土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

つづいて名作千手千眼さんの壽寳寺へ。

2010年12月22日 | 京都の古寺巡り


(2010.12.18 訪問)
観音寺から東へほとんど真っすぐ壽寳寺に向かいます。JRと近鉄三山木駅を越え
たスグのところ府道65号沿いにお寺は在ります。前日に拝観お願いをしていまし
たので指定時刻にお寺に着きました。境内と云ってもささやかな広さ、新しい本
堂と観音堂、それに庫裏のみのこじんまりしたお寺の印象。このお寺の面白いと
ころは、ご本尊の十一面千手千眼さんは観音堂に、本堂には旧本尊の大日如来坐
像をお祀りしているそうですが、ボク達は拝観することは出来ません。

[ 壽寳寺 ] じゅほうじ
●山号 開運山(かいうんさん)
●寺号 壽寳寺(じゅほうじ)
●宗派 高野山真言宗
●本尊 十一面千手千眼観音菩薩立像(重文)

壽寳寺縁起
寺伝では704年創建と称していますが詳細は不明です。暴れ川木津川の氾濫で寺
地は転々と移転し、江戸中期に現在地に移り、明治の悪法廃仏棄釈で近隣の寺々
を合わせ、ご本尊もこの時廃寺になったお寺のお像を移坐したのが現在の本尊、
十一面千手千眼観音菩薩立像だそうです。

▼山門。



▼壽寳寺石標。



▼縁起。



▼本堂編額。
お寺の方と話し込んでしまい本堂の写真撮るの忘れました。



▼観音堂。
このお堂に本尊が祀られています。



▼ご本尊。
本尊 十一面千手千眼観音菩薩立像(重文) 像高181cm  木造 榧材一木造り。
本尊は、彩色が施されていません。お口の朱と目の墨のみ檀像風お像。本手は六
本、小脇手千本の手が扇状に出ています。千本有るか無いかは分かりませんが小
脇手のひらには墨で目が描かれています。バランスのとれた像形は見事です。ご
本尊の両隣には降三世明王、金剛夜叉明王の二体が脇侍として祀られています。
この二体も他のお寺から移座したものだそうです。
唐招提寺、葛井寺とここ壽寳寺の十一面千手千眼観音菩薩像は三大名作と云われ
ているそうです。



もうお一人ボクと同年輩の男性拝観の方が居られ、内陣前にご住職と三人並び、
先ず般若心経を唱えその後、説明を受けました。

このお寺と観音寺は旧山城国に在りますが、天平文化の行き渡る北辺で、平城京
の華やかな影響を大いに受けたと云います。
この日の京田辺古寺巡りは実にベリーベリーグッドでした。