土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

つづいて京都五山之弐位、名刹相國寺を訪ねます。

2012年08月08日 | 京都の古寺巡り


(2012.08.04訪問)

京都五山を訪ねる第四弾は、京都五山弐位の相國寺です。
山外塔頭、鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)を持つこのお寺は、本山でありながら両寺より地味な感じを受け
ていましたが、なかなかどうして五山文化、禅文化の中心としての相國寺は傑出した名僧や文化人、画家を
輩出し、学問、芸術の拠点としての地位は京都五山弐位の格に相応しいものだと聞きました。
このお寺ほど兵火、火災に翻弄されその都度再建復興が繰り返されたお寺もそうそうないのでは。やはり時
々の権力のバックアップは発展復興には欠かせないものだったのでしょう。

基本的にこのお寺は観光寺院ではなく、年二回春期、秋期の特別拝観を除いては堂内拝観は出来ません。
やはり皆さん良く知ったもので、この日は拝観の方はいませんでした。そりゃそうでしょう暑すぎ!!

[ 相國寺 ]
●山号 満年山(まんねんざん)
●寺号 相國聖天禅寺(しょうこくしょうてんぜんじ) 通称 相國寺
●宗派 臨済宗相國寺派大本山
●開山 開山始祖 夢窓疎石(むそうそせき) 開山 春屋妙葩(しゅんおくみょうは) 
●開基 室町三代将軍 足利義満(あしかがよしみつ)
●開創 明徳三年(1392年)
●本尊 釈迦如来坐像

相國寺縁起 (相國寺HPから抄出)
十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されました。
幾度も焼失と復興の歴史を繰り返しましたが、現存する法堂は日本最古の法堂建築として1605年に再建され
た物を今に伝えています。夢窓疎石を開山とし、創建当時は室町一条あたりに総門があったといわれ、北は
上御霊神社の森、東は寺町通、西は大宮通にわたり、約百四十四万坪の壮大な敷地に五十あまりの塔頭寺院
があったと伝えられています。

▼総門。
今出川通り御苑今出川御門の向かい、同志社に挟まれて参道があります。




▼境内マップ。
開創時の境内地は約140万坪を擁したといい、現在約4万坪あるそうですよ。




▼放生池の天界橋。
天文二十年(1551年)に相国寺が焼亡した天文の乱はこの橋をはさんで始まったと伝わるそうです。




▼残り蓮かな、咲いているのはこの株だけでした。




▼三門跡。三門は天明八年(1788年)の大火の後再建されていません。




▼法堂参道。




▼法堂(重文)。
単層、桁行五間、梁行四間、切妻造、本瓦葺、裳階付、堂高22m。
初建は明徳二年(1391年)だが四度の火災で焼失、現在の建物は慶長十年(1605年) 豊臣秀頼の寄進での再建、
日本最古の法堂だそうです。




▼法堂。




▼法堂須弥壇。本尊 釈迦如来坐像、脇侍 迦葉尊者 阿難尊者。




▼本尊 釈迦如来坐像。木造、像高110cm 、鎌倉時代。一説に運慶作と伝わるそうです。
遠目で拝見するも漆箔がよく残り、お顔はやや面長で螺髪は大きめ、安定感のある量感は運慶作かなと思い
たくなるほどの本尊です。




▼庫裏。




▼方丈勅使門。




▼方丈覆屋です。このお寺も方丈修復中でした。




▼鐘楼。入母屋造、本瓦葺。天保十四年(1843年)再建。
下への広がり安定感が凄い袴腰を持つ堂々の鐘楼です。




▼経蔵。万延元年(1860年)建立。高麗版一切経が納められています。




▼浴室。慶長元年(1596年)再建。




▼天響楼。もう一つの鐘楼です。
平成二十二年(2011年)夏に建立の新しい鐘楼です。この鐘は中国開封大相國寺で二つ鋳造され、その一つが
日中佛法興隆、両寺友好の記念として寄進されたものだそうです。




▼西参道。




▼塔頭瑞春院。
参道途中に水上勉さんの「雁の寺」のモデルになった瑞春院があります。




▼西参道入り口に建つ西門寺標。




▼聖天閣美術館への道。
昭和59年(1984年) 相國寺創建600年記念事業として相國寺、鹿苑寺(金閣)、慈照寺(銀閣)、他塔頭寺院に
伝わる美術品を受託、保存及び展示公開、修理、研究調査、禅文化の普及を目的として聖天美術館は建設さ
れました。現在、国宝5点、重要文化財143点を含む多くの優れた文化財が収蔵されています。



今、聖天閣美術館では相國寺のエース、伊藤若冲さんの釈迦、文殊、普賢三尊像三幅の展示公開しています。
思えば五年前、宮内庁所蔵若冲さんの「動植綵絵」30幅がここに里帰り、三尊像を含めた伊藤若冲展があり
もの凄い人気、長蛇の列を思い出しました。

その時の感想です。
http://blog.goo.ne.jp/mrslim2/m/200706

結局この日、聖天閣美術館はパスしました。



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