子供の家族が遠くに引越し、正月に帰って来る予定なし。また、親戚などはそれぞれの都合で来る予定なし。従って、今年は老夫婦と二匹の老犬とのんびり過ごす予定です。それにつけても、関東地方では穏やかな日が続くことが有難く感ずる日々です。以上
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、12月18日、戦争などによる難民や国内避難民ら「強制的に避難させられた人々」の今年の全世界総数は6千万人を大幅に超え、過去最高を記録する見込みだと、発表した。日本国民の約半数に当たる人数の人々が故郷を追われているのだ。故郷を追われた人々は、安定した生活を期待できそうな先進国を目指して移動するが、それを許容する国、拒否する国様々である。
一方、日本で今年難民認定を申請した外国人は10月半ばまでに5500人を越え、5年連続で過去最多を更新したそうだ。年末には7000人になる予想である。しかし、申請が急増しているにも関わらず、難民と認める例は増えていない。昨年は11名。人道的配慮で残留を認めた人を含めて121名であったとのことだ。
日本では難民の厳格な定義の下、厳格に運用されている。すなわち、難民とは難民条約に定義された難民の要件に該当すると判断された人である。すなわち宗教的や政治的などの理由によりに迫害を受ける恐れのある人である。そこでは経済的な理由は除外されているのだ。更に、迫害を受ける恐れとの文言も定性的であり、客観的な判断が困難なことも拒否理由となるのだろう。
UNHCRの発表する避難民のうち、シリアからは420万人とのことだ。シリアは内戦状態であり、そこでは生活が出来ないとの経済的な理由が大きいかも知れないが、元々は政治の混乱の為だ。そもそも政治と経済は深く関係しており、明確に区別できっこない。例え経済的な理由によるものであったとしても、人道的な観点からは許されない。政府は、「それより前にやるべきことがある」と問題を避けるが、積極的平和主義の下では、難民問題を頬かぶりできない。
独政府は今年過去最多の80万人が国内で難民申請すると予想しているそうだが、それを認めるメルケル首相の支持率が急落しているそうだ(10月29日報道)。難民を拒否する理由は職を奪われることが一つかも知れないが、最大の理由は治安の悪化であろう。
今年11月、イスラム国の戦闘員によるパリ同時多発テロ事件が起こり、死者130名となった。戦闘員が難民に紛れ込んでいたとのことで、難民であるイスラム教徒に対する風当たりが強くなり、難民受け入れ反対が強くなっているのだそうだ。テロで亡くなった者は被害者に違いないが、最大の被害者は安住の地を見出せない多くのイスラム教徒であろう。そこでの生活が苦しくなれば、犯罪に走ることになり、益々嫌われ者になる。負の連鎖である。イスラム教徒には忍耐と我慢が要求される結果となった。
日本にも難民に限らず、移民や外国人労働者受け入れに反対との声もある。理由は、言語・文化や習慣面での軋轢、仕事の奪い合い、社会保障負担増、治安悪化など、移民受け入れに伴う諸問題である。確かに、移民の多いヨーロッパの国々を見ればそのリスクは高まることが予想される。しかし、このグローバル化された世界において、外国人労働者の排除でもしようとすれば、鎖国しかないだろう。徳川幕府の鎖国政策250年の後、日本は如何に苦労したかを見れば、鎖国政策のリスクの方がはるかに大きい。
予想されるこれらのリスクに対しては、具体的問題ごとに細かく対処していく他は無いだろう。少子高齢化が進む日本では、難民・移民の方々を受け入れていく政策を採用し、日本国民にも利するよう工夫をしていかなくてはならない。(犬賀 大好-194)
一方、日本で今年難民認定を申請した外国人は10月半ばまでに5500人を越え、5年連続で過去最多を更新したそうだ。年末には7000人になる予想である。しかし、申請が急増しているにも関わらず、難民と認める例は増えていない。昨年は11名。人道的配慮で残留を認めた人を含めて121名であったとのことだ。
