土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

洛北蓮華寺、青もみじの濃い薄い一興です。

2013年06月11日 | 京都の古寺巡り


(2013.06.08訪問)

大原街道 (国道367号) 沿いにある蓮華寺を訪ねました。久々の叡電で、出町から三宅八幡駅下車徒歩スグの
ところにもかかわらず道を間違えました。真っ直ぐ行けばいいものを山側の細道を行ったために、ご近所の
方に聞くハメに。
蓮華寺はミドリ真只中、青もみじが夏の陽光に濃い緑の影を静かに落とし、大きくない境内に鬱蒼の森厳を演出
しています。

▼庭園池。




[ 蓮華寺 ]
●山号 帰命山 (きめいさん)
●寺号 蓮華寺 (れんげじ)
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
●再興 今枝民部近義 (いまえだちかよし)
●再建 寛文二年 (1662年)
●本尊 釈迦如来立像
▲京都市左京区高野八幡町 電話 075-781-3494 
▲拝観料 400円、御朱印300円
▲叡山電車八瀬行 三宅八幡駅下車徒歩5分。
京都バス大原行き 上橋下車スグ。

蓮華寺縁起 (蓮華寺散華から抄出)
蓮華寺は、元西八条塩小路附近にあった浄土教系の古寺で、応仁の乱後荒廃していたのを、寛文二年加賀前
田家老臣今枝民部近義が祖父重直の菩提のために、この地に移し再興したものである。

▼寺石標。



石標写真は旅行ブログ「アイラブ仏像めぐり」を書かれている、ゆうこママさんにお借りしました。
パワフルママの旅行記、訪ねてみてください。http://4travel.jp/traveler/010456/

▼創建当初のままの山門です。




▼鐘楼堂。宝形造、檜皮葺、側面に格子がはめられている珍しい形状の鐘楼、創建当初の姿を残してい
るそうです。




▼ズラリ石仏。山門を入った左に約300体の無縁石仏群。死者弔いの石仏が掘り起こされここに集められた
そうです。




▼井戸屋形。創建当初の姿を残す井戸。湧水があるかどうかは定かに非ず、です。




▼グリーングラデーション! 錦秋にはレッドグラデーション、凄いらしいです。




▼庫裡入口が拝観口。




▼宝物蔵なんでしょうか、庫裡横の土蔵。




▼書院の床と棚。実にシンプルな設えです。




▼客殿からお庭。皆さん静かに観賞中。お一人寝ている方がいました。




▼腰の据わった堂々の蹲。




▼園池。池泉観賞式庭園です。お庭に降りることは出来ますが、回遊は出来ません。



作庭は当寺の有名文化人が協力していると伝えますが、確かな史料はないそうです。

▼園池。手前右が舟石。



作庭者は浄土式庭園を策し、対岸を彼岸浄土、こちらを此岸とし、舟石によりその思想を繋ぐと云います。


▼園池。




▼本堂。創建当初の姿を残しているそうです。




▼本堂正面。どうです、青もみじの映え具合。




▼天井の龍図。昭和五十三年 (1978年) 仏師西村公朝さん画。スンマセン、マナー違反の写真です。




▼本堂から書院。




▼本堂と青もみじ。どうです、青もみじの映え具合。




▼参道から本堂。手前両側に蓮華寺型燈籠。




▼本堂前の蓮華寺型燈籠。本堂参道前左右に、傘が急勾配のユニークな「蓮華寺形燈篭」。



茶人好みというそうですが、茶人も変なものを好むもんですなァ。

▼もう一枚、本堂と青もみじ。




▼御朱印です。




フロクです。
▼高野川で遊ぶガキ、じゃなかった男の子達。




▼今日の出町出会い、午後三時半ごろです。




寺歴は江戸初期の新しいお寺で、作庭や設えで往時の著名人の名前が挙ってはいますが、そういった往時の
文人達のサロン的寺院だったのでは。小さいながらも天台の格をまもりつつ、文人達が残した貴重な遺産を
残していってほしいものです。