層の混乱が生ずるのではないかと危惧する。

 イスラム社会に西欧的な民主主義を根付かせるのは至難の業であり、米国第1主義を掲げるトランプ大統領にとって単なる金の無駄使いと映るのも理解でき無い分けではない。

 世界は新型コロナウイルスの流行で非常事態宣言を発する国が相次いでいるが、アフガニスタンは部族間、宗派間等様々な争いで、このウイルスが流行したところで、それほど大きな問題では無いだろう。2020.03.18(犬賀 大好-583)

新型コロナウイルス流行は地球温暖化と関係ないのだろうか

2020年03月14日 09時14分28秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスに感染してもその後病状が回復しPCR検査で陰性と判断され、無事退院出来た人が大勢いるとのことで、特効薬が無くても人間の免疫力が勝ったとその偉大さを喜んでいたが、どうも糠喜びだったようだ。

 大阪府は、医療機関を2月1日に退院した女性が、ウイルスを調べるPCR検査で再び陽性になったと2月26日夜に発表したのだ。専門家は一部の患者では免疫が十分働かず、体内に潜んだウイルスが、再び増える可能性を指摘する。このコメントでは、反対に免疫が十分働いている人も大勢いるとのニュアンスであり安心してもよさそうであるが、その免疫力の持続性はどの位であろうか。兎も角新型コロナウイルスに対する人間の免疫反応は分からないことだらけである。

 コロナウイルスは鼻粘膜から声帯までの気道に炎症を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類あることが分かっており、そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)の重症化傾向のある疾患をもたらすウイルスで、残り4種類は一般の風邪の原因の10~15%を占めるのだそうだ。この6種類のコロナウイルスのどれかが突然変異して新型コロナウイルスになったのであろうか。

 一般に抗生物質を使い続けていると、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなることがあるそうで、薬への耐性を持った細菌のことを薬剤耐性菌と言うようだ。ウイルスに対しても同様で抗ウイルス剤が効かない薬剤耐性ウイルスも現れているそうだ。

 これらの菌のやウイルスの出現の原因は、単に遺伝子構造が単純なため構造変化が起こり易いことが原因しているのであろう。ランダムな突然変異を繰り返し、たまたま薬剤に耐性を持ったものが生き残り人間に害を与えるので注目されるのであろう。MERSやSARSの突然変異種が何年かおいて現れたのも、ランダムな突然変異が常に起こっていることを示唆している。

 自然界には粘菌と名付けられながら菌類ではない不思議な生き物がいる。脳を持たない単細胞生物で普段バラバラに行動するが、環境に応じて集合体になったり、役割分担のある集団行動をする不思議な生物で謎に包まれている。

 さて薬に対する耐性を持った菌やウイルスの出現は、粘菌と同様に普段バラバラでありながらある環境が整うとある目的意識を持って集団行動を始めると想像するとSF小説が書けそうである。ネットには薬剤耐性は耐性を持たない別の細菌に伝達され、その細菌も薬剤耐性化になり、次々に連鎖していくことがあるとの話もあり想像力を掻き立てる。自然界はまだまだ不思議に満ちている。

 今年の冬は暖かく桜の開花時期が早くなっており、ここに例を見るように地球の環境が近年著しく変化している。地球温暖化の影響はウイルス界にも影響を与えているのであろうか。通常の風邪ウイルスは暖かくなると消滅するとのことであるが今回の新種はそうでもないらしい。温度と突然異変の発生回数の間には関係がないのだろうか。あるとすれば、これからも新たな病が登場する機会も増えるであろう。2020.03.14(犬賀 大好-582)