日本では難民の厳格な定義の下、厳格に運用されている。すなわち、難民とは難民条約に定義された難民の要件に該当すると判断された人である。すなわち宗教的や政治的などの理由によりに迫害を受ける恐れのある人である。そこでは経済的な理由は除外されているのだ。更に、迫害を受ける恐れとの文言も定性的であり、客観的な判断が困難なことも拒否理由となるのだろう。
UNHCRの発表する避難民のうち、シリアからは420万人とのことだ。シリアは内戦状態であり、そこでは生活が出来ないとの経済的な理由が大きいかも知れないが、元々は政治の混乱の為だ。そもそも政治と経済は深く関係しており、明確に区別できっこない。例え経済的な理由によるものであったとしても、人道的な観点からは許されない。政府は、「それより前にやるべきことがある」と問題を避けるが、積極的平和主義の下では、難民問題を頬かぶりできない。
独政府は今年過去最多の80万人が国内で難民申請すると予想しているそうだが、それを認めるメルケル首相の支持率が急落しているそうだ(10月29日報道)。難民を拒否する理由は職を奪われることが一つかも知れないが、最大の理由は治安の悪化であろう。
今年11月、イスラム国の戦闘員によるパリ同時多発テロ事件が起こり、死者130名となった。戦闘員が難民に紛れ込んでいたとのことで、難民であるイスラム教徒に対する風当たりが強くなり、難民受け入れ反対が強くなっているのだそうだ。テロで亡くなった者は被害者に違いないが、最大の被害者は安住の地を見出せない多くのイスラム教徒であろう。そこでの生活が苦しくなれば、犯罪に走ることになり、益々嫌われ者になる。負の連鎖である。イスラム教徒には忍耐と我慢が要求される結果となった。
日本にも難民に限らず、移民や外国人労働者受け入れに反対との声もある。理由は、言語・文化や習慣面での軋轢、仕事の奪い合い、社会保障負担増、治安悪化など、移民受け入れに伴う諸問題である。確かに、移民の多いヨーロッパの国々を見ればそのリスクは高まることが予想される。しかし、このグローバル化された世界において、外国人労働者の排除でもしようとすれば、鎖国しかないだろう。徳川幕府の鎖国政策250年の後、日本は如何に苦労したかを見れば、鎖国政策のリスクの方がはるかに大きい。
予想されるこれらのリスクに対しては、具体的問題ごとに細かく対処していく他は無いだろう。少子高齢化が進む日本では、難民・移民の方々を受け入れていく政策を採用し、日本国民にも利するよう工夫をしていかなくてはならない。(犬賀 大好-194)
パリで開かれていた国連機構変動枠組み条約の第21回締約会議(COP21)は、12月12日、「パリ協定」を全会一致で採択した。18年前の京都議定書以来の新しい枠組みであり、全196カ国・地域が温室効果ガスの削減に参加し、石炭や石油などの化石燃料に依存しない社会を目指すことになった。出席メンバー全員が、無事協定がまとまったと、出喜色満面で会議場を後にする様子が報道されたが、まるで地球温暖化が解消されたかのような無邪気な喜び方であった。
世界全体の目標として平均温度を産業革命以前に戻すとして、気温上昇を2度未満に抑えるに加えて、1.5度未満に向けて努力するとした。また、今世紀後半に人為的な排出と吸収を均衡させると目標を明確にしたが、これらは努力目標でしかない。
地球温暖化対策は喫緊の課題であるが、京都議定書の目標が達成されていないことからも、今回の目標も、“努力したけれどだめでした”の言い訳が今から聞こえてくる。しかし、前回参加していなかった米国や中国が参加した点や、地球温暖化に対する科学的根拠がより明確になった点から、各国が真剣に取り組む筈との期待も多少はある。
そもそも地球温暖化はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル-Intergovernmental Panel on Climate Change)の報告に基づいている。これは、世界の科学者が発表する論文や観測・予測データから、政府の推薦などで選ばれた専門家がまとめたものであり、信頼性は高いと言わざるを得ない。しかし、地球規模の話になると、現代科学をもってしても不明な点が多く、特に将来の予測は計算機シミュレーションによって為されるが、気候を支配するパラメータが多く、前提となる条件が異なれば違った結果になる曖昧さは残る。
地球温暖化の要因には、温室効果ガスの他に太陽の活動変化などがあるが、過去地球上に何回か訪れた氷河期の原因もはっきり特定されておらず、他に大きな要因があるかも知れない。現在は第4間氷期に当たるようであるが、これから温暖化に向かうのか、寒冷化に向かうのかに関しても諸説ある。
さて、地球温暖化対策として、15年後の2030年をターゲットに温室効果ガスの削減目標を設定しようとするなか、その2030年には地球に「ミニ氷河期」がやってくると、英国の研究チームが発表したそうだ。この研究チームは、英ノーサンブリア大で応用数学や天文学を専攻するバレンティーナ・ザーコバ教授の研究チームで、今月、国立天文会議で発表したものだ。
太陽の活動は一定ではなく周期的に変動していることはよく知られている。この変動を太陽黒点発生に関する新たな知見に基づき計算したところ、黒点が今後、大きく減少して15年後には、太陽の活動が現在の60%減と大幅に低下してミニ氷河期が到来することが分かったという。こんな衝撃的な研究結果が欧米で大論争を巻き起こしているそうだが、日本での報道ではほとんど聞こえてこない。IPCC第4次評価報告書では、近年の地球温暖化に対する影響に関しては、太陽の活動変化要因は、人為的な要因に比べて10分の1以下とされるので、報道の価値が無いと判断したのであろう。
さて、地球規模の気候変化に温室効果ガスが影響している点に関し、完全に正しいと断定できないが、少なくとも一番確からしいと言う点において、その対策を怠ってはならない。今更いくら努力しても遅いとの説もあるくらいだ。(犬賀 大好-193)
世界全体の目標として平均温度を産業革命以前に戻すとして、気温上昇を2度未満に抑えるに加えて、1.5度未満に向けて努力するとした。また、今世紀後半に人為的な排出と吸収を均衡させると目標を明確にしたが、これらは努力目標でしかない。
地球温暖化対策は喫緊の課題であるが、京都議定書の目標が達成されていないことからも、今回の目標も、“努力したけれどだめでした”の言い訳が今から聞こえてくる。しかし、前回参加していなかった米国や中国が参加した点や、地球温暖化に対する科学的根拠がより明確になった点から、各国が真剣に取り組む筈との期待も多少はある。
そもそも地球温暖化はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル-Intergovernmental Panel on Climate Change)の報告に基づいている。これは、世界の科学者が発表する論文や観測・予測データから、政府の推薦などで選ばれた専門家がまとめたものであり、信頼性は高いと言わざるを得ない。しかし、地球規模の話になると、現代科学をもってしても不明な点が多く、特に将来の予測は計算機シミュレーションによって為されるが、気候を支配するパラメータが多く、前提となる条件が異なれば違った結果になる曖昧さは残る。
地球温暖化の要因には、温室効果ガスの他に太陽の活動変化などがあるが、過去地球上に何回か訪れた氷河期の原因もはっきり特定されておらず、他に大きな要因があるかも知れない。現在は第4間氷期に当たるようであるが、これから温暖化に向かうのか、寒冷化に向かうのかに関しても諸説ある。
さて、地球温暖化対策として、15年後の2030年をターゲットに温室効果ガスの削減目標を設定しようとするなか、その2030年には地球に「ミニ氷河期」がやってくると、英国の研究チームが発表したそうだ。この研究チームは、英ノーサンブリア大で応用数学や天文学を専攻するバレンティーナ・ザーコバ教授の研究チームで、今月、国立天文会議で発表したものだ。
太陽の活動は一定ではなく周期的に変動していることはよく知られている。この変動を太陽黒点発生に関する新たな知見に基づき計算したところ、黒点が今後、大きく減少して15年後には、太陽の活動が現在の60%減と大幅に低下してミニ氷河期が到来することが分かったという。こんな衝撃的な研究結果が欧米で大論争を巻き起こしているそうだが、日本での報道ではほとんど聞こえてこない。IPCC第4次評価報告書では、近年の地球温暖化に対する影響に関しては、太陽の活動変化要因は、人為的な要因に比べて10分の1以下とされるので、報道の価値が無いと判断したのであろう。
さて、地球規模の気候変化に温室効果ガスが影響している点に関し、完全に正しいと断定できないが、少なくとも一番確からしいと言う点において、その対策を怠ってはならない。今更いくら努力しても遅いとの説もあるくらいだ。(犬賀 大好-193)
12月4日朝日新聞のオピニオンに内科医であり僧侶でもある田中雅博氏へのインタビュー記事が掲載された。氏は来年3月まで生きられるかどうかの末期ガン患者であり、間もなく死ぬであろう人の心情が語られている。そこで、自分の命がなくなることに苦しみを感ずると言い、それを「いのちの苦」と表現している。語感からすると命を保つことが苦であるような感じを受けるが、それとは真反対である。人間の本能は生きることであるので、「いのちの苦」とは本能的なものであり、そこには理屈は無く、死は恐怖なのだ。
氏は、僧侶という立場から自分というこだわりを捨てることや、生存への渇望を無くせば死は怖くないとの仏教的な生き方を学んできたが、その心境に達するのは簡単なことではないと吐露している。
若い時から仏教的な生き方に努力してきた人ですら、余命何ヶ月を言い渡されたときに、「いのちの苦」を感ずるのであれば、漫然と生きてきた凡人はさぞかし生への固執が強くなるのであろう。痴呆症の人が生にこだわるのは当然のことかも知れない。ピンコロを理想とするのは、ピンコロは突然死であり、死の恐怖や不安と闘う時間も無いから理想的なのであろう。
最近、老人の自殺が増加しているようである。現在日本における自殺者は年間3万人強で、そのうち1/3強が60歳以上の老人との話だ。原因は経済的貧困や肉体的な絶望感が多いらしい。自殺は死の恐怖や不安に勝った結果であろうから、そこでは「いのちの苦」は「生きている苦」であり、死に救済を求めるのだ。
先のオピニオンで、氏は死を直前に迎えた人に “命のケア” (スピリチュアルケアSpiritual Care)の必要性を訴えている。例えば、死に直面した人にどんな人生であったとしても、そこに価値を見出してもらえれば、いのちがなくなる苦しみを和らげると説いている。その大切さはよく分かるが、「生きている苦」を問題とする人々にとっては余計なお世話であろう。
経済苦の人には経済的な援助が救いとなろう。健康苦の人に対しては入院・治療・薬などがあるかもしれないが、少なくともそれを受けるためにはお金が必要となる。社会保障費の財政難がどんどんひどくなる日本において、死を救いとする下流老人は増加の一途であろう。
自殺はキリスト教的には罪であるそうだ。人間の生死の決定権は神のみにあるがこれを人間が簒奪することになる、という理由づけで、自死を禁じる立場を明瞭にしている。若者の自殺は、将来の可能性を放棄するものであるから、何もキリスト教を持ち出さなくても、絶対悪であろう。
老人の自殺もキリスト教的には罪であろうが、キリスト教徒でない日本人としてはどう考えればよいのだろうか。仏教的、神道的には自殺は必ずしも絶対悪ではなさそうだ。然らば、自殺を考える人にどのように接すればよいのであろうか。「生きている苦」は「いのちの苦」とは逆の問題であるが、団塊世代の大量死を迎える昨今、これも大きな問題となろう。(犬賀 大好-192)
氏は、僧侶という立場から自分というこだわりを捨てることや、生存への渇望を無くせば死は怖くないとの仏教的な生き方を学んできたが、その心境に達するのは簡単なことではないと吐露している。
若い時から仏教的な生き方に努力してきた人ですら、余命何ヶ月を言い渡されたときに、「いのちの苦」を感ずるのであれば、漫然と生きてきた凡人はさぞかし生への固執が強くなるのであろう。痴呆症の人が生にこだわるのは当然のことかも知れない。ピンコロを理想とするのは、ピンコロは突然死であり、死の恐怖や不安と闘う時間も無いから理想的なのであろう。
最近、老人の自殺が増加しているようである。現在日本における自殺者は年間3万人強で、そのうち1/3強が60歳以上の老人との話だ。原因は経済的貧困や肉体的な絶望感が多いらしい。自殺は死の恐怖や不安に勝った結果であろうから、そこでは「いのちの苦」は「生きている苦」であり、死に救済を求めるのだ。
先のオピニオンで、氏は死を直前に迎えた人に “命のケア” (スピリチュアルケアSpiritual Care)の必要性を訴えている。例えば、死に直面した人にどんな人生であったとしても、そこに価値を見出してもらえれば、いのちがなくなる苦しみを和らげると説いている。その大切さはよく分かるが、「生きている苦」を問題とする人々にとっては余計なお世話であろう。
経済苦の人には経済的な援助が救いとなろう。健康苦の人に対しては入院・治療・薬などがあるかもしれないが、少なくともそれを受けるためにはお金が必要となる。社会保障費の財政難がどんどんひどくなる日本において、死を救いとする下流老人は増加の一途であろう。
自殺はキリスト教的には罪であるそうだ。人間の生死の決定権は神のみにあるがこれを人間が簒奪することになる、という理由づけで、自死を禁じる立場を明瞭にしている。若者の自殺は、将来の可能性を放棄するものであるから、何もキリスト教を持ち出さなくても、絶対悪であろう。
老人の自殺もキリスト教的には罪であろうが、キリスト教徒でない日本人としてはどう考えればよいのだろうか。仏教的、神道的には自殺は必ずしも絶対悪ではなさそうだ。然らば、自殺を考える人にどのように接すればよいのであろうか。「生きている苦」は「いのちの苦」とは逆の問題であるが、団塊世代の大量死を迎える昨今、これも大きな問題となろう。(犬賀 大好-192)
米国は今月16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、9年ぶりの利上げに踏み切った。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、その理由として金融危機以降米国は相当な回復をみせ、失業率は5%まで改善したことを挙げ、また目標の物価上昇率2%は達せられていないが、石油の異常な低迷が解消されれば、中期的に達せられるとした。
中央銀行の役割を再検討した有識者グループ「G30」の評議会議長であるジェイコブ・フレンケン氏によれば、米国経済がようやく正常な状態に戻るのだそうだ。
普通の人の常識は、「銀行は適当な利子を設定して金を貸し、借りた人はその金で事業を行い、借りた金以上を儲けて、銀行に金を返すシステムにより、経済が成立する」である。このシステムには経済の活性化が必須であるが、それには成長産業が大きな支えになる。米国はイノベーションの発信基地である。この意味で世界に先駆け経済が活発化するのはよく理解できる。常識がようやく米国では復活するということだ。
米国の失業率は5.1%になり、特に国内の自動車や住宅の売れ行きも好調のようだ。1年位前、住宅販売が好調で住宅バブル再来が懸念されるほどとの報道があったが最近はどうなっているのであろうか。2008年のリーマンショックでは、住宅販売において低所得者向けのサブプライムローンが問題となったが、自動車販売においても似たようなローンが活用されているようである。これが自動車販売の急速な伸びにつながっているが、ローン残高はここ数年間で急拡大する危うさを含んでいるとのことだ。
米国人は金が無くてもローンですぐに物を手に入れたがる傾向があるそうだ。金があればすぐに貯蓄に回す日本とは大違いである。米国は資本主義の総本山である。金を儲ける仕組みを考え出すことや、それをオブラートで包んで宣伝するのはお手の物である。住宅販売や車の販売に怪しい金融商品が介在していなければよいが。何しろ米国経済は世界の経済に諸に影響を与えるので、何とか堅実な好景気を維持してもらわなくてはならない。
米国の利上げは、資金が米国に回帰するため、発展途上国の経済は一時的に停滞する懸念があるとのことだ。それ以外にも、前述のように米国の好景気が危ういローンで支えられていることを考えるとその脆さも感ずる。イエレン議長もこのようなことを全て考慮に入れて、利上げを決断したのであろうが、そのリスクに増して金融システムの正常化は重要なことであるのだろう。
一方、欧州中央銀行(ECB)は、3日の理事会で、追加金融緩和策を決定したそうだ。ユーロ圏の経済は緩やかに回復を続けるが、輸出先である振興国経済の減速などで、景気が下振れするする恐れがあるとの理由である。
我が日本では、昨日(18日)の金融政策決定会合で緩和補完策の採用を決定したそうだ。景気や物価の状況は大きく変わっておらず、緩和策を続けると思われていたが、緩和ではなく補完策なのだそうだ。何のことかよく理解できないが、これを受けて株価は大幅に下がったとのことだ。
欧州や日本では当面の生活を享受するために、経済の非常識がまかり通るが、その副作用がどんどん大きくなることも覚悟しておかなくてはならない。(犬賀 大好-191)
中央銀行の役割を再検討した有識者グループ「G30」の評議会議長であるジェイコブ・フレンケン氏によれば、米国経済がようやく正常な状態に戻るのだそうだ。
普通の人の常識は、「銀行は適当な利子を設定して金を貸し、借りた人はその金で事業を行い、借りた金以上を儲けて、銀行に金を返すシステムにより、経済が成立する」である。このシステムには経済の活性化が必須であるが、それには成長産業が大きな支えになる。米国はイノベーションの発信基地である。この意味で世界に先駆け経済が活発化するのはよく理解できる。常識がようやく米国では復活するということだ。
米国の失業率は5.1%になり、特に国内の自動車や住宅の売れ行きも好調のようだ。1年位前、住宅販売が好調で住宅バブル再来が懸念されるほどとの報道があったが最近はどうなっているのであろうか。2008年のリーマンショックでは、住宅販売において低所得者向けのサブプライムローンが問題となったが、自動車販売においても似たようなローンが活用されているようである。これが自動車販売の急速な伸びにつながっているが、ローン残高はここ数年間で急拡大する危うさを含んでいるとのことだ。
米国人は金が無くてもローンですぐに物を手に入れたがる傾向があるそうだ。金があればすぐに貯蓄に回す日本とは大違いである。米国は資本主義の総本山である。金を儲ける仕組みを考え出すことや、それをオブラートで包んで宣伝するのはお手の物である。住宅販売や車の販売に怪しい金融商品が介在していなければよいが。何しろ米国経済は世界の経済に諸に影響を与えるので、何とか堅実な好景気を維持してもらわなくてはならない。
米国の利上げは、資金が米国に回帰するため、発展途上国の経済は一時的に停滞する懸念があるとのことだ。それ以外にも、前述のように米国の好景気が危ういローンで支えられていることを考えるとその脆さも感ずる。イエレン議長もこのようなことを全て考慮に入れて、利上げを決断したのであろうが、そのリスクに増して金融システムの正常化は重要なことであるのだろう。
一方、欧州中央銀行(ECB)は、3日の理事会で、追加金融緩和策を決定したそうだ。ユーロ圏の経済は緩やかに回復を続けるが、輸出先である振興国経済の減速などで、景気が下振れするする恐れがあるとの理由である。
我が日本では、昨日(18日)の金融政策決定会合で緩和補完策の採用を決定したそうだ。景気や物価の状況は大きく変わっておらず、緩和策を続けると思われていたが、緩和ではなく補完策なのだそうだ。何のことかよく理解できないが、これを受けて株価は大幅に下がったとのことだ。
欧州や日本では当面の生活を享受するために、経済の非常識がまかり通るが、その副作用がどんどん大きくなることも覚悟しておかなくてはならない。(犬賀 大好-191)